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黒鯛の薄造りと刺身の三種盛

Vol.4307

いらっしゃいませ

マクロビオティック(玄米菜食)を

基本に据えた 

“身体に優しい美味しい日本料理”

を信条とし 

天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を

こよなく愛す

【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の

志村弘信です



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今日(2月23日)は

黒鯛の薄造りと

刺身の三種盛について

お話しします 


「 今日のランチの刺身

んまそう~🤤

内容は?」 

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と、ミニふぐちゃん



「黒鯛(くろだい)

尾赤鯵(おあかあじ)

湯葉の三種盛だよ」

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と、答えると 

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG0875-1.jpg


「昨日は

黒鯛の薄造りだったけど

どうして違いがあるの?」 


「昨日、薄造りにしたのは

魚市場で仕入れた

活きた黒鯛だったからだよ」 


「じゃ、今日は

薄造りには

出来ないの?」 



「出来ないわけじゃないんだけど

正確に言うと

不向きってことかな」 


「不向きって・・・?」 


「魚の種類にもよるけど

薄造りにする時って

身が活きた状態

要は、活〆にしてから

時間が経っていない状態じゃないと

歯応えが味わえないんだよ」 


「時間が経つと

どうなるの?」 


「時間が経つと

歯応えがなくなる代わりに

旨味が出てくるんだよ」 



「じゃ、どっちが

美味しいの?」 


「好き好きだから

どっちがどうとは

言えないね。」 


「そうなんだぁ~

あと、オアカアジって

言ってたけど

これはいつ仕入れたの?」 




「尾赤鯵も昨日なんだけど

酢で締めてあるから

今日の方が

味が馴染んで

美味しいんだよ

折角だから

黒鯛も尾赤鯵も

仕入れの様子を話そうか?」 



「わぁ~い♬」 


ということで

昨日の沼津魚市場です


🐟黒鯛


黒鯛は、産卵が近づく

冬から春にかけて

脂が乗り

浅場にも出て来るので

入荷が増えてきます 




昨日の黒鯛は

いわゆる地物で

この中から仕入れたのが

2,3キロのものでした


黒鯛のサイズとしては

やや大きめになります


生簀から取り出したら



動かないように

目を隠します





えらと


尾の付根に

包丁を入れたら



血抜きのため

氷を入れた海水で

一気に冷やし込みます


しばらくしたら

海水から上げます 


氷を入れておくのは

締めた時に

体温が上がり

それによって

身が焼けるのを防ぐためです 


身が焼けると言っても

加熱されるわけではありません 

身が白濁したり

柔らかくなってしまい

使いものにならなくなってしまいます


🐟尾赤鯵(おあかあじ)


尾赤鯵の漁場(ぎょば)は

沼津近隣で

大型船の巻網漁で

水揚げされたものです



尾赤とあるように

尾をはじめ

ひれが赤いのが特徴で


正式には

オアカムロと呼ばれています


競り前の仕分け中だったので

好みのものを選り

3,5キロを

フライングゲット 



毎回毎回、フライングゲットが

出来るわけではありませんが

「早起きは三文の得」

「早いもの勝ち」

とあるように

市場に早く来ることが

美味しい料理の近道なのは

言うまでもありません 


「っていう感じで

仕入れて来たんだよ」  



「そうなんだぁ」


沼津魚市場は

他所から送られて来る魚だけでなく

漁港が併設されている魚市場なので

地魚を仕入れるという

合わせ技が為せるのです



いわゆる朝獲れの魚の中には

マイナーな魚も多く

魚屋ですら

その味を知らない魚も

多いのです 

なので、自分のように

変わり種を仕入れていると

奇異の目で見られることも

珍しくありません


そういう時に言うのが👇

折角、魚市場に来ているんだから

変わり種を仕入れて

その美味しさを

お客さんに伝えるのも

ありだと思っているからね



魚屋は、品揃えというハードルがあるので

万人受けして

それなりの量を扱わなくてなりません


しかしながら

自分の場合

気に入った魚を

気に入った分

使い切れる分だけを

仕入れれば

事足ります


もっと言えば

お客様のことだけを

考えておけば

いいだけのことなのです 




食べることが出来る魚の種類は

恐らく天文学的な数字レベルのはずで

美味しくない魚を探すのは

難しいとも言われています


日本料理が魚菜食文化である以上

多くの魚の魅力を伝えるのが

料理人の役目で

それと同時に

魚を獲ってくれる漁師だけでなく

野菜の生産者たる農家

つまり、一次産業の

代弁者でなくてはならないのです


「相変わらず

熱いねぇ、親方は・・・♬


その想いが

余りに余って

ついついおかず行きなんだよね」



「何だかんだ言っても

自分が食べなきゃ

説得力ないじゃん

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この尾赤鯵じゃないけど

味と値段が比例しない魚って

意外と多くて

さっきの話の繰り返しになるけど

その美味しさを伝える使命が

料理人にはあるんだよ」 



「なるほどねぇ

でも、美味しさが広まって

値段が高くなったら

仕入れが困るんじゃね」 



「ただ、ある程度

高くならないと

漁師が困るじゃん

さっきも言ったように

漁師の代弁者に

ならなくちゃならないんだよ

料理人は!」 


「そっか~」  


明日は土曜日ということで

沼津魚市場は休みなので


早起きをしなくて済むのが

ひと安心です




「今日の娘ちゃんランチは

天ぷらじゃん🤤

そんじゃ、また明日🐡」

by ふぐとらちゃん 

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