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幸福な時には、ふぐ

先週は、志村家の家族それぞれに、ちょっとばかり良いことがあったので、昨日の夕飯に、

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ふぐを食べました。幸福な時には、ふくとも呼ばれるふぐ。何と素晴らしい言い回し。ちなみに、このふぐは、三重県産の天然のとらふぐでした。

 

下の娘は、

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ふぐ刺が、一番のお気に入りです。写真NGの上の娘は、ふぐ刺はさることながら、ふぐちりがお気に入りで、中でも、
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くちばしの部分に、目がありません。これ以外の部分も、食べるのですが、その度に、「ふぐは、お鍋が一番だよね。唐揚は、本当の味が分からないしね。」と、言います。さすが、自称“富士市でふぐが一番好きな料理人”の娘にして、恐るべし、DNAの力。

 

そうこうしていると、

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白子も焼き上がり、熱燗もいい具合に・・・。となれば、

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King of ふぐ料理”の出番です。さらに、鍋には、

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アラを、追加で投入し、しばらくすると、

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こんな風に、プリップリッ。真空して、冷凍してあったものでも、こんな風に仕上がるのは、さすが天然のとらふぐ。本物は違います。これまで、何度もお話ししているように、【佳肴 季凛】では、一年を通じて、ふぐ料理が召し上がれるように、このように仕込んでいるのです。

 

ところで、上の娘は、小学6年生ですが、これまで何度もふぐを食べているので、先程のようなことを言うのは、至極当然のことで、前回の記事で、養殖のとらふぐを試食したことをお話ししましたが、その時に、言ったのが、「このふぐは、味がしないし、いつものふぐとは違う臭いがするね。」でした。

 

刺身では、状態によっては、それほどわかりませんが、加熱することで、その違いは、はっきりと現れます。加熱することで、素材の水分が抜け、旨味とか本来の味が残るのです。これは、ふぐに限ったことではなく、どんな魚にも当てはまることで、当店で【贈答用西京漬】に使っている銀鱈も然りで、以前、養殖の銀鱈についてお話ししたときにも、同じことを書いたことがあります。

 

そんな風に、味が抜けたというか、旨味を感じることが出来ないものをお出しして、美味しく感じるというより、美味しくなったように錯覚させるために使うのが、旨味調味料とか、化学調味料で、商品の名前が会社の名前になっている白い顆粒を使うのです。言うまでもありませんが、【佳肴 季凛】には、ありません。

 

ですので、

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ふぐちりには、

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北海道産の昆布と伊豆産の干し椎茸の足で取った 出汁を使っています。淡白な味ですが、天然のとらふぐの味を最大限に引き出す脇役です。この出汁に、粗塩、日本酒、薄口醤油を加え、

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鍋に注ぎます。これが、養殖のとらふぐだったら、例の顆粒を加えます。

 

お話しが少し逸れてしまいましたが、宣伝文句では、さとうきびから作った天然素材と謳っていますが、それこそ化学的に合成されたもので、自然素材ではありません。これを使うと、どんなものでも同じ味になるだけでなく、味覚障害を生んでしまい、淡白な味の違いを見分けることが不可能になってしまいます。

 

本当かどうかは分かりませんが、そのような調味料は、麻薬のような常習性を生んでしまうような説もあるようで、自分もそう思いますし、そうでなければ、冷凍食品をはじめとする既製品が作られ、売られているわけがなく、成分表示を見ると、必ずアミノ酸、つまり自然で無いものが添加されているのです。

 

また、養殖ものは、味だけでなく、独特の臭いがするのです。そうなるのは、餌に原因があるのです。とらふぐに限らず、養殖の魚は、死んだ魚や飼料を食べるので、独特の酵素臭が出てしまうのです。一方、天然の魚は、活きた魚や自然のものを食べるので、どこまでいっても、そのようなことはありません。

 

だからといって、自分は養殖というものを否定するつもりはありません。天然ものでは賄いきれないのは、事実ですし、そういう技術も必要だと思います。商売とか経営面から見て、養殖ものを使うのは、間違ってることとは思いません。

 

こういうものを食べて、美味しく感じるのは、人それぞれで、“蓼食う虫も好き好き”ではありませんが、自分には、とやかく言ったり、否定する権利もありません。ただ、食べた人の好み、憶測、偏見だけで、真実が分からないままに、判断するのは、かなり危険なことですし、真っ当な人間のすることではありません。

 

自分は、本物の美味しさを、沢山の人に知ってもらいたいだけでなく、日本料理の素晴らしさを、後世に伝える使命を、感じているので、このスタイルを貫くだけです。

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