東京日帰り旅行(御茶ノ水編)
今回のお話しは、前々回のお話しの続編にして、東京日帰り旅行の最終回です。
銀座から、地下鉄丸の内線に乗り、
御茶ノ水で、下りました。
外に出たら、
母校である明治大学を通ったのですが、
自分の学生時代の校舎の面影は一切なく、
校舎というよりは、高層ビルと化し、
カフェなんぞが、テナントとして入っており、かつてはバンカラのイメージが強かった大学とは思えないくらいでした。
また、自分が通っていた頃は、学生運動の名残というか、末裔の学生達が書いた立て看板もあり、現在の学び舎を見ると、タイムスリップした感すらした次第です。
そんな母校を尻目に向かったのが、鮪屋の社長と食事をするため、
予約をしておいた『山の上ホテル』で、『山の上ホテル』は、“文化人の定宿”としても知られており、アールデコ様式の建物がレトロな雰囲気の老舗ホテルです。
学生時代、『山の上ホテル』のことは知っていましたが、館内に入ったことはなかったものの、所謂シティホテルとは全く違う趣が気になっていました。
そんな想いを持ちながら、卒業したのですが、訪れる機会は、卒業してから、間もなくのことで、想いというものは、不思議と通ずるものです。
学生時代の鮨屋でのアルバイトをきっかけに、料理の道に進んだ自分は、かねてから、カウンターで天ぷらを食べたいという思いがあり、常連のお客様に、おすすめの店を訊いたところ、『山の上ホテル』の天ぷら屋がおすすめと教えてもらい、その機会が訪れました。
それ以来、東京にいた頃だけでなく、東京を離れても、何度か食事をしていることもあり、20年来のファンでもあります。
館内は、
外観同様、
レトロな雰囲気は、
明治時代の貴族の邸宅を彷彿させてくれ、久々の訪問を喜んでいました。
そうこうしていると、鮪屋の社長もやって来て、
『天ぷらと和食 山の上』の暖簾をくぐりました。
先ほどお話ししたように、こちらの看板料理は天ぷらで、都内の個人の天ぷら屋の職人さんの中には、“山の上ホテル卒”の方達が多く、そういう意味では、天ぷら屋さん予備校と言っても過言ではありません。
さらに言うと、その美味しさを引き立ててくれるのが、老舗ホテルならではのサービスで、同業者として、見習うべき点も多く、自分にとっては、お客様とお店という両者の立場になれる場所でもあるのです。
席に着くと、
先ずは乾杯。
とは言え、新橋と銀座で、一次会、二次会と済ませた自分にしてみれば、三次会ですが、今回の日帰り旅行の目的が、この食事というか、会食でした。
というのも、開店以来、取引をしているので、鮪屋の社長とは10年の付き合いになるのですが、発注をはじめ、いわゆる業務連絡で終わってしまうのが、普段のことで、踏み込んだ話や雑談をするのは、これまでに一度しかなく、それもかなり前のことで、その時の様子については、こちらをお読みください。
ビールで喉を潤した社長は、
焼酎の水割りにシフトし、
自分は熱燗に。
そして、熱燗をつけている酒器が、錫(すず)の銚釐(ちろり)こそが、ここのファンになって理由の一つでもあります。
錫の銚釐は、熱燗を味わうには、もっとも適している酒器で、日本酒がまろやかになりるだけでなく、このサイズのもので、1個1万円以上するので、陶器のものよりも、価値があるのです。
ちなみに、一年365日熱燗派の自分も、
マイ銚釐を持っており、愛用しています。
さらに言うと、『佳肴 季凛』で燗酒をお出しする時も、使いたいのですが、数を揃えなくてはならないコスト面をはじめ、諸々の理由で諦めていますが、「いつか・・・」という想いはあります。
それでも、これまでに常連さんには、何度かお出ししたことがあり、日本酒好きで、銚釐を知っている方には、喜ばれているので、ご来店の際、機会があれば、お声を掛けていただけると、幸いです。
全くの同い年にして、独立したのも、一年違いですので、話題に事欠かず、当然、
この日の史上最高値をつけた“3億円の本鮪”についても、話題になりましたが、それについては、あえてここではお話ししません。
ただ、沼津魚市場でセリの様子を見ているだけでなく、天然のとらふぐを、全国の魚市場で仕入れている自分としては、“3億円の本鮪”についての顛末については、納得することが多くありました。
料理の写真は、そっちのけですが、
コースの天ぷらとは別に頼んださつま芋の天ぷらは、特筆もので、揚げ上がるまで、50分を要す天ぷらです。
ここに来ると、必ず注文し、機会があれば、是非召し上がっていただきたいもので、天ぷらなのに、デザートのような感覚で、しかもブランデーを掛けると、大人の味わいになります。
そして、食事の天丼、
デザートで〆となり、食事会というか飲み会が終わりました。
そして、『山の上ホテル』と出て、御茶ノ水の駅前で別れ、自分は、東京駅に向かったのですが、
東京駅構内の売店で、四次会用の段取りを整え、
真由美さんと次女に、合流。
新幹線が出発すると、
今日の反省会ということで、独り四次会を始めました。
当然、隣にいた真由美さん達が、他人の振りをしていたのは言うまでもなく、そんなこと、お構いなしで、四次会を楽しむこと、1時間。
新富士駅に着き、
新春の東京日帰り旅行が、無事に終わったのでした。
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毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
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