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HOME ≫ ブログ ≫ 活締め、神経&血抜きの平鱸(ひらすずき)

活締め、神経&血抜きの平鱸(ひらすずき)

Vol.4179

いらっしゃいませ 


マクロビオティック(玄米菜食)

基本に据えた 

“身体に優しい美味しい日本料理”

を信条とし


天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を

こよなく愛す

【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の

志村弘信です。

今日(10月18日)は

活かしの平鱸(ひらすずき)について

お話しします。


今朝、沼津魚市場から戻って来ると


「おはよう、親方🐡

市場に行ったの久々じゃね?」

と、ふぐとらちゃん。

「おはよう🐡

5日振りだから

ほぼほぼ一週間って感じだね。」

と、伝えました。 


「アジを仕入れたんだね。」

「今日のは、福岡産。」


「モスって・・・。

もしかして

モスバーガー|トナリエつくばスクエア

このモス?」

「あはは・・・

そんなわけないじゃん。」

「そうだよね。

ハンバーガーと魚市場じゃ

水と油みたいだしね。」

「で、これが

モス。」

「っていうか

スズキじゃね?」

「いや、標準和名(正式名)で

平鱸(ひらすずき)っていう魚だよ。」

「ヒラスズキと

モスって

何の関連もないけど・・・。」

「自分も沼津の市場に行くまでは

ずっと平鱸って呼んでたけど

初めて見た時

不思議だったよ。」

「親方もそうだったの?」

「そりゃそうさぁ~。

三重の一部でも

モスって呼ぶんだけど

知り合いの魚屋に訊いたら

こんな返信だったよ。」

「どこも一緒なんだぁ。」

「30年くらい前

東京で仕事をしていた頃

当時の築地の市場じゃ

ノブッコって呼んでたよ。」

「ノブコちゃん?(笑)」

「鱸の小さいのを

フッコ(福子)って呼ぶんだけど

それをアレンジしたものじゃないのかなぁ。」

「まぁ、魚の名前って

変わっているよね。

で、活きたヒラスズキってことは

刺身用なの?」

「そうだよ。」

「あとさぁ、スズキの味とは違うの?」

「そりゃ、違うさ。

じゃあ、さつま芋と里芋って

どっちも芋だけど

同じかな?」

「そっか~、そうだよね。

で、どっちの方が

味が良いの?」

「平鱸だよ。

平鱸は外洋の磯魚で

内湾や河口に棲む鱸と違って

クセが少ないんだよ。」

「へぇ~。

じゃあ、いつが旬なの?」

「秋から冬だよ。」

「じゃあ、これからが

シーズンってことじゃん。」

「そういうことだね。」


ちなみに、今朝の平鱸は

地元の漁師が水揚げした

いわゆる地物で


それを

活かしたまま

持ち帰ったものです。


「スズキとは

どこが違うの?」

「その前に締めるから

離れていてくれるかな?」

「はぁ~い♬」 

スチロールから取り出したら

暴れないように

顔を覆ったら


頭の付根に

包丁を入れ

血抜きのため

海水へ。

その後

死後硬直を遅らせ

鮮度を保つため

脊髄に針金を通し

神経を抜いておきました。


また、氷が入っているのは

締めた時の体温上昇によって

身が焼けてしまうのを

防ぐためです。

身が焼けると

白濁するだけでなく

ブヨブヨの身になってしまい

使い物にならず

白太(しらた)とも呼んだりもします。

「鱸(すずき)は細長いけど

平鱸は

名前の通り

平(ひら)たいよ。」

「あとは?」

「胸びれが黒いところかな。」

「じゃあ、スズキはどうなの?」

「鱸は白だけど

比べるものがないから

15年前に書いたブログを読んでごらん。

これね👆」

「読んだよ。

はっきり違うね。

それにしても

15年も前からブログを書いているって

改めて、それには頭が下がるよ。」


「魚っていうより

魚菜食文化の日本料理の

魅力を伝えたいのが

一番の目的かな。

あとは、ちゃんとした食事を

店でも家庭でもして欲しい思いもあるね。」

「そうなんだぁ。」

「分かりにくい説明だったりしたら

手直しをするから

言ってね。」

「うん。

素人目線で言わせてもらうね。」 

海水から出すと

鱗(うろこ)を

取らなくてはなりません。

鱗取りをしてくれるのは

女将兼愛妻(!?)の真由美さんです。


「おはよう、真由美さん♬」


「ふぐとらちゃん、おはよう。」



「ヒラスズキって

知ってた?」


「知らないよ。

多分、初めて見たんじゃないかなぁ。」



「こうやって仕事をしていると

色んな魚を見るだろうけど

どれくらい知ってる?」

「そりゃ、アジ、イワシ、秋刀魚の

違いくらい分かるけど

他の魚なんて 

ぜ~んぜん・・・。」



「一度見たら

覚えているの?」

「そんなわけないじゃん。

でも、初めての魚の時は

親方が味見させてくれるから

その方が楽しみだったりして・・・😋」



「そっち!?

でも、僕達もそうかもしれないなぁ♬」 

鱗を取ってもらったら

手直しをし


片身だけ卸しました。

血抜きはしたものの


中骨に

少しだけ残っているので


針金を刺すと


いくらか血が

出て来ました。

「ここまでするんだぁ。」


「骨付の方は

このまま氷詰めしておくためだよ。

血って内臓と同じで

残っていると

生臭くなるし

こうすると、長持ちするんだよ。」

「へぇ~。」

卸した身は

腹骨を欠き

キッチンペーパーをかぶせてから

冷蔵庫へ。 


骨付の方は


キッチンペーパーに包み

弱めの真空パックをして

氷詰めにしておきました。

「こういう風にするのは

どうしてなの?」


「氷詰めすると

凍らない0度だから

食品中のすみずみまでに

水分が行き渡るんだよ。

氷温状態の食材は

凍るまいという根性で

細胞内のでんぷん、たんぱく質を分解して

不凍物質を作り出し

この不凍物質には

遊離アミノ酸類、糖類とかの

うまみ成分が増えるから

味が良くなるんだよ。」


「へぇ~。

そんな効果があるんだぁ。」


普通に並んでいる魚も

自分好みのものを選ぶとは言え

気に入った魚を

活きた状態で見つけ

その下処理から出来るのは

料理人冥利に尽きます。

それこそが

魚市場に出向く

一番の醍醐味なのです。


「明日はお弁当があるんだね。

そんじゃ、また🐡」 by 熱血君 


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