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肩星鰯(かたぼしいわし)のような小魚が好きな理由

Vol.4314

いらっしゃいませ

マクロビオティック(玄米菜食)を

基本に据えた 

“身体に優しい美味しい日本料理”

を信条とし 

天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を

こよなく愛す

【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の

志村弘信です




今日(3月1日)は

肩星鰯(かたぼしいわし)に限らず

小魚が好きな理由について

お話しします 





今朝、沼津魚市場に行くと

沼津市西浦の

定置網漁船・冨久豊丸(ふくほうまる)が

水揚げをしているところでした




台の上に乗っているのは

鯵(あじ)です 



鯵以外で

目に付いたのが

肩星鰯(かたぼしいわし)でした



朝獲れと言うより

今朝獲れですので

死後硬直はしていません 



鱗(うろこ)も

びっしり



好みのサイズを

1キロ分

選(よ)り



【佳肴 季凛】に戻ると

ミニふぐちゃんがやって来ました


「おはよう、親方🐡

カタボシイワシ、久々じゃね?」 



「どうかなぁ

ただ、ここ最近

水揚げが増えてきたような

気がするけどね」  


「親方って

こういう小魚

意外と好きじゃね?」 



「そうだね

色んな意味で好きだよ」 



「色んな意味って?」 


「料理の道に

転んだきっかけが

鮨屋だったことかな」


「鮨屋と小魚って

どういう繋がりなの?」 



「鮨屋って、最初に

貝類とか小魚の仕込みを

覚えなくちゃならないんだよ」 



「寿司を握る前に?」 



「そうだよ

鮨ねたが無きゃ

握れないじゃん

だから、その前に

魚の仕込みを

覚えなくちゃならないんだよ」



「言われてみれば

そうだよねぇ

で、どうして

小魚とかが

最初なの?」 


「包丁を使う

基本の仕込みだからだよ」



「へぇ~」


「特に、貝類は

開き方、下処理が

それぞれに違うからね

お陰で

貝類の仕込みって

ほぼほぼ覚えたよ」 



「鮨屋で使う貝類って

沢山あるよね?」



「主なところだと

赤貝、青柳(あおやぎ)、鮑(あわび)

北寄貝(ほっきがい)、鳥貝(とりがい)

海松貝(みるがい)、白みる

帆立(ほたて)、平貝(たいらがい)、蛤(はまぐり)

知っているとは思うけど

鮨ねた以外にも

貝類は沢山あるからね」 



「アサリとかでしょ?」 



「そうそう

貝類の話は置いといて

鯵、小肌(こはだ)とかの

仕込みを覚えたら

穴子を覚えて

その後に

普通の魚の三枚おろしを

やらせてもらえるようになるんだよ」 



「そんなに順番があるの!?」 


「そうだよ

で、最後が

鮪(まぐろ)の柵取り」 


「長っ!」 


「あくまでも

鮨屋の話だよ

和食っていうか、日本料理は

こういう小物を

沢山使うことは少ないからね」 



「そうなの!?」 



「鮨屋と和食って

似ているけど

実は、別物なんだよ」 



「ふぅ~ん」 



「鮨屋時代の先輩に

『お前は鮨屋が

最初だったから

細かい仕事に

抵抗が無いんだよ』

って言われたことがあるんだけど

確かにそうなんだよ

『だから、フグ類の

水洗いも嫌がらないんだよ』

とも言われたよ」 



「フグって

親方の仕込みしか

見たことないから

よく分かんないんだけど・・・」 



「とらふぐに限らず

ふぐ類って

身欠(みがき)って言って

卸した状態のものが

売られているんだよ

だけど

人が触った魚を扱うのは

たぁ~っまんなく嫌だから

仕入れることはしないけどね」 


「言われてみれば

どんなに小さいフグでも

そのまんまを仕入れているもんね」 


「小物の仕込みが

料理人としての始まりだから

それをパスするってことは

自分自身を否定するようなものだから

それは出来ないんだよ」 



「へぇ~

人に歴史あり

って言うもんね」

「ってことだから

仕込みを始めるよ」 


「はぁ~い♬」  

 

肩星鰯は

鱗を取ったら




頭を落とし



はらわたを取ります



鱗が残っていることもあるので

丁寧に水洗いをしなくてはなりません


その後

三枚に卸すと


鮮度バリバリですので

中骨が

そり返っていました


「こんなの初めて見たよ!」

「実は、自分も初めてなんだよ」


「マジで!?」 


「でも、自分が仕入れた魚が

ここまで新鮮だと思うと

してやったりの気分だね」 



「👏👏👏」 




卸し終えた身に

塩をあてること20分


塩が溶けたら

水洗いします

二番酢(一度酢〆に使った酢)に

くぐらせたら

新しい酢に漬けること5分


酢から上げたら

昆布で挟んでおきました



「これはこれいいんだけど

さっきよりも

量が少なくね?」 



「あはは、バレた?」 


「そりゃ、わかるでしょ」 



小さめのところを

たたきにして


昨日仕入れた

葉血引(はちびき)と共に

オン・ザ酢飯



昨日の葉血引については

こちらを👇



「やっぱ、こう来たか・・・🤤

真由美さんは

食べ過ぎちゃうから

別盛なんだよね

しっかし

親方の盛が凄過ぎ!」


「この時間(2時過ぎ)まで

特に食べていないからね」


「そうかもしんないけど・・・。」

「今夜の予習だよ」

「予習!?」



そして、今夜の会席料理の刺身👇

葉血引、肩星鰯、湯葉の

三種盛です




「確かに、予習だけど・・・」

「でしょ」


「湯葉は抜きにしても

こういうのが

地魚の刺身だよね


それもだけど

今日のお昼こそ

地魚丼だね」



「まぁね

折角、魚市場に

自分で行っている以上

鮮度バリバリの魚を仕入れて

魚の美味しさを

知って欲しいからね」 


今朝の肩星鰯に限らず

魚市場で仕入れるのも

料理人としての原点でもあります


最初の鮨屋は

今は無き築地に

仕入れに行ってました


当時は、注文した魚を取りに行くのが

基本でしたが

そういう中でも

自分の練習のために

色んな魚を仕入れたものです 


その時も

店で使わないような

小物が殆どでした


仕入れることも

仕込むことも

小物が原点で

今でも、その習慣は

変わりません


“三つ子の魂百まで”

“雀踊り百まで忘れず”

とは、よく言ったものです 


そういう気持ちと姿勢を

忘れることなく

日々の仕事に

臨み続けます 




「明日はお弁当があるんだね

そんじゃ、また🐡」 

by 熱血君 

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