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もっとおいしいお話し

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”ショウサイフグ”でなく・・・

 2月も半ばを過ぎると、ふぐ(特にとらふぐ)の入荷も少なくなってきました。今朝の沼津の魚市場には、とらふぐは一本だけでした。
 そんな今朝の入荷状況でしたが、活魚のセリ場の生簀に、こんなふぐが入荷していました。こういう珍しいふぐがいる時は、「早起きして、富士市から沼津の市場まで来た甲斐があった。」と思い、小躍りしたくなるものです。
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 札には、こんな風に”ショウサイフグ”と書かれていました。ちなみに、この写真は、”佳肴 季凛”に戻ってきてからのものです。
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 ”ショウサイフグ”は入荷量の少ないふぐ(特に活きたまま)です。また、自分も食べたことがないので、仕入れてみました。
 ”ショウサイフグ”のように普段目にしないふぐを扱う時は、万が一があるといけないので、こんな本を必ず開くことにしています。
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 いろんなふぐの特徴が書かれています。有毒な内臓の部位、有毒なふぐの種類に関する記述を確認するための手引き書で、ふぐ免許の試験の時に、買ったものです。
 自分の記憶の中では、”ショウサイフグ”は、ふぐ特有のトゲがないのですが、この”ショウサイフグ”には、トゲがあるのです。ということは、”ショウサイフグ”ではないことになります。新種のふぐ!?
 ふぐには、似たような姿、形をしているのも多く、その時は、ひれの形状やトゲの有無を見ながら、確認するのです。そうして、確認したところ、このふぐが、”コモンフグ”というふぐであることが分かりました。
 何故、こんなことになるのでしょうか?
 ふぐは、その地方ごとによって、呼び名が変わることが非常に多い魚なのです。だから、こういうことになるのです。ただ、ふぐの場合、命に関わることなので、本来は呼び名を統一する必要があるべきなのですが・・・。
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 これが、”コモンフグ”に関する記述の一部です。赤線を引いてあるのは、試験勉強の時のものです。
 ”一般には食用とはしない”と書かれています。食用可能なふぐなのですが、三陸の一部で獲れる”コモンフグ”は、食用禁止とされているのです。つまり、ある海域では有毒で、ある海域では無毒ということです。
 この”コモンフグ”は沼津産なので、食べられることは出来るはずですが、もしかすると、毒があるかもありません。
 食べて、お腹の具合が悪くなる程度なら、いいのですが、身体がしびれて、命を落としたら、シャレにもなりません。
 ですから、今日は、卸さずに、そのまま処分しました。先日の”ふぐの白子”のお話しのようなことも、あるからです。
 ちなみに、”ショウサイフグ”は食用可能なふぐです。今度入荷したら、仕入れて来るつもりです。また、もう少しすると、”アカメフグ”や”ヒガンフグ”といった変り種のふぐも、入荷してくるので、機会があれば、是非試してみて下さい。

マクロビオティックのチョコレート

 今日は、2月14日。バレンタインデーです。バレンタインと言えば、チョコレートです。
 普段から、素行の悪い自分は、義理チョコすらもらえません。ということはないのですが、「親方がチョコレートなんて、食べるわけがない。」、「甘いものは、食べなそう。」と言われるので、あまりもらう機会がないのが、実際のところです。
 事実、志村家の女性陣(妻、娘たちの3人)にも、「パパは、チョコよりも、お酒の方がいいよね?どうせ普通のチョコレートなんて、食べないしね。」と言われています。
 普通のチョコレート。
 ・・・・・。ということは、”普通でない”チョコレートがあるってこと?
 そうなんです。世の中には、自分と同じ位変わったというか、”普通でない”ものがあるのです。勿論、チョコレートもです。
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 これが”普通でない”チョコレートです。何がどう”普通でない”のでしょうか?
 ここからのお話しは、想像がつくことと思います。
 オーガニックのチョコレートです。このチョコレートは、アメリカから輸入されています。
 中を開けてみます。それぞれ、微妙に色が違います。
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 またカカオの含有量が、どれも高いので、ただ甘いだけのチョコレートではありません。
 左上のが”コナカド”、その隣が”へーゼルナッツ”、手前左が”ミルク”、その隣が”ローズベリー”です。ご覧のように、”DAGOBA”と書かれています。詳しい説明は、こちらを
 
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 どれも美味しいのですが、この中でも、自分の一番のお気に入りは、黄色いラベルの”へーゼルナッツ”と”コナカド”です。普通のチョコレートと違って、後味がすっきりしているので、つい食べ過ぎてしまいます。
 この”DAGAOBA”のチョコレートを売っているのが、”もっと美味しいお話し”に度々登場する、富士宮市にある”富士グリーン”さんです。
 今日、”佳肴 季凛”で使う食材と一緒に配達してもらったのですが、「このチョコレートどうするんですか?ランチのデザートを作るのに使うんですか?」と聞かれました。
 「自分で食べます。やっぱ普通のは美味しくないし・・・。」と答えたのですが、この会話のやりとりを聞いていた妻の真由美さんは、「これだもん、普通のチョコレートをあげても、しょうがないじゃん。ねぇ 富士グリーンさん?」と同意を求められると、富士グリーンさんも、「分かるような気がします。」
 どんなものであれ、美味しくて、身体にやさしいものを食べることは、料理人として、大事なことだと、自分は思っていますし、美味しいものを食べなければ、美味しいものを作ることは出来ません。
 それも料理人としての修業ですし、”料理人は一生勉強”とも言われる所以だと思います。
  志村
 
 
 
 
 

のれそれ

立春を過ぎると、段々と春の魚が入荷してきます。先日も入荷していたのですが、ここ最近は全然なかった魚がこちらの”のれそれ”です。
 ”のれそれ”というのは、穴子の稚魚の名称です。この”のれそれ”は愛知産です。
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 ?????
 真っ白です。写真の撮り損ないではありません。こちらがその姿です。
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 左側に目がついているのですが、このままでは分からないので、もう少し近づいて見ます。
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 ”のれそれ”については、以前のブログ”美味しいお話し”で、去年の今頃、お話ししているので、詳しくは、こちらを。
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 そのまま盛り付けて、ポン酢ともみじ卸しで、食べるのが一般的です。こんな感じで春が、段々と近づいて来ました。市場に行くことで、自分は季節を感じる不思議な生き物です。
  志村
 追伸 ここ最近入荷する鮪は、産地がまちまちで、そんな産地の違いも自分には新鮮です。
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 こちらが、本日入荷した長崎・壱岐産の本鮪です。

藁で燻します。

 以前、金目鯛のお話ししたことがあります。
 その時、”藁で燻す”とお話ししましたが、あいにくその時は、仕込みの都合で写真を撮ることが出来ませんでした。ブログをご覧になったお客様にも、「秘密にするなんて、親方らしくない。」と言われてしまいました。
 今日は、写真に撮ることができたので、ご覧下さい。
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 先ず、藁を用意します。これに火をつけます。その後、火が消えると、煙が上がってきます。
 この時、串打ちした金目鯛を、煙の中で燻します。
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 皮目、身の両方を燻しますが、身を中心に燻します。長い時間、燻していると、火が入ったしまい、出来損ないの焼魚になってしまうので、注意します。
 身の方が、軽く火が入ったような感じになったら、もう一度、藁を足して、火をつけます。その火が大きい時に、皮目を燻すのではなくて、炙ります。
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 串を抜いて、冷蔵庫で自然と冷まします。料理の写真は、先程のリンクから、ご覧下さい。
  志村
 

マクロビオティックのカレー

 久しぶりに、カレーライスを食べたくなったので、昨日、仕込みの合間をぬって、カレーを作りました。普通のカレーには、肉が入りますが、マクロビオティックが基本スタイルの自分のカレーには、当然、肉類は入りません。
 また、ルーも市販のものを使うのですが、このルーもマクロビオティックのルーなのです。
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 違いは裏を見れば、お分かりいただけると思います。
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 このルーは、植物性のものを中心に作られています。普通のスーパーで売られているルーには、ポークエキスとか、チキンブイヨンなどの動物性のものが入っています。
 当然のことながら、普通のスーパーにはないので、自然食品や健康食品を取り扱っているお店で、買わなければなりません。自分は富士宮市にある”富士グリーン”さんで、買ってきます。
 カレーは、どこの家庭でも作る料理ですが、市販のルーを使っても、美味しく作れるコツがあります。
 ルーを、2種類以上入れるのが、先ず一つです。これは、多くの方がやっているはずです。カレーのルーだけでなく、ビーフシチューかハヤシライスのルーを少し(3分の1程度)入れると、さらに美味しくなります。
 ちなみに、洋食屋のカレーには、ビーフシチューやハヤシのベースとなるデミグラスソースが、入っているのが一般的です。
 煮込む時に、赤ワインとホールトマト(トマトピューレやトマトジュースでも可)を、目一杯いれます。
 
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 具も出来るだけ大きく包丁します。
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 玉ねぎは、煮込んでいるうちになくなってしまうので、半分のままです。人参もこんな感じです。
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 ちなみに、この人参は、”もっと美味しいお話し”に、ここ最近登場している”百姓屋つぐみ”さんのものです。無農薬、有機栽培のものです。この人参は、ごく普通の品種なのですが、生で食べると、香りが非常に強く、お世辞抜きに美味しいです。
 さらにこのカレーには、”百姓屋つぐみ”さんの大豆も入ってるので、肉類がなくても、たんぱく質を摂ることが出来ます。
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 あとは、強火で一気に煮込みます。その時、出てくるアクを丁寧にすくって下さい。この手間だけで、味が数段良くなります。
 具の煮え具合を見計らって、ルーを入れるのは、普段どおりとかわりません。その時に、隠し味にマンゴーチャツネ(ジャムのようなものです。)や、味噌を入れると味に深みがでます。特に、塩気が足りない時には、味噌で補うと美味しくなります。
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 御飯とカレーを盛り付ければ、”身体にやさしい、美味しいカレー”の出来上がりです。マクロビオティックのカレーでですから、当然御飯は、雑穀御飯です。
 肉入りのカレーを食べている人には、物足りないかもしれませんが、沢山食べても、”重い”なんてことはありません。たまには、こんなカレーもいかがですか?
  志村
 

やっぱり市場

 今日は、”佳肴 季凛”は定休日だったのですが、明日は沼津の魚市場が休みということもあり、仕入れに行って来ました。市場に行く時は、朝4時過ぎに起きます。
 ”佳肴 季凛”のある富士市から、市場までは、40分ほどかかります。5時過ぎに市場に着いたのですが、この時季はまだ”夜”です。
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 魚市場の朝というか、夜明けは早く、魚を積んだ船が、入港して来ます。
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 この船は、鯵(あじ)を水揚げしていました。
 先程お話ししたように、今日は定休日なので、時間を気にする必要はないので、久しぶりに鮪のセリ場に行ってみました。
 すると、発砲スチロールの山でした。
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 数にして、百は超えています。その中は”キハダマグロ”の若魚の”キメジ”です。一本の大きさは、10キロから15キロの魚です。
 そんな様子を眺めていると、活魚のセリの開始のアナウンスが流れました。このアナウンスが流れると、自分は緊張します。
 活魚はその日によって、相場が激しいので、その場を離れられません。とは言うものの、今日の相場は比較的おとなしかったので、安心していました。
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 活かしたまま持ってくる魚は、このようにしてきます。今日は、平目とスズキです。
 これだけでなく、今日は先日お話した”タラバモドキ”も、仕入れて来ました。
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 戻ってきたら、すぐに仕込むので、”タラバモドキ”は、そのまま持ってきました。仕入れた魚を積み終えると、時計は6時半でした。そうこうしていると、夜が明けてきました。
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 その後、食堂街の喫茶店に立ち寄り、世間話もそこそこにして戻ってきたのですが、仕込みはきっちり、夕方までかかりました。というより、かかってしまいました。
  志村
  

てんさい糖

 ご存知のように、”佳肴 季凛”は、マクロビオティックを基本に据えているので、調味料も出来る限り、身体にやさしいものを使うようにしています。
また、マクロビオティックでは、精白された食品を食べることはしません。
 ですから、上白糖もなるべく使わないようにしています。上白糖を使うのは、色を付けたくない時だけです。ちなみに、上白糖は、精製されているので、ミネラルなどの栄養素が殆どなく、はっきり言って、身体にはあまりよくありません。
 そんな自分が、主に使う砂糖は、”てんさい糖”です。
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 ”てんさい糖”とは、”甜菜(てんさい)”と呼ばれる野菜の根を原料にした砂糖です。”甜菜”については、自分は詳しくないので、こちらをご覧下さい。
 ”てんさい糖”は、腸内のビフィズス菌を増やしてくれる天然のオリゴ糖が、沢山含まれています。まろやかなな風味があり、味にコクを与えてくれます。
 理科に関しては、てんでダメなので、いろいろ検索して、調べたのですが、”オリゴ糖”と”ビフィズス菌”について分かったことは、”身体にやさしくて、美味しい”ということでした。
 つまり、”身体にやさしい、美味しい日本料理”がモットーの”佳肴 季凛”にぴったりということです。
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 これが、”てんさい糖”の顆粒で、茶色をしています。先程お話ししたように、デザートをはじめ、殆どの料理に使っています。また、デザートには、メープルシロップも多用しています。
 ”てんさい糖”は、普通のスーパーでも売られているので、是非一度使ってみて下さい。自然の甘味が料理の味を、引き立ててくれます。
 この”自然”ということが、マクロビオティックの本質だと、自分は考えています。だから、マクロビオティックにこだわり、使う食材も、天然の魚、有機栽培の野菜なのです。そして、素材そのものを味わってもらいたいのです。
  志村
 
 

すっぽんの刺身

 ふぐ料理は、日本料理の中の看板料理の一つです。”ふぐ”と並ぶ看板料理が、”すっぽん”です。”佳肴 季凛”では、”すっぽん”も、”ふぐ”同様、召し上がれます。
 ”すっぽん料理”は、ご予約をお願いしていますが、”すっぽん鍋”と”すっぽん雑炊”は、いつでも召し上がれるので、”お決まり”のメニューにも、書いてあります。
 当店の”すっぽん”のコースにも、もちろん”鍋”は付きます。その内容は、先付、活血、お凌ぎ、刺身、唐揚、鍋、雑炊、デザート、となっています。
 刺身、唐揚は共に、”すっぽん”です。特に、刺身は専門店以外では、なかなか食べることは出来ませんし、”すっぽん”のコースでも、刺身は普通の刺身(鮪や白身など)を出す日本料理店もあるようです。
 でも自分は、”すっぽん”の味を全て堪能していただきたいと思っているので、”佳肴 季凛”のコースは、”すっぽん”尽くしです。
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 これが、”すっぽん”の刺身です。身肉、脂身、肝臓、心臓、胃、腸、腎臓と各部位を使用しています。
 器に盛り付けてあると、どれがどれだか、お分かりにならないので、包丁する前のものをご覧下さい。
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 上の段の左から、腎臓、心臓、胃です。真ん中左から、脂身、見肉です。手前の左から、肝臓、腸です。心臓は、朝卸しても、夕方になっても、まだ動きます。心臓と腎臓は、生のままですが、胃、腸、肝臓は軽く湯がいてあります。
 ”すっぽん”というと、”ゲテモノ”、”キワモノ”のイメージがありますが、刺身も鍋も、全くクセはありません。
 身肉の刺身は、赤身で、脂肪分もなく、馬刺しや鹿刺しに近い味わいです。どうでもいい話ですが、”馬”と”鹿”は、一緒に食べることはしないで下さい。理由は、くだらなさ過ぎるので、あえて言いませんが・・・。
 ”佳肴 季凛”の”すっぽん料理”を召し上がったお客様は、「こんなにすっぽんが食べられる和食店は、富士市では珍しい。」とか、「鍋の味が濃厚。」と、褒めてくれます。
 鍋のお話しが出ましたが、鍋の味が濃厚なのも、実は訳があるのです。ふぐに比べて、すっぽんを卸す機会は、そんなにはないので、いつかお話しします。
   志村

平目が大漁

 ここ最近、沼津の魚市場には、平目が沢山入荷してきます。今朝もそうでした。
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 この籠に入っているのは、”戸田産”です。この船の平目は、これだけではありません。
 その隣の籠にも、平目が入っています。
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 この平目は、富士市の田子の浦産です。田子の浦というより、富士川沖でとれたものです。この富士川沖の平目は、良質のものが多く、自分もよく仕入れています。
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 その隣の生簀も、平目です。上の籠も平目、その隣も平目、その向かいも平目です。今朝だけで、50枚くらい、入荷していたかもしれません。産地も、沼津、下田、御前崎、といろいろですが、特に多かったのが、田子の浦産です。
 何故、こんなに平目の入荷があるのだと思いますか?
 異常発生したわけでは、ありません。田子の浦産に関して言えば、現在”シラス”が禁漁中で、その船が平目を獲っているので、沢山入荷するのです。
 沢山入荷してくるわけですから、当然値段も安くなりますし、魚も良いものから、悪いものまで、また大きさもいろいろです。
 安いからといって、自分は値段で仕入れることはしません。生簀に手を入れ、傷の有無、身の肥え具合、形と吟味します。冷たいなんて、そんな甘っちょろいことは、言ってられません。そんな冷たさは、熱血魂で、吹き飛ばします。
 ですから自分が仕入れる魚は、平目に限らず、どんな魚でもこんな風に吟味します。氷が入ってても、そんなの気にしてられません。良い魚が欲しくて、市場まで行くのですから、そんなの当たり前です。
 良くない魚は使いたくありませんし、美味しい料理を出すのが、料理人です。料理を作るのが料理人ではありません。自分は料理人として、ごく普通のことをしているだけです。
 だから、市場に行くと、「親方、熱心だよね。」とか、「そこまで、みんなしないよ。」とか言われます。良くない魚では、自分のモチベーションが下がりますし、第一お客さんが喜んでくれません。
 ところで、こんなにも沢山の平目が入荷してきても、自分が納得いく平目は、わずかです。良い平目でも、大きさが納得いかなかったり、傷のないきれいなものでも、身は痩せてたりといった感じです。もっと言うと、良くない平目のほうが多いのが殆どかもしれません。
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 こんな風に、腹のほうが赤いと、身にも”シミ(血痕)”が入っています。特に縁側の部分がそうなっています。
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 また、この平目は、背の部分にも網の傷がついています。これらの平目は、当然値段も安くなります。
 平目の時季も、そろそろ終わりです。ただ、冬と春の端境なので、魚を選ぶにも、幾分苦心もしますが、「美味しい。」と言ってもらえる魚を、これからも仕入れてきます。
 志村
 追伸 平目ではありませんが、今日入荷した”本鮪”は、”寒鰤”で有名な富山県・氷見産です。

お品書き

 ”佳肴 季凛”は、会席料理を中心とする日本料理店なので、単品のメニューは、そんなにありません。
 また、コースでお出しする料理も、その日の仕入れによって、色々と変わります。特に、刺身で使う魚は、さまざまです。献立は、月替わりというより、日替わりといった感じです。
 ですから、日替わりの単品ものは、刺身や焼物が中心です。それらは、毎日自分が、こんな風に、書いています。
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 自分で商売をやるようになったら、こんな風に、筆(普段は筆ペンですが)を使って、お品書きや献立を書くのが、修業時代からの夢でした。
 「何で?」と聞かれることもあります。
 「格好いいから。」その一言しかありません。理由はありません。上手い下手の問題では、ありません。自らの手で認める(したためる)ことで、料理への想いを語るというより、語り”たい”だけなのです。
 ある意味では、唯我独尊の世界です。
 はっきり言って下手なので、時には、お客様に迷惑を掛けることもあります。この場を借りて、「申し訳ありません。拙い字で・・・。」
 書き終わったら、こんな風に、額に入れます。
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 照明の関係で、見づらいのは、お許し下さい。
 また、入り口のメニュースタンドにも、経木に書いて、置いておきます。
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 ランチタイムが、終わって、休憩に入る前に認める(したためる)のが日課です。今日も認め終わったので、休憩に入ります。
 志村
追伸 ”したためる”という漢字は、”みとめる”と同じ字だったんですね。勉強になりました。
 

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