グローバルナビゲーション
  • 昼席
  • 夕席
  • ふぐ料理
  • はも料理
  • 西京漬
  • 鰯の丸煮
  • マクロビオティック
  • ブログ

もっとおいしいお話し

HOME ≫ ブログ

大間の鮪の血合下の西京漬

ブログを更新しない時はあっても、Twitterでは、呟いていますので、宜しかったらお読み下さい。
先日、“大間の鮪(まぐろ)の血合の醤油漬”というお話しをしましたが、今回はその続編です。
通常、刺身用の柵を取る時、血合を外します。鮪の塊から、外した血合が、こちらです。
tiai.jpg
ご覧のように、手前の部分は脂が乗っていて、中トロのように見えますが、この部分は、筋が強く、刺身にすることは出来ないので、先日同様、賄い行きです。
普段は、塩焼や醤油に漬けて焼くのですが、今回は西京漬の仕込みもあったので、ちょっと遊んでみることにしました。
先程の血合を、このように切り分けます。
tiaisita.jpg
この中トロのような部分のことを、“血合下(ちあいした)”と、呼んでいます。読んで字の如く、血合の下の部分だからです。
この“血合下”を、西京漬の仕込みの時に余った西京味噌と一緒に、真空パックします。
saikyosinkuu.jpg
このまま、4,5日置いてから、取り出してから水洗いしたのが、こちらです。
tiaisaikyouduke.jpg
しっかり漬け込んであるので、水洗いしても味が抜けることはありません。
これをそのまま串に刺して、焼きます。脂が強いだけでなく、西京味噌に漬け込んであるので、焦げないように、弱火で焼きます。
こちらが、焼き上がったもので、
tiaisaikyou.jpg
“大間の鮪の血合下の西京焼”です。
西京味噌の風味と、脂の乗った大間の鮪の味は、見事なコラボレーションで、魚好きの方には、垂涎の的かもしれません。
ちなみに、この“大間の鮪の血合下の西京焼”は、常連のお客様に、召し上がって頂いたのですが、こんな“遊び”が出来るのも、カウンター仕事ならではのことで、そんなやり取りの中から、新しい料理のヒントが浮んだりもするのです。
カウンターにお座りになって、色々なことをお話しすることで、そのお客様のお好きなものや、召し上がりたいものも知ることが出来ますし、場合によっては、メニューにないものもお出しすることも可能です。
ちなみに、これまでお出ししたものですと、“鶏の唐揚げ”に始まり、“冷やし素麺”、“天ぷらそば”などですが、さらには“ピザ”、“グラタン”など日本料理店らしからぬものもあります。
また、それだけでなく、色んなお話しをすることで、お互いの距離が近くなることも出来るので、より親しくなれます。
ちょっとつまみながら、飲みたくなった時は、『佳肴 季凛』にいらして、カウンターにお座りになって、個室やテーブル席では味わえない料理やひと時をお過ごし下さい。どうぞ、お待ちしております。
最後までお読みいただきまして誠に有り難うございました。
もっと面白い記事へのモチベーションUPの為、ランキングに参加しております。
「面白かった」と感じていただけましたら、是非クリックして応援お願いいたします。
店主 志村     にほんブログ村 料理ブログ マクロビオティックへ    にほんブログ村 料理ブログ 和食・日本料理(レシピ)へ

大間の鮪(まぐろ)の血合の醤油漬

『佳肴 季凛』の日常は、Twitterから、ご覧頂けます。
前回お話しした“大間の鮪(まぐろ)”には、血合がついていませんでしたが、普段は血合もついています。
柵取りする時は、
tiaihotyou.jpg
このように、めくるようにして、血合を外します。
tiai.jpg
勿論、刺身にはならないので、お客様にお出しすることは殆どありません。ただ、常連のお客様の中には、お好きな方もいらっしゃるので、ご注文があれば、お出ししています。
ですが、殆どの場合、自分のおかずや酒のつまみ行きです。そんな血合ですが、焼いたり、煮たりして食べることが出来ます。焼いて食べる時は、醤油漬にすると、美味しく食べることが出来ます。
syouyuduke.jpg
血合を、濃口醤油と日本酒を同割にしたものに、20分ほど漬けてから、そのまま焼きます。
tiaiyaki.jpg
焼き上がったら、大根卸しと本山葵を添えて、盛り付けます。“本鮪”特有の濃厚な味わいが凝縮され、醤油の風味が何とも言えませんし、魚好き垂涎の裏メニューでもあります。もっとも、裏メニューでは、済ますことの出来ない味わいではあるのですが・・・。
血合がお好きな方や、召し上がりたい方は、大間に限らず、“本鮪”の入荷がある時は、是非お声をかけて下さい。
最後までお読みいただきまして誠に有り難うございました。
もっと面白い記事へのモチベーションUPの為、ランキングに参加しております。
「面白かった」と感じていただけましたら、是非クリックして応援お願いいたします。
店主 志村     にほんブログ村 料理ブログ マクロビオティックへ    にほんブログ村 料理ブログ 和食・日本料理(レシピ)へ

赤身も血合もない、ONLY中とろの“大間の鮪(まぐろ)”

日々の仕入れや仕込みの様子は、Twitterを、ご覧下さい。
今日東京・築地から入荷して来たのが、
tyutoroooma.jpg
天下無双の“大間の鮪”です。ただ、今日のは、赤身と血合の部分がありません。普段入荷してくるものは、こんな感じです。
ohma2010.jpg
赤身の部分というのは、塊の上の部分で、
s-画像 926.jpg
血合は、右側の赤黒い部分です。
s-画像 923.jpg
勿論、これらを外した状態のものも、仕入れることは可能です。ただ、割高になってしまうのです。1,5倍ほど高くなってしまいます。ですから、あえてそういう仕入れはしません。
でも、何故?
実はこの“本鮪”の赤身の部分が、良くなかったからです。所謂“焼けている”状態だったのです。“鮪”は釣り上げられると、暴れて、一気に体温が上昇します。その自身の体温ゆえ、身が黒く変色したり、鮮やかな色が出なかったりするのです。これを、“焼けている”というのです。
そんなわけで、赤身を外した状態で、仕入れることになったのです。実際、仕入先の東京・築地の鮪屋の社長から、言われていたので、中トロの部分の身の状態も心配していましたが、全くの心配ご無用でした。
この“本鮪”の魚体は、
193kg.jpg
193キロもある大型のものです。
ところで、この札の下の部分には、
hudahuda.jpg
こんな風に書かれていて、その裏には、
hudanoura.jpg
こんなことも書かれていました。詳しいことは、よく分らないので、また機会を見てお話ししたいと思います。
最後までお読みいただきまして誠に有り難うございました。
もっと面白い記事へのモチベーションUPの為、ランキングに参加しております。
「面白かった」と感じていただけましたら、是非クリックして応援お願いいたします。
店主 志村     にほんブログ村 料理ブログ マクロビオティックへ    にほんブログ村 料理ブログ 和食・日本料理(レシピ)へ

“食べるラー油”で食べる“ねぎま鍋”

鮪は、刺身で食べるのが一般的ですが、煮たり、焼いたりしても美味しく食べることが出来ます。そんな料理の代表的なものの一つが、“ねぎま鍋”です。“ねぎま鍋”とは、具材のねぎと鮪を略した名前です。
今回使ったのは、“ミナミマグロ(ニューランド産)”で、使う部位は、
tyutorosaku.jpg
中トロの部分ですが、このような柵の部分よりも、
sujitoro.jpg
このような筋っぽい中トロの部分です。こういう部位の方が、加熱することによって、ゼラチン質が溶け出し、味も良く出ます。
ただ、これだけでは、味わいに欠けるので、今回は、
akamisaku.jpg
赤身の部分も少し使うことにしました。後でお話ししますが、これには、ちょっとした訳があるのです。
赤身と中トロを、鍋用に包丁したのが、こちらです。
akamitoro.jpg
“ねぎま鍋”というと、長葱を使うのが普通ですが、今回は今が旬の玉葱を使いました。普通の白い玉葱では、面白みに欠けるので、赤い玉葱の“アーリーレッド”を使うことにしました。
“アーリーレッド”を、5ミリ幅に包丁してから、土鍋に入れ、塩、薄口醤油、味醂、日本酒で味を調えた出汁を入れます。鰹出汁でもいいのですが、鮪の皮を焼いて取った出汁の方が、味わいは深くなります。
沸いた出汁の中に、それぞれの身を入れるのですが、中トロは中まで火を入れます。その方が出汁が出る上に、食べ応えも増します。
一方、赤身は、火を入れ過ぎると、パサつくので、
akamisyabu.jpg
こんな具合が、理想的です。これに、今流行っている“食べるラー油”と万能葱を薬味にします。
negitorahyu.jpg
“食べるラー油”をつけることで、赤身にコクと香ばしさが加わります。勿論、中トロにつけても、美味しく食べられます。一緒に鍋に入れた“アーリーレッド”は、半生程度の煮え具合にすることで、歯応えと甘味が味わえます。
この料理は、カウンターに座った常連さんとのやり取りで生まれたものです。こういうやり取りが出来るのも、カウンター仕事の出来る日本料理店ならではのことです。
この“ねぎま鍋”は、普段のお品書きにはありませんが、鮪がある時は、いつでも御用意出来ます。また、このような料理も、お声を掛けて頂ければ、可能な限り御用意致します。
★★★ 夏期限定 鱧(はも)会席 ★★★
只今、夏期限定コースとして、鱧料理をご堪能いただけるコースをご用意して、皆様のお越しをお待ち申し上げております。
富士市 はも料理
『鱧づくし』 (ランチ) 、 『鱧彩々』 (夕席)と銘打ちました。
この時期美味しい鱧の味を、是非ご賞味下さいませ。
詳細は、【鱧会席】のページをご覧下さい。
最後までお読みいただきまして誠に有り難うございました。
もっと面白い記事へのモチベーションUPの為、ランキングに参加しております。
「面白かった」と感じていただけましたら、是非クリックして応援お願いいたします。
店主 志村     にほんブログ村 料理ブログ マクロビオティックへ    にほんブログ村 料理ブログ 和食・日本料理(レシピ)へ

コース料理の“大間の鮪”

昨日の続編です。
以前からお話ししているので、ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、『佳肴 季凛』では、“大間の鮪”は単品だけでなく、コース料理(ランチ、夜共)の刺身でも、お出ししています。
今日のランチの“凛”の刺身は、
s-画像 1021.jpg
こんな感じでした。その内容は、“本鮪”(大間)、“鱸(すずき)”(沼津)、“帆立”(三陸)です。
また、夜の会席コースの“季”の刺身が、こちらです。
s-画像 1023.jpg
その内容は、“本鮪”(同)、“蛸”(愛知)、“小肌”(佐賀)”です。
この二つの刺身の、“本鮪”は赤身ですが、形が違うのにお気づきでしょうか?つまり、赤身でも部分が違うのです。なので、味も異なります。こうするるのは、味の違いを知ってもらいたいからです。
赤身の味の違いについては、こちらを
夜の会席のコースには、“凛”というコースがあります。この刺身は、
s-画像 1022.jpg
こんな感じです。“本鮪”、“平目”(沼津)、“蛸”、“小肌”ですが、こちらの鮪は、中トロを使っています。しかも、二切れ共です。
夜のコースの“凛”で、鮪を使う時は、その時の人数にもよりますが、必ず中トロを入れるようにしています。
そうする一番の理由は、同じく夜の“季”と、明らかな差をつけたいからです。ご覧のように、“季”は三種盛りで、“凛”は四種盛りです。
同じ席で、“季”と“凛”を召し上がるお客様は、料理全体の品数だけでなく、内容も違うことに、気付いてもらうことが出来ます。
また、鮪だけでなく、どんな魚でも、刺身を切りつける時、どうしても切り落としの部分が出ます。
s-画像 1019.jpg
このように、鮪の切り落としが出ると、
s-画像 1020.jpg
山かけにします。この山かけは、ランチの“季”の副菜として、お出ししています。
さらに、この時季ですと、ふぐ料理やすっぽん料理のコースの先付(さきづけ)として、お出ししています。
s-画像 1026.jpg
つまるところ、“大間の鮪”が入荷すると、『佳肴 季凛』のコース料理は、“大間の鮪”なくしては始まらなくなってしまうのです。
★★★ 期間限定 特別ランチ ★★★
冬期限定で、ふぐ料理【 “ふぐ皮刺し”、“ふぐの唐揚げ” 】
をご堪能出来る、特別ランチコース(全9品)を御用意致しました。
もちろん、ふぐは、自らの目利きで仕入れた天然のとらふぐです。
この時季ならではの本物の味を、是非ご賞味下さい。
皆様のお越しお待ち申し上げております。
s-P9304578.jpg
(全9品 4,200円)
最後までお読みいただきまして誠に有り難うございました。
もっと面白い記事へのモチベーションUPの為、ランキングに参加しております。
「面白かった」と感じていただけましたら、是非クリックして応援お願いいたします。
店主 志村     にほんブログ村 料理ブログ マクロビオティックへ    にほんブログ村 料理ブログ 和食・日本料理(レシピ)へ
s-画像 1026.jpg

ヤイト

沼津の魚市場のセリ場に並べられたマグロです。
s-画像 947.jpg
これらは、“メバチマグロ”で、宮城県塩釜産です。
s-画像 951.jpg
また、その大きさは、どれも50キロ前後です。
s-画像 948.jpg
近くに寄って見ると、こんな札がついていました。
s-画像 949.jpg
“ウラヤイト”と書かれています。“ウラヤイト”とは、裏、つまり反対側の身にも、“ヤイト”があるということです。
“ヤイト”とは、
s-画像 950.jpg
この傷のことで、500円玉ぐらいの大きさです。この傷は、サメによるものです。“ヤイト”の多くは、お腹の部分についています。
自分が市場のセリ人に聞いたのですが、“ヤイト”という呼び方は、沼津の魚市場だけのようで、その語源も定かではありません。
ちなみに、東京・築地では、文字通り“サメ”と、呼ばれていると、自分が仕入れている鮪屋の社長が教えてくれました。
その鮪屋から、『佳肴 季凛』にやって来る鮪は、
s-画像 952.jpg
こんな風に、包まれた塊です。紙を、取る時は、いつも緊張します。
s-画像 953.jpg
鮮やかな赤身が、見えます。こういうものは、ある種の“チラリズム”でもあります。
でも、その全部を見なければ、気が済まないものです。

続きを読む・・・

先付(さきづけ)が、大間の鮪

会席料理で、一番最初に出される料理を“先付(さきづけ)”と言い、その次に、お椀、刺身と続くのが一般的というより、本来の順番です。
しかしながら、ここ最近では、その順番を変えて出したりする料理人も多く、自分もそうしています。
現在では、最初に飲むのがビールというお客様が殆どなので、揚物を献立の最初にして、“先付”というより、“先付替り”としてお出ししています。
また、ふぐやすっぽんのコースのように、メインの料理が決まっている時は、裏技めいたこともします。日本料理の大家に言わせれば、邪道かもしれません。
そんな昨日のふぐ料理のコースの場合、“先付”でお出ししたのが、
s-画像 767.jpg
鮪の刺身です。もちろん、ふぐ料理の“先付”ですから、それ相当のものです。“大間の鮪”です。しかも中トロのみです。この写真の部分は、大トロの端の部分です。
また、昨日のご予約は、大勢だったので、
s-画像 766.jpg
器に盛り付けてから、冷蔵庫に入れておけるように、こんな感じで盛り付けをしました。ですから、山葵はついていません。というのは、“佳肴 季凛”で使っている山葵は、本山葵なので、卸したてをつけないと、香りが飛んでしまうからです。
先ほどの部分でないお客様には、
s-画像 768.jpg
中トロのなかでも一番美味しいとされる“血合いぎし”の部分を使いました。
ちなみに、昨日入荷した“大間の鮪”は、
s-画像 764.jpg
こんな感じでした。腹側の真ん中よりも、やや下の部分なので、脂の乗りも良く、皮ぎしの部分は、
s-画像 765.jpg
大トロの先端だけあって、きれいなピンク色をしています。
“大間の鮪”に限らず、“佳肴 季凛”で使うのは、生の本鮪だけです。もちろん、無い時もあります。また、入荷がある時は、ランチの小会席の“凛”の刺身や、夜の会席コースの“季”と“凛”の刺身でもお出ししています。
これから、秋が深まるにつれ、“大間の鮪”はますます美味しくなります。この機会に、是非本物の味をご堪能下さい。
最後までお読みいただきまして誠に有り難うございました。
もっと面白い記事へのモチベーションUPの為、ランキングに参加しております。
「面白かった」と感じていただけましたら、是非クリックして応援お願いいたします。
店主 志村     にほんブログ村 料理ブログ マクロビオティックへ    にほんブログ村 料理ブログ 和食・日本料理(レシピ)へ

マグロのセリ場

殆どの魚は、沼津の魚市場で仕入れるのですが、マグロだけは東京・築地から仕入れています。理由は、築地のマグロのほうが、ずっと良いものだからです。
ですから、沼津の魚市場にあるマグロのセリ場に行く時は、それこそ時間つぶしのためです。
とは言っても、どんな感じのマグロが入荷しているのか、料理人として知っておく必要があるので、時間に余裕があれば、必ず見ることにしています。
s-画像 163.jpg
こんな風に、その日の入荷状況が書かれています。
“冷マグロ”、“冷バチ”とありますが、冷凍もののことで、“バチ”とはメバチマグロのことです。
s-画像 170.jpg
これらが、冷凍ものです。
“小マグロ”とあり、“トルコ”と書かれています。
s-画像 168.jpg
トルコ産のマグロで、畜養ものです。畜養ものについては、以前お話ししました。そのお話しは、こちらを
ただ、脂が強い畜養ものだけあって、尾の切り口を見ると、ピンク色です。
s-画像 167.jpg
“バチロイン”とありますが、“バチ”とは先程お話ししたように、メバチマグロのことですが、“ロイン”とは、マグロを4つに分けたもののことです。
s-画像 169.jpg
ただ、この写真に写っているのは、さらにその半分の8つに分けたものです。
先程のホワイトボードの一番下に、“雑(メカ、サメ)”と書かれています。その“雑”がこちらです。
s-画像 164.jpg
“メカ”とはメカジキのことで、“サメ”はサメです。マグロの延縄にかかったもので、マグロと一緒に冷凍されるので、これまた一緒に入荷します。
しかしながら、値段は一緒と言うわけにはいきません。メカジキは商品価値は十分あるのですが、サメとなると・・・。
興味があったので、市場のセリ人に尋ねると、値段もタダ同然とのことです。さらに、美味しくないとも言っていました。さすがに、食べたことがないものは食べないと気が済まない自分でさえも、今回はどうする気にもなりませんでした。
ただ、使う使わないはともかく、料理人である以上、どんな食材でも知っておく必要があります。仕入れのために、市場へ行くのですが、それと同時に勉強も兼ねているのです。
ここ最近、お話しした畑についても、同様です。使う食材を業者に頼んで、ただ仕入れているようでは、料理人として、無責任ですし、それでしたら、素人でも出来ます。
プロである以上、自分の目利きで仕入れることこそ、プロのプロたる所以です。また、自分は商売をしているわけですから、少しでも安くて、良いものをお客様に提供する義務もあります。
“利は元にあり”とあるように、職人であると同時に、商売人でもある以上、両方の意味で、仕入れは大切にし、それ以上にお客様を満足してもらえるような、料理人になりたいものです。
志村

生の本鮪(ほんまぐろ)の血合い

s-画像 144.jpg
昨日入荷した”本まぐろ”(福岡県博多産)です。この部分は、大トロの取れる”腹”側の”シモ”と呼ばれる部分です。
”シモ”というのは、下の方つまり尾に近い部分です。ちなみに、頭に近い部分を、”カミ”、真ん中を”ナカ”と呼びます。
このように塊で仕入れると、刺身では使えない部分があります。”皮”と”血合い”が、それにあたります。刺身にならないからと言って、その部分はタダというわけではありません。世の中、そんなに甘くはありません。
つまり、刺身にならない”皮”も”血合い”も、トロや赤身と同じ値段なのです。もったいなくて、捨てられません。
”血合い”というのは、上の写真でいうと、右側の黒い部分です。別の位置から見てみます。
s-画像 145.jpg
まぐろを柵取りする時は、最初に”血合い”を取ります。
s-画像.jpg
包丁で身の方から、めくるようにして切り離します。
s-画像 146.jpg
刺身にはならないのですが、”血合い”は焼いて食べると、その血生臭さも気になりません。醤油に漬け込んで、天日で干してから、焼くとより美味しいのですが、干しておくと、野良猫に食べられてしまうので、そうしません。
実際、何度も野良猫に食べられてしまったので、この先、未来永劫干す予定はありません。野良猫に何千円も、あげたようなものです。まさに「豚に真珠」ならぬ「猫に血合い」です。
本まぐろの”血合い”だけあって、美味しいのですが、会席のコースの焼物にするわけにもいかないので、殆どの場合、賄いになってしまいます。
ただ、常連のお客様の中には、”血合い”が好きな方も多く、「今日、”血合い”ある?あれば、焼いて。」と、尋ねてきます。そんな時は、焼いてお出しししています。
s-画像 147.jpg

”血合い”を、切り分けたところですが、下の赤い部分は、その色からして、トロと同じように脂が乗っています。焼いて食べると、その美味しさは、
以前お話しした”鮪の串焼”と同じ味わいがあります。
s-画像 148.jpg
今回は塩焼にしてみました。レモンを絞り、大根おろしと、本わさびを、あしらいました。機会がありましたら、”佳肴 季凛”の裏メニューの”血合いの焼物”を、召し上がってみて下さい。
ただ”血合い”は稀少部位ゆえ、ないことが殆どです。召し上がれたら、かなりラッキーでもあります。ある意味、運試しの料理かもしれません。
志村

本鮪の竜田揚げ

先日、お客さんのリクエストで、こんな料理を作りました。
s-画像 141.jpg
”鮪の竜田揚げ”です。日本料理店である以上、というより、”佳肴 季凛”ならではの”本鮪の竜田揚げ”です。贅沢にも、中トロを使っています。
s-画像 140.jpg
刺身でも、十分すぎるほどの中トロです。これを、3センチほどの角切りにします。
それを、濃口醤油と日本酒を同割にしたものに漬け込みます。
s-画像 139.jpg
漬ける時間は、10分です。
その後、汁から上げ、キッチンペーパーで余分な水分をふき取り、片栗粉をつけて、揚げるだけです。ただ、注意しなければならないのが、揚げ過ぎない
ことです。
刺身で食べられる、というより、刺身を揚げるのですから、中が温まれば十分です。
言うまでもありませんが、「美味しい。」の一言に尽きます。それしかありません。中トロの部分は、とろけるような感じで、赤身の部分は、コクのある味わいです。
以前、 ”鮪の串焼”のお話しをしましたが、それに匹敵するくらいの味です。
”鮪の竜田揚げ”は、お品書きには書いてありませんが、先日のお客様のように、いつでもお作り致しますので、ご遠慮なくお申し付け下さい。
志村

このページの上へ戻る