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HOME ≫ ブログ ≫ THE鱏(えい)⑥~エイの肝~

THE鱏(えい)⑥~エイの肝~

Vol.4105

いらっしゃいませ


マクロビオティック(玄米菜食)

基本に据えた 

“身体に優しい美味しい日本料理”

を信条とし


天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を

こよなく愛す

【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の

志村弘信です。


これまでに


第1回


第2回


第3回



第4回


第5回

とお話ししてきた

エイのお話しですが

鳴いても笑っても

今日(8月5日)で

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG5060-1.jpg

最終回となりました。

そんな最終回は

エイの肝についてお話しします。 


エイを卸す時は

最初に肝=肝臓を取り出します。 


取り出したら

氷水に落としておきます。


「とうとう今日で

最終回になったエイだけど

今日も色々教えてね。」

と、ふぐとらちゃん。

「はいよ~。」


「早速だけど

どうして氷水に入れておくの?」


「活〆(いけじめ)にしたから

血が回りにくいけど

血抜きのためだよ。」

「ふぅ~ん。

で、どういう風に仕込むの?」

「肝と言えば

鮟肝(あんきも)だから

それと同じ様に

仕込んでみるよ。」

「あんきもかぁ~。

脂が乗っていると

美味しいんでしょ?」

「まぁね・・・。」

「テンションっていうか

トーンが低いけど

どうかしたの?」

「実はさぁ

肝、白子、魚卵の類って

あんまり好きじゃないんだよ。」

「え゛~っ

苦手なの?」

「苦手じゃないけど

食べても食べなくても

いい感じなんだな、これが。」

「うに丼、いくら丼なんて

聞いただけで

よだれ5リットル・・・🤤」

「でも、物の良し悪しは良し悪しは

分かるから

問題ないよ。」

「それならいいけど・・・。」

「でも、内臓の類で

唯一美味しいと思うのが

天然のとらふぐの白子だよ。」


「何それ~?」

「あれだけは別格。

天然のとらふぐの白子の味を知ったら

他の白子やら、肝、魚卵が

束になっても

叶わないからね。」

「そんなに美味しいの?」

「天然のとらふぐの白子は

ありとあらゆる海産物の中で

値段もトップクラスに高いものだし

味こそ値段だからね。」

「じゃあ、正月の

大間のまぐろとかは?」

「あれは

半分やらせみたいな部分があるし

年末年始相場だから

例外だよ。」

「そういうの抜きで

別ものなんだね。」

「そうだよ。」

「チャンスがあったら

食べてみたいなぁ。」


画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: s-P4190022.jpg

「ほら、こんなのも🐡」

「わぁ~お!

やっぱ、ふぐオタクだけあって

ふぐの話は止まんないね。」

「そりゃそうさ。

そんなことより

エイの肝を話さないとね。」

「そうだよ、そうだよ。」


包丁した肝は


盆ざるに乗せて

軽く塩を振っておき


塩が溶けたら

水洗いし

さらに、日本酒で洗います。


水分を拭き取ったら


アルミホイルで巻き

串で数か所

穴を開けたら

日本酒、薄口醤油と共に

真空パック。

そして


スチコン
(スチームコンベクションオーブン)で

70度で50分程加熱したら

氷水で一気に冷まします。


十分に冷めて

封を開けると

あまりの脂の強さゆえ

固まらず・・・。


なので、

80度50分の設定で

加熱すると

こんな感じに。

ただ、持った感触からして

最初の加熱と変わらない感じで

多少は固まったものの

完全にレバーペースト状態。



「脂が強いと

こんな風になっちゃうんだね~。」

「そうなんだよ。」

生の状態の時は

普通の魚の肝と同じ感じにしか

思っていませんでした。


が、しかし

最終的には

とんでもない脂の乗り具合

ということが判明。 


「ここまで脂が乗る

魚の肝って

あるものなの?」

「多分

カワハギの形態写真

皮剥(かわはぎ)くらいかな。」

「へぇ~

カワハギでも

同じことをやったことがあるの?」

「こういうのは無いけど

ホイルの乗せて焼いたら

溶けちゃったよ。」

「でも、ここまで脂が乗るなら

他の使い道って

無いのかなぁ。」

「肝油って

聞いたことある?」

「あるよ、肝油ドロップでしょ?」

「あれは、肝油って書くけど

原材料を見れば分かるけど

化学的に合成された作りものだよ。」

「えっ、違うの?」

「違うよ。

あんなに量産

出来るわけないじゃん。」

「そっかぁ。」

「ただ、深海鮫の肝のエキスが原料の

サプリメントもあるよ。」

「へぇ~。」

「ヘミングウェイって

聞いたことある?」

「あるよ、『老人と海』の作者でしょ。」

「おっ、物知りじゃん。」

「えへへ・・・。

それ以外は知らないけどね。」


「ありゃ。

あの話に出て来る主人公の老人が

肝油を飲み干して

元気の源って言うシーンがあるんだけど

それくらい肝油って

注目されていたんだよ、実は。」



「そうなんだぁ~。

で、このエイの肝の味は

どうなの?」


「脂が強すぎて

単独じゃ無理だね。

それこそ、烏賊(いか)の身と合わせて

塩辛みたいにすれば

いけるかもよ。

烏賊じゃなくても

貝類とか海老なんかでも

いいかもね。」

「んまそうじゃん。

で、親方はやってみたの?」

「味そのものの良さは認めるけど

個人的にはパスだね。」

「じゃあ、どうするの?

折角、作ったのに・・・。」

「もったいないから

何でもありの

賄いカレー行。」

「でも、コクがありそうじゃん。」

「そうだね。

カレーにしたら

食べてみなよ。」

「うん。

エイ肝カレー🍛

面白そうじゃん!」


ということで

全6回に渡って

お話ししたエイですが

こういうレアな魚に出会えるのも

自ら魚市場に出向いているからのことです。


しかも

ホームグランドの沼津魚市場は

漁港が併設されており

こういチャンスに恵まれています。 


そういう魚の魅力を伝えるのは

もちろんのことで

和食文化の象徴でもある

魚菜食文化の素晴らしさを伝えるのが

料理人の使命でもあり

料理人は、漁師などの

一次産業に従事する人達の

代弁者でなくてはならないのです。



食の大切さ、食の安心などと

御託を並べるのは

簡単なことですが

一次産業が無ければ

命を支えることは出来ません。

選挙が近づくと

魚市場にスーツ姿で長靴を履いてくる

候補者がいますが

そんなフリなんぞせず

一週間でいいから

漁師の手元でもやってみるべきです。

今の日本の食料事情は

いわゆる先生達の

無為無策の結果以外の

何物でもありません。 

これ以上の無為無策を防ぐためにも

吠え続けます。


「おっ、西瓜のアイスじゃん🍉

そんじゃ、また明日」

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