鯛の焼物付きの御祝い料理
昨日のお昼は、お客様のご注文で、
御祝いの御席ということで、鯛の焼物をご用意しました。
鯛の焼物については、取分けやすいように切身にしてあり、このように仕立ててある料理です。
大皿でのご提供ですので、個室の御席には、
テーブルの真ん中に、
取皿と取り箸を、ご用意してお、めいめいの御席にセットしてあるのは、
小鍋の鰻鍋です。
また、昨日の御席は還暦の御祝いで、お孫さんもご一緒でしたので、
お子様料理もご用意したのですが、偶然色違いのじゃが芋を仕入れることが出来たので、御祝いの御席にちなんで、フライドポテトは、
紫色のシャドークィーンと、黄色のきたあかりにしてみました。
お客様がお見えになり、乾杯も済んだので、
先付の鱧の子の煮凍りをお出し、その次に、焼物をお出ししました。
そして、刺身の第一弾として、
ふぐ刺をお出ししましたが、このふぐは、三重県産の天然のとらふぐです。
その頃には、小鍋も温まり、お客様も召し上がりはじめており、会席料理ですが、お昼の御席ということもあり、
普段から御食事(ご飯物)は、途中でお出ししています。
刺身のつけ醤油とお新香をお出ししたら、
御食事の昆布御飯をお出ししました。
ご飯物には、やはり刺身が欠かせないものの一で、昨日の刺身は、
生の本鮪(大間)、新子(佐賀)、湯葉の三種盛りでした。
そして、
揚物(海老のぶぶあられ揚げ、鯵の新挽き揚げ)、
蒸物(鱧しんじょう蒸し)、
酢の物(帆立の辛子酢掛け)と続き、最後に、
デザートのブルーベリーのムースをお出しし、コースは終わりました。
ちなみに、昨日のコース料理は、時々お話ししている『特別会席』ではなく、通常の会席料理をバージョンアップしたものです。
ご予算、ご用望に応じて、可能な限り対応させて頂いておりますので、直接お問い合わせ下さると、これまで盲点とも言うべきところに気付かせてもらうことも出来るのも、有り難い限りです。
召し上がるのはお客様であるのは、百も承知でも、つい作る側の都合に陥りやすく、そういう学びの場こそが、料理人としての成長する余地だと思います。
★☆★ 日本料理の匠 ★☆★
豪華な夕飯のような『特別会席』
当店のお品書きにある『特別会席』は、
お客様とのご相談の上で、献立を決めさせて頂いておりますが、これまでに色々とお話ししているように、その内容は千差万別で、作る側の自分にとっても、“目から鱗”となることもしばしばです。
先日ご用意した『特別会席』もそんな感じで、タイトルにもあるように、豪華な夕飯とも言うべき内容でしたが、ご家族でのご来店ということもあり、お子様にはお出ししなかった料理も、いくつかありました。
最初に、先付として、
鱧の子の煮凍りをお出ししました。
夕飯ですので、間髪入れることなく、次々にお出していくのですが、
先付の次が、刺身で、生の本鮪(大間)、帆立(北海道)、湯葉の三種盛りで、山葵、紅蓼が無いのは、お子様にお出ししたものだからです。
また、刺身の第二弾として、
白魚(霞ヶ浦)もお出ししましたが、お子様用のものには、
ポン酢と葱だけです。
刺身と共に、
白御飯と、
お新香をお出ししました。
豪華なおかずとして、メインとも言うべきものが、
金目鯛の煮付で、
金目鯛は、
普段通う沼津魚市場で仕入れてきたもので、
1,8キロの大きめのものでしたが、金目鯛は、2キロを越えるものは少なく、大きめというより、大きいと言った方が正確かもしれません。
御飯をお出ししたとなると、汁物は欠かせませんが、豪華な夕飯ですので、
汁物というか、いわゆる御椀替りとして、
鱧と松茸の土瓶蒸しを、お出ししました。
そして、揚物は、
海老と牡蠣の天ぷらでしたが、牡蠣は広島産の生のもので、海老は冷凍のブラックタイガーで、
天つゆと共に、お出ししました。
あえて冷凍ものにしたのは、お子様も同席でしたので、量が多い方が望ましいとの旨をご提案したからです。
豪華な夕飯も、終わりに近づき、
伊勢海老の具足焼をお出ししましたが、伊勢海老は、先程の金目鯛同様、
この日の朝、
沼津魚市場で、仕入れてきたもので、4本で1,0キロとあるように、1本あたり250グラムの大きさのものです。
そして、豪華な夕飯のような『特別会席』の締めであるデザートが、
マスカットのアイスでした。
『特別会席』に限らず、お客様のご用望、ご予算に応じて、可能な限り対応させて頂きますので、お気軽にお問い合せください。
★★★ 『佳肴季凛』謹製 【鰯の丸煮】 ★★★
当店では、お中元、お歳暮、手土産などの贈り物や、お取り寄せに最適な【鰯の丸煮】をご用意いたしております。
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“大羽(おおば)”と呼ばれる大きめの真鰯を使用し、店主の“熱き想い”と共に、煮詰めた逸品です。大切な方への贈り物に、是非どうぞ。
ふぐ料理メインの【特別会席】は、揚物の盛り合せ入り
これまでに色々とお話ししている【特別会席】ですが、今日のお客様は、男性のみということもあり、料理にボリュームを持たせたいこともあり、揚物の盛り合せを、献立の中に入れてみました。
先付は、とうもろこしで作ったもろこし豆腐で、
時季的には、最終便ということになります。
もろこし豆腐の次が、
刺身の三種盛りで、生の本鮪(大間)、湯葉、新子(佐賀)でした。
通常のふぐ料理のコースの場合、先付が二品で、殆どの場合、生の本鮪などをお出しするのですが、【特別会席】ということで、このような感じにしてみました。
30人近い御席ということもあり、会席料理の基本的な流れとは幾分違いますが、刺身の次に、
揚物の盛り合せをお出ししました。
盛り付けてあるのは、海老の彩り揚げ、鶏の唐揚げ、鯵の新挽き揚げ、枝豆ですが、一度に揚げることが出来ないので、鶏の唐揚げだけは、
予め揚げてから、
温蔵庫にしまっておき、器には、
枝豆だけ盛り付けておきました。
男性のお客様ということで、お酒を飲まれる方も多いので、お品書きにはなくても、枝豆のようなものを欲しがるケースもあり、今日のような御席には、ご用意することがあります。
個人的には、本望ではないのですが、この枝豆は冷凍もので、お客様が召し上がりたいものをお出しするのも、料理人としては、大切なことでもあるので、枝豆に限らず、柔軟に対応させて頂いております。
ふぐ料理がメインの【特別会席】ですので、
ふぐ刺、
ふぐの唐揚げ、
ふぐちり、
焼白子とお出しし、今日のふぐは、全て天然のとらふぐですが、刺身は静岡県舞阪産、それ以外は愛知県と富山県産のものでした。
【特別会席】ということで、締めの雑炊の前に、
酢の物の帆立の辛子酢掛けをお出ししたら、ふぐちりの鍋を厨房に下げ、雑炊を作っている間に、
お新香と取皿をお出ししました。
今日は、
ふぐちりを6つ用意したので、雑炊も同じ数になるので、その頃、
厨房では、スクランブル体制で、雑炊を作っていました。
そして、最後のデザートは、
ブルーベリーのムースをお出ししたのですが、ふぐ料理の場合、熱々の雑炊が御食事ですので、アイスをお出しすることが多いのですが、大人数ということもあり、溶ける心配のないムースにしました。
【特別会席】に限らず、ご予算、ご用望に応じて、料理については、可能な限り対応させて頂いておりますので、直接お問い合せ下さい。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
次回は、10月5日(木)の予定です。
放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非、お聴き下さい。
伊勢海老の共和え
先日、和牛のサーロインをステーキにしてお出しした『特別会席』をお出ししたのですが、その献立の中に、
伊勢海老の共和えという料理がありました。
共和えというのは、同じ魚介類の肝、味噌、白子などで和えた料理のことで、今回のお話しはその作り方です。
伊勢海老は、
沼津魚市場で、活かしのものを仕入れ、
そのまま活かして、持ち帰りますが、この時の伊勢海老は、西伊豆産の200グラムぐらいのものでした。
表面を水洗いしてから、
まな板に乗せ、
半分に包丁しますが、このように包丁することを、料理用語で梨割りと呼んでいます。
身についている背わたを、
取り除いたら、
軽く日本酒で洗い、
バットに入れ、10分ほど蒸します。
蒸し上がったら、
殻から身を外し、
粗めに、
ほぐしておきます。
一方、頭の部分は、
200度くらいのオーブンで、
焼きます。
焼いたら、
味噌を取り出します。
取り出した味噌に、
マヨネーズ、
レモン汁、白ワイン、塩、薄口醤油などで味を調え、取り残した殻があると、不都合ですので、裏ごしておきます。
お出しする直前に、
和えたら、冒頭の写真のように、
殻の器に、大葉を敷いてから盛り付けます。
まだお客様にお出ししたことのない伊勢海老を使った料理がありますが、海老の王様だけあって、その味わいは別格です。
個人的には、味噌を使ったタルタルソースを添えて、海老フライに仕立てたり、量がある時は、味噌を入れて、海老マヨにして、食べたいと思っています。
もちろん、召し上がるのはお客様ですので、ご希望を頂ければ、色々な料理に仕立てることが出来ますので、御予約の際に、お申し付け下さい。
★☆★ 『みんなのニュース』WEB版 ☆★☆
9月18日に、フジテレビ系列『みんなのニュース』で、“ハイブリッドふぐ”について放送され、自分が取材を受けました。
放送の様子は、こちらをクリックして頂けると、御覧になることが出来るので、見逃した方だけでなく、
一度とは言わず、何度も御覧になりたい方は、是非是非。
お彼岸近き『特別会席』
「暑さ寒さも彼岸まで」と言われていますが、春も秋のどちらも、お彼岸の時季は、食材の端境にあたるので、献立を立てるのに、苦心することもしばしばです。
というのも、名残である夏と走りの秋の食材の組み合わせ方次第で、料理の趣も大きく変わるからで、今夜ご用意した『特別会席』は、その典型とも言える献立でした。
先付は、
もろこし豆腐で、夏の食材のとうもろこしで作った豆腐です。
そして、夏の名残である鱧を、
天ぷらにして、もろこし豆腐の次にお出ししました。
鱧の天ぷらの次にお出ししたのが、
【佳肴 季凛】の看板の一つでもあるふぐ料理にして、その華でもあるふぐ刺をお出ししましたが、今日のふぐは、三重県安乗(あのり)産の天然のとらふぐです。
コース料理は、冷たいものと温かいものを交互にお出しすることで、献立にメリハリがつくという考えが、自分にはあるので、ふぐ刺の次に、
鹿児島県産の和牛のサーロインを、
たまり焼にしてお出したのですが、焼き方は、
ミディアム・レアにしました。
和牛サーロインのたまり焼の次が、
刺身の第二弾で、
北海道・戸井産の生の本鮪の中とろと、
赤身を、
蛸(愛知産)と共に盛り付け、お出ししました。
そして、名残の夏と走りの秋の集約とも言える土瓶蒸しを、
お出ししました。
料理人によって、土瓶蒸しは色々な仕立て方があるのですが、自分の場合、
鱧と松茸だけで仕立てるようにしています。
日本料理では、相性の良い食材同士を出会いものと呼ぶことがあり、鱧と松茸が、その典型で、この二つの良さを曇らせるようなことをしたくはないので、余分なものを入れることはしていません。
本音を言えば、松茸は国産のものを使いたいのですが、入荷状況をはじめ、いくつかの理由で、今夜は、China産を使いました。
土瓶蒸しの次は、和牛サーロインのたまり焼に続く、焼物の第二弾として、
北海道・オホーツク海産の活締め銀鰈(ぎんがれい)の西京焼をお出しし、常連さんとは言えど、初めて召し上がる銀鰈の上品な脂の乗り具合」を、喜んで下さいました。
コースも終盤に近づき、
口直しとも言うべき酢の物は、帆立の胡麻酢掛けで、御食事は、
すっぽん雑炊でした。
最後の一品であるデザートは、秋の果物であるぶどうの一つのシャインマスカットで作ったマスカットのアイスで、
名残の夏のとうもろこしではじまり、走りの秋のシャインマスカットで締めることが出来、季節の移ろいを召し上がって頂くことが出来ました。
これまでにも『特別会席』については、色々お話ししているように、お客様のご希望を入れながら、献立を立ているのが、『特別会席』です。
今夜は、常連さんということで、“おまかせ”の料理で、自分が思うままの料理をお出しすることが出来ました。
良かれと思った料理が、悪しということもあれば、その反対もあり、料理の難しさを感じざるを得ません。
どこまでいっても、料理の道は難しいものですが、それ以上に深いのは、人を知るということで、自分なんぞ、まだまだ未熟そのものなのは、疑いようのない事実です。
特別会席というより、お好みにしてお任せのコース料理
今夜は、常連のお客様から、【特別会席】というか、お好みにして、お任せのコース料理を頂いたのですが、日本料理のコースというより、フレンチやイタリアンに近いコースでした。
これまでに何度もお話ししているように、【特別会席】はお客様のご要望を伺ってから、献立を決めるので、「何でもあり」のコースでもあるのですが、かなり苦戦というか、気を揉んだコースでした。
そのご要望は、3つあり、生ハムなどの前菜みたいなもの、魚は駄目だけど、海老、蟹、貝類はOK、メインがサーロインを150グラムというものです。
感想は後回しにし、今夜の料理を、とりあえずお話しさせて頂きます。
先ず最初にお出ししたのが、
生ハムとチーズの盛り合わせで、言うまでもなく、どちらも既製品です。
生ハムは、
スペイン産のもので、チーズは、
カマンベールチーズとスモークチーズを盛り付けてあり、全て洋食の素材ゆえ、日本料理店ということで、スモークチーズは、松葉串に刺してから、盛り付けました。
普段なら、料理の進み具合が分かるのですが、全くもって普段の流れと違うので、お客様に、次の料理を出す頃合いを伝えてもらい、生ハムとチーズの後が、
蒸し鮑でした。
卸した生の本山葵と共に、
肝醤油を付けてから、召し上がるものです。
蒸し鮑の次が、
伊勢海老の共和えです。
伊勢海老の身と味噌を和えたもので、身は蒸してから、ほぐし、味噌は焼いてから、味を調え、両方を和えました。
ちなみに、鮑も、
伊勢海老も、
今朝、沼津魚市場で仕入れたもので、どちらも西伊豆産のものでした。
そして、メインが、
山形県産の和牛のサーロインを、ステーキにしてお出ししました。
ステーキにするため、
冷蔵庫から出しておき、常温に戻してから、
焼肉用のコンロに脂身を乗せてから焼きます。
ミディアムをご希望でしたので、
焼網が程よい加減になったら、肉を乗せます。
厚めに包丁してあるので、熱々だと、表面が焦げてしまい、中まで火が通りにくくなってしまうからです。
その後、
裏返し、両面が焼けたら、
土佐醤油とたまり醤油を合わせたものにつけ、再び軽く焼いたら、包丁し、
盛り付けました。
醤油味ですので、
大根卸しと粗めに卸した本山葵も添えました。
食事もデザートもなく、コースはこれで終わりですが、これも、お客様の御希望の上でのことです。
いわゆる酒の肴として、お出ししたので、こういう形のコースとなったのですが、今まで経験したことのないコースゆえ、冒頭にもお話ししたように、5品しかお出ししなかったものの、かなり気を揉んだコースでした。
その甲斐もあったかどうかはともかく、完食され、最後のご感想を聞いた時は、胸をなで下ろしました。
とはいえ、こういう経験こそが、料理人としては、何よりの修行の場で、ただ美味しい料理を作るのではなく、お客様のご用望を取り入れ、なおかつ、お任せという自分の器量で作る料理を献立に組み込むことは、まさに至難です。
ちなみに、自分が考えたものは、蒸し鮑と伊勢海老の共和えでした。
若かりし頃、「お客様に料理人は育てられる」という言葉を教えられ、時々思い出すことがあるのですが、今日は、全く以てその言葉通りでした。
まだまだ未熟ゆえ、大いに精進の余地があり、日々の努力を怠るわけには行かないことを痛感し、明日からも、厨房に立ち続けます。
バージョンアップした鱧料理のコース
昨日のお話し『休市出勤日の鱧(はも)は、和歌山産』の続編です。
おひとりのお客様ということで、
カウンターに御席をご用意したのですが、お客様のご要望で、鱧料理のコースをバージョンアップし、金額、内容は、自分にお任せという献立にしてみました。
また、おひとりということで、個人的に買い集め、一つしかない器を使ったので、自分としては、普段とは違った気分で、仕事が出来、カウンター仕事の醍醐味を、改めて感じた次第です。
ここからは、昨日のコースのお話しです。先付は、
とうもろこしで作ったもろこし豆腐でした。
先付の次が、
揚物の鱧の天ぷらで、手前の塩をつけて、召し上がって頂きました。
ところで、昨日のコースの鱧は、落としが和歌山産で、それ以外の料理でお出ししたのは、大分産のものでした。
揚物の次が、再び先付として、
茄子のオランダ煮をお出ししましたが、名前の由来、仕込み方などについては、こちらをお読みください。
そして、鱧しゃぶを、
小鍋仕立てでお出しし、鱧が煮えるまでの頃合いを見計らい、
焼物の第一弾として、焼白子をお出し、三重県産の天然のとらふぐの白子です。
そして、刺身ですが、普段の鱧料理のコースの場合、
このような四種盛りをお出ししており、この時は、生の本鮪(ボストン)、鱧(山口)、蛸(愛知)、湯葉でした。
そして、昨日は、バージョンアップということで、
生の本鮪の中とろと赤身を入れ、氷を敷き、五種盛りとしました。
ちなみに、生の本鮪は、
青森県大間産のもので、
中とろ、
赤身は、このようなものでした。
誤解をされたくないのは、ボストンではなく大間になったからといって、バージョンアップしたわけではなく、どちらも仕入れ値は全く同じで、生の本鮪そのものは、産地ではなく、その身の質で評価なされるのであって、あくまでも、産地は目安以外の何ものでもありません。
さらに言えば、ボストンの方が、ずっと脂の乗りは強く、両方を並べ、産地を選ぶようなクイズを出した場合、あえて言いませんが、結果は、火を見るよりも明らかです。
お話しが逸れかかってしまったので、軌道修正しますが、刺身の次が、
焼物の銀鰈(ぎんがれい)の西京焼で、召し上がったお客様の声は、想像以上のもので、2,3ヶ月前から、北海道から直接仕入れ始めたのですが、コース料理に定番になりつつあります。
コースも終盤に近づき、焼物の次は、
蒸物の鱧しんじょう蒸しで、そのふんわりした食感は、何とも言えません。
そして、酢の物の帆立の辛子酢掛けをお出しし、
締めの食事は、
照焼にした鱧を乗せた鱧茶漬でした。
そして、デザートに、
夕張メロンのアイスをお出しし、バージョンアップした鱧料理のコースが、終わりました。
結果として、お客様から頂いたお値段は、『特別会席』と同じようなものでしたが、冒頭にもお話ししたように、予めご要望を仰って頂ければ、可能な限り対応させて頂きます。
また、それにより、献立を立てる上での盲点を気付かせて頂くこともあり、料理人としては、有り難いかぎりで、『特別会席』に限ったことではありません。
ですので、色んな形でのバージョンアップも可能ですので、詳細については、直接お問い合せください。
すっぽん鍋仕立ての鱧しゃぶがメインの『特別会席』
昨日、昼間の『特別会席』こと、“昼特”についてお話ししましたが、今日お話しする『特別会席』は、タイトルにもあるように、メインが、すっぽん鍋仕立ての鱧しゃぶの『特別会席』です。
すっぽん鍋、鱧しゃぶは、これまでに何度もお出ししている料理ですが、両方のコラボレーションは、実は初めてのことでした。
もっとも、個人的には何度も食べたことがあり、その美味しさに惹かれ、お客様に、いつかお出ししたいかった料理でしたので、ついに日の目を見たという思いで、この時の『特別会席』も、6月の終わりにお出ししたもので、同じく日の目を見たお話しでもあります。
詳しい料理内容は、後ほどお話ししますので、とりあえず、順をおってお話ししたいと思います。
先付が、
もろこし豆腐(とうもろこしで作った豆腐)でした。
先付の次が、刺身の第一弾として、
ふぐ刺のMサイズをお出しし、この時のふぐは、静岡県産焼津産の天然のとらふぐでした。
そして、焼物の第一弾として、
天然のとらふぐの白子を焼いてお出ししましたが、軽く塩が振ってあります。
焼白子の次が、刺身の第二弾として、
生の岩牡蠣をお出ししましたが、6月の終わりということで、身が一番肥え始める時季ですので、プリップリの身をしています。
そんな岩牡蠣も、お盆を過ぎたこともあり、お仕舞いに近づきつつあり、先日仕入れたものも、そんな感じをしていました。
ところで、岩牡蠣の写真をご覧頂ければ、お分かりになるかもしれませんが、この日の料理は、常連さんということもあり、カウンターでのご用意でした。
常連さんゆえ、自分の性分を十分承知の上ですので、素材の特徴などについて、必要以上にお話ししても、耳を傾けてくれるのも、有り難い限りです。
また、このブログをお読み頂いていることもあり、予習、復習の上で、召し上がっている面もあるので、或る意味期待感を煽ることも出来ます。
ですので、『特別会席』は、お客様のご要望と、お任せ度が高いほど、カウンターで召し上がって頂けると、自分としても、仕事がしやすいのは確かですし、それ以上に、自分が楽しんでしまっているのは、紛れもない事実かもしれません。
実際、御食事無しの『特別会席』をお出しした時も然りでしたが、この時のお客様は、初めてのご来店だったものの、Facebookで繋がっているだけでなく、先程の常連さん同様、ブログを読んで頂いていることもあり、殆どのことを承知して下さっていたので、色んな意味で、仕事がしやすく、会話が弾んだことは、この上ありませんでした。
そして、揚物はふぐの唐揚げで、この時は、富山県氷見産の天然のとらふぐで、
しかも、ジャンボちゃんと呼んでいる4キロ以上の特大サイズのもののほっぺとかまの部分をお出ししました。
揚物の次が、刺身の第三弾で、
オーストラリア産の生の南鮪の中とろと赤身をお出ししましたが、
南鮪は、夏前までにもっとも脂が乗り、旬の鮪とも言えるものです。
いよいよ、メインのすっぽん鍋仕立ての鱧しゃぶとなるのですが、
すっぽん鍋ということで、焼いた長葱と笹がき牛蒡を欠かすことは出来ません。
その他の具は、
水菜と豆腐だけで、すっぽん鍋はシンプルに限るので、余分な野菜は極力入れないようにしています。
また、薬味は、
刻み葱と、大根卸しに柚子胡椒を混ぜたものを、ご用意しました。
鱧は、
大分県産のもので、そして、
鍋に仕立てたすっぽんは、島根県産の天然もので、養殖ものにはない力強くも、繊細な味わいは、珠玉そのもので、日本料理の中でも、看板食材とも言えるすっぽんを象徴していました。
火に掛けながら、すっぽんの出汁で食す鱧の味わいは、どんな御託を並べても、伝えようがなく、語れば語るほど、野暮以外の何ものでもありません。
ただ、一つ言えることは、鱧、すっぽんのように、それぞれに独自に確立された料理方法がある食材でありながらも、その特徴を生かせば、その美味しさは無限に広がるものがあります。
それは、以前お話ししたキムチ鍋仕立てのふぐちりについても、
言えることです。
鱧しゃぶを召し上がっている最中にお出ししたのが、
銀鰈(ぎんがれい)の西京焼でした。
この夏からお出しし始めたこともあり、常連さんと言えど、初めて召し上がっただけでなく、ブログに書いた仕込みの様子を、ブログで予習していたこともあり、実食という復習で、その美味しさを再認識してくださり、「ブログ通りの期待に違(たが)わぬ美味しさでした♬」と、仰って下さいました。
カウンターでの御食事ですので、頃合いを見計らい、
酢の物の鱧ざくをお出ししました。
鱧ざくは、照焼にした鱧を、蛇腹胡瓜、若布などと盛り付け、土佐酢と呼ばれる合わせ酢を掛けたもので、日本料理では、伝統的とも、古典的とも言える定番の仕事の一つでもあります。
そして、締めの食事ですが、
鱧しゃぶを食べ終えた鍋を、厨房に下げ、
漉したら、
火に掛け、
うどんを煮て、刻み葱をあしらい、お出しました。
お出ししたうどんは、冷凍の讃岐うどんですが、冷凍のうどん、とりわけ讃岐うどんは太いこともあり、煮崩れることもないだけでなく、独特の食感も長持ちするので、鍋ものには、うってつけなのです。
コースの締めであるデザートは、
6月の終わりということもあり、名残というか、最終便の苺のアイスで、苺は、鮮やかな赤い色が特徴の紅ほっぺという品種です。
これまでに何度もお話ししているように、『特別会席』は、お客様と相談の上で、料理内容を決めさせて頂いていることもあり、全てがお客様次第のコース料理でもあります。
詳細については、直接お問い合せ下さい。
昼特
今日は、ランチタイムに、『特別会席』の御予約を頂いたのですが、お昼に『特別会席』ということで、“昼特”ということになろうかと思います。
これまでにもお話ししているように、料理内容は、お客様のご用望を伺ってから、献立を立てるので、内容は、その時によって違いがありますが、そんな『特別会席』については、こちらをご覧下さい。
今日のお客様のご要望は、鱧、ふぐを入れながら、食事をすっぽん雑炊にして欲しいとのことでしたので、これからお話しするような献立で、料理を仕立てました。
先付は、
とうもろこしを使ったもろこし豆腐で、その次にお出ししたのが、刺身の第一弾として、
ふぐ刺のハーフサイズをお出ししましたが、今日のふぐは、もちろん天然のとらふぐで、三重県熊野灘産のものでした。
ふぐ刺の次は、
ピークを過ぎたものの、旬の食材の一つでもある鱧の天ぷらです。
天ぷらの後にも、鱧が続き、
小鍋仕立てで、鱧しゃぶをご用意しました。
鱧しゃぶの次は、刺身の第二弾として、生の本鮪の中とろと赤身、蛸の二種盛りというか、三種盛りを、
お出ししましたが、生の本鮪は、
宮城県塩釜産のもので、170キロの魚体のものですので、“The 本鮪”ともいうべき味わいでしたが、ちなみに、蛸は愛知県産のものです。
そして、焼物は、
北海道・紋別産の船上活締めの真ほっけの西京焼で、この数ヶ月の間、お客様にお出しして、かなり喜んで頂いていることもあり、個人的にも、お気に入りの焼物の一つでもあります。
その後、鱧しんじょう蒸し、
酢の物の鱧ざくと、
鱧料理が続き、食事は、
冒頭にもお話ししたように、すっぽん雑炊でした。
そして、コースの締めくくりのデザートは、
夕張メロンのアイスを、お出ししました。
『特別会席』に限らず、夕席のページにあるお料理は、お昼でもご用意することが可能ですが、その多くは、要予約のものとなっておりますので、御予約をお願い致します。
また、ご予算に応じて、色々と対応させていただきますので、詳細については、直接お問い合せ下さい。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語っています。
次回は9月7日(木)の予定です。
放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非是非♬
御食事無しの『特別会席』
当店のお品書きを開くと、
コース料理のページに【特別会席】というコース料理がありますが、
お客様とのご相談の上、献立を決めさせて頂いていることもあり、
お値段も8,500円よりとなっているのは、お出しする食材に違いがあるからです。
会席料理ですので、先付に始まり、最後は御食事、デザートとなるのですが、先日お出しした【特別会席】の献立は、お客様のご要望で、当店の看板素材とも言うべき、天然のとらふぐと鱧(はも)を中心に、御食事無しという異例のものでした。
また、これまでに何度かお話ししている【特別会席】ですが、タイトルにもあるように、今回のお話しは、『御食事無しの特別会席』の内容について、お話しします。
コースの最初の一品である先付は、
とうもろこしで作った豆腐のもろこし豆腐で、コーンポタージュを固めたような味わいです。
冷たいものの後であるだけでなく、ビールを飲まれていることもあり、
天然のとらふぐの唐揚げをお出ししましたが、自分がこよなく愛す天然のとらふぐの中でも、ジャンボちゃんと呼んでいる4キロを越える特大サイズのかまの部分を、下味をつけてから揚げたもので、福井県敦賀産のものです。
そして、
コースの始まりですので、軽い味わいとして楽しめるふぐ刺をお出しし、この日のふぐは、三重県産の天然のとらふぐでした。
ふぐ刺の次は、
鱧しゃぶを小鍋仕立てでお出ししたのですが、個人的には、数ある鱧料理のい中でも、鱧しゃぶが一番好きですので、もう少し召し上がって頂きたいのですが、色んなものを少しずつ召し上がりたいというお客様のご要望で、鱧は3切れにしました。
ちなみに、この日の鱧の産地は、次の落としは山口県で、それ以外は淡路島産でした。
この次は、
ふぐ刺に続く、刺身の第二弾として、生の本鮪の赤身、鱧の落としをお出しし、本鮪は宮崎県油津産で、先程お話ししたように、鱧は山口県産で、王道的な食し方ゆえ、これ以上お話しすることはしません。
コース料理には強弱というか、メリハリは欠かせませんので、冷たい料理である刺身の次ということで、焼物でも軽めの焼物として、
天然のとらふぐの白子を、軽く塩をし、焼いてから、すだちを添えてお出ししました。
言い忘れましたが、この日のお客様は、初めてのご来店でしたが、このブログを殆どお読みになっているだけでなく、Facebookでも友達にもなっている方でしたので、カウンターで召し上がって頂きました。
ですので、頃合いを見ながらお出し出来ただけでなく、色んなお話しをしながらでしたので、時には手が止まることもありましたが、或る意味旧知の仲とも言えるので、お互いの話題に盛り上がることも多々あり、カウンター仕事の魅力を楽しみながらの仕事となりました。
まだまだ、料理は続き、揚物の第二弾としてお出ししたのが、
鱧の天ぷらです。
お腹の具合も程よくなって来たものの、軽めの揚物ゆえ、箸が止まることはない様子ですが、最初よりは、のんびりとした流れで、この次にお出ししたのが、
この一ヶ月の間、自分の中ではかなりお気に入りの素材となりつつある北海道・紋別産の船上・活締めの真ほっけの西京焼をお出ししたのですが、ブログをお読みになってのご来店でしたので、ブログに書いてあったことと違(たが)わぬ味わいを、かなり評価してくださいました。
というよりも、天然のとらふぐや鱧とは別物の期待をしてくださったとのことで、素材に惚れ込むことが、料理人の立ち位置の一つで、そこを失うことを出来ないことを、お客様が教えてくれたのですが、そここそが、実はカウンター仕事の最大の魅力なのです。
そんな嬉々とした想いでお出ししたのが、
鱧しんじょう蒸しで、御食事無しのお客様にとっては、熱々の料理は、御飯ものである御食事に近い感じのようで、デザート前の一品は、酢の物として、
照焼にした鱧を使った鱧ざくをお出ししました。
そして、コースの締めくくりは、
苺のアイスで、お出しする前というか、仕込んだものは、
このように苺の実や実をつぶしたもので、苺をふんだんに使った素材感一杯のものです。
冒頭にもお話ししたように、【特別会席】は、お客様のご用望を重視したコースで、如何様にも仕立てることが可能です。
それゆえ、最良の素材をお出しするため、自ら魚市場に通うだけでなく、全国各地の産地とコンタクトを取っておりますが、このことは【特別会席】に限ったことではありません。
料理の世界には、“素材に勝る味付けなし”という言葉というか、格言があり、良い素材を手にすることこそが全てで、そこを追い求め、その姿勢を失うわけにはいかないのです。
★☆★ マクロビオティックバージョンのかき揚げコース ☆★☆
当店では、「賄いを食べてみたい!」というSNSでのコメントから、お品書きにないランチメニューとして、
マクロビオティックバージョンのかき揚げコース(おひとり 1,500円)をご用意しております。料理内容などの詳細については、こちらをお読み下さい。