誕生日プレゼントの鰍(いなだ)の刺身
Vol.4320
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です
今日(3月7日)は
誕生日プレゼントの
鰍(いなだ)
についてお話しします
「おはよう、親方🐡
ブリみたいだけど
この魚は?」
と、熱血君が訊いてきました
「おはよう🐡
鰤の幼魚の
鰍(イナダ)だよ」
と、自分
「魚へんに秋って
書くんだね」
「そうだよ
たださぁ、カジカって
淡水魚も
鰍って書くんだよ」
「えっ!?
それじゃ
区別がつかないじゃん」
「さらに、厄介なのが
海水魚にも
カジカっているんだよ」
「ますます複雑じゃん!」
「これが
淡水魚のカジカで
海にいるカジカは
何とかカジカって言って
50種類くらい
いるようだよ」
「へぇ~」
「山育ちの自分は
子供の頃
川でカジカを取りに
行ったことがあるから
馴染みがある魚なんだよね」
「そうなんだぁ
何だか話が
複雑になりつつあるけど・・・」
「そうだね
まぁ、この辺にしておくよ」
「でも、気になるのが
魚へんに
春、夏、冬がつく魚もいるの?」
「どれもこれも
いるんだよ」
「やっぱりね」
「春がサワラ(鰆)で
夏がワカシ(魚夏)
冬がコノシロ(鮗)
ただ、ワカシは当て字だから
一つの漢字では
無いみたい」
「へぇ~
で、ワカシって?」
「ワカシも
鰤の幼魚で
イナダよりも
小さいものだよ
夏の後が秋だから
意味としては
合っているよね」
「うまく出来ているね~」
「その次に大きいサイズが
ワラサで
鰤の手前だから
稚鰤って書くんだよ」
「漢字って
頭がいいね
生成AIにも勝てるんじゃね?」
「どうなんだろうね
鰤の呼び名についても
話したいけど
この辺にしておくね」
「うん♬
鰤を仕入れて来るのは
よく見るけど
イナダは
あんまり仕入れて来ないよね?」
「そうだね
ただ、今朝は
由比(注)のが
結構あったんだよ」
「わぁ、沢山!」
(注)由比(ゆい)
桜海老で有名な漁港で
沼津から40キロくらい
西に位置しています
コンテナに入っていたのは
各2、3本ずつで
それでは多いので
この1本を
フライングゲットさせてもらいました
「しずまえって
書いてあるけど
これって
どういう意味なの?」
「 静岡市には
用宗(もちむね)、清水、由比の
3つの港があって
この海沿いの地域で
水揚げされる魚介類を
しずまえ鮮魚って
呼ぶんだよ」
「へぇ~」
「色んな魚が水揚げされるけど
さばふぐを仕入れることが
一番多いね」
「で、イナダは
何に使うの?」
「常連さんの誕生日プレゼント!」
「わぁ~っ
いいじゃん、いいじゃん!」
いつもながらの下処理をし
柵取りしたら
皮に包丁目を入れたら
バーナーでFIER🔥
炙ったら
皮目を下にして
冷まします
腹の方は
切身にしたら
塩、胡椒をし
フライにするため
パン粉をつけておきました
いなだのフライと言うと
聞き慣れないかもしれませんが
アジ科ということで
大きめの鯵フライ
と言った感じで
少なくとも
フィッシュバーガーの
フライとは別物ですし
刺身で食べるよりも
おすすめです
いなだの刺身を盛付けると
「んまそう~🤤
このお皿って
季凛のじゃないんじゃね?」
「そうだよ
近所の常連さんだから
器を借りて来たんんだよ」
「言われてみれば
『何か作った時に
鍋とかタッパ持参で
来てね』って
よく言っているもんね
使い捨ての容器だと
面倒だったりするしね
ただ、わさびが無かったけど・・・」
「チビッ子がいるから
無しにしたんだよ」
「ふぅ~ん
で、これって・・・?」
「自分達のお昼だよ」
「やっぱ、来たか・・・
で、フライは?」
「フライは、明日だよ」
「いいなぁ~🤤
ねぇ、親方
僕の誕生日にも
何か作って欲しいんだけど・・・」
「もちろんだよ」
「わぁ~い!」
イナダに限らず
魚市場に行くことで
色んな魚を目にすることが出来るだけでなく
今日のような余興が
楽しむことが出来ます
というよりも
本業よりも
こちらの方が
楽しかったりして・・・
「明日のバスの席は
グループごとなんだね
そんじゃ、また🚌」
by ミニふぐちゃん
休み明けと休み前に、フライヤーの掃除
Vol.4316
いらっしゃいませ
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天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
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【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です
今日(3月3日)は
フライヤーの掃除
についてお話しします
今日は、バスツアーの御席があり
お帰りの際には
いつものように
皆でお見送り👋👋👋
もちろん
ミニふぐちゃんも一緒です
洗い物を終えたので
女子達も
ひと段落
ひと段落も束の間で
今度はフライヤーの掃除をするため
油を抜くと
かなりのくたびれ様です
ここ最近
揚物をすることが多く
限界ですので
捨てることにしました
また、休み明けの火曜日(27日)も
朝の段取りを終えたら
フライヤーの掃除をしたので
今週2回目
ということになります
火曜日の時点では
油もくたびれてはいなかったので
濾しておき
濾すためには
油を温めなくてはなりません
ということで
その日の昼ごはん用に
天ぷらを揚げました
揚げたのは
かき揚げとさつま芋です
自分と女将兼愛妻(!?)の真由美さんは
天ぷらカレーで
休みの娘達は
温玉乗せカレーうどんに
さつま芋の天ぷら付でした
「どっちも
んまそうだったよねぇ🤤
このために
フライヤーの掃除をしたんじゃね」
「ついでだよ、ついで!」
そんな今日の昼ごはんも
ついでに、かき揚げを揚げて
そばにしました
「ついでって言ってたけど
朝の準備が終わった後に揚げたのは
どうしてなの?」
「今日のバスのお客さんに
揚物を出すから
そのために
油を温めたかだていたからだよ」
ということで
バスの御席の揚物が
鯵のしんびき揚げと鶏の唐揚げでした
「そうなんだぁ~
ついつい
賄いに目が行っちゃうのは
僕達だけじゃないと思うけど・・・」
最初に真由美さんが洗ったら
自分が手直しをし
拭き上げると
「ピカピカじゃん✨」
「美味しい料理は
きれいな道具からしか
出来ないからね」
「なるほど~♬
親方の言葉なの
それって?」
「いや、若い頃
浜松にいた時の親方に
『道具がなきゃ料理は
作れないんだから
道具は大事にしなくちゃならない』
って言われたんだよ」
「おぉ~さすが
親方の親方だね!」
「まぁね」
リサイクル用に
ペットボトルに
入れ替えたら
一連の油仕事が終わったのでした
「明日発送分の
『西京漬』だね
そんじゃ、また🐡」
by ミニふぐちゃん
肩星鰯(かたぼしいわし)のような小魚が好きな理由
Vol.4314
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
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【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です
今日(3月1日)は
肩星鰯(かたぼしいわし)に限らず
小魚が好きな理由について
お話しします
今朝、沼津魚市場に行くと
沼津市西浦の
定置網漁船・冨久豊丸(ふくほうまる)が
水揚げをしているところでした
台の上に乗っているのは
鯵(あじ)です
鯵以外で
目に付いたのが
肩星鰯(かたぼしいわし)でした
朝獲れと言うより
今朝獲れですので
死後硬直はしていません
鱗(うろこ)も
びっしり
好みのサイズを
1キロ分
選(よ)り
【佳肴 季凛】に戻ると
ミニふぐちゃんがやって来ました
「おはよう、親方🐡
カタボシイワシ、久々じゃね?」
「どうかなぁ
ただ、ここ最近
水揚げが増えてきたような
気がするけどね」
「親方って
こういう小魚
意外と好きじゃね?」
「そうだね
色んな意味で好きだよ」
「色んな意味って?」
「料理の道に
転んだきっかけが
鮨屋だったことかな」
「鮨屋と小魚って
どういう繋がりなの?」
「鮨屋って、最初に
貝類とか小魚の仕込みを
覚えなくちゃならないんだよ」
「寿司を握る前に?」
「そうだよ
鮨ねたが無きゃ
握れないじゃん
だから、その前に
魚の仕込みを
覚えなくちゃならないんだよ」
「言われてみれば
そうだよねぇ
で、どうして
小魚とかが
最初なの?」
「包丁を使う
基本の仕込みだからだよ」
「へぇ~」
「特に、貝類は
開き方、下処理が
それぞれに違うからね
お陰で
貝類の仕込みって
ほぼほぼ覚えたよ」
「鮨屋で使う貝類って
沢山あるよね?」
「主なところだと
赤貝、青柳(あおやぎ)、鮑(あわび)
北寄貝(ほっきがい)、鳥貝(とりがい)
海松貝(みるがい)、白みる
帆立(ほたて)、平貝(たいらがい)、蛤(はまぐり)
知っているとは思うけど
鮨ねた以外にも
貝類は沢山あるからね」
「アサリとかでしょ?」
「そうそう
貝類の話は置いといて
鯵、小肌(こはだ)とかの
仕込みを覚えたら
穴子を覚えて
その後に
普通の魚の三枚おろしを
やらせてもらえるようになるんだよ」
「そんなに順番があるの!?」
「そうだよ
で、最後が
鮪(まぐろ)の柵取り」
「長っ!」
「あくまでも
鮨屋の話だよ
和食っていうか、日本料理は
こういう小物を
沢山使うことは少ないからね」
「そうなの!?」
「鮨屋と和食って
似ているけど
実は、別物なんだよ」
「ふぅ~ん」
「鮨屋時代の先輩に
『お前は鮨屋が
最初だったから
細かい仕事に
抵抗が無いんだよ』
って言われたことがあるんだけど
確かにそうなんだよ
『だから、フグ類の
水洗いも嫌がらないんだよ』
とも言われたよ」
「フグって
親方の仕込みしか
見たことないから
よく分かんないんだけど・・・」
「とらふぐに限らず
ふぐ類って
身欠(みがき)って言って
卸した状態のものが
売られているんだよ
だけど
人が触った魚を扱うのは
たぁ~っまんなく嫌だから
仕入れることはしないけどね」
「言われてみれば
どんなに小さいフグでも
そのまんまを仕入れているもんね」
「小物の仕込みが
料理人としての始まりだから
それをパスするってことは
自分自身を否定するようなものだから
それは出来ないんだよ」
「へぇ~
人に歴史あり
って言うもんね」
「ってことだから
仕込みを始めるよ」
「はぁ~い♬」
肩星鰯は
鱗を取ったら
頭を落とし
はらわたを取ります
鱗が残っていることもあるので
丁寧に水洗いをしなくてはなりません
その後
三枚に卸すと
鮮度バリバリですので
中骨が
そり返っていました
「こんなの初めて見たよ!」
「実は、自分も初めてなんだよ」
「マジで!?」
「でも、自分が仕入れた魚が
ここまで新鮮だと思うと
してやったりの気分だね」
「👏👏👏」
卸し終えた身に
塩をあてること20分
塩が溶けたら
水洗いします
二番酢(一度酢〆に使った酢)に
くぐらせたら
新しい酢に漬けること5分
酢から上げたら
昆布で挟んでおきました
「これはこれいいんだけど
さっきよりも
量が少なくね?」
「あはは、バレた?」
「そりゃ、わかるでしょ」
小さめのところを
たたきにして
昨日仕入れた
葉血引(はちびき)と共に
オン・ザ酢飯
昨日の葉血引については
こちらを👇
「やっぱ、こう来たか・・・🤤
真由美さんは
食べ過ぎちゃうから
別盛なんだよね
しっかし
親方の盛が凄過ぎ!」
「この時間(2時過ぎ)まで
特に食べていないからね」
「そうかもしんないけど・・・。」
「今夜の予習だよ」
「予習!?」
そして、今夜の会席料理の刺身👇
葉血引、肩星鰯、湯葉の
三種盛です
「確かに、予習だけど・・・」
「でしょ」
「湯葉は抜きにしても
こういうのが
地魚の刺身だよね
それもだけど
今日のお昼こそ
地魚丼だね」
「まぁね
折角、魚市場に
自分で行っている以上
鮮度バリバリの魚を仕入れて
魚の美味しさを
知って欲しいからね」
今朝の肩星鰯に限らず
魚市場で仕入れるのも
料理人としての原点でもあります
最初の鮨屋は
今は無き築地に
仕入れに行ってました
当時は、注文した魚を取りに行くのが
基本でしたが
そういう中でも
自分の練習のために
色んな魚を仕入れたものです
その時も
店で使わないような
小物が殆どでした
仕入れることも
仕込むことも
小物が原点で
今でも、その習慣は
変わりません
“三つ子の魂百まで”
“雀踊り百まで忘れず”
とは、よく言ったものです
そういう気持ちと姿勢を
忘れることなく
日々の仕事に
臨み続けます
「明日はお弁当があるんだね
そんじゃ、また🐡」
by 熱血君
黒鯛の薄造りと刺身の三種盛
Vol.4307
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です
今日(2月23日)は
黒鯛の薄造りと
刺身の三種盛について
お話しします
「 今日のランチの刺身
んまそう~🤤
内容は?」
と、ミニふぐちゃん
「黒鯛(くろだい)
尾赤鯵(おあかあじ)
湯葉の三種盛だよ」
と、答えると
「昨日は
黒鯛の薄造りだったけど
どうして違いがあるの?」
「昨日、薄造りにしたのは
魚市場で仕入れた
活きた黒鯛だったからだよ」
「じゃ、今日は
薄造りには
出来ないの?」
「出来ないわけじゃないんだけど
正確に言うと
不向きってことかな」
「不向きって・・・?」
「魚の種類にもよるけど
薄造りにする時って
身が活きた状態
要は、活〆にしてから
時間が経っていない状態じゃないと
歯応えが味わえないんだよ」
「時間が経つと
どうなるの?」
「時間が経つと
歯応えがなくなる代わりに
旨味が出てくるんだよ」
「じゃ、どっちが
美味しいの?」
「好き好きだから
どっちがどうとは
言えないね。」
「そうなんだぁ~
あと、オアカアジって
言ってたけど
これはいつ仕入れたの?」
「尾赤鯵も昨日なんだけど
酢で締めてあるから
今日の方が
味が馴染んで
美味しいんだよ
折角だから
黒鯛も尾赤鯵も
仕入れの様子を話そうか?」
「わぁ~い♬」
ということで
昨日の沼津魚市場です
🐟黒鯛
黒鯛は、産卵が近づく
冬から春にかけて
脂が乗り
浅場にも出て来るので
入荷が増えてきます
昨日の黒鯛は
いわゆる地物で
この中から仕入れたのが
2,3キロのものでした
黒鯛のサイズとしては
やや大きめになります
生簀から取り出したら
動かないように
目を隠します
えらと
尾の付根に
包丁を入れたら
血抜きのため
氷を入れた海水で
一気に冷やし込みます
しばらくしたら
海水から上げます
氷を入れておくのは
締めた時に
体温が上がり
それによって
身が焼けるのを防ぐためです
身が焼けると言っても
加熱されるわけではありません
身が白濁したり
柔らかくなってしまい
使いものにならなくなってしまいます
🐟尾赤鯵(おあかあじ)
尾赤鯵の漁場(ぎょば)は
沼津近隣で
大型船の巻網漁で
水揚げされたものです
尾赤とあるように
尾をはじめ
ひれが赤いのが特徴で
正式には
オアカムロと呼ばれています
競り前の仕分け中だったので
好みのものを選り
3,5キロを
フライングゲット
毎回毎回、フライングゲットが
出来るわけではありませんが
「早起きは三文の得」
「早いもの勝ち」
とあるように
市場に早く来ることが
美味しい料理の近道なのは
言うまでもありません
「っていう感じで
仕入れて来たんだよ」
「そうなんだぁ」
沼津魚市場は
他所から送られて来る魚だけでなく
漁港が併設されている魚市場なので
地魚を仕入れるという
合わせ技が為せるのです
いわゆる朝獲れの魚の中には
マイナーな魚も多く
魚屋ですら
その味を知らない魚も
多いのです
なので、自分のように
変わり種を仕入れていると
奇異の目で見られることも
珍しくありません
そういう時に言うのが👇
折角、魚市場に来ているんだから
変わり種を仕入れて
その美味しさを
お客さんに伝えるのも
ありだと思っているからね
魚屋は、品揃えというハードルがあるので
万人受けして
それなりの量を扱わなくてなりません
しかしながら
自分の場合
気に入った魚を
気に入った分
使い切れる分だけを
仕入れれば
事足ります
もっと言えば
お客様のことだけを
考えておけば
いいだけのことなのです
食べることが出来る魚の種類は
恐らく天文学的な数字レベルのはずで
美味しくない魚を探すのは
難しいとも言われています
日本料理が魚菜食文化である以上
多くの魚の魅力を伝えるのが
料理人の役目で
それと同時に
魚を獲ってくれる漁師だけでなく
野菜の生産者たる農家
つまり、一次産業の
代弁者でなくてはならないのです
「相変わらず
熱いねぇ、親方は・・・♬
その想いが
余りに余って
ついついおかず行きなんだよね」
「何だかんだ言っても
自分が食べなきゃ
説得力ないじゃん
この尾赤鯵じゃないけど
味と値段が比例しない魚って
意外と多くて
さっきの話の繰り返しになるけど
その美味しさを伝える使命が
料理人にはあるんだよ」
「なるほどねぇ
でも、美味しさが広まって
値段が高くなったら
仕入れが困るんじゃね」
「ただ、ある程度
高くならないと
漁師が困るじゃん
さっきも言ったように
漁師の代弁者に
ならなくちゃならないんだよ
料理人は!」
「そっか~」
明日は土曜日ということで
沼津魚市場は休みなので
早起きをしなくて済むのが
ひと安心です
「今日の娘ちゃんランチは
天ぷらじゃん🤤
そんじゃ、また明日🐡」
by ふぐとらちゃん
風の吹き方次第で、東伊豆と西伊豆では、魚の水揚げが異なる理由
Vol.4300
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です
東伊豆と西伊豆とでは
天気次第で魚の入荷が異なります。
そんなことについて
今日(2月16日)は
お話しします
ホームグランドの沼津魚市場がある
静岡県沼津市は
伊豆半島の付根の西側に位置し
沼津魚市場は
漁港が併設されていることもあり
西伊豆だけでなく
東伊豆の魚も入荷して来ます
西伊豆は駿河湾
東伊豆は相模湾
に面しているので
同じ伊豆でも
獲れる魚には大きな違うだけでなく
自分の中では
西伊豆=駿河湾=静岡県
東伊豆=相模湾=神奈川県
の図式なのです
また、伊豆半島は
海のイメージがあるのですが
真ん中には天城山(あまぎさん)があり
海と山のコラボレーション半島
とも言えます
ちなみに、天城山は
日本百名山の一つです
このような地形のため
風の吹き方次第で
魚の水揚げに
大きな違いが生じます
そんな今朝の入荷状況は
それを象徴するような感じでした
こちらの売場が
沼津近隣(西伊豆)で水揚げされた
魚が並ぶ売場です
この手前には
西伊豆・戸田(へだ)の
トロール漁の売場があり
今日の水揚げは無く
漁船の名前だけが
ひっそり・・・
早朝とは言え
黄昏れています
一方、東伊豆の付根の
熱海・網代(あじろ)からは
鯵(あじ)や
鯖(さば)を中心に
入荷がありました
また、伊豆半島の南東部の下田からは
金目鯛(きんめだい)や
目鯛(めだい)などが入荷し
最終的に
東伊豆方面の魚が並ぶ売場は
沼津近隣の売場とは大違いでした
そんな今朝仕入れたのが
網代産の鯵(あじ)で
2、3時間前に水揚げされた
いわゆる朝獲れにして
死後硬直前なので
身はクニャクニャ
【佳肴 季凛】に戻り
鯵を見ると
ミニふぐちゃんが
「今日の市場の様子って
へぇ~、ほぉ~
って感じの言葉しか出ないよ」
と、言ってきました
「そうでしょ
市場に通い始めた頃は
風と地形なんて
全く気にしていなかったけど
こういうことを知った時は
黙って頷くしかなかったよ」
「やっぱ、そうなんだぁ」
「そりゃ、そうだよ
普通に生活していれば
晴れか雨までは気にするけど
風の吹き方なんて
関係ないしね」
「分かる分かる
降水確率が
一番気になるもん」
「まぁ、沼津は
富士山からの風だけじゃなく
駿河湾からも風が吹くから
干物が有名になったんだよ」
「そうなの!?」
「全国的にも
40%ぐらいのシェアがあって
全国1位なんだよ」
「マジで!」
「マジな話だけど
ただ、魚の消費量そのものが
肉の消費量よりも
少ないから
1位とは言ってもねぇ・・・」
「そうなんだぁ~」
「ただ、前から言っているけど
日本料理って
魚菜食文化だから
その美味しさを伝えるのが
和食の料理人の
役目だと思うんだよね
それだけじゃなく
漁師の代弁者として
魚の美味しさの魅力を
伝えなきゃいけないんだよ
だから、自分で魚市場に行って
気に入った魚を仕入れて
それを料理してこそ
本当の意味の地産地消で
それって
マクロビオティック(玄米菜食)の
身土不二(しんどふじ)の
考え方なんだよね」
「そうなんだぁ
今言ったことって
【西京漬】(※)のページの
写真と文章を
言い換えたんだじゃね?」
「そうだよ
やっと分かったの?(笑)」
「だから、店じゃなく魚市場で
腕を組んで立っているんだぁ!」
「そうだよ」
「深過ぎだよ、親方!」
「まぁ、この続きは
どっかで話すけど
とりあえず
【鰯の丸煮】(※)を仕上げなきゃなんないから
「仕込みはいいんだけど
アジの隣のサバは
【西京漬】用なの?」
「いや、風が吹いていたから
おかず用」
「風とおかず・・・?」
「まぁ、見てなよ」
鯖は解凍したら
腹骨の一部をすき取ります
こうするのは
苦玉とも呼ばれる
胆のうの一部が残っていると
食味を損ねるからです
皮に包丁目を入れたら
日本酒と濃口醤油を同割にしたものに
漬けること20分
「わかった!
干すんだね」
「BINGO!」
残った醤油は
【鰯の丸煮】の鍋の中へ
煮詰まってきたら
残りの鯖を鍋に入れます
【鰯の丸煮】と共に
鯖の煮付が出来上がりました
「うひょ~
この照りがいいじゃん!
オンザライスしたい🤤」
「でも、今日のお昼は
こっちだよ
鯖の醤油干し御膳!」
「何、これ~
ず~っりぃ~🤤
親方は2枚で
真由美さん(※)は1枚なの?」
「そうだよ
『2枚だと食べ過ぎちゃうから』
だって」
※真由美さん
女将兼愛妻(!?)のことです
「焼魚がご飯のおかずには
一番だね」
「親方達のお昼って
大体、こういうのだもんね」
「魚って
それぞれに美味しさの違いがあるのが
一番の魅力だからね」
「そうだよね♬」
ちなみに、ご飯は
玄米ベースの雑穀御飯です
この昼ごはんだけで
20種類以上の食材を
味わうことが出来る
典型的な魚菜食文化の食事にして
このような美味しさこそが
和食の魅力なのです
贅沢な料理と言うと
高カロリーだったり
妙な罪悪感を
感じることもあります
今日のような昼ごはんこそが
自分のスタイルの
“身体に優しい
美味しい日本料理”なのです
これなら
何ら罪悪感を
感じることはありません
色んなタイプのご馳走がありますが
どこまで言っても
ストイックにならないご馳走こそが
自分の目指す料理で
それを支えてくれるのが
沼津魚市場で仕入れて来る
天然の魚の面々なのです
「親方のお気に入りの天然の魚は
当然、とらふぐなんだよね
そんじゃ、また🐡』
by ふぐとらちゃん
★☆★ 【コエタス】 ★☆★
当店のお取り寄せや
通販の商品などを召し上がった方々が
投稿して下さっています
ご興味、ご関心のある方は
御覧ください
フワフワの真鰯(まいわし)の天ぷら
Vol.4298
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です
今日(2月14日)は
真鰯(まいわし)の天ぷらについて
お話しします
「おはよう、親方🐡
また、マイワシ仕入れて来たの?」
と、ふぐとらちゃん
「おはよう🐡
そうだよ」
と、返すと
「今日の産地は、どこなの?」
「今日のは
富山だよ」
「富山って
もう少しすると
ホタルイカが獲れるんでしょ?」
「そうだよ
3月になると
富山湾の定置網漁が
解禁になるからね」
「いよいよ、春だねぇ~」
「この真鰯の荷主も
蛍烏賊を送ってくるんだよ
実はさぁ
富山の真鰯って
かなり有名なんだよ」
「初耳学!」
「氷見(ひみ)って
知ってる?」
「名前だけは
聞いたことがあるよ」
「氷見は鰤(ぶり)で有名なんだけど
『広辞苑』にも
氷見鰯(ひみいわし)で
載っているんだよ」
「今日の初耳学(その2)じゃん
マジでヤバっ!」
「今でこそ
有名な氷見の寒鰤(かんぶり)だって
載っていないんだからね」
「それはそうと、今日のマイワシも
【鰯の丸煮】(注)に仕込むの?」
「仕込むんだけど
【鰯の丸煮】は
ついでみたいなもんだよ」
(注)鰯の丸煮
「どういうこと?」
「今夜のコース料理の
揚物に使うのが
仕入れて来た一番の理由だよ」
「真鰯を揚物にするのって
初めてじゃね?」
「初めてなんだけど
今夜のお客さんは
常連さんだから
たまには、変化を
つけるためなんだよ」
「へぇ~」
下拵えを終えた
真鰯の水洗いをしてくれるのは
いつものように
女将兼愛妻(!?)の真由美さんです
「尻尾がついたままのマイワシって
さっきのこれ?」
「そうだよ
大きいのが
天ぷら用で
小さいのが
酢締め用だよ」
「【鰯の丸煮】、天ぷら、酢締め
ってことだから
三刀流じゃん!
大谷翔平を越えるなんて
すご過ぎだよ」
「そうなんだけど
そういう比較って・・・(笑)」
酢締めと
【鰯の丸煮】については
今日は脇役ですので
ここまでにしておきます
天ぷら用の真鰯は
腹開きにしておきました
案の定
脂が乗っており
皮ぎしの白いのが
脂です
こういう時に欠かせないのが
クオリティチェックを兼ねた
昼ごはんなのは
言うまでもありません
お客様にお出しするのと同じく
天ぷらで
御飯はいつものように
玄米ベースの雑穀御飯です
「マイワシ以外にもあるけど
目の錯覚?(笑)」
「いや、リアルだよ
下足(げそ)、大葉、さつま芋は
かさ増しチームだけど
どうかしたの?」
「っていうか
脇役の方が
多いんだけど
ますます食べたくなるじゃん! 」
「その辺は、
スルー願います・・・(笑)」
「油で揚げるなら
脂がなくても
いいんじゃね?」
「脂がある魚を
油で揚げると
フワフワになるんだよ」
油で揚げるなら
脂がないと
ぜ~んぜん美味しくないよ」
「初耳学(その3)!」
「フライにすると
サクサクでフワフワだよ」
「・・・・・🤤」
そして
夜になると
真鰯の天ぷらのデビューです
一枚の真鰯を半分に包丁し
塩を添えてあります
真鰯の天ぷらをお出ししたコースは
ベースの会席料理と
特別会席でした
特別会席の揚物は
この時季だと
とらふぐ(天然)の唐揚げになるのですが
先程もお話ししたように
常連さんでしたので
趣を変えて
真鰯の天ぷらにしてみました
【特別会席】を初めて召し上がるお客様に
真鰯の天ぷらをお出しするのには
抵抗があります
しかしながら
常連さんですので
全く気にする必要はなく
予想通り、喜んで下さいました
真鰯の天ぷらをお出しで出来るのは
【鰯の丸煮】を仕込むというか
仕込める余裕がある時です
ただ、今日のように
十分なくらいに
脂が乗っていないと
お出しすることは出来ません
100歩譲って
【鰯の丸煮】を仕込まないというか
仕込めないような時でも
お出しすることも出来るのですが
問題なのは
真鰯の入荷によることです
なので
真鰯の天ぷらをご希望の際には
予め、お問い合わせ願います
「じゃあ、明日は
今夜の【特別会席】の献立を
話してくれるのかなぁ。
そんじゃ、また🐡」
★☆★ 【コエタス】 ★☆★
当店のお取り寄せや
通販の商品などを召し上がった方々が
投稿して下さっています
ご興味、ご関心のある方は
御覧ください
賄い作りに勤(いそ)しんだ日曜日
Vol.4288
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です
についてお話しします
日曜日の今日は
娘もいたので
昼ごはんに天ぷらを揚げ
昼ごはんは
素麺にしました
寒いので
素麺を温めなおす
釜揚げ素麺風です
「揚げたての天ぷらに
熱々のそうめんかぁ
んまそう~🤤」
と、熱血君
「天ぷらがあると
ご馳走感が出るから
いいよぉ」
と、言うと
「こんだけあれば
ご馳走感じゃなくて
ご馳走そのものだよ」
「確かに、そうかも
まぁ、賄い作りは
息抜きみたいなもんだし」
「そうかもしれないけど・・・
で、何を揚げたの?」
「今、言うから
慌てない、慌てない」
①海老
②蓮根
③椎茸
④シャウエッセン
⑤大葉
「ねぇ、親方
定番のカレー?」
「そうだよ
定番のオマケアイテムのカレーだよ」
「こんだけあると
何人前くらい?」
「ざっくり言って
70とか80人前だよ」
「え゛っ!?
冷めたら
真空パックするんでしょ?」
「そうだよ
15袋くらい出来るね」
「ってことは
15人のお客さんに
あげるってこと?」
「そうなるね」
「80人前じゃ
朝昼晩食べても
食べきれないもんね」
「だから、あげるんだよ」
「誰でももらえるの?」
「一応ね
初めてのお客さんには
味見をしてもらってから
渡しているんだよ」
「どうしてなの?」
「普通のカレーっぽくないからだよ」
「普通っぽくないカレーって・・・」
「出汁を取った後の昆布や
野菜の皮とかが入っていて
肉も殆ど入っていないカレー」
「そういうことね」
「あと、さっきの材料が中心で
和風っぽいから
苦手な人もいるみたいだよ」
「へぇ~
ヘルシーカレーなのにねぇ」
「あと、和風だから
御飯だけじゃねく
麺類に合うんだよ」
「パンには合わないの?」
「ぜ~んぜん合わないよ
美味しくないってことはないけど
ピンボケしている感じの味だね」
「カレーって
全部の主食に
合うもんじゃないんだね」
「まぁね」
その後
けんちん汁を仕込んでいると
「親方、これは?」
「明日の夕飯用の
けんちん汁
休みの日って
夕飯を作るのも
パスしたくなるから
前の日とかに
作ることが多いんだよ」
「料理が好きでも
そんなことあるんだぁ」
「楽したいじゃん
だから
バットに入れて
温めるだけにしておくんだよ
そうすれば
スチコン(注)で
温めるだけだから
楽チンなんだよ」
(注)スチコン
スチームコンベクション
オーブンの略で
蒸す、焼くの機能を備えた道具です
「そういうところまで
考えているんだぁ」
「休みの日ぐらい
楽させてよ
真由美さんも同じ考えだし・・・」
「で、けんちん汁に入っているのは?」
「人参、大根、こんにゃく
ごぼう、椎茸、厚揚げ
ちくわぶ、手羽元だから
全8種類」
「これに
ご飯があるだけで
バッチリじゃん!」
「しかも、ご飯も
スチコンで一緒に温められるから
さらに楽だし・・・♬」
「そうは言っても
しっかり休みの日の
夕飯も考えるなんて
よっぽど料理が好きなんだね」
「まぁね
おかずとか
まかない作りは
さっきも言ったように
気分転換になるからね」
「たださぁ
夕飯を作らないと
洗濯とか
家の掃除を手伝わされるから
そこから避難するのも
夕飯を作る理由なんだよ」
「あはは・・・
家じゃ、(注)真由美さんに
頭が上がらないんだねぇ」
(注)真由美さんとは
女将兼愛妻(!?)のことです
休み前ということですが
明後日は
ホームグランドの
沼津魚市場が休みなので
魚市場へ行かなくてはならず
休日出勤が
既に決定しています
なので、この辺で・・・
「明日は頑張ってね
そんじゃ、また🐡」
by ミニふぐちゃん
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日本料理の盛付けの基本は、築山(つきやま)
Vol.4286
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です
今日(2月2日)は
基本的な日本料理の盛付け
についてお話しします
「親方、この天ぷらって・・・?」
と、ミニふぐちゃんが
訊いてきました
「この天ぷらは
〇★¥と◆$◎(注)の夕飯用だよ」
「んまそぉ🤤
いいなぁ~。」
(注)〇★¥と◆$◎ は
二人の娘達のことです
「お手伝いしてくれれば
いくらでも
作ってあげるけど・・・」
「ありゃりゃ・・・
天ぷらって言えば
2、3日前に
テイクアウトの天ぷら盛り合わせを
作っていたよね?」
「そうだよ
これね👇」
基本的に
お持ち帰り料理は
前もっての御注文となっているのですが
この日は
時間に余裕もあったので
急な御注文でしたが
ご用意することが
出来ました
急いで買い出しに走り
天種の準備完了
ということで
ビフォアアフターの
アフター=天ぷらです
「こうやって並ぶと
もぉ~んまそう🤤」
持ち帰りの容器は
特大(3人前)2つと
小(一人前)が1つです
それぞれに
天紙を敷いたら
盛付けていきます
①玉ねぎ
②南瓜(かぼちゃ)
③榎(えのき)
④鯵(あじ)
⑤茄子(なす)
⑥海老(えび)
⑦大葉
⑧パプリカ
⑨獅子唐(ししとう)
⑦以降、小は⑨まで
一度に盛付けました
最後に
富士卸しを盛付け
出来上がりです
富士卸しとは
大根おろしに
おろし生姜を合わせ
富士山に見立てたものです
「こういう盛付けって
決まりとかフォーマット
みたいなものって、あるの?」
「和食の盛付け方の基本は
山があって
川が流れて
野原が広がる
っていう風になるんだよ」
「あ~っ、そんな感じじゃん」
「だから、奥の方が高くなるから
向こう山
なんて言い方もするんだよ」
「へぇ~」
「それを頭に入れながら
盛付けると
あんな風になるんだよ」
「だから立体的に
見えるんだね」
「もっと言うと
落ち着いた感じがしない?」
「そうだね
何となく
しっくりくるね」
「そうそう
日本庭園のスタイルで
築山って
聞いたことある?」
「初耳学!
なんて読むの?」
「つきやまって読むんだけど
さっき言った要領のことだよ
築山で思い出したけど
日本庭園で
もう一つ代表的な形式が
あるんだけど・・・」
「分かるわけないじゃん
もうぉ~っ!」
「枯山水って聞いたことある?」
「あるある
意味は知らんけど・・・」
「かれさんすいって読むんだけど
水が無い所で
山と水の風景を表現したものだよ」
「へぇ~」
「その代表なのが
京都の龍安寺(りょうあんじ)の
石庭(せきてい)だよ」
「あっ、それなら
見たことあるよ
これでしょ?」
「そうだよ」
「これはこれで
和風だけど
料理の盛付けには
不向きなような
感じがしないでもないね」
「和食って
色んなところで
日本の文化と繋がっているんだよ」
「へぇ~」
ペットボトル入りの
天つゆも用意し
天ぷらを袋に入れ
お渡ししました
ミニふぐちゃんに説明したものの
和食の道に転がって
3分の1世紀とは言え
まだまだ知らないことも
多いのが確かです
初心を忘れることなく
日々の仕事に臨み続けていきます
「おっ、新しい長靴だね
そんじゃ、また明日🐡」
by ふぐとらちゃん
2024.2.2|賄(まかな)い お持ち帰り(テイクアウト) |permalink|コメントはまだありません
蝉魴鮄(セミホウボウ)の味
Vol.4285
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
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【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です
今日(2月1日)は
蝉魴鮄(セミホウボウ) の
味について
お話しします
今回のお話しを
初めて読まれる方は
過去3回のブログを
お読み下さい👇
初めて仕入れた
セミホウボウですので
当然のことながら
味は未体験です
そんな時は
知り合いの三重県の魚屋さんに
訊くことにしています
この後、直接電話をすると
笑いながら
「普通に食べられますよ」
の一点張り
そもそも、こんな事を訊いたのは
ネット上での評価が
様々だったからです
◆低評価
・大して美味しくない
・酸味を感じる
・5段階評価の2
・喜んで食べるほどの味ではない
◆高評価
・味が濃厚
・食感、味共にGOOD
書き込みはあくまでも
書き込みですので
実食してみなければ
始まりません。
ということで
活〆の魚ですので
刺身に仕立てました
どう見ても
ネット上の低評価は
間違いとしか
思えない見た目です
そのまま食べてみると
濃厚な味はありませんが
5段階評価で言うなら
3~4相当
一昨日、つまり締めた翌日に味見し
感想を伝えたやり取り👇
試食ですので
昼ご飯用に
真鰯(まいわし)と共に
ハーフ&ハーフ丼に仕立てました
こちらが
たたきにした真鰯で
こちらが
セミホウボウの刺身です
既に、何もつけない状態で
食べているので
ここからは
薬味を盛付けました
そのまま=素材を
料理に仕立てるのが
調味料や添える野菜です
セミホウボウには
生の本山葵
真鰯には
生姜を添えてあります
「調味料が
素材を料理に変えるんだぁ~」
と、熱血君
「そうだよ
どんなものでも
そのまま食べてみないと
本来の味が分からないからね」
「味も見ないで
醤油とかかける人を見るけど
そういうのって
どうなの?」
「どうもこうもないよ
見るだけで味が分かるなら
透視能力がある
超能力者だよ
そういう人は」
「そんなわけないじゃん!」
「食べてみて、薄ければ
醤油をかけるのは
ありだけど・・・
まぁ、色んな人がいるからね」
「そうだよねぇ~
で、肝心のセミホウボウの
総合評価は?」
「活かしのもので
それなりの大きさなら
ストライクゾーンに収まるよ」
「わぁ~、それなら
良かったね
でもさぁ
親方の投稿を見て
セミホウボウの人気が出ちゃったら
困るじゃん!」
「ぜ~んぜん
困んないよ
魚の美味しさが知れ渡るなら
大いに結構だしね」
「確かに、そうだよね
狭い了見は良くないよね」
「そういうことだよ」
食べたことがないからこそ
食べてみて
使えるかどうかを判断するのは
料理人として
非常に大事なことです
自分の場合
自ら魚市場に行っている以上
セミホウボウのような魚に
出会えるわけで
そういう魚の良し悪しを伝えることが
魚菜食文化の日本料理を
次世代に伝えることになります
さらに言うと
魚菜食文化を支えてくれるのは
漁師という存在です
彼ら無くして
料理人は料理を作ることが出来ません
だからこそ
漁師をはじめ
一次産業の代弁者として
食材の魅力を
伝え続けなくてはならないのです
「パンジーって
可愛らしいけど
寒さに強いんだね
そんじゃ、また明日🐡」 by ミニふぐちゃん
フライヤーの掃除の前に、賄い用の揚物
Vol.4281
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(1月28日)は
フライヤーの掃除の様子
についてお話しします。
「おはよう、親方🐡
朝一番で
揚物をしていたけど
どうしてなの?」
と、ふぐとらちゃん。
「おはよう🐡
フライヤーの掃除をするのに
油を温めるついでに
昼ごはん用だよ。」
と、言うと
「いいなぁ~🤤」
「何なら、お手伝いしてくれる?」
「あちゃ~
そう来たか・・・。」
というわけで、交渉不成立。
天ぷらは
自分達用が
かき揚げ、公魚(わかさぎ)
娘達用が
玉ねぎ、海老です。
これらとは別に揚げた公魚は
南蛮漬に仕込みました。
油が温まってるうちに
濾したら
フライヤーの掃除をしてくれるのは
女将兼愛妻(!?)の真由美さんです。
「おはよう、真由美さん♬
朝から大変じゃん!」
「ふぐとらちゃん、おはよう♬
そうなんだけど
フライヤーの掃除をする時は
床の掃除を
いつも以上にやって
かえって綺麗になるから
これはこれで
いいかもね。」
「そうなんだぁ~。
親方はやらないの?」
「他の仕込みもあるし
最終確認は、親方だよ。」
「やるんだぁ~、一応・・・。」
「なんか聞こえたけど・・・。」
「いやぁ、気のせいだよ。(笑)」
手直しをしていると
「親方、素手で平気なの?」
と、ふぐとらちゃん。
「面の皮と同じだから
平気だよ。」
「そうだよねぇ~。
・・・・・。
ヤバっ!?」
「そうだよ
って・・・?」
「いやぁ~、そのぉ~
・・・・・。」
素手でやるのは
汚れが分かりにくいからで
長時間ではないので
さほど問題ありません。
フライヤーの掃除が終わったら
側溝の掃除です。
「確かに
いつも以上に
綺麗になるかもね。」
掃除を終えたフライヤーが👇
「おぉ、ピカピカ✨
「これが
掃除をする前。
洗剤がかかっているけど
大違いでしょ?」
「うん、それこそ
ビフォアフターだね。
すごい、すごい!」
「綺麗な厨房からしか
美味しい料理は生まれないからね。」
「それって
親方の親方が教えてくれたんでしょ?」
「そうだよ。
話したこと、あった?」
「これまでのブログに
時々、書いてあったのを
見たよ。」
「そこにも書いてあるけど
どんな凄腕の料理人も
道具が無いと
料理を作ることは出来ないから
道具を粗末には
出来ないんだよ。」
「そうだよねぇ。
親方のコメントに
ふぐとらちゃんが
💟 (超いいね!)と
言っています♬」
水気をふき取ったら
濾した油を
フライヤーに。
「鍋に入っていた時は
汚れていたみたいだけど
こうすると
まだまだ使えそうだね。」
「そうなんだけど
見た目は綺麗でも
何度も火を入れてると
酸化するから
油のキレも悪くなっちゃうんだよ。」
「そうなんだぁ~。」
「揚がりが悪くなることを
コシが無くなるって
言ったりもするよ。」
「濾しても
コシが無くなるんだね。」
「おっ、上手いこと言うじゃん!
じゃあ、座布団じゃなく
かき揚げを一個ね♬」
「わぁ~い😋」
フライヤーの掃除が済むと
ひと安心です。
ましてや、休み前だと
なおさらのことで
心置きなく
明日の定休日を迎えることが出来ます。
「お取り寄せのアイテムの
発送の準備が出来たね。
そんじゃ、また明日🐡」 by 熱血君