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もっとおいしいお話し

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平目が大漁

 ここ最近、沼津の魚市場には、平目が沢山入荷してきます。今朝もそうでした。
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 この籠に入っているのは、”戸田産”です。この船の平目は、これだけではありません。
 その隣の籠にも、平目が入っています。
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 この平目は、富士市の田子の浦産です。田子の浦というより、富士川沖でとれたものです。この富士川沖の平目は、良質のものが多く、自分もよく仕入れています。
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 その隣の生簀も、平目です。上の籠も平目、その隣も平目、その向かいも平目です。今朝だけで、50枚くらい、入荷していたかもしれません。産地も、沼津、下田、御前崎、といろいろですが、特に多かったのが、田子の浦産です。
 何故、こんなに平目の入荷があるのだと思いますか?
 異常発生したわけでは、ありません。田子の浦産に関して言えば、現在”シラス”が禁漁中で、その船が平目を獲っているので、沢山入荷するのです。
 沢山入荷してくるわけですから、当然値段も安くなりますし、魚も良いものから、悪いものまで、また大きさもいろいろです。
 安いからといって、自分は値段で仕入れることはしません。生簀に手を入れ、傷の有無、身の肥え具合、形と吟味します。冷たいなんて、そんな甘っちょろいことは、言ってられません。そんな冷たさは、熱血魂で、吹き飛ばします。
 ですから自分が仕入れる魚は、平目に限らず、どんな魚でもこんな風に吟味します。氷が入ってても、そんなの気にしてられません。良い魚が欲しくて、市場まで行くのですから、そんなの当たり前です。
 良くない魚は使いたくありませんし、美味しい料理を出すのが、料理人です。料理を作るのが料理人ではありません。自分は料理人として、ごく普通のことをしているだけです。
 だから、市場に行くと、「親方、熱心だよね。」とか、「そこまで、みんなしないよ。」とか言われます。良くない魚では、自分のモチベーションが下がりますし、第一お客さんが喜んでくれません。
 ところで、こんなにも沢山の平目が入荷してきても、自分が納得いく平目は、わずかです。良い平目でも、大きさが納得いかなかったり、傷のないきれいなものでも、身は痩せてたりといった感じです。もっと言うと、良くない平目のほうが多いのが殆どかもしれません。
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 こんな風に、腹のほうが赤いと、身にも”シミ(血痕)”が入っています。特に縁側の部分がそうなっています。
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 また、この平目は、背の部分にも網の傷がついています。これらの平目は、当然値段も安くなります。
 平目の時季も、そろそろ終わりです。ただ、冬と春の端境なので、魚を選ぶにも、幾分苦心もしますが、「美味しい。」と言ってもらえる魚を、これからも仕入れてきます。
 志村
 追伸 平目ではありませんが、今日入荷した”本鮪”は、”寒鰤”で有名な富山県・氷見産です。

お品書き

 ”佳肴 季凛”は、会席料理を中心とする日本料理店なので、単品のメニューは、そんなにありません。
 また、コースでお出しする料理も、その日の仕入れによって、色々と変わります。特に、刺身で使う魚は、さまざまです。献立は、月替わりというより、日替わりといった感じです。
 ですから、日替わりの単品ものは、刺身や焼物が中心です。それらは、毎日自分が、こんな風に、書いています。
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 自分で商売をやるようになったら、こんな風に、筆(普段は筆ペンですが)を使って、お品書きや献立を書くのが、修業時代からの夢でした。
 「何で?」と聞かれることもあります。
 「格好いいから。」その一言しかありません。理由はありません。上手い下手の問題では、ありません。自らの手で認める(したためる)ことで、料理への想いを語るというより、語り”たい”だけなのです。
 ある意味では、唯我独尊の世界です。
 はっきり言って下手なので、時には、お客様に迷惑を掛けることもあります。この場を借りて、「申し訳ありません。拙い字で・・・。」
 書き終わったら、こんな風に、額に入れます。
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 照明の関係で、見づらいのは、お許し下さい。
 また、入り口のメニュースタンドにも、経木に書いて、置いておきます。
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 ランチタイムが、終わって、休憩に入る前に認める(したためる)のが日課です。今日も認め終わったので、休憩に入ります。
 志村
追伸 ”したためる”という漢字は、”みとめる”と同じ字だったんですね。勉強になりました。
 

富士市でランチを食べて、旅行気分

”佳肴 季凛”のランチには、固形燃料を使った”小鍋”が付きます。ホームパージの”昼席”の写真にも載っています。
その内容は、時季によって色々と変わりますが、野菜を沢山使っているのが、特徴です。
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白菜、長葱、えのき、茎わかめ、巻麩、豆腐、くずきりが、入っています。
”季(一人前1,500円)”も”凛(一人前2,800円)”も同じ小鍋ですが、凛には、湯葉も入ります。最後に、粉山椒をひとつまみ、入れます。
これに、出汁をいれるのですが、今週からは、赤出汁仕立てにしています。料理の名前は、そのまんまですが、”赤出汁鍋”です。先週までは、”豆乳鍋”でした。入っている食材も全く一緒でした。
その出汁も、ただ鰹出汁に、味をつけたものではありません。
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魚の骨を焼いたもの、クズ野菜、出汁を取った後の昆布や鰹節を、時間をかけて、沸き立たせないようにして、出汁を取るのです。
使う魚もその時によって、さまざまです。この鍋に入っているのは、銀鱈、平目です。どれもが、天然の魚なので、旨味が豊富です。ただ、出汁も注ぎたして、取るので、結果的にいろんな魚を使うことになります。
鮪、さより、すずき、ふぐ、ほうぼう、鰆・・・。何種類の魚が入っているのか、自分でも分かりません。
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そんなお話しをしているうちに、”小鍋”が沸いてきました。目の前で”あつあつ”を食べることが出来るシズル感は、美味しさを倍増してくれます。山椒の香りが、赤出汁の風味を引き立ててくれます。
召し上がったお客様の多くは、「”あつあつ”が食べれて、うれしい。」、「この出汁は、何で取っているの?」、「こんな鍋が出てくると、旅館で食べる夕食みたい。」と、感想を話してくれます。
”佳肴 季凛”の女性スタッフも、開店当初、「富士市でランチを食べているのに、旅行気分そのものだね。」と、お客様と同じような感想を言っていました。もっとも、今では、そんなこと全く言いませんが・・・。
ランチ・メニューを、”小会席”としている以上、ちょっとした感じというか、普通とは違う感じの料理を、お出しして、地元富士市の少しでも多くの方に、日本料理の良さ、美味しさを知って欲しいものです。
志村

タラバモドキ

 先日、沼津魚市場の活魚のセリ場に、こんな変わった名前のかにが、入荷していました。
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 ”タラバモドキ”と書かれています。その名の通り、姿、形は”たらばがに”なのですが、色が違います。”タラバモドキ”は赤い色をしています。ちなみに、生のタラバガニは、茶褐色をしています。その時は、「どうせ、美味しくもないだろう。」と思い、値段も気にもかけませんでした。
 これがその姿です。
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 その日の夜、”タラバモドキ”のことを、常連さんに話すと、「志村さん、それって美味しいって、テレビでやってましたよ。」と言われたのです。そうはいっても、後の祭り。
 それが分かった以上、というより、この後のセリフは、御察しの通りです。食べたことがないものは一度は食べなければ、気が済みません。
 そんなことを、思いながら、今朝市場に行くと、いました。”タラバモドキ”を眺めていると、市場のセリ人が、「親方、これって結構旨いっす。」と言ってくるではありませんか。続けて、「この間も、そんなには高くなかったっすよ。」
 ”渡りに船”とは、このことです。今日のセリもそんな感じで、仕入れることが出来ました。
 店に帰ってきて、早速、茹でてみました。面白いことに、この”タラバモドキ”は、茹でる前と後で、全く色が変わりません。普通、エビ、カニの類は、加熱することで、色鮮やかな赤に、変わります。
 ですから、あえて写真も撮りませんでした。
 ”一度は、食べなければ、気が済まない”シリーズの最後は、やはり肝心の味です。
 ズバリ言って、いけます。冷凍の本タラバよりも、いいかもしれません。身もプリプリしています。さすが、”生の活け”だけのことは、あります。
 また入荷があれば、仕入れて来ます。その時まで、乞うご期待!
  志村
 
 

無農薬・有機野菜の畑

 定休日の今日は、普段、幽閉されている”佳肴 季凛”を飛び出して、提携農家の、”百姓屋つぐみ”こと、芦沢さんの畑に行ってきました。ちなみに、畑は富士宮市にあります。
 言うまでもありませんが、無農薬、有機栽培の野菜を作っています。
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 いろんな野菜を使わせてもらっているのですが、ここ最近、頻繁に仕入れているのが、”菜の花”です。
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 ちょうど今、摘んでいるところです。ご存知のように、”菜の花”は春を代表する食材の一つで、”佳肴 季凛”では、”お浸し”や”胡麻和え”として、お出ししています。
 ”菜の花”と一般的に言われていますが、今日の今日まで、自分は”菜の花”という野菜があるものだと思っていました。”菜の花”とは、大根をはじめとするアブラ菜科の野菜の花の部分のことを総称していうことを、教えてもらいました。
 ”百聞は一見に如かず”とは、まさにこのことです。ですから、小松菜の菜の花もあれば、ブロッコリー、大根・・・といろいろあるのです。料理人としては、まだまだ不勉強な部分も沢山あります。
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 ちなみに、これが小松菜で、まだ”菜の花”はとれません。芦沢さんによれば、”菜の花”を取るために、わざと大きくしているとのことでした。
 そんなことを、教えてもらっていると、芦沢さんは、藁を取り出しました。
 
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 こんな風に、藁で囲いをし始めました。自分も少し手伝わせてもらいました。この程度なら、素人の自分でもできます。
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 今度はこの沢山の落ち葉を、この囲いの中に入れ始めました。
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 苗を育てるための場所を作るために、このような作業をしたのです。こういったことも、畑に行ってこそ、分かるものです。まさに、”目から鱗”状態の連続です。
 その後、”佳肴 季凛”で使う野菜を取ってもらいました。
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 左から、エシャレット、白菜、キャベツ、菜の花。一番手前にある袋入りのが、秋に取れた小豆です。
 ご存知のように、”佳肴 季凛”はマクロビオティックを基本コンセプトに据えています。ですから、芦沢さんのような方は、自分にとっては、不可欠な存在です。
 
 こういう、新鮮な美味しい野菜使って、料理を作り、お客さんに食べてもらうことがができるのは、自分としては、何よりの喜びです。
 また、芦沢さんは、一般の方にも、野菜を販売しているので、興味のある方は、是非一度、お声をかけてみては。こんな感じのセットもあるとのことです。
 芦沢さん、今日は、お忙しい中、有難うございました。これからも、宜しくお願いします。
  志村
 
 
 
 

頭のない魚

魚市場には、色んな魚が並んでいます。活きている魚もあれば、冷凍の魚など、その種類というか状態もさまざまです。
冷凍の魚でも、先日お話した鯖のように、三枚におろしたものもあれば、このように、頭だけ取ってある魚もあります。
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写真の腕は、てんでダメの自分ですが、写真が上下反対ではありません。そのまんま写して、アップしただけです。もう少し、近くで見てみます。
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確かに、頭はついていません。冷凍のまま入荷してくるわけですから、国内で水揚げされた魚ではありません。
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”USA”と書かれています。アメリカ産です。その魚の名前は、”銀鱈(ぎんだら)”です。
”銀鱈”は、”たら”と名前がついていますが、”たら”の仲間ではありません。開きの定番の”ほっけ”に近い仲間です。棲んでいるところは、北海道以北から、アメリカまでの北太平洋です。
アメリカ産と書かれていますが、もっというと”アラスカ産”です。”銀鱈”は頭を取った状態で、2,5キロぐらいある大きな魚です。
スーパーなどでは、切り身の状態で売られていますが、家庭でおかずにするような魚の値段にしては、ちょっとしたご馳走とも言えます。
”銀鱈”の身は、白身ですが脂もかなり乗っています。そのため、日本料理店では、焼物にすることが殆どです。照焼や西京焼が、一般的です。
”佳肴 季凛”でも、西京焼としてお出ししています。照焼も悪くはないのですが、やはり西京焼のほうが、個人的には美味しいと思います。
西京焼といえば、”鰆(さわら)”も有名です。「どちらが美味しいのか?」という質問に対しては、好みの問題としか答えられませんが、自分の独断と偏見、そして想いの中では、”鰆”に軍配を上げます。”鰆”については、以前お話ししたことがあります。
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こちらが、”銀鱈の西京焼”です。この”照り”具合を見ると、否応無く食欲がそそられます。”佳肴 季凛”では、単品ものとしてだけでなく、会席料理のコースの焼物としても、召し上がれます。
自分としては、会席のコースの焼物に使う魚は、出来る限り、旬の魚を使いたいのですが、入荷状況によっては、使えない時、”銀鱈”に限らず、西京焼を使っています。
ちなみに、ちょっと前までは、”鰤(ぶり)”を使っていました。これからの冬と春の間の時季は、どの魚を使うか、判断に迷うこともしばしばですが、西京焼のような正統派は、一年を通じてのオールラウンド・プレーヤーです。
ただ、本来西京焼は、冬の焼物でした。味噌を使った料理は、冬の料理の典型でもありました。もっとも、今では頓着されなくなりましたが、格式を重んじる日本料理店では、今でも伝統にのっとっているようです。
ところで、”銀鱈”は焼物など、加熱して食べる魚ですが、最近では、生のまま入荷してくる養殖の”銀鱈”がいることを、昨年沼津の魚市場で、知りました。その”銀鱈”を扱う魚専門の商社の営業マンが、パンフレットを配っていました。
その時、サンプルとしても並んでいませんでしたし、食べられませんでしたが、自分が尋ねたところ、値段もなかなかでした。機会があれば、仕入れてきますので、味はその時まで。
志村

”ふぐの・・・。” by 富士市保健所

今日、富士市の保健所から、こんな通知が来ました。
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 ”ふぐの白子”に関するもので、ご覧のように、”注意喚起”とまで書かれています。さらに、こんな目立つチラシというか、ポップも同封されてきました。
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 何故、ふぐの白子に注意しなければならないのでしょうか?
 ふぐの白子は、ふぐの内臓の中で、唯一食べることの出来る部位(=無毒)で、”美食の極み”とも言える食材で、かなり高価なものです。
 ただ、ごくまれに、”両性ふぐ”という、雌雄同体のふぐがいます。つまり、生殖腺が、二つあるのです。白子と真子(まこ)が、一緒になっているのです。
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 先程の紙にも、写真が付いています。もう少し近くで見ます。
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 黄色いのが、真子(=卵巣)です。この真子を取り除いても、食べることは出来ません。この白子と真子のついている生殖腺は、不可食部分と決められています。
  
 というのも、この白子はふぐ毒である”テトロドトキシン”に汚染されているからです。
 何となくもったいないような気がします。最初から、メスと分かっていれば、あきらめがつくのですが、・・・。
 富士市内でふぐを取り扱っている日本料理店などで、昨年の秋から今年にかけて、両性ふぐが幾つか見られたと、この通知には書かれていました。
 ”佳肴 季凛”では、まだお目にかかったことは、ありません。何でも知らないと気が済まない自分としては、いつか見てみたいものです。
 

ニューヨーク産本鮪

”佳肴 季凛”では、昨年9月の開店以来、本鮪を使っています。殆どが、青森県大間産で、たまに北海道産でした。一度だけ、生のめばち鮪を、使いました。
その大間の鮪も、先週を最後に入荷が終わりました。これからの時季は、九州の壱岐や対馬産の本鮪が入荷する予定です。
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今日入荷したのは、対馬産でもなく、壱岐産でもありません。海の遥か向こうの、アメリカ・ニューヨーク産です。アメリカ産の本鮪で有名なのは、ボストン産です。
アメリカから来ると言っても、冷凍ものではありません。ちゃんとした生のものです。
ニューヨークもボストンも、アメリカ北東部に位置しており、この海域では本鮪以外の鮪も獲れ、輸入されています。
また、ボストン産などの、輸入の本鮪は通称、”ジャンボ”と呼ばれ、現在では、空輸されてくる大西洋産(スペイン、地中海産など)の本鮪全般を、”ジャンボ”と呼んでいます。
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角度を変えてみましたが、大間の鮪と比べても、それほど差はありません。
大間の鮪の写真は、こちらを、ご覧下さい。
肝心の味ですが、はっきり言って、大差はありません。というより、大間の鮪だから、美味しいとは限りません。確かに一つのブランドではありますが、他の産地でも、美味しい鮪はいくらでもあります。
時季が違えば、獲れる場所は違いますし、脂の乗りも自然と、変わります。これからの時季、どこの鮪が入荷してくるかは、分かりませんが、美味しい鮪に限らず、美味しい日本料理を出し続ける努力を、怠らないようにしたいものです。
そのために、早起きして、”佳肴 季凛”のある富士市から沼津の魚市場へ行くのです。それが自分にとっての単なる仕事以上なのは、今更お話しするまでもありません。
新しい魚を買えるというのは、お客さんが来て、召し上がってくれたことでもあるのですが、商売人として”ありがとうございます。”というよりも、料理人として”ありがとうございます。”の気持ちで、一杯です。
新しい魚を仕入れることが出来るのは、自分にとって何よりのことです。これからも、良い魚が買えるように、くれぐれも宜しくお願いします。何となく、選挙の時の立候補者のようなセリフのような気がしますが・・・。
これって、”先生”になったことの証明!?
志村

ランチの主菜

”佳肴 季凛”のランチメニューは、こちらをご覧下さい。
 ”季”の献立には、主菜とあります。日本料理では、このような呼び方は、あまりしません。フレンチやイタリアンではよく使われます。
 ”佳肴 季凛”の場合、メインとなる”おかず”のことを指します。ここ最近、お出ししているのが、”鯖(さば)の塩焼”です。
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 ちなみにこの鯖は冷凍もので、ノルウェー産です。正式には、”ニシマサバ”といいます。一本まるごとの姿でも、売られていますが、こんな風に三枚に卸した状態(”フィレー”と呼ばれています。)でも、売られています。
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 日本近海の鯖(マサバ、ゴマサバ)の漁獲量が減って以来、輸入されるように、なりました。脂がかなりの乗っているので、焼いたり、煮て食べるには、持ってこいの魚です。
 自分は、”フィレー”のものを仕入れてきます。ご存知かと思われますが、加工された魚は、”産地”と”加工地”を明記しなくてはなりません。
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 こちらが、自分が仕入れてくる鯖の箱です。
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 千葉県で加工されたものです。このような、国産というか国内加工のものだけでは、ありません。
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 ここまでお話しすれば、もうお分かりだと思います。
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 中国加工のものです。値段も国内のものに比べ、安いのが現状です。味に差はありませんが、一連の食品の問題を考えると、仕入れるのにも、二の足を踏まざるを得ません。
 どんなものを仕入れるにせよ、出来る限り、自分の目で吟味したものを、納得した料理法で、お客様に召し上がって欲しいのは、自分のスタイルであるのは、ご承知のことだと思います。
 タイトルと内容が、少しずれてきましたが、先程お話したように焼いて食べると、御飯のおかずには、相性抜群です。
 ランチメニューの”季”は、”小会席”とうたっていますが、どちらかと言えば、”和定食”と言った方がふさわしいかもしれません。
 ちなみに、今日は”鯖の塩焼”に、”山掛け”を副菜としてお出ししました。”山掛け”のお話しは、こちらを。
 こういうものが、献立に入ると、日本料理店のランチと言った感じです。時には、肉類も献立の中に、入れたりもしますが、”佳肴 季凛”に見える地元の富士市や富士宮市の女性のお客様には、今日のような献立が、お好みのようです。
 献立を立てる時、特にランチの場合、自分は”佳肴 季凛”の女性スタッフに相談します。女性の気持ちは女性にしか分かりませんし、料理人は兎角、独りよがりになりやすい生き物ですし、特に自分は、脇目も振らない”料理一徹”ですから・・・。
  志村

ふぐカツ

 魚市場を歩いていると、時々珍しいものを見つけることも、しばしばで、先日の、”サメ”のような変り種もあれば、冷凍食品や加工食品にも、「何、これ?」というようなものも、あります。
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 それがこちらです。”ふぐかつ”なる商品で、自称”富士市で一番ふぐが好きな男”の自分としては、手に取らずにはいられませんでした。ただ、見るだけでは全く意味がありません。
 そのふぐが、どんなふぐを使っているのかが、何よりの疑問点です。そういう時はパッケージの裏側の、表示を見ます。
 ふぐの加工食品は、使っているふぐがどんな種類のふぐで、どこで獲れたかを、記さなくてはなりません。
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 ご覧のように、”中国産のしろさばふぐ”です。しろさばふぐは、以前お話ししたことがあります。詳しくは、こちらを。
 どんなものでも、一度は食べないと気が済まない性分ですが、今回は手に取っただけでした。理由はあえて言いませんし、味も想像できますし・・・。
 ただ、こういう食品も世の中にはあるということだけは、知っておかなければならないと、思っています。料理人である以上、”あれは知らない、これは聞いたことがない。”ということだけは言いたくありません。
 それが、本物であり、辿り着けるかどうかわかりませんが、そこを目指し続ける日々です。
  志村
 

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