さばふぐの唐揚げ入りのお弁当
今日は、お弁当のご注文を頂いていたので、その仕上げから、一日が始まりました。煮物を、
仕上げたら、
玉子焼や、サーモンの西京焼を仕上げました。
その後、揚物を揚げることにしたのですが、今日の揚物は、
さばふぐの唐揚げと、
烏賊の新挽(しんびき)揚げでした。
さばふぐは、
昨日、沼津の魚市場で、
仕入れたものでした。
さばふぐは、
頭の付け根に、包丁で、切れ目を入れたら、
頭を掴んで、皮も一緒に、
剥ぎ取り、
水洗いしてから、
拭き上げました。
これを、
唐揚用の大きさに包丁してから、
薄口醤油と日本酒を同割したものに、10本ほど漬けたら、
片栗粉をつけ、
油で揚げると、先程の写真のようになります。
そして、お弁当の盛り付けは、
いつものように、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんで、
このように、
2種類のお弁当が、仕上がりました。
また、今日のように、お弁当のご注文があった日は、子供達の夕飯が、
“お弁当の余りものプレート”になることが多く、
煮物や焼物などを盛り付けたものと、
さばふぐの切り落としの部分の唐揚を、食べてもらいました。
ただ、お弁当のご注文があったからと言って、“お弁当の余りものプレート”を、二日連続で出すと、「また!?」とか、「何か他のものは、ないの?」と、言われてしまいます。
家庭での食事は、頭を悩ませる種であるのは、料理人であっても変わりませんが、唯一の救いは、真由美さんと自分のどちらか、手が空いた方が、作れることかもしれません。
★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★
この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。
当店オリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした、清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。
夏でも、ふぐ料理メインの『特別会席』
【佳肴 季凛】のお品書きを、
開き、コース料理のページを見ると、
『特別会席』(要予約)というコースがあり、お値段は、
おひとり8,500円より、となっているように、料理内容は、お客様とご相談の上で、決めさせて頂いておりますが、『特別会席』については、以前お話ししたことがあるので、詳細については、こちらをお読み下さい。
そして、今夜は、『特別会席』の御予約を頂いており、お出しした料理は、ふぐ料理をメインにしたものでした。
先付は、
天然のとらふの白子で作った“白子豆腐”でした。
その次に、
揚物をお出ししたのですが、ふぐ料理メインですので、とらふぐの唐揚をお出ししました。もちろん、これも天然のとらふぐです。
お出ししたのは、頭というより、頬の部分と、骨付きの身の部分をぶつ切りしたものでした。頬の部分は、は、、“BIGちゃん”と呼んでいる3キロぐらいの大きいもので、身の部分は、“ジャンボちゃん”と呼んでいる4キロ以上のものでした。
これぐらいのものになると、その美味しさは格別で、一口食べるだけで、口中に、天然のとらふぐが、広がります。
その次が、刺身で、第一弾として、
生の本鮪(那智勝浦)と小肌(佐賀)を、お出ししました。小肌をお出ししたのは、お客様が、光物がお好きということを、伺っていたからでした。
その次にお出ししたのが、
“鱧しんじょう蒸し”でした。
そして、刺身の第二弾が、
ふぐ刺で、今日のものは、三重県産のとらふぐ(天然)でした。
その次が、焼物で、
魳(かます)の利休焼を、お出ししました。魳は、沼津産のものです。
そして、
ふぐちりをお出しし、程無くして、
焼白子を、お出ししました。もちろん、天然のとらふぐの白子です。
御食事の前に、
酢の物の“温牛(おんぎゅう)”を、お出ししました。静岡産の和牛のもも肉を使ったものです。
そして、締めのお食事となり、
ふぐ雑炊を、
お新香と共に、お出ししました。
キムチは市販のもので、それ以外は、キャベツの浅漬け、胡瓜、大根、人参の糠漬けで、これらは、自家製です。キムチは、雑炊の中に入れて、一緒に召し上がると、味に変化が生まれ、食が進むので、お出ししています。
そして、デザートが、
“マスカットのアイス”でした。
今夜は、ふぐ料理がメインでしたが、料理内容だけでなく、御予算など、ご希望があれば、可能な限り、対応させて頂きますので、お気軽にお問い合せ下さい。
ただ、タイトルにもあるように、夏でも、冬がシーズンのふぐ料理をお出しすることは可能ですが、冬場に、鱧を御用意することは、九分九厘、不可能ですので、御了承下さい。
最後になりましたが、今日のお話しで、1500回となりました。節目のお話しが、ふぐというのは、奇遇なのか、偶然なのかは分かりませんが、“ふぐに萌え燃え・・・❤”の自分としては、やはり一入(ひとしお)の想いが、あります。
★★★ 佳肴季凛謹製 西京漬 ★★★
当店では、お中元、お歳暮などの贈り物に最適な【西京漬】をご用意いたしております。
銀鱈、サーモン各3切入 3,480円 ※クール便にて発送可
店主自ら、魚市場で吟味した“銀鱈”、“サーモン”を使用し、お手製の有機西京味噌で仕込んだ逸品です。大切な方への贈り物に、是非どうぞ。
“『佳肴 季凛』の御三家”揃い踏み
間もなく、
日が替ろうとしていますが、自分は、今日のブログを書いています。今日も、沼津の魚市場に仕入れに行って来ました。三日連続となると、寝落ちしそうな感じですが・・・・・。
最初に行ったのが、
鱧を扱う問屋さんで、
この2本の活けの鱧だけでなく、
水槽の中で死んでしまった“落ち鱧”(3本)を仕入れました。5本全て、
和歌山県産でした。
先程もお話ししたように、三日連続で、仕入れに来たので、小物や冷凍ものの仕入れもなく、自分好みにして、良さげな魚もあるかと思い、市場や他の問屋の売場に立ち寄ったのですが、自分好みのものもなく、早めに、帰ることにしました。
帰り道に、宅配便の営業所に立ち寄って、受け取ったのが、
築地から届いた那智勝浦産の生の本鮪でした。鱧も、和歌山県産でしたので
まさに、“和歌山県フェア”となりました。
夕方になり、水槽から、
活かしの2本を卸し、
骨切りをし、
鱧料理のお客様の刺身で、お出ししました。
また、今日は、ふぐ料理の御予約も頂いており、
ふぐ刺と、
ふぐちりを準備し、それまでに、
5本の鱧のアラに下拵えも、終えることが出来ました。となれば、『佳肴 季凛』の御三家とも言うべき、生の本鮪、鱧、とらふぐが、今日は、揃い踏みです。
また、明日も、ふぐ料理の御予約も頂いているので、
昨日仕入れた焼津産の天然のとらふぐの身の水分を抜くため、
晒で、包み直しておきました。
“『佳肴 季凛』の御三家”は、生の本鮪、鱧、天然のとらふぐですが、その中でも、自分にとってのナンバーワンは、やはり天然のとらふぐです。
“御三家”を召し上がったお客様のコース料理は、それぞれ別々でしたが、ご要望があれば、一緒に召し上がることも可能です。特に、ふぐと鱧を同じ時季に召し上がれるのは、一年のうち、この3か月くらいの間です、こんな愉しみ方も、一興かもしれません。
★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★
この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。
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3種類のふぐは、とらふぐ、しょうさいふぐ、さばふぐ
夕べ、遅くになって、天然のとらふぐ(焼津産)の入荷があるという連絡があり、即決で注文しておいたので、今朝は、
二日連続で、沼津の魚市場に、仕入れに行って来ました。そんな昨日の仕入れの様子は、こちらです。
この売場の生簀を見ると、
0,6(キロ)と1,3(キロ)と書かれた中から、
2本とも取り出し、
締めたら、血を抜くため、海水を注ぎました。
その後、先程の売場の生簀を、色々と見ると、
1,3キロで、5本入の由比産ふぐがあることに、気付きました。ふぐとしか書かれていませんでしたが、確認したところ、しょうさいふぐでした。
さらに、この売場に並んでいる魚を見たら、
この先に、
しょうさいふぐと同じ由比産のさばふぐが、入荷していました。
仲買人に、それぞれの希望の値段を伝えたところ、
どちらも、
セリ落としてもらうことが出来ました。さばふぐの目方は、5,6キロで、発泡スチロールに移し替える時に、
数えたところ、16本ありました。
しょうさいふぐも、とらふぐ同様、
締めて、持ち帰ることにしました。
また、今日は、
地物の魳(かます)の水揚げがあり、
自分好みの300グラムくらいの大きさだったものの、それほど高値になることもなく、
セリ落としてもらうことが出来、この他に、佐賀産の小肌を仕入れ、
『佳肴 季凛』に戻りました。これだけあると、ちょっとした魚屋さん状態ですので、段取りよく、仕込まなくてはなりません。
先ずは、
小肌に取り掛かり、酢締めにするため、開いてから、
塩をしたら、ふぐ類を卸すことにしました。
卸し終えたら、女将兼愛妻(!?)の真由美さんに水洗いをしてもらい、
自分が手直しをするという、いつもの流れとなり、
水洗いを終えたら、
きれいに拭き上げ、ふぐ類の仕込みは、終わりました。
その後、
真由美さんは、
魳の鱗を取ってくれ、自分が、手直しをし、
水洗いしました。
魳は、焼物用に、仕入れたのですが、明日の鱧料理の御予約のお客様にお出しするため、
鱧と同様、串を打っておき、鱧は、鱧茶漬用に照焼にし、魳は、利休焼にします。
明日も、市場に行くのですが、仕入れなくてはならないものを、決めているだけでなく、既に注文済のものもあります。
ただ、予想外の入荷や水揚げがあるのが、魚市場です。仮にあっても、高値で買えずに、あえなく撃沈という憂き目に出くわすこともありますし、今日のように、“早起きは三文の得”を、地でいくようなこともあります。
入荷や水揚げは、自然相手ゆえのことゆえ、どうすることも出来ないのですが、魚市場に行くのは、料理をするの同じくらい面白味や醍醐味があるのは事実です。とりわけ、セリの直前のドキドキ感と、直後の安堵感もしくは、脱力感のギャップは、経験した者でなければ、分からない魑魅魍魎そのものです。
明日も、その魑魅魍魎に出会えるのかどうかは、神というより、魑魅魍魎のみぞ知る。
辞書を片手に、ふぐ
明日(24日)は、
沼津の魚市場が、
休みということもあり、今日は、定休日でしたが、
沼津の魚市場に、仕入れに行って来ました。着くと、
水揚げされた地物の鰹を、
箱に入れ、秤にかけ、セリの準備をしているところでした。以前、お話ししたことがありますが、自分は、ありとあらゆる刺身の中でも、鰹が一番好きですので、素通り出来ず、
1,8キロのものを、1本仕入れることにしました。仕入れとは言っても、定休日ですので、今夜のおかず用で、言わば“休日出勤手当”のようなものです。
その後、生簀のある活魚売場に行き、
生簀を物色すると、
地物のしまふぐ(0,6キロ)が、
1本入荷していました。
“ふぐに魅せられし料理人”である以上、素通りは出来ず、それなりの強気で、セリに臨んでもらうことを、仲買人に伝え、別の売場に、向かいました。ある理由については、後ほどお分かりになるので、とりあえずこの場では、お話ししません。
そうこうしていると、セリの時間となったのですが、
最初に物色した時には、気付かなかったひがんふぐ(0,5キロ)が入荷していたので、
運良く、セリ落としてもらうことが出来ました。このひがんふぐは、南伊豆の妻良(めら)の定置網にかかったものです。
札には、赤目(ふぐ)と書かれていますが、ふぐ類の中には、標準和名と地方名が、混同されているものもあり、これも、その一つです。
その後、
しまふぐもセリ落としてもらうことが出来、2本共、活かしたまま、持ち帰ることにしました。
市場を後にし、途中、
宅配便の営業所に立ち寄り、三重県から届くことになっていた2本のとらふぐを受け取り、『佳肴 季凛』に、戻りました。
戻ると、
とらふぐの入った発泡スチロールを開け、
取り出しました。これら4本のふぐは、全て天然ものです。となれば、気分は、萌え燃え・・・❤
しまふぐとひがんふぐは、
とりあえず、水槽に入れておくことにしました。
仕込みをするための準備をし終え、程なくすると、
1台の車が、駐車場に入って来ました。降りてきたのは、見づらいかもしれませんが、2人のドイツ人でした。
おふたりは、昨日、日本人の2人の友人と一緒に、
当店で、ふぐ料理を召し上がった方で、御予約の際に、ふぐを卸すところを見て、撮影したいということを、伝えられていたので、そのために、今日、再び、当店に見えたのです。これが、先ほどお話ししたある理由です。
店内に入り、撮影の準備が出来たら、
水槽のしまふぐとひがんふぐを、取り出すと、即座に、写真を撮り始めました。
そして、
卸すことにし、まな板に乗せると、
再び、写真を撮りました。
その後、自分が卸したのですが、ただ黙々と卸すわけにはいかず、ふぐについの知識を、教えなくてはなりませんが、おふたりは、日本語が全く出来ないので、会話は、自分の拙い英語力に頼るしかありませんでするしかありません。
見られているだけでなく、英語での説明となれば、普段の倍以上に、神経を使うのは、当然のことで、嫌が応でも、時間が掛かってしまいそうなので、
水洗いだけは、女将兼愛妻(!?)の真由美さんに、お願いすることにしました。というより、いつものことですが・・・。水洗いする様子も、おふたりは、逃すことなく、写真に収めていました。
また、有毒部位や、
試験の際に、
識別するための札や、
テキストを取り出し、説明してあげたのですが、訳せない単語もあるので、
和英辞典を片手に、説明することにしました。当然、様々なことを、質問されるのですが、分かりづらい時は、ゆっくり話してもらい、どうにかこうにか、返答し、理解してもらうことが、出来ました。
ちなみに、ふぐという魚を食べるのは、日本と韓国だけで、日本のふぐ料理と韓国のそれは、かなり違いがあるというのを、かつて、本で読んだことがあります。
また、欧米では、有毒部位を取り除いてあっても、流通させることは出来ません。というのも、有毒な魚として、扱われているからです。さらにいうと、そこまでして食べる日本人を、奇異の眼差しで、見る人もいるようです。
とは言っても、中には、美味しいという話を耳にして、日本に来たら、食べたいと思う外国人も多く、このおふたりも、そんな方達で、日本人の友達にお願いして、当店のふぐ料理を召し上がったのでした。
日本料理の中でも、特殊ジャンルとも言えるふぐ料理を、海外の人に、このように評価され、興味、関心を持ってもらえたということは、ふぐを愛してやまない自分としては、この上なく、嬉しかったのはこの上ありませんでした。
ふぐの仕込みを終えたら、
外に出て、
3人で、記念撮影をしました。そして、
車に乗り込み、『佳肴 季凛』を後にし、明後日、ドイツに帰るとのことです。
おふたりは、プロのカメラマンで、日本文化を紹介するため、約一ヵ月間、日本に滞在し、東京、長野、富山、岐阜、京都、姫路、広島などを訪れ、このレンタカーで、約6000キロも走り、滞在中に撮影した写真は、秋頃、ドイツ国内の幾つかの場所で、展示会を開き、その資料が出来上がったら、送ってくれるそうです。
その後、自分は、
先付の白子豆腐、小肌を仕込んだり、
米を研いだりしましたし、肝心のおかず用の鰹も、
仕込みました。
繰り返しのようなことになりますが、海外の人に、日本料理文化が、少しでも知れ渡り、そんな担い手めいたことが、実際に出来たことが、今日は、非常に嬉しかったので、大好きな鰹と共に、一献を傾ける次第です。(笑)
初夏に、昼ふぐ
5月も半ばを過ぎ、初夏というより、夏を思わせる陽気ですが、そんな今日は、ランチタイムに、
ふぐ料理の御予約を、頂きました。以前お話ししたことがある“昼ふぐ”なるものです。
料理内容は、基本的には同じで、ふぐ刺の他のふぐ料理は、
ふぐちり、
唐揚をお出ししました。
この時季ですので、先付でお出しした生の本鮪(那智勝浦産)は、
義山(ぎやまん)と呼んでいるガラス製の器に盛り付けました。山葵がないのは、お出しする時に、生の本山葵を盛り付けるからで、
引き終えてから、乾かぬようにラップをしたふぐ刺と共に、冷蔵庫にしまっておきました。
ただ、冬季というより、10月から4月半ばくらいまでは、御予約なしでも、ふぐ料理を御用意しているのですが、この時季は、要予約とさせて頂いておりますので、ふぐ料理をお召し上がるご希望がございましたら、御予約をお願い致します。そんな当店のふぐ料理は、こちらをご覧下さい。
一般的に、ふぐと呼ばれるのは、天然であれ、養殖であれ、とらふぐのことですが、とらふぐをはじめ、ふぐ類は、他の魚のように、身に脂が乗ることはなく、一年を通じて、殆ど味の差がありません。
ですので、いわゆる旬というものは、無いとは言えるかもしれません。ふぐちりをメインにし、その後、雑炊に仕立てるので、温かい料理というイメージが強いのは、事実ですが、あえて、ふぐONLYのコースにせずに、
和牛のしゃぶしゃぶを小鍋仕立てにして、御食事を、
すっぽん雑炊にするようなアレンジも、可能です。このようなコースの料理である『特別会席』(要予約)については、以前お話ししたことがあります。
ところで、明日は、
三重県から、この2本のとらふぐ(天然)が入荷するので、
まな板周りを養生しておきました。
ということで、明日は、定休日ですが、仕込みと相成りましたが、萌え燃え・・・❤の気分に浸れるので、それもまた、いとよろし。
鱧あり、ふぐあり
沼津の魚市場に行く時、余程のことがない限り、一番最初に向かうのは、
生簀のある活魚売場で、今朝も、そうでした。生簀の前の発泡スチロールを見ると、
予め注文しておいた鱧が4本あり、目方は、2,6キロで、中国産でした。この鱧は、“落ち鱧”と呼ばれ、生簀の中や、輸送中に、死んでしまったもので、自分は、揚物などに仕立てます。
また、今日は、活かしの鱧も、
注文しておいたので、
生簀には、2本で、1,05キロの鱧が、泳いでおり、これも、中国産でした。落ちにも、活かしにも、“47-9”という札が貼られていますが、これは、自分の市場での買い番です。
本音を言えば、国産の方が望ましいのですが、例年、国産の入荷が安定するまでは、中国産の方が、安定しているので、出始めの時季は、このような状況になるのが、殆どです。
活魚売場の次に向かったのが、地物を中心に扱う売場で、この売場にも、
簡易的な生簀があり、
トラフグと書かれた札が、3枚あり、それぞれの目方は、0,6キロ、0,7キロ、0,9キロでした。これらの魚は、焼津や御前崎の定置網で水揚げされたものです。
また、これら以外にも、『塩徳丸』という西伊豆の定置網で水揚げされた魚も入荷しており、
この中に、
フグと書かれてた札を見つけ、 確認したところ、しょうさいふぐでした。
“ふぐに魅せられし料理人”の自分としては、この2文字だけは、如何なる時でも、見過ごすことは出来ませんし、見過ごすということは、“ふぐに魅せられし料理人”の名折れ以外の何物でないのは、言わずもがなです。
いくら鱧が、シーズンを迎えたとは言え、萌え燃え・・・❤にさせてくれるのは、どんな種類であれ、ふぐしかありません。となれば、仲買人と作戦会議をし、セリに臨みました。
結果は、
0,6キロのとらふぐと、しょうさいふぐをセリ落としてもらうことが出来、
どちらも締めて、持ち帰ることにしました。
【佳肴 季凛】に戻り、活かしの2本は、
そのまま、
水槽に入れておきました。
仕込みの目途がついたこともあり、
2本のふぐを卸したら、
4本の落ち鱧を卸し、ランチの営業後、
鱧には欠かせない下拵えの骨切りをし、
休憩することにしました。
休憩後、水槽から、
2本取り出し、
卸しました。活きた鱧の身は、このように白くて、透明がかっており、先程の落ち鱧とは、一目瞭然です。
骨切りをし終えたら、
鱧料理の定番である“落とし”に仕立てるため、骨切りをし、包丁しました。
また、今日は、
鱧を召し上がるお客様とは別に、ふぐ料理のコースの御予約も頂いていました。
ご予約時間にあわせ、夕方卸した鱧は、
鱧料理の定番の落としに仕立て、
今夜のコース料理の刺身でお出し、鱧以外のものは、生の本鮪(那智勝浦)、湯葉で、三点盛りでした。
また、落ち鱧は、
天ぷらにして、お出ししました。
5月も半ばを過ぎ、初夏というより、夏を思わせる陽気となりましたが、秋から冬の食材の天然のとらふぐと、夏の食材の鱧を、一度に味わえるのも、限られおり、これもまた、一興かもしれません。
“ジャンボちゃん”こと、超特大とらふぐのコンビは、富山県氷見産
今日は、沼津の魚市場の帰りに、
宅配便の営業所に、
立ち寄り、
富山県氷見から届いた荷物を受け取り、【佳肴 季凛】に戻りました。
戻るや否や、
中を見ると、
予定通り、
2本の“ジャンボちゃん”こと、超特大のとらふぐ(天然)が、現れました。となれば、萌え燃え・・・❤
左側の“ジャンボちゃん”の目方は、
4,4(22)キロで、右側のそれは、
6,2(5)キロでした。( )でくくってある数字は、誤差が生じるので、 伝票上は、切り捨てられています。どちらの写真も、送り主の魚屋さんが、送ってくれたものです。
萌え燃え・・・❤の気持ちを抑えながら、“ジャンボちゃん”を卸す前に、
仕入れて来た蛍烏賊(富山)、鯵(鹿児島)、帆立(岩手)などの仕込みをしました。
その後、“ジャンボちゃん”を卸すことにしたのですが、
2本共、
メスでした。これまで、何度かお話ししていますが、“ジャンボちゃん”の殆どは、メスです。オスとメスの成長のスピードに、違いがあるのが、その理由とも言われています。
その後、水洗いし、拭き上げ、
“ジャンボちゃん”のコンビの仕込みは、終わりました。
昨日お話ししたように、鱧の入荷が始まり、夏の気配を感じますが、“ふぐに魅せられし料理人”の自分にとっては、“ジャンボちゃん”をはじめ、天然のとらふぐが一番なのは、今更語るまでもありません。
天然のとらふぐの白子の下拵え
昨日は、真空パックして、冷凍庫にしまっておいた天然のとらふぐの白子を、
蒸してから、
裏漉しし、
ボウルに、
移し、
専用の袋に入れ、
それぞれ、
目方を書き、
真空パックして、冷凍しておきました。
当然、ここまでの間に、味見をしたのですが、濃厚にして、繊細な味わいは、他の食材には無いもので、例えることが出来ませんし、それこそが、萌え燃え・・・❤としか言い表せない所以そのものです。
仕込んだ白子は、“白子豆腐”として、近いうちに、お出しする予定です。見た目は、しょうさいふぐの白子で作った白子豆腐と似ていますが、その味わいは、別物ですし、天然のとらふぐの白子のそれをお出しするのは、実は、開店8年弱にして、初めてのことです。
まだ、冷凍庫には、下拵えしていないものがあるので、しばらはお出し出来そうですが、数には限りがあるということだけは、御承知下さい。
9,8キロの“ジャンボちゃん”こと超特大とらふぐ(天然)のひれ
先日、富山県氷見産の9,8キロの“ジャンボちゃん”こと超特大とらふぐ(天然)のお話しをしましたが、そのひれは、後日、
板に貼り付け、
干しておきました。
2,3日すれば、完全に乾くので、はがすのですが、はがしたのは、昨日のことで、風が強く、飛んでいってしまいそうなのを見て、
かなり焦りました。理由は、いうまでもなく、自分は仕入れたとらふぐの中でも、最大のものだったからです。
はがしたら、
袋に入れ、
“ジャンボちゃん”の目方と、
産地を書いておきました。
また、これまでの最大記録だった“ジャンボちゃん”達のひれは、
これらで、今回の記録更新までの最大のものは、
三重県産の8,0キロで、その次が、
焼津産の7,5キロで、その次が、
三重県産の7,3キロでした。
これらの“ジャンボちゃん”達は、それぞれについて、お話ししているように、それなりの想い入れがあり、それは、自分の天然のとらふぐへの萌え燃え・・・❤の想いを支えてくれている魚屋さん達への想いでもあります。
「売ってくれて、有難う」、「買ってくれて、有難う」という双方の信頼関係があってこそ、商売の取引は、成り立つものだからです。
生身の人間同士の付き合いとは言え、これまでに、不都合という不都合は、殆どありませんが、仮にあったとしても、それを乗り越えてこそ、初めて、信頼関係が生まれるものだと、自分は思っています。
とりわけ、自分は、天上天下唯我独尊にして、我儘の塊ですが、そんな性分を、理解してくれて、取り引きしてくれていることは、言葉に出来ないほど、嬉しいものです。勝手極まりない性分とは言っても、一度たりとも、値切ったことはありませんし、これだけは、商売上の付き合いでは、御法度だと思っています。
そんな自分に、こよなく愛す天然のとらふぐを売ってくれている魚屋さん達に、この場を借りて、感謝の気持ちを、お話しさせて頂くと同時に、いつの日か、10キロUPというより、定かではない日本記録を更新出来るよう、お願いさせて頂きます。