グローバルナビゲーション
  • 昼席
  • 夕席
  • ふぐ料理
  • はも料理
  • 西京漬
  • 鰯の丸煮
  • マクロビオティック
  • ブログ

もっとおいしいお話し

HOME ≫ ブログ

ニュージーランド産

今日、入荷した鮪です。
s-画像 291.jpg
タイトルにあるように、ニュージーランド産です。この鮪の種類は、“ミナミマグロ”で、“インドマグロ”とも呼ばれています。特に我々料理人や専門業者は、“インド”と普段呼んでいます。
“インド”は、殆どが冷凍ものですが、今日のは生のものでした。以前、冷凍“インド”については、お話ししたことがあります。詳しくはこちらを
生と冷凍の違いは、やはりその風味にあります。
s-画像 292.jpg
こちらが、中トロです。脂が強く、“ずしり”とした味わいです。この“ずしり”感が、刺身よりも鮨に向いているという人も多く、鮨屋さんが、“インド”を好んで使う理由の一つでもあります。
s-画像 293.jpg
一方、こちらが赤身です。“本マグロ”のような、鮮やかな色とはちがい、濃い赤色が特徴です。
“佳肴 季凛”で使う鮪は、生の“本マグロ”ですが、これから夏にかけては脂がさほど強くありません。トロの味を好むのでしたら、今日のように、“インド”の方がよいかもしれません。
“佳肴 季凛”は日本料理店なので、鮨屋さんのように、鮪の食べ比べなど出来ませんが、召し上がる機会がありましたら、その違いを味わってみてください。
最後までお読みいただきまして誠に有り難うございました。
もっと面白い記事へのモチベーションUPの為、ランキングに参加しております。
「面白かった」と感じていただけましたら、是非クリックして応援お願いいたします。
  店主 志村     にほんブログ村 料理ブログ マクロビオティックへ    にほんブログ村 料理ブログ 和食・日本料理(レシピ)へ

鱧の真子と白子

今日で鱧シリーズも、かれこれ11回を数えました。長い魚だけあって、まだまだ続きます。
当然のことながら、鱧にも、オスとメスがいます。オスの生殖腺は、白子と呼ばれ、メスの生殖腺は、真子と呼ばれています。特に、6月を過ぎると、どちらの生殖腺も発達してきます。
昨日卸した鱧はオスで、こんな白子が入っていました。
s-画像 287.jpg
長い魚だけあって、白子も長いです。
そして、今日卸した鱧はメスで、こんな真子が入っていました。やっぱり、長いです。
s-画像 288.jpg
当然どちらも食べられます。これも、活きている鱧を仕入れ、自分で卸しているからこそなせる仕事です。
白子は、軽く湯がいて、ポン酢と紅葉卸しで召し上がるのが、定番です。
s-画像 289.jpg
活きている鱧の白子だけあって、臭みは全くありませんし、鱧の身と同様、クセもありません。
一方、真子は薄く味をつけた出汁で軽く煮含めました。
s-画像 290.jpg
これまた、魚の卵を調理する常套手段です。やはり、活きている鱧のものですから、臭みやクセは一切ありません。
真子は、塩辛にしても、美味しく食べることが出来ます。それには、鱧そのものの数が必要です。これから、真子も成長していくので、機会があれば、作るつもりです。
ただ、白子も真子も沢山あるものではないので、“佳肴 季凛”にいらして、食べる機会に恵まれたら、かなりラッキーだと言えます。そんな日は、帰りに宝くじを買うのもいいかもしれません。
最後までお読みいただきまして誠に有り難うございました。
もっと面白い記事へのモチベーションUPの為、ランキングに参加しております。
「面白かった」と感じていただけましたら、是非クリックして応援お願いいたします。
  店主 志村     にほんブログ村 料理ブログ マクロビオティックへ    にほんブログ村 料理ブログ 和食・日本料理(レシピ)へ

河岸籠

富士市市内にお住いの方は、ご存知かと思いますが、6月1日から、富士市では有料となったので、袋やかごを持参して、スーパーに買い物に行くようになりました。
店内には、こんなのぼりや、
s-画像 281.jpg
また、こんなポスターも貼ってあります。
s-画像 282.jpg
そんな自分が持っていく“マイバッグ”がこちらです。
s-画像.jpg
“河岸籠(かしかご)”と呼ばれるものです。恐らく、この辺では手に入れることは出来ないはずです。東京・築地の料理道具専門店などで売られています。
魚河岸・築地に買出しにくる人たちは、この籠持参で来ています。そこから、“河岸籠”と呼ばれるように、なったのだと思います。
以前、築地に行った際に、自分は買い求めてきました。特別な理由があったわけではありませんが、修業時代を思い出し、何となく買ったのでした。
鮨屋で修業していた当時、若い衆が交替で築地に仕入れに行っていました。バイクに“河岸籠”を積んで行くことが殆どでした。
たまに地下鉄で行くこともあり、特に帰りは、通勤ラッシュと重なります。魚が入った籠を持っていると、乗り合わせたサラリーマンやOLの人たちは、当然のことながら、服を汚されたくないわけですから、自分の周りには、近づいてきません。なので、通勤時間にもかかわらず、我が物顔で、座ることが出来ました。
その時の方々、ごめんなさい。この場を借りて、お詫びします。
また、暮れには一般の人も買出しに来て、築地は普段以上に、賑わいます。そんな時は、早く帰りたいがために、魚の入った籠を、わざと振りながら、一般の人を押しのけるように、歩いたものでした。我ながら、嫌な性格です。
とは言っても、こんなことは、自分をはじめ、買出しに行く連中は、皆やっていたはずですし、事実、先輩や友人たちも同じことを言っていました。
言い訳になりますが、我々料理人は、仕事で行っているので、真剣です。また、せっかちな人間が多いので、その辺は目をつぶって下さい。ですから、一般の方で、築地に行く機会が、邪魔にならないようにしたほうが、賢明です。
ところで、今日買い物に行こうとすると、下の娘もついて来ました。
s-画像 283.jpg
娘の役目は、太鼓持ちならぬ、籠持ちです。手で持っていると、疲れてきたらしく、今度は籠をしょい始めました。
s-画像 284.jpg
本人、「リュック、リュック。」と喜んでいます。
そんな今日の買い物がこちらでした。
s-画像 285.jpg
“河岸籠”ですが、ご覧のように、竹で出来ています。マクロビオティックが基本スタイルの自分としては、プラスチック製の籠などを使うことに、やはり抵抗があります。
マクロビオティックの良さは、自然そのものにあると思っています。自分がしていることが正しいとは思いませんが、出来る限り、こういう自然のものを使い続ける気持ちだけは忘れたくないものです。
最後までお読みいただきまして誠に有り難うございました。
もっと面白い記事へのモチベーションUPの為、ランキングに参加しております。
「面白かった」と感じていただけましたら、是非クリックして応援お願いいたします。
  店主 志村     にほんブログ村 料理ブログ マクロビオティックへ    にほんブログ村 料理ブログ 和食・日本料理(レシピ)へ

参観日

こんにちは、真由美です。今月の“旬の素材”をアップしました。まず、ご覧になって下さい。
昨日は、下の娘の参観日がありました。しかも、定休日も重なり、志村さんと二人揃って出かけてきました。
s-画像 286.jpg
最初に英語参観がありました。今時の子供達は、私たちの頃とは、全然違いますね。
s-画像 287.jpg
私たち二人に気付くまでは、おとなしく座っていたのですが、気付くと周りをキョロキョロし始めました。
s-画像 288.jpg
特に、昨日は前もって、「パパとママ、二人で行くからね。」と伝えていました。だから、いつも以上に嬉しかったようです。
その後は、給食参観でした。
s-画像 289.jpg
みんなで、「では、いただきます。」と言ってから、食べ始めました。お腹がすいているらしく、食べ始めると、さっきとは違って、私たちのことなど、お構いなしです。
s-画像 290.jpg
「帰るからね。」と言っても、知らんぷりでした。
私がこういう行事に出席するのは、いつものことですが、志村さんにとっては、めったにないことなので、楽しかったようでした。
  真由美
P.S ここ最近、志村さんがランキングに参加しています。宜しかったら、ぜひお願いします。ということで、志村さんからです。
最後までお読みいただきまして誠に有り難うございました。
もっと面白い記事へのモチベーションUPの為、ランキングに参加しております。
「面白かった」と感じていただけましたら、是非クリックして応援お願いいたします。
  店主 志村     にほんブログ村 料理ブログ マクロビオティックへ    にほんブログ村 料理ブログ 和食・日本料理(レシピ)へ

沖縄産の本鮪

ここ最近、沼津の魚市場には、250キロを超える超大型まぐろ(本鮪・沖縄産)が、入荷しています。先週も、何本か入荷がありました。
今朝、入荷していたのが、こちらです。
s-画像 281.jpg
先週は、340キロのものも入荷していました。300キロを超える鮪は、なかなかありませんし、ましてや沼津の魚市場のような、地方の市場では、年にあるかないかのことです。
沖縄で獲れているので、入荷があるのですが、沼津に入荷してくる理由の一つが、不景気のため、築地でも捌ききれないのです。実際、セリ場では、こんな話が飛び交っていますし、そんなニュースを、先日目にしました。
これほど、大きい鮪となると、一本丸ごと仕入れる仲買人は、殆どいません。ですから、こんな風に、四つの節(上身の腹と背、下身の腹と背)に分けてあります。
s-画像 282.jpg
背の部分はこんな感じで、
s-画像 283.jpg
こちらが、腹の部分です。
s-画像 284.jpg
鮪というと、一年中食べられるので、旬がないように思われていますが、鮪にも旬があるのです。冬が一番美味しいのです。
特に、この時季は脂が少なく、さっぱりとした味わいです。また、脂が少ないと、色が変わりにくいのも特徴で、良い魚ですと、10日くらいは色が変わりません。ただ、どうしても鮪特有のコクと旨味に欠けるのは否めません。ですから、ここ最近、自分もあえて仕入れていません。
ですが、夏が終る頃には、かの有名な大間の鮪も入荷してきますので、もう少しお待ち下さい。それまでは、鱧をはじめとする夏の魚を是非味わって下さい。
ところで、昨日で当ブログ“もっと美味しいお話し”を、100日連続で更新することが出来ました。自分が書かない時、書けない時は、“佳肴 季凛”の女将にして妻、真由美をピンチヒッターに立てました。
これもひとえに、読者の皆様あってのことです。今日のお話しを画面を印刷の上、御持参するか、「100回!」と仰って頂ければ、お会計の際に、こちらの食事券を差し上げます。
s-画像 285.jpg
お渡しするのは、今月いっぱいとさせて頂きますが、ご利用期限はあえて設けませんので、是非ご来店下さい。なお、ご利用は次々回からとさせていただきます。
ここまできたら、どこまで連続更新できるか、やってみます。
最後までお読みいただきまして誠に有り難うございました。
もっと面白い記事へのモチベーションUPの為、ランキングに参加しております。
「面白かった」と感じていただけましたら、是非クリックして応援お願いいたします。
  店主 志村     にほんブログ村 料理ブログ マクロビオティックへ    にほんブログ村 料理ブログ 和食・日本料理(レシピ)へ

鱧料理の本

今日、こんな本が届きました。
s-画像 276.jpg
『鱧料理』という本で、その名の通り、鱧料理“だけ”の本です。実を言うと、何年か前に買い求めたのですが、なくしてしまったので、再び買うハメになってしまいました。
ところが、買おうと思って、出版社に電話してみると、廃刊になっていました。万事休す、かと思ったのですが、ネットで探していたら、古本がすぐに見つかりました。
本の内容は、鱧の卸し方にはじまり、
s-画像 278.jpg
定番料理の“落とし”、
s-画像 277.jpg
さらには、創作性の高い料理までと、
s-画像 279.jpg
鱧料理だらけです。
料理の本は値段の高いものが多く、この本も約7,000円しました。ちなみに、これまで買い求めた料理の本の数は、定期購読している雑誌を含めると、500冊を超えています。また、蔵書にしている本も、50冊はあるはずです。
金額も、軽自動車一台分くらいは、使ったはずです。いくら自分の仕事のためとはいえ、よく買ったものだと、思わずにはいられません。
この先も、買い続けるはずですから、それこそ、「いつかはクラウン」となることでしょう。
最後までお読みいただきまして誠に有り難うございました。
もっと面白い記事へのモチベーションUPの為、ランキングに参加しております。
「面白かった」と感じていただけましたら、是非クリックして応援お願いいたします。
  店主 志村     にほんブログ村 料理ブログ マクロビオティックへ    にほんブログ村 料理ブログ 和食・日本料理(レシピ)へ

『ぐるぐるマップ』

昨日のランチタイム終了後の店内です。
s-画像 272.jpg
料理の写真の撮影がありました。もう少し、近くに寄ってみます。
s-画像 273.jpg
今回の撮影は、静岡新聞社が出している『ぐるぐるマップ』という本に掲載されるものです。何日か前に依頼があったので、天上天下唯我独尊にして、目立ちたがり屋の自分は、小躍りする気持ちを抑えながら、引き受けました。
フリーペーパーやHPの写真の時とは違い、今回は気合を入れて、作りました。というより、盛り付けました。
s-画像 274.jpg
昨日の料理を横から見た様子です。特に、気合を入れたのが、日本料理の華である刺身です。
s-画像 275.jpg
盛り付けてあるのは、これから旬を迎える“鯒(こち)”、同じく“鱧(はも)”を主役に、脇役が“蛸(たこ)”、“小肌(こはだ)”です。“鯒”は、ちょっと見えませんが、“鱧”の後ろです。
ご覧のように、氷を敷いて盛り付けてあります。普段でも、数が少なかったり、時間に余裕がある時は、可能な限り、氷を敷いて、盛り付けることにしています。特にこれからの時季、氷を使うと、一層涼しげな感じがします。
撮影終了後、いろいろとお話しをしました。“佳肴 季凛”のコンセプトに始まり、マクロビオティック、ふぐ等、そして自分の料理観に至るまで、熱血料理人丸出しで、熱く語りました。
『ぐるぐるマップ』は、7月中旬頃、出るとのことです。よろしかったら、是非お求め下さい。
最後までお読みいただきまして誠に有り難うございました。
もっと面白い記事へのモチベーションUPの為、ランキングに参加しております。
「面白かった」と感じていただけましたら、是非クリックして応援お願いいたします。
  店主 志村     にほんブログ村 料理ブログ マクロビオティックへ    にほんブログ村 料理ブログ 和食・日本料理(レシピ)へ

冷凍の鱧(はも)

昨日、沼津の魚市場に行くと、こんなものが並んでいました。
s-画像 265.jpg
袋には、“活〆 骨切り 鱧”と書かれています。その名の通りの食材です。冷凍の真空パックされたものです。
裏には、こんな風に書かれています。
s-画像 267.jpg
産地は中国ですが、加工地は山口県です。山口県で加工している理由は、この時季、ふぐを加工することが、それほどないので、その代わりとして、鱧を加工しているのではないかと、自分は想像しています。
このような、冷凍の鱧を、修業時代に何度か使ったことがありますが、解凍すると、水が出てしまい、はっきり言って、美味しくありません。また、鱧独特の旨味に欠けますし、火を入れることで生まれるホクホク感も、当然ありません。
まだ、それだけならいいのですが、“活〆”と書かれているのですが、実際はそうでないような鱧もあります。つまり、上がった(死んだ)鱧を使っているとしか、思えないものも、目にしたことがあります。
ここ最近、お話ししているように、“佳肴 季凛”で使っているのは、活きた鱧だけですし、骨切りも自分でしています。
昨日の“ごまふぐ”のお話しではありませんが、他人がさわった魚を触るのがたまらなく嫌な自分が、仕入れることはありませんので、“佳肴 季凛”で鱧を召し上がる際には、どうぞご安心下さい。
ちなみに、この商品の名前ですが、こんな名前がついていました。
s-画像 266.jpg
“鱧太郎”。
恐らく、アニメキャラクターの“ハム太郎”からつけたとは、思うのですが・・・。
最後までお読みいただきまして誠に有り難うございました。
もっと面白い記事へのモチベーションUPの為、ランキングに参加しております。
「面白かった」と感じていただけましたら、是非クリックして応援お願いいたします。
  店主 志村     にほんブログ村 料理ブログ マクロビオティックへ    にほんブログ村 料理ブログ 和食・日本料理(レシピ)へ

ごまふぐ

今朝、沼津の魚市場へ行くと、こんな魚が入荷していました。
s-画像 260.jpg
もう少し近くで見てみます。
s-画像 261.jpg
“ムキフグ”と書かれいます。そんな名前のふぐはいません。よく見ると、下のほうに、“ゴマフグ”と書かれています。山形県・庄内浜産です。
まさか、こんな姿で泳いでいるわけではありません。“ムキフグ”とあるように、頭や皮を剥いたものです。このように、有毒部位を取り除いたものを、“身欠き(みがき)”とも言ったりします。
ちなみに、ごまふぐはこんなふぐです。
ごまふぐは、身や白子は食べられるのですが、皮などの他の部分は食べられません。ですから、こんな風に、ひれも取り除いてあります。
s-画像 262.jpg
時間があったので、眺めていたら、知人の板前さんが声を掛けてきました。
「志村さん、何やっているの?」
「珍しいもんで、見てるんですよ。」
「う~ん、良くないね。」
「でしょ。」
s-画像 263.jpg
ご覧頂ければ、お分かり頂けるように、身も白く濁っていますし、血もにじんでいます。先日、入荷していたごまふぐも同じようなもの(産地、大きさ共)でした。
二人して、気になったので、鼻を近づけてみました。幸い、不思議な臭いはしませんでした。
「でも、志村さん、向こうにさばふぐがあったよ。」と言うので、今朝はさばふぐを仕入れてきました。
先日お話ししたさばふぐと、産地、大きさ共に、同様のものでした。ちなみに、今日は1ケースしか仕入れませんでした。
二番目の写真にあるように、下処理をされたのは、6月3日ですが、何故鮮度が悪いのでしょうか?
水揚げされたのは、その前だと考えられます。丸のまま(腹わたも取らずに、姿、そのまんまの状態)で、2,3日置いてあったから、鮮度が悪くなってしまったのです。
今朝のごまふぐのように、有毒部位が取り除いてあるとはいっても、有毒部位が残っていることもあります。ですから、ふぐ免許のない料理人が触れるのは、きわめて危険です。
ただ、静岡県では“身欠き”のふぐは、免許のない人でも扱うこと(仕入れ、販売、提供)が出来ます。ちなみに、東京都では、禁止されています。ふぐ免許は、各都道府県の条例によって交付されるものなので、こういう違いが生じるのです。
このように、身欠きの状態になっていれば、卸す手間はありません。が、丸のままでないと、その魚の状態そのものが分かりません。
手間を惜しむようでは、料理人失格です。その手間が面倒だと感じるのなら、料理人とは言えません。だから、自分は全て手造りにするのです。そうやってこそはじめて、料理人が料理人でいられるのです。
また、そうやって手間をかけるということは、真心を込めることです。これは、ものを作ることを生業にした者だけが出来る、唯一無二の特権です。これほど、尊いものはないと思っています。
それをしたいから、料理人をやっているのです。というより、料理人でいたいから、そうするのです。自分自身、料理人としては、まだまだだと思っています。だから、自らを板前とは呼ばず、下手前と呼んでいるのです。
最後までお読みいただきまして誠に有り難うございました。
もっと面白い記事へのモチベーションUPの為、ランキングに参加しております。
「面白かった」と感じていただけましたら、是非クリックして応援お願いいたします。
  店主 志村     にほんブログ村 料理ブログ マクロビオティックへ    にほんブログ村 料理ブログ 和食・日本料理(レシピ)へ

玉子焼

お弁当の献立の定番の一つが、玉子焼きです。
s-画像 280.jpg
そんな今日は、玉子焼きのお話しというより、焼き方のお話しです。
s-画像 268.jpg
これが、玉子焼き専用の鍋です。銅で出来ています。銅製なのは、熱伝導率が高く、熱当たりが柔らかいからです。
玉子焼きですから、先ず卵を割ります。ここで、話しをあえて、逸らします。玉子焼きであって、卵焼きではありません。
そう書かない理由ですが、卵と書くと、モロに卵という感じになってしまい、グロテスクな感じがするからです。つまり、素材を表すのが卵で、料理を表すのが玉子なのです。
卵を割る時は、一個ずつ小さいボールに割ります。そうしてから、大きいボールに入れます。このようにすれば、卵に不都合があった時に、その一個だけを、処分すれば済みます。
s-画像 270.jpg
割り終えたら、卵をときほぐします。この時、切るように混ぜます。そこに、出汁を入れます。今回は、厚焼き玉子なので、甘い味付けにしてあります。
厚焼き玉子とは、簡単に言えば、甘い玉子焼きのことです。出汁巻きとは、お吸い物の汁のような味付けで作ったもので、厚焼きに比べて、出汁の量が多いので、お弁当には向きません。
s-画像 269.jpg
出汁の中に、砂糖、塩、薄口醤油、日本酒、味醂を入れ、沸かしたものです。
s-画像 271.jpg
これで、玉子地(たまごぢ)=玉子液の準備が出来ました。
玉子焼きの鍋を、火にかけます。油を引き、鍋が温まったら、玉子地を流します。火は、中火より強めです。
ある程度の火力でないと、玉子の黄色い色が出にくく、火が弱いと、空気が入らないので、食べた時のふんわりとした食感が出ません。
s-画像 272.jpg
固まってくると、所々膨らんできます。これをつぶします。表面が乾き始めたら、向こう側から、巻いていきます。半熟状態で巻くと、くっつきやすく、きれいに巻けます。
s-画像 273.jpg
巻いたら、また向こうに押し戻してから、玉子地を流します。
s-画像 274.jpg
さらに巻きます。この作業の繰り返しです。
s-画像 275.jpg
この時、箸を使っていますが、箸は玉子焼きをつかむものではなく、返す時の支えです。
s-画像 276.jpg
最後の玉子地を流しました。
s-画像 277.jpg
巻き終えたら、角を立たせるため、左右にずらして、火にあてます。
s-画像 278.jpg
完全にくっついたら、向こう側に戻してから、捲き簾(まきす)に取ります。
s-画像 279.jpg
しばらく、そのまま巻いておきます。こうすることで、角が美しい玉子焼きになります。今回の玉子焼きは、大きいので、無理ですが、この時丸くすれば、丸い玉子焼きに出来ます。
今でこそ、こうやって玉子焼きも焼けるのですが、当然、最初は全く出来ませんでした。
一番最初に入ったのが、鮨屋でしたが、そこでは玉子焼きを買っていたので、焼くこともありませんでした。が、焼いてないから、焼けないのでは、みっともないし、店を移った時に、出来ないと、シャレにもなりません。
ですから、休憩時間や、仕事が終った後に、練習しました。毎日、一本か二本焼きました。当然、失敗の連続です。失敗したからといって、捨てるわけにはいきません。
失敗作は、当然賄い行きです。ですが、自分のためにやっているから、卵代は自腹です。卵がいくら安いとはいっても、自腹ですから、本気です。
昼休みでしたら、お昼のおかずとなりますが、仕事が終ってからですと、店には誰もいませんし、そんな時は、焼きあがった玉子焼きを持参で、ネオン輝く夜の新宿・歌舞伎町に繰り出します。
当然、お土産持参ですから、女の子にも、喜ばれること受けあいです。しかも、大抵の女の子は玉子焼きが好きです。ただ練習しても、張り合いがありません。こういう下心があればこそ、上達も早いものです。
独身時代の自分の給料は、玉子焼きに限らず、魚を卸したりと、色んな練習代に変わった以上に、殆どが課外授業の代金に変わってしまいました。
たまには、そんな課外授業にも繰り出したいものです。
最後までお読みいただきまして誠に有り難うございました。
もっと面白い記事へのモチベーションUPの為、ランキングに参加しております。
「面白かった」と感じていただけましたら、是非クリックして応援お願いいたします。
店主 志村     にほんブログ村 料理ブログ マクロビオティックへ    にほんブログ村 料理ブログ 和食・日本料理(レシピ)へ

このページの上へ戻る