サーモンは『西京漬』用、目鯛(めだい)はコース料理用
生涯、一料理人を貫くためが想いを、『佳肴 季凛』店主兼熱血料理人の志村弘信が、3698回目の今日も認めますので、お付き合いのほど、宜しくお願いします。
今日のお弁当の焼物は、
鰤稚(わらさ)の西京焼で、 鰤稚を西京焼にしたのは初めてのことでした。
鰤稚を仕入れる機会が少ないだけでなく、成魚の鰤(ぶり)と異なり、脂の乗りが薄いので、焼物に仕立てることはしません。
とは言え、焼物に使った鰤稚は、
季節外れでありながらも、それなりに脂が乗っていたからで、その鰤稚については、こちらをお読み下さい。
仕上げた料理を盛付けるのは、いつものように、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんで、
お弁当は、このように仕上りました。
一方の自分は、
今朝、仕入れて来た目鯛(めだい)とサーモンの仕込みを始めると、
「遅くなっちゃったけど、おはようございます、親方♬」
「おはよう。」
「今日は、バタバタしているね。」
「本当は、昨日、魚市場に行くつもりだったんだけど、ちょっとしたアクシデントというか、ハプニングがあったんだよ。」
「何、何?」
「水曜日(22日)から木曜日(23日)に替わった時に、
セキュリティの誤作動があって、2度も起こされて、その確認作業に付き合ったから、寝不足で、目は覚めたけど、市場に行くのをやめたんだよ。」
「そうだったんだ~。警報や物音がしたり、電器も点いたから、気になったんだけど、そのままZZZ・・・。」
「あれでも、起きなかったとは、恐れ入りました。(笑)」
「えへへ・・・。」
「元々、昨日、今日と続けて行く予定だったんだけど、往復50キロの運転を考えると、寝不足は良くないから、やめたんだよ。」
「そうなんだ~。」
「せわしないけど、結果的に、思うような仕入れも出来たから、良しにするさ。急がないと、時間が足りなくなるから、下がっていてね。」
「はぁ~い。親方、FIGHT!」
今朝の目鯛は、
下田産で、サーモンは、
ノルウェー産です。
サーモンなのに、カンパチと書かれているのは、魚市場の問屋が、5~6本入っているものを小分けするからで、ノルウェー産と言えば、鯖(さば)もノルウェー産で、
サーモンも鯖も、
『西京漬』に仕込みますが、鯖は、とりあえず、冷凍しておきました。
目鯛も、
サーモンも、
鱗が細かいので、包丁を使うすき引きという方法で、鱗を取り除きます。
頭を落とし、水洗いしたら、
どちらも、
三枚に卸してから、
切身にし、
有機JAS認証済の西京味噌をベースにしたお手製の西京味噌と共に、
真空パックしたのですが、
目鯛の方は、ギフト用ではなく、コース料理の西京焼としてお出しするので、複数枚ずつ真空パックしておきました。
せわしないながらも、今日すべき仕事を終えることが出来、明日は休市日ですので、仕入れに行かないものの、別の仕込みや仕事もあるので、この辺りで・・・。
頂き物の梅は、今年もアイス用
料理が好きで、料理人になって、3分の1世紀にして、誰が名付けたのか、熱血料理人。
そんな料理への想いや日々の様子を、 熱血料理人の店主・志村弘信が3697回目の今日も認(したた)めます。
昨日、定連さんから、「今年も梅をもらったので、使ってもらえますか?」という電話を頂き、程なくすると、
持って来て下さいました。
今年も、とあるように、去年も頂き、
その時の様子については、こちらをお読み下さい。
ネットから開けると、
去年の3分の1ぐらいの感じでした。
すると、チビふぐ達がやって来て、
「親方、これもアイスにするの?」
「そうだよ。」
「そう言えば、この間、 ココナッツミルクのアイスを仕込んでいたよね?
その時、『次のアイスは秘密。』って言ったけど、この次は、梅になるの?」
「まだ、決めていないけど、それもありかな。」
「秘密ってことは、梅以外にもあるとか?」
「あるよ。ココナッツミルクの前が、マスクメロンで、その前が梅だったんだ。」
「そうだったね。」
「まぁ、その時の状況によって、決めようかと思っているから、それまでのお楽しみということで・・・。」
梅のアイスに仕込む場合、梅を茹でてから、ペーストにするのですが、青いままだと、香りも乏しいので、熟してから、茹でなくてはなりません。
そのため、
熟しているものだけ選(よ)り、冷蔵庫へしまい、残りは、そのままにしておきました。
そして、明くる日の今日の夜には、
8割近くが熟し、
残った梅は、明日までには熟すような感じで、明後日には、梅のペーストに仕込めそうです。
2022.6.23|デザート 野菜・果物(フルーツ) |permalink|コメントはまだありません
ゴルフコンペの賞品の『西京漬』
生涯、一料理人を貫くためが想いを、『佳肴 季凛』店主兼熱血料理人の志村弘信が、3696回目の今日も認めますので、お付き合いのほど、宜しくお願いします。
今日は、ゴルフコンペの賞品の『西京漬』を包装することにし、
コンペの賞品ですので、順位や個別の賞に応じて、色んなセットを御用意しました。
優勝賞品の『西京漬』は、
銀鱈、サーモン、鯖が各5枚入った超々豪華バージョンで、
『西京漬』のページのラインナップにもありません。
これを見た29匹ふぐちゃん達は、
「すご過ぎる!」
「優勝だから、
こんな風にしたよ。」
「向こうに、
準優勝があるけど、中身は?」
「銀鱈4枚、サーモン4枚、鯖2枚のもので、
優勝に比べると、見劣りするけど、かなりの豪華バージョンだよ。」
「確かに・・・。3位は?」
「3位は、
銀鱈とサーモンが各3枚入ったもので、
『西京漬』のラインナップの中で、2番人気のものだよ。」
「一番人気は、どんなの?」
「この中にはないけど、銀鱈、サーモン、鯖が各2枚入ったものだよ。」
「よく包装しているのだね。」
「そうそう。」
「あとは、どんなのを用意したの?」
「順位や個別の賞によって、
銀鱈とサーモンが各2枚入ったもので、ラインナップの中でも、人気のものだよ。」
「二人で食べるのに、いいね。」
「そうだね。」
「あと、個別の賞だと、
サーモン、鯖の各2枚入や、
銀鱈と鯖が各1枚入も用意して、これらには、
それぞれの熨斗も貼ったよ。」
「色々あるね。」
「あと、
参加賞が、
銀鱈と鯖の2枚入のもので、なかなかの参加賞だよね。」
「本当だ。僕たちも、ゴルフを始めようかな。」
「いいんじゃない。その時には、是非、当店の『西京漬』をご利用下さいませ。(笑)」
「もちろん!その時には、勉強してくれるよね?」
「多分!?(笑)」
今日のように、『西京漬』のラインナップにないようなものでも、ご予算、ご希望に応じて、可能な限り対応させて頂きますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
南伊豆・妻良(めら)産の活かしの勘八(カンパチ)
料理が好きで、料理人になって、3分の1世紀にして、誰が名付けたのか、熱血料理人。
そんな料理への想いや日々の様子を、 熱血料理人の店主・志村弘信が3695回目の今日も認(したた)めます。
沼津魚市場に行くと、仕入れるものがあろうとなかろうと、立ち寄るのが、
活魚売場です。
そんな今朝、生簀を覗くと、
南伊豆・妻良産の勘八が入荷していました。
仕分けたばかりだったので、
1,6キロのものを、
仕入れることが出来、その他の仕入れを終えたら、魚市場から帰ることにしました。
『佳肴 季凛』に戻ると、
29匹ふぐちゃん達がやって来て、「おはようございます、親方♬」
「おはよう。」
「親方、活きているね。この魚は、カンパチなんだよね?」
「そうだよ。よく知っているね~。」
「えへへ。」
「じゃあ、ここで問題。カンパチの名前の由来は?」
「・・・・・。」
「分からないってことね。」
「う~ん。」
「これを見てごらん。
頭の間に、八の字があるように見えない?」
「あるある、八じゃん!」
「間に八があるから、カンパチなんだ。」
「へぇ~。単純明快だね。」
「間八の字をあてることもあれば、勘八とあてることもあるよ。個人的には、勘の方が好きだから、タイトルのように、勘八にしているよ。」
「ほぉ~。」
「締めるから、離れていてね。」
「はぁ~い。」
取り出したら、動かないようにするため、
目を隠したら、
首と、
尾の付根に包丁を入れます。
そして、脊髄に針金を通し、
神経を抜き、血抜きのため、
海水に戻します。
「親方、神経を抜くのは、何のためなの?」と、29匹ふぐちゃん達。
「神経を抜くことで、死後硬直が遅くなり、鮮度が保たれるからだよ。」
「へぇ~。」
海水から取り出したら、
包丁を使うすき引きという方法で、鱗を取り除き、頭を落とし、はらわたを抜いたら、水洗いします。
その後、
三枚に卸したら、
すぐに皮を引くことも可能ですが、明日、刺身に使うので、冷蔵庫へしまっておきました。
そんなこんなで、休み明けの火曜日にして、一週間の始まりです。
今週も、お付き合いのほど、宜しくお願いします。
定休日に、『胡麻だれ』と『野菜感溢れるドレッシング』の仕込み
生涯、一料理人を貫くためが想いを、『佳肴 季凛』店主兼熱血料理人の志村弘信が、3694回目の今日も認めますので、お付き合いのほど、宜しくお願いします。
今日は定休日でしたが、
『胡麻だれ』の仕込みにして、休日出勤をしました。
先ず、
『野菜感溢れるドレッシング』を仕込んだら、
一升瓶に詰め替えたのですが、味醂(みりん)も赤酒(あかざけ)のどちらも、『野菜感溢れるドレッシング』に使っているので、空になったら、そのまま使うことが出来ます。
ちなみに、『野菜感溢れるドレッシング』 の原材料は、 サラダ油、有機西京味噌、純米吟醸酒、てんさい糖、リンゴ酢、レモン、みりん、赤酒、醤油、ゆず胡椒、トマト、はちみつ、ねり胡麻、塩、野菜パウダー(玉ねぎ・セロリ・にんにく・人参)、胡椒です。
これらのうち、味のベースとなっているのが、
有機JAS認証済の西京味噌で、
当店の看板の一つでもある『西京漬』にも、使っています。
西京味噌は、鮮度を保持するため、冷凍庫にしまっているのですが、開封したばかりということもあり、
他の原材料と合わせ、真空パックしてから、冷凍しておきました。
このようにするのは、次回以降の仕込みを簡単に済ますためで、あとでお話ししますが、休日出勤をしたさらなる理由でもあります。
『野菜感溢れるドレッシング』の次に、
『胡麻だれ』の仕込みを始めたのですが、中途半端な分量なのは、昨日、途中で仕込みをやめたからです。
仕上ったら、
寸胴(ずんどう)に入れ替え、
『野菜感溢れるドレッシング』と共に、
冷蔵庫へしまいました。
一連の仕込みの様子を見ていた29匹ふぐちゃん達が、「親方、休日出勤お疲れ様です。」
「包丁を使う仕込みもないから、それほどでもないけど、有難うね。」
「さっき、休日出勤のさらなる理由ってあったけど、どういうことなの?」
「『野菜感溢れるドレッシング』や『胡麻だれ』のように、決まった分量で仕込むものを、和食では、割物(わりもの)っていんだけど、割物(われもの)じゃないよ。」
「それくらい、分かるよ~。」
「割物は、ある程度、見計らって仕込むんだけど、せわしない時に仕込むと、分量を間違えたりする場合があるから、今日のように時間がある時に仕込んだ方が、ミスが少ないからなんだ。」
「なるほど~。」
「 あと、和食では、分量のことを、割(わり)って呼んでいて、割を書いてまとめたものを、割帳(わりちょう)って言うんだ。」
「親方もあるんでしょ?」
「もちろん。勤めていた時のものあるし、ポイントになる点も書いてあるよ。」
「今度、見せてよ。」
「熱烈歓迎!」
「でも、そういうのって、門外不出じゃないの?」
「トップシークレートや㊙事項みたいなものもあるけど、殆どの料理人は、訊かれれば、教えてくれるし、自分も教えるよ。」
「え゛っ~!?そうなの。」
「そもそも仕事って、親方や先輩から教わったもので、それを後輩や人に教えて、アレンジしてもらうと、さらに良いものになるのは分かるよね?」
「うん。」
「それこそが伝統で、そういう役目を断つわけにはいかないでしょ。教えた人は、さらに良い仕事をするようになるし、教えたところで、先を行っているわけだから、追い付かれることはないと思うんだ。」
「言われみれば、そうだね。それこそ、御意!」
「難しい言葉を知っているじゃん。」
「えへへ・・・。」
「割と言えば、浜松にいた時の親方は、そういうのを持っていなかったよ。」
「何、それ!」
「何かを仕込む時に、いきなり、調味料の分量を言い始めで、メモを取ったら、仕込み始めると、ほぼ100%に近い状態で仕上るんだ。」
「・・・・・。」
「そこで、足りない物を微調整することで、仕上るんだ。」
「すげ~!」
「その頃、自分も同じ様に思ったんだけど、経験を重ねることで、その勘が磨かれていくんだよね。よく言うんだけど、いい加減が良い加減になることだね。」
「親方も、そうなの?」
「一応ね。そういう意味では、浜松の親方に近づいたかも・・・。『胡麻だれ』はその親方に教わったものを、アレンジしたものだよ。」
「伝統じゃん!」
「『野菜感溢れるドレッシング』は、完全オリジナルだよ。」
「今日は休みだから、脱線が多かったね。」
「そういう時もあるさ。」
「また、教えてね。」
「はいよ~。」
そんなこんなで、休日出勤が終わったのですが、明日からも、伝統を紡(つむ)ぐため、日々の仕事に臨みます。
2022.6.20|胡麻だれ 野菜感溢れるドレッシング |permalink|コメントはまだありません
定休日前の仕入れは、『西京漬』用の銀鱈(ぎんだら)&『鰯の丸煮』用の真鰯(まいわし)
料理が好きで、料理人になって、3分の1世紀にして、誰が名付けたのか、熱血料理人。
そんな料理への想いや日々の様子を、 熱血料理人の店主・志村弘信が3693回目の今日も認(したた)めます。
今朝、沼津魚市場に行くと、
北海道・根室産の真鰯(まいわし)が、
入荷しており、
2つの山のうち、 ひとつが20入(2キロ)で、
もうひとつは、
15入(2キロ)でした。
20入と、
15入ですので、
その差は、一目瞭然。
真鰯は、
『鰯の丸煮』用で、100グラムが目安ですので、
20入のものを、
3ケース仕入れることにしました。
その後、
冷凍物を扱う売場に行き、
予め注分しておいた銀鱈(アラスカ産)を車に積み、
魚市場から帰ることにしました。
【佳肴 季凛】に戻り、荷物を下ろすと、 ジャンボちゃんとふぐ子ちゃんがやって来て、
「親方、おはようございます♬」
「おはよう。」
「銀鱈の箱は、大きいね。」
「そうだよ。50ポンドだから、換算すると
22,68キロになるね。」
「この中に、何本入っているの?」
「その時のサイズにもよるけど、11か12本だね。今日は、
11本で、その時にもよるけど、1本が2,5キロって感じ。」
「中国も書いてあるのは、中国向けなの?中国にも、輸出しているよ。」
「へぇ~。中国語だと、黑鱈魚なんだね。」
「Black Cod(黒い鱈)の直訳だろうけど、銀鱈は、鱈の仲間ではなく、ほっけの仲間なんだ。
「えっ、そうなの?」
「あと、Sable Fish (漆黒の魚)とも呼ばれているけど、Black Cod とほぼ同じ意味だね。」
「どれくらいの大きさか、比べてもいい?」
「はいよ。」
長さは、
ほぼ同じで、「冷凍庫にしまうから、離れてくれる?」
「はぁ~い。」
女将兼愛妻(!?)の真由美さんに手伝ってもらい、
しまったら、入れ違いで、
鯖(さば)を出し、包丁が入るようになったら、
腹骨の一部を欠き、上(かみ)と下(しも)に包丁したら、
脱水シートに挟んだら、冷蔵庫へしまいました。
先程の写真のように、腹骨の一部を欠いたのは、苦玉とも呼ばれる胆のうの痕が残っていると、食味が損なわれてしまうからです。
鯖の次に、
真鰯の下処理に取り掛かり、
焼いてから出汁を取るため、頭も水洗いし、
最終確認をしたら、
クッキングシートを敷いた鍋に並べ、水と酢を注ぎ、超々弱火の火加減で、火に掛けました。
また、『鰯の丸煮』に仕込まなかった分は、
なめろうにし、
ふぐ料理の先付の一品として、
お出ししました。
なめろうとは、たたきのことで、みじん切りにした長葱を合わせたのち、味噌を入れたもので、そもそもが漁師料理です。
ただ、最近では、広く認知されていることも、一般の方でも、使われる方もいらっしゃいます。
『鰯の丸煮』が明くる日に仕上るのですが、明日は定休日ですので、仕上るの明後日です。
定休日とは言ったものの、明日は、他の仕込みをするので、軽めの休日出勤になります。
長い手袋
生涯、一料理人を貫くためが想いを、『佳肴 季凛』店主兼熱血料理人の志村弘信が、3692回目の今日も認めますので、お付き合いのほど、宜しくお願いします。
今日は、
4本の銀鱈(アラスカ産)を、
『西京漬』に、
仕込みました。
銀鱈は、昨日から解凍しておき、通常の魚同様、
最初に鱗を取り除くのですが、その役目は、専ら女将兼愛妻(!?)の真由美さんです。
魚の鱗を取る時は、
上腕部まで隠れる手袋をはめており、これを見た29匹ふぐちゃんは、
「ずいぶん長い手袋だけど、どこで買うの?」
「沼津の魚市場にある包装資材店だよ。魚市場って言っても、近隣というか、周辺だよ。あとは、作業服専門店にもあるかも・・・。」
「へぇ~、初めて見た。」
「丈夫だよ。その包装資材店は、魚市場にあるから、一般的なところとは違う品揃えで面白いよ。」
「どんなところが?」
「道具類かな。もともと沼津は、干物などの加工屋が多いから、大きいバケツやざる、干物を干す網なんかもあるよ。」
「ねぇねぇ、干物を干すって、変じゃね?」
「言われてみれば、そうだね。魚を干したものが、干物だから、失礼しました。(笑)。」
「まるで、危険が危ないじゃん!ヤバっ、そんなこと言うから、間違えたじゃん。」
銀鱈を『西京漬』に仕込む時、
切身とは別に、 尾の部分や、頭出しの部分が出るので、
それらは、お弁当用にし、切り落としの部分は、
賄い用にし、切り落としと言えば、
賄い用に仕込むと、
「親方、刺身と西京焼で、楽しめるなんて、いいなぁ~。」
「いいでしょ?火曜日か水曜日かな~。」
「食べた~い、食べた~い。」
「いい子にしていたらね。」
「やったぁ~!」
休市日だったこともあり、魚の仕込みはこれだけでしたが、銀鱈の在庫も、1回分の3か4本になったので、明日は、魚市場に行くので、この辺りで失礼させて頂きます。
シェアした静岡県由比産の稚鰤(わらさ)
生涯、一料理人を貫くためが想いを、『佳肴 季凛』店主兼熱血料理人の志村弘信が、3691回目の今日も認めますので、お付き合いのほど、宜しくお願いします。
今朝、
沼津魚市場に行くと、
静岡県由比産の稚鰤(わらさ)が入荷していました。
稚鰤とは、読んで字のごとく、鰤(ぶり)の稚魚というよりも、鰤の若魚のことで、鰤の手前になるサイズのものです。
一般的には、鰤のサイズは、体長としては、80センチ以上、目方の場合、8キロが、その目安とされています。
今朝の仕分けは、
ほぼ全てが、2本入でしたので、沼津市大岡の居酒屋『きえい』さんをシェアすることにし、
7,8キロ(2本入)のものを仕入れることにしました。
自分と『きえい』さんは、窓口の仲買が同じということもあり、
分けても、
伝票の仕切りが簡単に済むのも好都合で、
これまでにも、このようなシェアは、何度もしています。
ちなみに、47というのが仲買の番号で、9が自分、84が『きえい』さんの枝番です。
『佳肴 季凛』に戻り、稚鰤の仕込みを始めようとすると、29匹ふぐちゃんがやって来て、
「おはようございます、親方♬」
「おはよう!」
「これはワラサで、Youngブリのことでしょ?」
「そうだよ。」
「ブリの呼び名の中で、はまちっていうのも聞いたことがあるけど、
はまちって・・・?」
「はまちって、元々、関西での呼び方で、40センチサイズの鰤のことを言うんだよ。関東だと、そのサイズのことを、わかしって呼んでいるんだけど、関東でハマチって言うと、養殖の鰤のことなんだ。」
「へぇ~。」
「今でこそ、養殖の鰤なんて呼んだり、ブリ(養殖)なんて表示されているけど、耳慣れないように思う人も多いし、自分もだよ。」
「ふ~ん。」
「さらに言うと、生物学的には、大きくても小さくても、鰤になるんだけど、日本食というのは、もともと魚食文化だから、呼び名が変わることが多いし、それによって、値段にも違いがあるんだ。」
「大体、分かったよ。有難う、親方。」
「仕込みをするから、この辺でね。」
「はぁ~い。」
鱗が細かいわらさは、
包丁を使うすき引きという方法で、鱗を取り除きます。
鱗を取り、頭を落とし、はらわたを抜いたら、水洗いし、
三枚に卸すと、
思いの外、脂が乗っており、ニンマリ。
というのも、冬が旬の鰤若魚ですので、稚鰤に脂が乗るのは、晩秋以降だからです。
すき引きにしてあるだけでなく、4キロ以下ということもあり、皮も柔らかいので、
包丁目を入れたら、 氷を敷いたバットに乗せ、
バーナーで炙り、
粗熱が取れたら、冷蔵庫にしまっておきました。
柵の丈(たけ)が短いのは、
尾の部分を、
お弁当用の南蛮漬に仕込んだからです。
ランチタイムで、稚鰤が日の目を見ることはなかったのですが、
稚鰤丼に仕立てて、自分達のランチにし、ほのかな脂の乗り具合を堪能し、夕方には、
定連さんへのお遣い物として、刺身に仕立てました。
あらの部分は、焼いてから出汁を取るだけでなく、
かまの部分と切り落としは、賄い用の西京焼にするため、明日、西京漬にします。
魚の旬というものは、あくまでも目安でしかなく、今朝の稚鰤のようなものに巡り会えるのも、自ら魚市場に通っているからこそ為せることで、早起きは三文の得とは、よく言ったものです。
合計4回分のココナッツミルクのアイス
料理が好きで、料理人になって、3分の1世紀にして、誰が名付けたのか、熱血料理人。
そんな料理への想いや日々の様子を、 熱血料理人の店主・志村弘信が3690回目の今日も認(したた)めます。
今日は、
ココナッツミルクのアイスの素を仕込みました。
すると、チビふぐ達がやって来て、
「親方、ココナッツミルクの甘い風味が、何とも言えないね。この素で、どれくらいの数のアイスが出来るの?」
「沢山。」
「それなら、僕たちでも分かるよ~。親方らしい答えだよね。(笑)」
「これから、仕込むんだけど、とりあえずの分を仕込んだら、残りを、真空パックして冷凍するから、答えは待っててね。」
「はぁ~い。やっと、まともな答えじゃん。」
「何か言った?」
「いやいや。」
お玉で3杯弱ほどすくい、
アイスクリームマシンにかけること30分で、
出来上がったら、
バットに移したら、冷凍庫へ。
「アイスクリームマシンを見ていると、目が回りそうだったよ、親方。バットに入っている分で、何個くらい取れるの?」
「30個まではいかないけど、20個以上は、確実だよ。」
「アイスにしなかったのは、どうするの?」
「それらは、
真空パックして、冷凍しておくよ。」
「6パックあるけど、
これで、どれくらい出来るの?」
「1パックが、さっきのバットの半分の15個弱とすると、90個くらい出来る計算になるかな。だから、今日を入れて、4回仕込むことになるよ。」
「ふぅ~ん。」
「今日仕込んだけど、マスクメロンのアイスが終わってからだから、ココナッツミルクのアイスは、もう少し先になるね。」
「その時には、味見させてね。」
「はいよ。」
「やったあ!ココナッツミルクのアイスの次は、何の予定?」
「次?次のアイスは、
『それは秘密です!!』by 桂小金治 」
「???全く分からないんだけど・・・。」
「昭和世代なら、分かるけどね。どっちにしても、その時までのお楽しみということで・・・。」
“クラブツーリズム・ロイヤルクルーザー 四季の華”の焼物は、サーモンの西京焼
生涯、一料理人を貫くためが想いを、『佳肴 季凛』店主兼熱血料理人の志村弘信が、3689回目の今日も認めますので、お付き合いのほど、宜しくお願いします。
昨日お話ししたように、今日は、バスツアーのお客様の御席を頂いており、それが、今日の仕事の全てでした。
献立は、
ランチメニューの『凛』(全8品)の西京焼を、サーモンの西京焼にバージョンアップしたものなので、内容としては、普段通りです。
ただ、バスツアーの御席ですので、食後のお飲み物はつきません。
また、焼物を一度に焼くのは、かなり神経を使うだけでなく、バスツアーの御席は、時間ととの闘いを強いられるので、いつも以上に緊張していました。
バスツアーに限らず、それなりの人数の御席の場合、
献立の最後のデザートから盛付けていき、今日のデザートはマスクメロンのアイスなので、器だけ冷蔵庫へ。
次に刺身を盛付け、
今日の刺身は、
目鯛(三重産)、〆鯵(宮崎産)、湯葉の三種盛りです。
刺身の次に、
先付(グリンピース豆腐)、
お新香を盛付けたら、冷蔵庫にしまっておくものが終わりました。
その後、小鍋(ひじきと野菜の小鍋仕立て)を盛付けたら、
御席にセットし、
蒸物(鰯つみれ錦糸蒸し)を器にきめ、あんをはったら、
温蔵庫にしまい、蒸物は、お出しする時に、海苔と紅葉卸しを天にあしらいます。
他の料理は、ご来店の直前に盛付けるサラダ素麺だけですので、料理に関しては、準備が終わりました。
そして、最後の立ち寄り場所から連絡が入ったら、
昆布御飯、
お新香を並べ、
サーモンを焼台に入れ、指定場所からのワン切”があったら、火を点け、程なくすると、
バスが到着し、ここからは一気に戦闘モードMAX。
バスツアーの場合、お出し出来るものから、お出ししていき、先付、蒸物、刺身の次に、
サラダ素麺、刺身をお出ししました。
そうこうしていると、
サーモンの西京焼が仕上がり、お出ししたら、ひと段落。
デザートをお出しするまで、時間があったので、昨日の約束を果たすべく、
ふぐファミリーを外に連れ出すと、
「豪華バスだけに、
Royal(ロイヤル)
Cruiser(クルーザー)なんて、そのまんまだね~。」
「中は見れないけど、車種にもよるけど、17~20人が定員なんだよ。」
「ひゃ~!凄いね。」
「一昨年、少しだけ見せてもらったことがあるけど、凄かったよ。」
「見るだけじゃなくて、乗ってみたいなぁ~。」
「そのうちね。」
「そのうちって、いつなのかねぇ~。」
「何か、言った?」
「いやいや、そろそろデザートを出せるようだよ。」
「じゃあ、中に入ろう。」
「はぁ~い。」
デザートをお出し、程なくすると、出発時間となり、
お見送りをしたら、片付をし、ハードな半日が終わったのでした。