法事用のお弁当の後に、バスツアーの仕込み&準備
生涯、一料理人を貫くためが想いを、『佳肴 季凛』店主兼熱血料理人の志村弘信が、3672回目の今日も認めますので、お付き合いのほど、宜しくお願いします。
今日の法事用のお弁当は引き渡し時間が早かったこともあり、
5時前から、仕事を始めました。
煮物(人参、牛蒡、さつま揚げ)にはじまり、
サーモンの西京焼、
さばふぐの唐揚、
玉子焼を仕上げると、ミニふぐ達がやって来て、
「親方、おはようございます。今朝は、市場へ行くくらいに早いね。」
「おはよう、9時半に取りに見えるから、5時スタートだったよ。」
「1本と半分の玉子焼に、もう半分あるけど、これは?」
「実はね、裏返すと、
ちょっとこんがりしちゃって、使い物にならなくなっちゃった。」
「ありゃりゃ・・・。でも、どうして?」
「焼く時の最後に、弱火にして、前後左右に火を入れて、生焼けを防ぐんだけど、焼いている時の火加減のまま、少し離れたら、万事休す。」
「この玉子焼は、どうするの?」
「この程度なら食べても、全く平気だけど、みんなのおやつにする?」
「いいの?」
「包丁してあげるから、みんなで仲良くね。」
「やったぁ~!」
「チェッ。こっちは、何も嬉しくないんだけど・・・。」
「どうかした、親方?」
そうこうしていると、女将兼愛妻(!?)の真由美さんが盛付けを始めてくれ、
「真由美さん、ファイト!」の声が、
チビふぐ達から掛かると、真由美さんは、「おはよう、頑張るよ~♬」
そして、お弁当は、
このように仕上がり、法事用ということで、
紫と白の紐をしておきました。
また、今日は、
お子様用のお弁当もご用意し、お子様の場合、年齢、アレルギーの有無などを伺った上で、ご用意しています。
また、今日は都合により、ランチ、夕席ともに、お休みさせて頂いたので、お弁当が仕上がったら、明日のバスツアーの御席の準備と仕込みをすることにしました。
洗い物を、
真由美さんに任せた自分は、
グリンピース豆腐、
小鍋用の野菜(玉ねぎ、えのき、人参)、
サラダ素麺の野菜(長ねぎ、みょうが子、みょうが竹、赤ピーマン、青ピーマン、パプリカ、人参、紫キャベツ、アーリーレッド、ラレシ)などを仕込み、洗い物を終えた真由美さんは、
個室の掃除をしたら、
バスツアーのお客様の御席のセットをしました。
そして、
器出しをし終えたのは、1時過ぎでした。
なお、明日の月曜日は営業こそ致しますが、バスツアーのお客様がお見えになることもあり、予約のみの営業となり、元々の定休日ゆえ、夜の営業はお休みさせて頂きますので、くれぐれも宜しくお願い致します。
一昨日の伊豆下田産の葉血引(はちびき)
料理が好きで、料理人になって、3分の1世紀にして、誰が名付けたのか、熱血料理人。
そんな料理への想いや日々の様子を、 熱血料理人の店主・志村弘信が3671回目の今日も認(したた)めます。
一昨日から続く三部作も、今日で最後となりました。
そんな今日の魚は、
一昨日、沼津魚市場で仕入れた伊豆下田産の葉血引(はちびき)です。
葉血引は、通常の魚同様、最初に鱗を取ったら、
頭を落とし、はらわたを抜いたら、水洗いをしました。
一昨日は卸さずに、
今日まで氷詰めすることにし、尾びれを切り落としたら、
尾の付根と、
腹から、針金を入れたら、
身を立て、血抜きをし、腹の水分を拭き取ったら、
キッチンペーパーを詰め、軽めの真空包装をし、
氷詰めにし、冷蔵庫へ。
こうすることで、凍らない0度の状態で、空気に触れないので、鮮度をより長く保持することが出来ます。
そして、二日たった今日、
卸したら、
柵取りし、皮に包丁目を入れたら、
皮目をバーナーで炙りました。
すると、
炎が赤くなり、赤くなるのは、脂があるからです。
身を返すと、29匹のふぐネット達がやって来て、
「親方、僕たちは29匹だけど、一匹でも、葉血引じゃん。」
「・・・・・。」
「その無言の意味するところは?」
「何とも言えないけどね。そんなことより、
これを見てごらん。」
「どういうこと?」
「浮き上がった脂だよ。」
「さっき赤くなった証拠って、こと?」
「そうだよ。」
「へぇ~。ところで、葉血引の美味しい時季って、いつなの?」
「一年を通じて、金目鯛(きんめだい)や目鯛(めだい)と一緒に水揚げされるんだけど、春から梅雨の時季までが、一番脂が乗るよ。」
「それこそ、今が旬じゃん!」
「そうだね。これから、夜のお客さん用に刺身にするから、離れていて。」
「はぁ~い。」
切り付けたら、盛付けようとすると、
「親方、隣のは昨日話していた〆鰯(しめいわし)だね。」
「予習が出来ているね。」
「えへへ・・・♬」
湯葉と共に盛付け、冷蔵庫にしまおうとすると、
「親方、山葵(わさび)が付いていないよ。忘れないで!」
「いやいや、出す時に、卸したての本山葵を付けるから、平気だよ。」
「今じゃ、だめなの?」
「まぁまぁ、ご覧(ろう)じろ。」
御予約のお客様が来店され、程なくすると、
本山葵を卸し、刺身添えると、
「山葵の香りがツ~ンとして、涙が出ちゃった。」と言うと、刺身から離れてしまいました。
「本山葵は、卸したてだと、風味が全然違うんだよ。だから、直前に卸すんだよ。」
「そうなんだぁ~。それにしても、こんなにツ~ンとするとは・・・。」
「本山葵にするだけで、刺身の美味しさは別物になるよ。自分が気に入って仕入れた魚だから、より美味しく食べてもらいたし、全てのお客さんが分かるとか限らないけど、自分自身には嘘はつけないからね。」
「熱血料理人の本性が出たね!だから、気温も上昇して、明日は全国的に真夏日になるんじゃね!?」
「ないない!(笑)」
そんな明日は、
午前中に法事用のお弁当のご注文を頂いているのですが、都合により、ランチと夕席の営業をお休みさせて頂きますので、くれぐれも宜しくお願いします。
昨日の千葉県銚子産の真鰯(まいわし)
生涯、一料理人を貫くためが想いを、『佳肴 季凛』店主兼熱血料理人の志村弘信が、3670回目の今日も認めますので、お付き合いのほど、宜しくお願いします。
今朝も沼津魚市場に仕入れに行ったのですが、仕入れたのは、
浅蜊(あさり)などでした。
浅蜊は、ユーラシア大陸産なのですが、隣の大国が無ければ、諸々の点で、日本という国は立ち行かなくなるのにも関わらず、如何せん・・・。
魚市場の後に向かった食遊市場では、
野菜をはじめとする食材を、
仕入れて来ました。
前置きはさておき、今日のお話しは、
昨日のお話しの『3カ月ぶりの活かしの天然 とらふぐは、静岡県沼津産』の続編です。
昨日仕入れた魚の一つが、
千葉県銚子産の真鰯(まいわし)で、
【鰯の丸煮】に仕込むためのものでした。
下処理を済ましたら、
昨日から火に掛け、
今日、仕上りました。
【鰯の丸煮】を仕込む時に、ついてに仕込むのが、
賄い用の鯖(さば)の煮付で、今日も仕込みました。
すると、チビふぐ達がやって来て、
「親方、ようやく仕上ったね、お疲れ様です。鰯も美味しそうだけど、鯖もいい感じ・・・♬」
「煮崩れたのも、殆どないしね。鯖をおかずにするのが、楽しみだよ。」
「ねぇねぇ、親方。
鯖の表面の丸いのは、何?」
「これはね、脂だよ。鯖に限らず、脂がある魚が煮上がると、こういう風になるんだよ。」
「へぇ~。面白いね。おかずだから、バットごと温めて、取分けるだろうけど、器に盛付けると、どんな感じが見てみたい!」
「はいよ。
お客様、お待たせしました。鯖の煮付でございます。白御飯と共に、召し上がりますと、御飯が進み、たいへん美味しうございます。如何が致しましょう?」
「熱烈歓迎!
鯖の煮付も、こういう風に盛付けると、おかずではなくなるよね。」
「そうだね。『器は料理の着物』って言葉もあるくらいだからね。」
「御飯の上に、ちょんちょんってして、いっただきまぁ~す!」
ところで、昨日の真鰯は、【鰯の丸煮】以外にも、
刺身に使うため、
酢締めにし、明くる日の今日、
昆布を外しました。
今日も様々な形でお出ししたのですが、明日の夜の会席料理の刺身としてお出しし、その時お出しするのが、
昨日の葉血引(はちびき)で、明日のお話しは、葉血引になります。
ちなみに、今週は、
昨日の木曜日、今日と四日連続で魚市場に行って来たのですが、明日は休市日なので、いつもより遅く起きればいいのですが、意外とそういう時に限って・・・。
3カ月ぶりの活かしの天然とらふぐは、静岡県沼津産
料理が好きで、料理人になって、3分の1世紀にして、誰が名付けたのか、熱血料理人。
そんな料理への想いや日々の様子を、 熱血料理人の店主・志村弘信が3669回目の今日も認(したた)めます。
今朝、沼津魚市場に着き、最初に向かったのが、
活魚売場で、生簀を覗くと、
沼津産の天然のとらふぐ(0,8キロ)が入荷していました。
いくらかスリムだったのですが、
仲買人と作戦を立て、セリに臨むと、想定価格でGETとなれば、萌え燃え・・・ 💖 。
ただ、活かしのとらふぐを仕入れるのは、約4カ月ぶりのことですので、萌え燃え・・ ・💖 の気分も、いつも以上なのは、言うまでもありません。
ブクブクをセットした発泡スチロールに入れたら、
魚市場を、
後にしました。
また、今日は、
静岡県下田産の葉血引(はちびき)や、
【鰯の丸煮】用に、
千葉県銚子産の真鰯(まいわし)なども仕入れたのですが、
これらについては、明日以降、お話しする予定です。
『佳肴 季凛』に戻り、荷物を下ろすと、 ふぐファミリーがやって来て、
「おはよう、親方。今日は、沢山仕入れてきたね。この発泡スチロールは、音がするけど、何?」
「おはよう。開ける前に、袋でガードしてあげるから、ちょと待ってて。」
袋でガードすると、
「真鰯と葉血引だね。」
「よく覚えたね。」
「ブログもSNSも、毎日チェックしているもん。」
「恐れ入りました。(笑)じゃあ、スチロールを開けるよ。」
「待ってました!」
「じゃぁ~ん!」
「とらふぐが泳いでいる!活きてる、活きてる。」
「君たちも、ここに来るまでは、海の中をスイスイしていたでしょ?」
「うんうん、懐かしいなぁ~。」
「そうだね。仕込みが沢山あるから、離れていてね。」
「はぁ~い。」
とらふぐを取り出し、
締めたら、
血抜きのため、海水へ。
その後、
卸すことにしたのですが、
まな板が汚れているのは、
真鰯の下処理をした直後だからです。
卸したら、
水洗いをすると、
くちばし(口の先端部)に釣針がありました。
釣針があったのは、とらふぐを専門の漁ではなく、生簀の写真に「渡仁(わたひと)」とあるように、この渡仁丸という船で、渡仁丸は、甘鯛(あまだい)を専門にしている船です。
さらに言うと、この時季は天然のとらふぐ漁は禁漁期で、たまたまかかってしまった外道で、とらふぐの延縄漁の場合、仕掛けそのものが違います。
水洗いを終え、
拭き上げたら、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんと、
♬ お片付け~ お片付け~ さぁさ 二人でお片付け ♬
明日は、【鰯の丸煮】の仕上げもあるだけでなく、今週4度目にして、4日連続で魚市場に行き、今日同様、ハードになるので、この辺りでお暇させて頂きます。
西京焼用の鯖&唐揚用のさばふぐ
生涯、一料理人を貫くためが想いを、『佳肴 季凛』店主兼熱血料理人の志村弘信が、3668回目の今日も認めますので、お付き合いのほど、宜しくお願いします。
今朝、沼津魚市場に行くと、
昨日注文しておいた由比産のさばふぐが、
用意されていました。
ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、由比(ゆい)は、桜海老で有名なところで、目下のところ、桜海老の春漁が行われています。
中を確認したら、
他の売場で仕入れをしたのち、魚市場から帰ることにしました。
【佳肴 季凛】に戻ったら、
週末用の西京焼にするため、
鯖をバットの上に出したら、 さばふぐの下拵えをしようとすると、ミニふぐ達がやって来て、
「親方、おはようございます♬」
「おはよう。」
「今日はさばふぐを仕入れて来たんだね。いつものように、唐揚用?」
「そうだよ。」
「あと、さば繋がりで、鯖も西京漬に仕込むの?」
「週末の予約用だから、今日仕込めば、ちょうど仕上るよ。少しバタバタしちゃうから、下がっていてね。」
「はぁ~い。」
さばふぐは、
尻びれ(しろ)、背びれ(黄褐色)を切り落としたら、
頭の付根に包丁を入れたら、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんが、
頭を掴んだら、皮を剥(む)いてくれ、この方法をぐる剥きと呼んでいます。
さばふぐの包丁を終えた自分は、
裏返しておいた鯖に包丁が入るようになったので、
腹骨の一部を欠き、
半分に包丁したら、
脱水シートに挟んでいったのですが、
この1枚だけは、そのままにしておくと、ミニふぐ達がやって来て、
「親方、これって、どういうこと?」
「先ずは、
これを見てごらん。」
「うんうん。」
「一枚のまんまのものは、普通のものと比べると、
身が崩れているような感じがしない?」
「なんか、変だね。」
「こういう身質のものは、ジェリーミートと呼ばれていて、加熱すると、溶けたり、溶けなくても、美味しくないんだよ。」
「そんなのあるの!?」
「海水温の上昇だったり、寄生虫などが、その原因なんだよ。」
「食べられるの?」
「食べられるかもしれないけど、美味しくないし、寄生虫となると、加熱しても、何か・・・。だから、ごみ箱行きだよ。でも、完全に解凍するまでは、何とも言えないから、とりあえず、一緒にしておくよ。」
この間に、 真由美さんがさばふぐの水洗いをしてくれ、
その後、
自分が手直しをしたら、
真由美さんが、
拭き上げてくれ、その数44本。
そして、
唐揚用に包丁したら、真空パック用の袋に入れ、一時、冷蔵庫へ。
唐揚用と書きましたが、お弁当や会席料理などに使い、ふぐ料理でお出ししているふぐは、天然のとらふぐのみです。
魚の下拵えが終わったら、
掃除を始め、
これからの時季は、
入念な掃除が欠かせません。
さらに言うと、魚の仕込みをしない時でも、まめに掃除をする必要があります。
そして、ランチの営業が終わり、
鯖を冷蔵庫から出すと、
「親方が言ったように、使えないね。」
「こればかりは、仕方がないよ。鯖はまだしも、同じように、【西京漬】にする銀鱈で、こうなると、半泣きだよ。」
「え゛~っ、銀鱈でもあるの!?」
「うん、あるんだよ。こればかりは、一気にテンションが下がるから、勘弁して欲しいね。」
「そんな銀鱈にあたらないように、僕たちも祈るけど、そのことは、また教えてね。」
「はいよ~。」
真空パックしたさばふぐのうち、
冷凍するものには、
日付と個数を書いておき、書いていないものは、
週末のお弁当に使うので、冷蔵庫へ。
一方の鯖は、
ギフト用にも使うだけでなく、枚数はすぐに分かるので、
無記入のまま、冷蔵庫にしまい、休憩することにしたのでした。
サーモンの半身は【西京漬】、残りの半身はお弁当の西京焼
料理が好きで、料理人になって、3分の1世紀にして、誰が名付けたのか、熱血料理人。
そんな料理への想いや日々の様子を、 熱血料理人の店主・志村弘信が3667回目の今日も認(したた)めます。
休み明けの今日、沼津魚市場に着いたら、
最初に向かった売場で、
『西京漬』に仕込むため、
ノルウェー産のサーモン(5,3キロ)を、
仕入れました。
仕入れを終え、【佳肴 季凛】に戻ったら、仕込みを始めることにし、鱗が細かいサーモンは、
すき引きと言って、包丁を使って、鱗を取り除くのですが、角度がずれて、包丁が身に入らないように、注意しなくてはなりません。
鱗を取り除き、
頭を落とし、水洗いしたら、半身を卸し、身を返すと、チビとらがやって来て、
「おはようございます、親方。」
「おはよう。」
「皮が無く、身が見えているってことは、もしかして、もしかして・・・。」
「そのもしかしてで、さっき言ってたけど、
うっかりして、身に入っちゃったんだよ。」
「弘法も筆の誤りってやつ?」
「そこまでの名人じゃないよ。弘法と言えば、自分の名前は、弘信(ひろのぶ)でしょ。名前を説明する時に、弓偏(ゆみへん)にムだと、つまらないから、弘法大師の弘って言うと、やんごとなき感じがしない?」
「言われてみれば、そうだけど、長くね?」
「まぁ、確かに・・・。ところで、名人と言えば、若い頃に勤めていた店で、かなりの包丁名人がいたんだよ。」
「へぇ~。どれくらい、凄いの?」
「とりあえず、サーモンの仕込みを終えたら、話すから、一時撤収。」
「はぁ~い。」
卸した身のうち、半身は、
ギフトや単品用に包丁し、残りの半身は、
お弁当用に包丁し、お弁当用は、
焼きやすいように、同じ部位ごとにしておきます。
有機JAS認証済の西京味噌をベースにしたお手製の西京味噌と共に、切身を袋に入れたら、冷蔵庫にしまい、片付をし、ランチの営業に備えました。
殆どの仕込みを終えたので、チビふぐ達を呼び寄せ、
「これって、万能葱(ばんのうねぎ)って言うんだけど、
さっきの包丁名人の話をするね。」
「うん。でも、どういうこと?」
「その包丁名人なる人は、自分より20歳以上も年上の人でね、万能葱を一度に、10束以上まとめてて、包丁することが出来たんだよ。」
「え゛っ~、マジで!?」
「マジだよ。しかも、一つも繋がったままじゃないんだな。」
「想像もつかない。」
「自分も初めて見た時、びっくりしたもん。それだけでなく、桂剥(かつらむ)きの薄さも別格で、魚を卸すのもそうだけど、きれいで速かったよ。」
「へぇ~!動画でも、見つかるかな。」
「嘘か本当かは分からないけど、鰻(うなぎ)を卸す大会で、全国3位になったことがあるって言ってたよ。」
「凄過ぎ・・・。」
「かつては、何でも手作り、手作業だったから、伝説的な包丁の達人が沢山いたようだよ。便利もいいけど、やはり手仕事には勝るものはないね。」
「一度でいいから、見てみたいね。」
「 色々探したけど、無いみたい。 その人は、もう亡くなったから、自分も見ることが出来ないし、そう思うと、残念だなぁ。料理に限らず、昔の職人にはかなわないよ。」
「ふぅ~ん。」
「そろそろ、ランチの営業時間だから、この辺にしておくね。」
「はぁ~い。また教えてね、親方。」
そして、ランチの営業時間の合間を見ながら、
真空パックしておき、お弁当用の方には、
日付と入数を書いておき、書いてないのは、今週末のお弁当に使うものです。
そんなこんなで、一週間が始まり、今週もお付き合いのほど、宜しくお願いします。
定休日に、お弁当用の鶏肉の照焼の仕込み
生涯、一料理人を貫くためが想いを、『佳肴 季凛』店主兼熱血料理人の志村弘信が、3666回目の今日も認めますので、お付き合いのほど、宜しくお願いします。
今日は定休日でしたが、 お弁当用の鶏肉の照焼の仕込みをすることにし、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんに、鶏のもも肉の掃除をしてもらいました。
掃除というのは、雑巾やモップを使っての掃除ではなく、日本料理の場合、余分なものを取り除くことを言います。
ただ、日本料理以外のジャンルでは、そのように言うのかどうかは、全くもって、分かりません。
鶏のもも肉の余分なものとは、残っている毛、血痕などのことです。
掃除を終えたら、
盆ざるの上で、バーナーで焼目を付けたら、
掃除を終えたものと交換しながら、
焼目を付けていきます。
全て終わったら、
沸騰したお湯で、
霜降りをしたら、
氷水に落としたのち、盆ざるに上げ、
水気を切ったら、
薄口醤油と日本酒を同割したものと共に、真空パックしておきましたが、鶏肉の照焼について、詳しいことはこちらをお読み下さい。
すると、ジャンボちゃんとふぐ子ちゃんがやって来て、
「親方、休日出勤、お疲れ様です。」
「今日の仕込みは、これだけだから、お疲れってほどでもないよ。」
「そうなの?」
「魚の仕込みが無ければ、かなり楽だからね。」
「へぇ~。」
「でも、来週の月曜日は、お昼にバスツアーのお客さんが来るから、しっかり仕事だよ。」
「そっかぁ~、じゃあ、来週は頑張ってね。」
「はいよ。」
ということで、来週は、ランチのみ営業しますが、バスツアーのお客様ということもあり、貸切とさせて頂きますので、くれぐれも宜しくお願い致します。
ミックスフライ定食&お子様ランチ
料理が好きで、料理人になって、3分の1世紀にして、誰が名付けたのか、熱血料理人。
そんな料理への想いや日々の様子を、 熱血料理人の店主・志村弘信が3665回目の今日も認(したた)めます。
昨日のお話ししたように、法事やお祝いの御席には、
お子様も同席されるケースもしばしばです。
お子様料理は、年齢やお好みに応じて、色々と対応させて頂いており、
先日ご用意したものは、ミックスフライ定食でした。
昨日も、ミックスフライ定食を御用意したのですが、
小学校低学年のお子様だったこともあり、先日のものに比べると、いくぶん軽めです。
フライの定番の海老フライにはじまり、
ハムカツ、鯵(あじ)フライ、
鶏の唐揚げ、フライドポテトで、
これらを揚げたら、
生野菜と共に、
盛付けたら、
白御飯と味噌汁と共に、お出ししました。
ところで、法事の御席のお子様には、
いわゆる、お子様ランチを御用意すると、チビとら達がやって来て、
「ミックスフライ定食もいいけど、これも良さそうだねぇ。でも、ちょっと少ないかなぁ。」
「お客さんが見えたばかりだから、下がっていて。」
「はぁ~い。」
そして、ピークが過ぎると、「親方、今度、お子様ランチ作ってくれる?」と、チビふぐ達。
「お客様としてで、よろしいでしょうか?(笑)」
「いやぁ~。そのぉ~。・・・・・。」
「じゃあ、お手伝いしてくれるかな。それで、いいかい?」
「やったぁ!今度、お子様料理を作る時に、お願いね。」
「はいはい。その前に、お手伝いね。」
「はぁ~い♬」
冒頭でも、お子様料理は、年齢やお好みなどを伺った上で、ご用意させて頂いておりますので、詳細については、お気軽にお問い合わせ下さい。
☆★☆ 【コエタス】 ★☆★
当店のお取り寄せや通販の商品などを召し上がった方々が、
【コエタス】というサイトで、投稿して下さっています。ご興味、ご関心がある方は、御覧下さい。
特別会席とふぐコース用のふぐ刺
生涯、一料理人を貫くためが想いを、『佳肴 季凛』店主兼熱血料理人の志村弘信が、3664回目の今日も認めますので、お付き合いのほど、宜しくお願いします。
今日のお昼は、個室に、
法事の御席、 オープンスペースのテーブル席に、
お祝いの御席がありました。
お客様にもよりますが、法事の御席では、
陰膳を設けることもあり、 陰膳とは、個人の遺影を置き、その人の分の食事を準備したもので、正式な方法もあるようですが、御飯と料理を簡単に用意しています。
一般のお客様にもお出しする料理であるだけでなく、お持ち帰りしても差支えがないようにするため、
揚物(海老の彩揚げ、鯵のしんびき揚げ)
御飯(昆布御飯)を御用意し、白米、押麦、もち米が入っており、お客様が見えたら、お出ししました。
ところで、今日の法事のコース料理の刺身は、
ふぐ刺のMサイズを御用意しました。
引き終えると、ミニふぐがやって来て、
「おはようございます、親方♬ふぐ刺が付くなんて、豪華だね。」
「おはよう。それなりのご予算だからね。ふぐ刺なのに、赤い色をしているのはが、分かる?」
「分かるよ。大きいとらふぐだと、こうなるんだよね。小さいと、皮目に色が出ないって、親方が言ってた。」
「たいへん良く出来ました!」
「葱(ねぎ)を盛付けたら、乾かないようにラップするから、下がっていてくれる?」
「はぁ~い」と、返事は良いものの、
番重(ばんじゅう)に入って、「ふぐ刺、ふぐ刺♬」
「そのまま、冷蔵庫にしまっちゃうよ。」
「そりゃ、ヤバい。親方、頑張って!」
どちらのお客様も、お帰りになったら、
夜のふぐ刺を引くと、再び、ミニふぐ達がやって来て、
「この縞々の器と、
こっちのサイズは違うけど、どうして?」
「縞々の方は、ふぐ料理のフルコース(おひとり 11,000円)のふぐ刺で、六角の器の方は、特別会席の刺身だよ。」
「どっちも、いつものように、天然のとらふぐでしょ?」
「左様でございます。昼のも、夜のも、三重県熊野産で、5キロくらいの大きいものだよ。」
「5キロくらいっていうと、
ジャンボちゃんとふぐ子ちゃんよりも、大きいね。どっちも4129(良いふぐ)グラムだからね。」
「そうそう。予約の時間まで、余裕があるから、少し休憩するね。」
「ハードだけど、ファイト!」
ラップをし、
冷蔵庫にしまい、休憩を取り、夜の営業に備えたのでした。
ところで、冒頭のテーブル席に、半月盆が置いてあるのは、
お子様用の御席で、その料理については、改めてお話しさせて頂きます。
神津島産の大姫(オオヒメ)
料理が好きで、料理人になって、3分の1世紀にして、誰が名付けたのか、熱血料理人。
そんな料理への想いや日々の様子を、 熱血料理人の店主・志村弘信が3663回目の今日も認(したた)めます。
今朝、
沼津魚市場に行くと、
伊豆七島の一つ、神津島産の大姫(オオヒメ)が、
入荷しており、4本の中から、
この1本を、
仕入れることにしました。
仕入れを終え、 『佳肴 季凛』に戻り、仕込みをしようとすると、 チビふぐ達がやって来て、
「おはようございます、親方。仕入れ、ご苦労様でした。この魚は、何て名前なの?仕入れて来たのも、あんまり見たことないような・・・。」
「大姫っていう魚だよ。沼津では、オゴとかオゴダイと呼ばれているよ。」
「へぇ~。」
「でもね、オゴダイという名前の魚もいて、
オゴダイの標準和名っていうか、正式名は、姫鯛(ヒメダイ)なんだけどね、ちょっと複雑かな。」
「要は、オオヒメとヒメダイがいて、別の魚ってことで、いいのかな?」
「BINGO!沼津では、区別されることが少ないね。オオヒメの写真と見比べると、
分かりやすいかな?」
「うん。ヒメダイの背びれは、黄色っぽいね。あと、尾びれの形が違うね。」
「仕入れる機会が少ない魚で、うっかり名前を間違えるちゃうけど、
尾びれと頭で、区別が出来るよ。」
「へぇ~。時季とか、旬ってあるの?」
「梅雨前から夏の終わりぐらいかな~。秋から春にかけては、あんまり見ないね。」
「ふぅ~ん。味は?」
「白身だから、美味しいよ。」
「今度、味見させて。」
「はいよ~。じゃあ、仕込みを始めるから、またね。」
「はぁ~い♬」
一般的な魚と同じ様に、
鱗を取ったら、頭を落とし、はらわたを抜き、水洗いしたら、
三枚に卸しました。
その後、柵取りしたら、三枚
皮目に包丁を入れたら、
氷を敷いたバットに乗せ、
バーナーで炙ったら、
すぐに返し、
粗熱が取れたら、
余分な水分を拭き取り、キッチンペーパーに挟み、冷蔵庫へ。
ランチの営業が終わったら、
葉血引(ハチビキ)、蛍烏賊、釜揚げしらすと共に、四種類ということで、クワトロ丼に仕立てて、クオリティチェック。
これ以外には、今日は日の目を見ることなかった大姫ですが、明日のお祝いの御席の刺身に仕立てます。
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