THE鱏(えい)④~エイの西京焼~
Vol.4096
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(7月27日)は

エイシリーズの4回目にして
エイの西京焼についてお話しします。
今日の昼ごはんは

西京焼の盛込(もりこみ)御膳でした。

「盛込ってことは
魚が一種類じゃないんだよねぇ。」
と、ミニふぐちゃん。
「そうだよ。
例のエイと
胡椒鯛(こしょうだい)のかまだよ。」
例のエイについては

下処理を終えたエイのうち


汁物にしたのですが
骨の無い部分は

半分に包丁してから

切身にし

有機JAS認証済の西京味噌を
ベースにしたお手製の西京味噌と共に

真空パックしました。
このお手製の西京味噌は

当店の『西京漬』を仕込んでいるものと
全く同じものです。

5日経った今日の状態👆

「焼き上がりが
きれいなんだけど
味噌は・・・?」
と、ミニふぐちゃん。
「洗い流すんだよ。」
と、答えました。
「洗っても
味が抜けないの?」
「ちゃんと味が入っているから
平気だよ。
ただ、手早くやらないと
駄目だけどね。」
ちなみに、西京漬を美味しく

読まなかった方のために
分かりやすく説明します。
袋の4つの辺のうち

3つを

切ると

袋に手を入れることなく

袋から取り出せます。
こうすると
身割れさせる確率
大幅にダウンです。
この方法は
他の食品についても
応用が出来るので
是非お試し下さい。
実は、特許出願中!?
きれいに洗い流し
水分をふき取ると

繊維質が集まったような身で
反対側も

同じように
繊維質が集まっています。
このようになるのは
エイは胸びれを使い
波打つように泳ぐからで
このように筋肉が発達する魚が
平目です。
ただ、平目の場合
身全体ではなく
縁側(4本の細長いもの)が
それにあたります👇

(過去のブログより)
先程のイラストのように
エイは泳ぐ時
空を飛んでいるように見えます。
エイを漢字で書くと
海鷂魚、鱝、鰩、鱏などで
中でも海鷂魚という
漢字の鷂はハイタカという
鷹(タカ)の一種のことです。
また、エイは尻尾が長く
燕尾(エンビ、エビ)と呼ばれていて
転じて、エイと呼ばれるように
なったと言われています。
エイに限らず
魚の名前は
意外と単純です。
水気をふき取ったら

串を打ち
焼くと

「この照り具合が
何とも言えないね~。

んまそう♬」
串を抜き
盛付けると

「ここまでになると
エイとは思えないよ。

十分、逸品で通用するね、親方。」
「まぁね。」
冒頭の写真のように

胡椒鯛(こしょうだい)のかまも
盛込むと

西京焼御膳の出来上がりです。

「ここまでやると
西京焼マニアの本領を
120%で発揮しているじゃん!」
「そうかねぇ。
とりあえず、余程のことが無い限り
大体の魚は西京焼にして
試しているよ。」
「そういうのを
マニアって言うの!
で、味はどうなの?」
「筋肉質だから
歯応えもいいし
脂もあるから
十分美味しいよ。

フレンチのシェフが
ムニエルにしているって言ってたけど
ちゃんと使えるよ。」
「言ってたって
どういうこと?」
「Facebookで繋がった
伊豆高原のペンションの
オーナーシェフがコメントしてくれたよ。

これ、これ。」
「SNSオタクだけのことはあるね~
さすがだね、親方。」
「褒められているんだか
けなされているんだか・・・。(笑)」
「まぁまぁ、その辺は・・・。」
昨日もお話ししたように

エイのような変わり種に出会えるのは
自ら、沼津の魚市場のように
漁港が併設されている魚市場に
行っているからです。
そういうチャンスを逃すのは
もったいとしか言えません。
さらにさらに
生産地ならではの恩恵にあずかり
その魅力を伝えることが出来るのは
料理人しかいませんし
地方だから為せるのです。
豊洲のように
世界中の海産物が集まる市場で
珍しい魚を目にする機会は
限られてしまいます。
そこにはない魅力を伝え
漁師をはじめ
一次産業に携わる人たちが喜び
それをお客様にお出しするのが
我が道にして
天然素材の魚を中心に使い
マクロビオティック(玄米菜食)の
考えを取り入れた
“身体に優しい
美味しい日本料理”を作り続けます。
「ここ最近の親方が
気温を上げているんじゃね。(笑)

そんじゃまた、明日🐡」 by ふぐとらちゃん
THE鱏(えい)③~すっぽん仕立てのエイで、お肌ツルツル&プルプル~
Vol.4095
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(7月26日)は

エイで取った出汁について
お話しします。
その前に
第1回


をお読み下さい。

「この汁物が
例のエイなんでしょ?」
と、熱血君。
「そうだよ。」
「色も澄んでいるし
見た目とは
想像がつかない感じだね。」
「どんな食材についても
言えることなんだけど
仕込み方で
仕上がりが違うんだよ。
何はともあれ
御覧(ごろう)じろ。」
「はぁ~い♬」
下処理を終えたエイです👇

これを鍋に入れ

日本酒

水、一番出汁を加えます。
この時の分量は
日本酒1に対し
水1、一番出汁1です。

強火で一気に加熱すると

アクが浮いて来るので

丁寧にすくいます。
この時の火加減は
強火のままです。
アクが出なくなってきたら
弱火から中火ぐらいにし

塩

濃口醤油

味醂(みりん)

赤酒(あかざけ)で

味を調えます。
この時点で
火加減はごく弱火です。
最後に

千切りにした生姜を加え

10分程したら
火を止めます。
鍋ごと冷蔵庫にしまっておくと

溶けだしたゼラチン質が
固まり

それこそプルップル。

「これを食べれば
コラーゲン豊富で
お肌ツルツル、プルップルじゃね。」
と、熱血君。
「軟骨魚類のエイは
コラーゲン豊富だからね。」
「コラーゲンとゼラチンって
違うものなの?」
「基本的には同じで
コラーゲンに熱が加わって
らせん状の分子構造が外れたのが
ゼラチンなんだよ。」
「そうなんだぁ。
コラーゲンって
肌にいいって聞くけど
どうなの?」
「そりゃ、あるよ。
エイみたいに
ゼラチン質が豊富な食材が
すっぽんなんだけど
すっぽんは間違いね。」
「間違いないって
豪語していいの?」
「歌舞伎役者の女形が
すっぽんを食べた次の日は
化粧の乗りが違うって言ってたし
自分が若い頃勤めていた店に
ある女優が来て
すっぽんをよく食べていたよ。」
「その女優って、誰なの?」
「お客さんのプライバシーになるから
言えないけど
その人の役は
ドラマのタイトルにもなっているよ。」
「え~っ、誰だろう。
・・・・・。
あっ、分かった!
☆■¥◎※◇▼かな・・・。」
「正解!
今から20年くらい前だけど
まぁ、綺麗だったね
それこそ、お人形さんみたいだったよ。」
「へぇ~
その人が食べていたなら
間違いないと思うよ。」
「すっぽんって言えば
このエイの仕込み方を
すっぽん仕立てって
言うんだよ。」
「すっぽんを使っていないのに?」
「すっぽんみたいに
くせが強い食材の出汁を取る時
たっぷりの日本酒と水で煮出すんだけど
これを、すっぽん仕立てって
呼ぶんだよ。」
「へぇ~。」
「くせが強いってことは
旨味も豊富だから
ちゃんとした仕込みさえすれば
美味しい出汁が取れるんだよ。」
「だから、強火で煮出すの?
親方も煮出したら
少しは角が取れて
丸くなって
美味しい出汁が出るんじゃね。(笑)」
「そうだよ。
最初はどす黒いくらいに濁るけど
それが出切っちゃえば
これでもかってくらいに
澄んだ出汁で
性格と同じくらいピュアだよ。
こらぁ~、何を言わせるんだよ~。(笑)」
「あはは、間違いなぁ~い
親方あるある♬」
「さっきの写真じゃないけど
アクが出るまで取り続けて
出切ったら
火を弱めるんだよ。
そのままだと
出汁が濁るからね。」
「だから、澄んだ出汁が
取れるんだね。」
「そういうことだね。」
「軟骨って言ってたけど
コンドロイチンと軟骨は
関係があるの・・・?」
「コンドロイチンは
ひざ関節にある軟骨を守る成分で
体内にあるコンドロイチンは
歳を取るにつれ
減っていくから
食品で補う必要があるんだよ。」
「じゃ、エイの軟骨成分って
願ったり叶ったりみたいなものじゃん。」
「そうだね。
サプリメントなんかは
サメ由来とか謳(うた)っているけど
あくまでも、由来であって
そのものじゃないことが多いんだよ。」
「え゛~っ、それって何なの!?」
「悪く言えば、アレだね。
ただ、あういう広告宣伝の下に
小さい字で
そのものじゃないようなことがあるよ。」
「どんな風に?」
「しじみ○○とか
すっぽん〇○って
聞いたことある?」
「あるけど・・・。」
「原材料を見ると
そのものじゃなくて
それらのエキス
しかも由来って
書いてあるんだよ。」
「それじゃ、違うじゃん。」
「そうだよ。
作る側も作る側だけど
それを見抜けないっていうか
知識がないことも
問題なんだよ。」
「なんだかなぁ~。」
「サプリメントは作り物だから
それに期待する方が良くないんであって
ちゃんとした食材を食べればいいんだよ。」
「そうだよね~。
じゃなきゃ
あんなに大量生産できないもんね。」
「そういうこと。
だから、食べることが
本当の薬なんだよ。」

「うんうん。
やっと食べられるね。」
「どうだい?」
「エイって
こんな味なんだぁ。
ぜ~んぜん、くせは無いし
美味しいよ😋」
「ただ、軟骨の部分も柔らかくて
食べられるけど
口にあたる感じがするかもしれないから
普通の骨みたいに外した方が
いいかもね。」
「このコリコリ感が
僕は好きだな・・・♬」
「これに葱(ねぎ)を散らすと

ほら。」
「わぁ~、完全な一品じゃん!」
「期待以上の美味しさで
自分も驚いているんだよ、実は。
こういう食材に出会えるのも
自分で魚市場に行っているからだし
それ以上に
何でも食べないと
気が済まない性分だからねぇ。
偏見や先入観で使わない
食べないじゃ
プロの料理人じゃないね。」
「だから、最近は
色々と珍しい魚を
使ったりしているんだね。」
「そういうこと。
魚の本当の美味しさを伝えたいし
漁師をはじめ
一次産業に従事している人が
良くならないと意味ないんだよ。
口じゃ、食の安全とか
食が大事みたいなことを
選挙の度に言うけど
一週間でいいから
漁業でも農業を
やってみろって思うね。
最終的には
ちゃんとしたものを食べて
病気になりにくい身体になることが
一番だね。」
「あぁ~、それって
親方が言っている
“マクロビオティック(玄米菜食)
をベースにした
身体に優しい
美味しい日本料理”じゃね?」
「そうだよ。
よく分かっているじゃん。」
「これだけ熱~く語っていたら
誰だって
頭に入るよ。
親方の熱さが
この暑さを煽っているっていう
都市伝説もあるみたいだけど・・・。」
「どうかねぇ。
自分の熱さで
熱中症になると困るから
この辺にしておくよ。」
「はぁ~い、お疲れ様~♬」
エイについては
まだ3回分くらい
話したいことがあるので
お付き合いの程
宜しくお願いします。
「この次は
どんな料理なんだろう。

そんじゃ、また明日・・・🐡」 by ミニふぐちゃん
お中元とお歳暮の意味
Vol.4094
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
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こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(7月25日)は

お中元とお歳暮を贈る意味について
お話しします。
明日発送する
『西京漬』の準備を終えると

「お疲れ様、親方🐡」
と、ふぐとらちゃん。
「お疲れさん。
この時間まで
何をしていたの?」
と、訊くと
「あんまりにも暑いから
今日は涼んでいたんだよ。」
という返答。
「羨ましいねぇ。(笑)
市場は行かなかったけど
お弁当もあったから
暑いなんて
言ってられなかったよ。」
「わかる、わかる!



ツイッターを見ていたから
分かるよ。」
「はいはい、チェック有難うね。
そう言えばさぁ
ツイッターは
X(エックス)になったのを
知らないの?」
「あっ、そうだったね。
でも

まだ青い鳥が出ているけど・・・。」
「そうだね。
いつか変わるんじゃないの?」
「ふぅ~ん。
今度からツイートするんじゃなくて
Xするって言うのかなぁ。」
「どうなんだろうね。
そんなことより
早く終わるよ。」
「あぁ~。
もう少しいいでしょ。」
「いいけど・・・。」
(そんなことより
早く終わろうよ。)
と、心の声。
「インスタに載っていたけど
この『西京漬』って
かなり豪華じゃね?」
「そうだよ。

デラックス版だよ。」
「すげぇ~じゃん。
お中元なの?」
「時季的には
お中元なんだけど
お中元って
元々、半年間の感謝を伝え
残りの半年の無事を
祈る意味合いがあるんだよ。」
「へぇ~。」
「あと、感謝を
毎年伝えることを
前提にしたものだから
ただの感謝よりも
深い意味があるんだよ。」
「そうなんだぁ~。」
「ただ、毎年贈るにしても
お中元にしちゃうと
大袈裟な感じになるから

お客さんの要望で
あえて、感謝の熨斗(のし)にするような
ケースもあるんだよ。」
「お歳暮もそうなの?」
「そうだよ。
ただ、お中元よりも
お歳暮の方が
一年の感謝を込めているから
意味は深いよね。」
「ふぅ~ん。
でも、こういう意味を
知っている人って
多いの?」
「どうなんだろう。
その辺の使い分けは
難しく考えることもないと思うよ。」
「あと、時季とかは?」
「地域差もあるようだけど
お中元の場合
立秋(8月7日頃)までで
お歳暮の場合
クリスマスまでが
一般的なんじゃないのかなぁ。

あと、こんなのも
見つけたよ👆」
「ほぉ~。」
「時季も大切だけど
『気は心』って言葉もあるから
大事なのは気持ちだし
普段からの付き合いを大切にするのが
何よりだね。」
「じゃあ、これからも
宜しくね、親方。」
「な~んにも
いらないからね!?(笑)」
「・・・・・。(ギクッ)」
『西京漬』のページにもあるように

熨斗に関しては
ご要望次第で
可能な限り
対応させて頂いておりますので
お気軽にお申し付け下さい。
「明日は、例のエイだね。

それじゃ、また🐡」 by 熱血君
直しを終えた出刃包丁
Vol.4093
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(7月24日)は

直し終えた出刃包丁について
お話しします。
今朝、沼津魚市場から戻ると

「おはよう、親方🐡
仕入れ&休日出勤、お疲れ様~。
これはクロダイ?」
と、ミニふぐちゃん。
「おはよう🐡

そうそう。

地物だから

今朝、水揚げのだよ。」
と、返しました。
「これから、締めるんでしょ?」
「そうだよ。」

出刃包丁を用意すると

「普段使っている包丁と違うじゃん。」
と、言うので

「そうだよ。この間
胡椒鯛(こしょうだい)を卸した時に
出刃包丁を刃こぼれさせちゃったから
今度から
骨を叩くような時は
ステンレスのを使うことにしたんだよ。」
「そうだったねぇ。

かなり派手にやらかしたもんね。」
その時の様子が

頭と

尾びれの付根に

氷入りの海水に落としたまま

神経を抜きました。

氷入りの海水に浸けるのは
体温上昇による身焼けを
防ぐためです。
また、神経を抜くことで
死後硬直が遅れ
鮮度を保つことが出来ます。
黒鯛の下処理をする前に

たかべの仕込みをすることに。
たかべの鱗を取るため
使ったのが

小出刃(こでば)で
鱗を取ります。
たかべは
酢で締めてから

昆布に挟み、冷蔵庫へ。
たかべの後は
再び、黒鯛です。
鱗を取り
はらわたを抜いたら
頭を割るのですが

この時もステンレスの出刃を使いました。

水洗いを終え
卸すのに
出刃包丁を用意すると

「ここで、出番だね。」
「そうだよ。
刃こぼれは勘弁だからね~。」
「でも、どんな風に
直してもらったの?」
「こんな感じ。

刃こぼれした所なんて

3ミリも欠けちゃったし
包丁とは思えない姿で
悲しくなるよ。」
「確かに、そうだよね~。」

卸し身を見ると

「クロダイって
きれいな白身なんだねぇ。」
と、ミニふぐちゃん。
「皮を引くと
模様が赤いから
見栄えもするんだよ。

過去画像からだけど、どう?」
「こんなにはっきりした
赤なんだぁ。
いいじゃん、いいじゃん♬」
ところで、最初にお話ししたように
休日出勤をしたのは
明日のお弁当の仕込みもあっただけでなく
明日が休市日だったからです。
魚の仕込みが終わったら

煮物など
お弁当の仕込みをしました。
なので

女将兼愛妻(!?)の真由美さんの
手助けは欠かせませんでした。

その頃

包丁を砥いでいると

「魚の仕込みが多かったから
出刃包丁の揃い踏みだね。」
と、ミニふぐちゃん。
「そうだね。
出刃包丁も戻ってきたし
包丁屋さんにも
色々と教わったから偉くなったよ。」
「めでたし、めでたしじゃん!」
包丁を刃こぼれさせてしまったことで
新しいことを知ることも出来ました。
そう思うと
自らの勉強不足を知っただけでなく
アラフィフを超えとは言え
まだまだ精進の余地
大いにありです。
「明日はお弁当から
一日が始まるね。

そんじゃ、また🐡」 by ふぐとらちゃん
THE鱏(えい)②~料理人生3分の1世紀で、初めて卸したエイ~
Vol.4092
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(7月23日)は

初めて卸したエイについて
お話しします。
先ずは

昨日のお話しをお読み下さい。
料理人になって
約30年になりますが
エイを卸したことがありません。
というよりも
触れたことはあっても
魚市場で
触った程度です。
虫の息状態で
持ち帰ったので
とりあえず、締めるため

えらに包丁を入れました。
実は、この直前というか
持ち帰った時に見たのが

お腹から

赤ちゃんエイが
出て来たことでした。
もし、釣り上げた時に出て来たら
海に返してあげることが出来たと思うと
残念でなりません。
エイは胎生魚(たいせいぎょ)と呼ばれ
稚魚=赤ちゃんを産みます。
エイは軟骨魚類に属し
軟骨魚類の70%が
胎生魚です。
さらに、軟骨魚類とは
エイ、サメ、ギンザメの仲間が含まれ
全身の骨格が
軟骨で形成されています。
また、この様子からして
赤ちゃんエイは
尻尾の方から
出て来るようですが

人間だったら
逆子になるので
生き物というものは
種によって違いがあり
面白いものです。
締めたら

氷で冷やします。

「親方、どうして
色が変わっちゃったの?」
と、ふぐとらちゃん。
「それこそ
血の気が失せるってことかな。」
と返すと
「なるほどね~。」
また、氷で冷やすのは
自身の体温上昇によって
身が焼けるのを防ぐためです。

肛門から包丁を入れたら

肝=肝臓を取り出します。
聞いたところでは
エイの肝は珍味とのこと。
取り出したら

氷で締めておきました。
この時、注意しなくてはならないのが
普通の魚と違って
苦玉(にがだま)とも呼ばれる胆のうが
肝臓の中に隠れている点です。
初めて卸すので
その位置が分からず

包丁したことで
分かりました。
エイの表面には
ぬめりが多いので

熱湯をかけてから
金たわしで

こそげ取ると

まるで、烏賊(いか)の親分🦑
お腹の部分も同様にしたのですが

ぬめりが取りにくく
断念しました。
内臓を取り除いたら

ひれを切り落とし
ひっくり返します。
尻尾に沿って
包丁を入れたら

頭というか顔の部分に沿って

包丁を入れます。
魚なのに
尾びれではなく
尻尾と呼ぶのも
初めてのことです。
顔の部分は固くて
丸いので

ラケットのようで
これまた魚らしからぬ形。
顔の硬い部分を外すと

こんな感じで

どうやら、これらが
使えそうな部位です。
初めてですので
全てが手探りなので
こういう言葉しか出て来ません。

左右半分に分けたら

骨に沿って
包丁を入れていきました。
この動きは
平目(ひらめ)を卸す時と
全く同じです。
身の雰囲気も
平目の縁側と
似たり寄ったり。
ちなみに、平目の縁側は
ひれを動かすための筋肉で

👆この手前4つの部分です。
エイも平目のように
平べったい魚で
左右のひれを使って泳ぐので
似たような構造になるのは
当然かもしれません。
お腹の方の白い方は

背の黒い部分よりも薄いので
このままにしておきました。
尻尾は

ぶつ切りにしたのですが
軟骨ゆえ

すんなりと、ぶつ切りに出来ました。
すると、ふぐとらちゃんが

「普段の魚の仕込みとは違って
かなり苦戦しているみたいだけど・・・。」
と、言ってきました。
「そうだよ。
卸し方もだけど
身の状態も
全く違うからね。」
「例えば?」
「皮は加熱しても
硬そうだから
霜降りをして
皮の下処理をすることにしたよ。」
「へぇ~。」

沸騰したお湯で

霜降りをしたら

氷水の中へ。
粗熱が取れたら

女将兼愛妻(!?)の真由美さんと
薄皮を取ることにし
背はいくらか薄いのですが

腹の方は

手で取るには厄介な感じだったので
骨抜きの出番。
この厚さでは
食感を損ねるので
しないわけにはいきませんでした。

骨付の身を見ると

「やっと、下処理が終わったね。
で、どういう風な料理に
仕込むの?」
と、ふぐとらちゃん。
「そうだねぇ~。
骨付の身は煮付にするのが
一般的って聞いたことがあるけど
ゼラチン質も多いし
淡泊な味だから
すっぽん鍋みたいにしようと
思っているんだよ。」
「へぇ~。
想像もつかないなぁ~。」
「仕込む自分だって
そうだよ。」
「でも、親方
一般的って言ったけど
エイ自体がキワモノに近いから
一般的という言い方は
正しくないんじゃね?」
「言われてみれば
確かに、そうかも・・・。」
とりあえず、下処理が終わり
ひと段落。
エイという魚を知ってはいたものの
仕込む機会に恵まれるとは
予想もしていませんでしたが
こういうことが為せるのも
自ら魚市場に行っているだけでなく
さらに、変な探索心があるからです。
見ず知らずの食材に触れることが出来るのは
料理人にとっては
有難いことで
そのチャンスはもちろんのこと
命ある食材を粗末にしないための
心持ちで仕事に臨み続けます。
「おっ、出刃包丁が戻って来て
良かったじゃん。

じゃ、明日はエイは
お休みだね。」 by ミニふぐちゃん
THE鱏(えい)①~休市日の亀&エイ~
Vol.4091
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(7月22日)は

亀とエイについて
お話しします。
土曜日ということで
ホームグランドの沼津魚市場は
休市日でしたが
野暮用があり

沼津魚市場へ行って来ました。
魚市場に着く
少し前に

道路の真ん中に

亀が・・・。
土曜日の早朝6時前ですので
車通りも少なかったのですが

亀がいた場所は
狩野川(水色の部分)から
さほど離れていない所なので
散歩がてら
現れたと思われます。

あとあとの話ですが
ふぐとらちゃん曰く

「捕まえて、狩野川に戻してあげていたら
浦島太郎みたいなことに
なっていたかもよ・・・。(笑)」
「あはは・・・。
そりゃ、惜しいことをしたよ。」
「竜宮城から戻って来ても
玉手箱を開けなければ
いいだけのことだからねぇ~。」
と、言うので
「浦島太郎は
最後にお爺さんになっちゃうんだけど
その後に続きがあるのを
知ってた?」
「え゛~っ
どういうことなの?」
今お話ししたように
浦島太郎伝説には
続きがあるのです。
玉手箱を開けて
老人になった浦島太郎は
鶴に姿を変え
鶴になった後は
亀の化身の乙姫と共に
仲睦まじい夫婦の神様
として祀られています。
「初めて聞いたよ♬

仲がいいなんて
親方と真由美さんみたいじゃん。」
※真由美さんとは
女将兼愛妻(!?)のことです。
野暮用を済ましたら

外港(がいこう)へ。
外港とは
漁船が水揚げする場所で

こちらを。
休市日ですので
問屋や魚市場の従業員たちが

漁師の如く
釣りに夢中。
そんな最中
釣り上げたエイと
戯れていました。

写真の彼が
「おはよう、季凛さん。
エイ、持っていきます?」
と、声を掛けてくれました。
「おはよう。
前から気になっていたから
熱烈歓迎!」
と、二つ返事。
エイは食べられない魚と
思っている人が多いのですが
流通していないだけの話で
食べられるのです。
とは言っても
自分も未体験ゾーンですので
前から気になっていました。
特に、先程の彼が
ここで何度も釣っているだけでなく
エイの食レポを投稿していたからです。
さらに、彼からもらったエイを
魚屋さんが取引先の飲食店などに
譲っているのを聞いていたので
チャンス到来。
先程の写真にもあるように
尾毒のある棘(とげ)を
切り落としてもらったら

卸し方を説明してもらいましたが
詳しいことは
動画とかで見れるということで、撤収。
『佳肴 季凛』に戻ると

「おはよう、親方🐡
休市なのに、お疲れ様~♬
これって、エイ?」
「そうだよ。」
「卸したり
料理したことあるの?」
「無いよ。
これからネットで確認するんだけど
何となくの構造は分かるから
やってみるよ。」
「食べられるの?」
「エイヒレがあるじゃん。」
「そっかぁ。
でも、親方は普通の魚みたいに
料理するんでしょ?」
「そうだよ。
まぁまぁ、御覧(ごろう)じろ・・・。」
ということで
エイを調理する様子は
何回かに分けて
お話しさせてもらいますので
とりあえず、今日はここまで・・・。
刃こぼれした出刃包丁
Vol.4090
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(7月21日)は

刃こぼれした出刃包丁について
お話しします。
一日の〆は
使った包丁を砥ぐことです。

砥ぎ始めると
ミニふぐちゃん達がやって来て

「お疲れ様~、親方🐡
今日は使った包丁が
多かったね。」
「そうだね。
野菜やら魚やらで
ほぼ全種類の包丁を使ったよ。」

「この出刃包丁
欠けていない?」

「今日、刃こぼれ
させちゃったんだよぉ。(涙)」
「え゛~っ
どうしてなの?」

「今朝仕入れた
胡椒鯛(こしょうだい)の頭を
包丁する時に
やっちゃったんだよ。」

「この子でしょ?」
「そうそう。」
胡椒鯛は

今朝、沼津魚市場で

活かしで仕入れて来たものです。
刃こぼれしたのが分かったら
沼津市にある包丁屋のご主人に
電話をした後に

この2枚の写真を

送ると

という返信。
電話をする前に思ったのは
①直し賃が高くなること
②直すことが出来ないこと
でした。
恐る恐るかけると
「季凛さん、薄く砥ぎ過ぎ~!
元の方を刃先と同じ感じで
砥いでいるから
こぼれちゃったんですよ。」
「どういうことですか?」
「出刃は元の方で
骨を叩くから
多少、切れ味が悪い感じに
しておいた方がいいんですよ。」
「骨を叩くのは
承知だけど
そこまでの砥ぎ方をしていないです。」
「で、直すんだけど
これまでと同じ感じにするのか
それとも
こぼれにくい直し方にするのか
決めてもらっていいですか?
ただ、今みたいな感じだと
またこぼれる可能性ありですよ。」
そこまで言われると
悩むまでもなく
「こぼれにくい方がいいから
それお願いします。」
と返答しました。
明日の朝、沼津市内の
包丁屋さんの自宅に届け
明後日の朝、受け取る
という流れで

出刃包丁を

新聞紙で包んでおきました。

「明後日までに戻れば
仕込みに問題はないの?」
と、ミニふぐちゃん。
「市場も休みだし、平気だよ。
もし、直しに時間がかかっても
これまで使っていた包丁があるから
特に問題はないんだよ。」
「ふぅ~ん。」
「よくよく考えてみると
これまで頭とか
固いものを包丁する時は

ステンレスの出刃を使っていたんだよ。
切れ味は劣るけど
元々の刃の付き方もあって
大きくこぼれるようなことは
無かったんだよ。」

「そうなんだぁ、
包丁屋さんが言うことが
合っているってことじゃん。」
「そうだね。
餅は餅屋じゃないけど
包丁屋は包丁を砥ぐことが
仕事だから
見ているところが
料理人とは違うんだよね。」
「そうだね。」
そう思うと
本当の意味で
包丁の砥ぎ方を知らなかったので
未熟そのものです。
ただ、未熟である以上
成長途上ですので
日々の仕事が成長の日々だと思うと
これまで以上に
前向きな気分で
仕事に臨めます。
「じゃあ、市場は休みでも
明日も沼津方面に行くんだぁ。

そんじゃ、また🐡」 byふぐとらちゃん
6プラス1の刺身の盛り合わせ
Vol.4089
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(7月20日)は

6プラス1種の刺身の盛り合わせ
についてお話しします。

「親方、この刺身の盛り合わせ
変わった盛付けだよね?」
と、熱血君。
「刺身好きの常連さんに
出したものだから
かなり変則だよ。」
「へぇ~。」
ランチ、夕席問わず
コース料理を基本にしているので
刺身は三種盛が基本です。
先程の刺身と
同じ日にお出しした刺身です。

三種は以下の通りです。
・静岡・沼津産の胡椒鯛(こしょうだい)
・北海道産の青柳(あおやぎ)
・湯葉
また、コースのお値段に応じて

ハーフサイズのふぐ刺を
お出しすることもあり

「さっきの三種盛とふぐ刺が
この間の『特別会席』の刺身だったんだよね。」
「そうそう。」
今更ですが
ふぐ刺のふぐは天然のとらふぐで
この日は、遠州灘産でした。
先程の六種盛の内容です。

①目鉢鮪(めばちまぐろ) ②胡椒鯛(こしょうだい)
③青柳 ④肩星鰯(かたぼしいわし)
⑤湯葉 ⑥とらふぐ(天然)

さらにさらに

プラス1として
特大の岩牡蠣(いわがき)です。

「この岩ガキ、でっかいね~。
これも沼津の市場で
仕入れて来たの?」
「もちろん、そうだよ。

市場じゃないのが
湯葉だけ。」
「湯葉は

これ?」
「それは、湯婆婆(ゆばあば)。
『湯葉は』を『ゆばば』に
掛けてみたとか・・・?」
「まぁ、そんな感じかな。」
「おかげで、少し涼しくなった気分だよ。」
「えへへ・・・ 😅 」
メインの六種盛は
このような感じです。

この時の刺身は
いわゆる“お任せ”ということで
このような内容でしたが
ご要望に応じて
可能な限り
対応させておりますので
お気軽にお問い合わせ下さい。
「親方の熱さには慣れているけど
この暑さだけは・・・。

そんじゃ、また明日🐡」 by ミニふぐちゃん
果肉入りの梅のアイス(自家製)
Vol.4088
いらっしゃいませ
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志村弘信です。
今日(7月19日)は

手作りの梅のアイスについて
お話しします。
デザートのアイスは
常時2、3種類仕込んであるので
ランチ、夕席を問わず
お好きなものをお選び頂けます。
先日までは

チョコミント

桃の2種類でした。

「こうやって
色んなのがあると
『次は何?』ってなるよね。」
と、ふぐとらちゃん。
「お客さん的には
そうだよね。
自分としては
次は何を仕込もうかな
ってとこかな。」
「随分と楽しんでいるねぇ~。」
「まぁ、楽しんでやらないと
美味しいものは出来ないし
少しずつアレンジするのも
楽しいんだな、これが。」
「へぇ~。
そう言えば

チョコミントのアイスの作り方を
まだ書いていないんじゃね?」
「ギクッ!
そう、まだなんだよ。
そろそろ書かなきゃって
思っているんだけど
まぁ、待っていてよ。」
「ふぅ~ん。
じゃ、今日は梅のアイスってこと?」
「そうだね。」
先ずは、

梅のアイスの作り方をお読み下さい。
基本的な仕込み方は
変わらないのですが

今回はシロップを作った時の梅が
残っていたので
これも使うことにしました。
これを

フードプロセッサーに掛けると
「梅っていうより

ピクルスみたいじゃん。」
「あはは・・・。
ピクルス、食べられる?」
「あんまり好きじゃないないなぁ。
胡瓜が柔らかいって
どうも変じゃん。」
「確かに、そうかも。
ハンバーガーに入っていると
あれだけ浮くよね。」
「そうだね。
ハンバーガーなんて
食べるの?」
「1年に一度くらいかなぁ。」
「それじゃ
食べるうちに入らないよ。」
「あはは・・・。」
「ファストフード、ジャンク、コンビニって
親方には、似合わないよねぇ。」
「お客さんにも
よく言われるよ。
そんなことより
作り方を話さないとね。」
「はぁ~い♬」
前の日までに
アイスの素を仕込んだら

アイスクリームマシンに入れ

しばらくすると
ほぼ完成。
ここに

最初から入れないのは
どうしてなの?」
「最初から混ぜちゃうと
梅が細かくなっちゃうかもしれないからだよ。」
「そうなんだぁ~。」
「ただ、早い時点で入れても
細かくならなかったから
今度は最初から
入れようと思っているよ。」
「ふぅ~ん。」
この工程を2、3度繰り返し
固まったら

冷凍庫へ。

「 梅の果肉が入っていると
素材感マシマシだね。」
アイスに仕込まなかった素に
果肉を入れると

ふぐとらちゃん曰く

「この中にダイブしたくなるのは
僕達だけとか・・・。」
「そんなことないよ。
SNSに投稿すると
『飛び込みたい!』
って言う人もいるよ。
あと、この素を
炭酸で割った梅ソーダの
美味しいのなんの!」
「んまそう~😋」
「あと、アイスを
樽ハイみたいなサワーに乗せると
大人のクリームソーダになるよ。」
「いいじゃん、いいじゃん!」
仕込まなかったアイスの素は

後日仕込むため
真空パックしておき
冷凍庫へ。
梅のアイスは
あと1回分ですが
他のアイスを挟んで
先にお出しする予定です。
「この間の刺身の話も聞きたいなぁ。

そんじゃ、また明日🐡」 by 熱血君
身は無毒でも、食用不可のフグの北枕(キタマクラ)
Vol.4087
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(7月18日)は

キタマクラというフグについて
お話しします。
昨日、沼津魚市場で仕入れた
肩星鰯(カタボシイワシ)は

近隣の西浦(にしうら)の定置網漁で
水揚げされた魚の一つで
定置網漁とは
海中に網を設置し
網に誘導された魚を獲る漁法です。
👆の説明では分かりにくいので

【網代漁業】のホームページ内の
👆定置網に魚が入る仕組みを御覧になると
定置網漁なるものが
説明されています。
また、【網代漁業】は
沼津魚市場にも
魚を卸しており
「網代定置」として
呼ばれています。
定置網で水揚げされた魚は

その場で

魚種ごとに

仕分けられていきます。
網に入ってきた魚なので
魚の種類は様々です。
中には
売り物にならないものもあり

最近、これらは
未利用魚とも呼ばれています。
未利用とは言っても
完全に利用されないわけではなく
水族館の生き物の餌(えさ)行です。
👆の写真にもあるように
それこそ種々雑多。
昨日、その中にいたのが

キタマクラなるフグでした。
キタマクラの名前は
亡くなった人を寝かせる時の
北枕に由来しています。
キタマクラの写真を見ると

「おっ、キタマクラじゃん。
懐かしいなぁ、海にいた頃
時々見たことがあったよ。」
と、ミニふぐ。
「へぇ、初めて聞いたよ。」
「親方だって
話題にすることがなかったじゃん。」
「確かに、そうだったね。
食用不可のフグ類ってことまでは
知っていたけど
気になって
調べてみたんだよ。」
「“ふぐに魅せられし料理人”の親方でも
知らないことが
あるんだぁ~。」
「そりゃ、あるさ。
だから

本で

調べたんだよ。」

「筋肉が無毒ってことは
身は食べられるってことなの?」
「そうだよ。」
「なのに、食用不可って・・・?」
「気になって、調べたら
皮っていうか
皮膚の周りの粘液に毒があって
素手で触るのも
NGなんだって。」
「ヤバッ!」
「話は変わるけど
ハコフグって知ってる?」
「知っているよ。
ハコフグがどうしたの?」
ちなみに、
こちらがハコフグです👇

「ハコフグって
一般的なフグ毒の
テトロドトキシンは無いんだけど
パフトキシンっていう毒があるんだよ。」
「三回続けると
呪文みたいじゃん。」
「ハコフグに刺激を与えたりすると
この毒を出して
ハコフグ自身だけじゃなく
他の魚も死んじゃうんだよ。」
「え゛~っ、超ヤバいじゃん。」
「実はさぁ
ハコフグを触ったら
手が痒(かゆ)くなったことがあるんだけど
多分、この毒が原因だと思うんだよね。」
「最近なの?」
「15年くらい前かなぁ。
それ以来
ハコフグは触らないようにしているよ。」
「市場に行ったり
色々と調べているから
変わった経験をしているよね、親方は。」
「まぁね。
漁港がある沼津の魚市場ならではの話だね。」
「他には、面白エピソードはある?」
「すぐには思い浮かばないけど
あるはずだよ。」
「そん時は、また話してよ。」
「はいよぉ~。」
「あとさぁ

この本は?」
「この本は
『ふぐ調理師教本』っていって
ふぐ免許を取るためのテキストだよ。」
「へぇ~。
そんな本もあるんだぁ。」
「ふぐ免許を取る時に使ったんだよ。
でも、今は
目にすることが少ないフグを仕入れた時に
確認するのに使っているよ。」
「特殊な魚だけに
こんなのもあるんだね。」
「そういうこと。
ネットの情報だと
怪しいものもあるからねぇ。」
「ふぅ~ん。」
キタマクラのような珍しい魚を
目に出来るのも
自ら魚市場に出向いているからで
自分にとっての魚市場は
仕入れ先であると同時に
教科書であるのです。
「こんだけ暑いと
アイスが恋しいねぇ~🍨

そんじゃ、また🐡」 by ふぐとらちゃん















