ニュージーランド産の南鮪(天然)は、腹上
今日、東京・築地から、【佳肴 季凛】に入荷した鮪は、
ニュージーランド産の生の南鮪(天然)でしたが、今日の部位は、
腹上(はらかみ)でした。腹上というのは、文字通り、頭を落としたお腹側のところの一番はじめの部分です。しかも、最も脂が乗っていて、ここでしか、大とろは取れないこともあり、どうしても、値がはってしまうのです。また、全ての鮪の脂が、乗るとは限らないことも、高値になる要因でもあります。
実を言うと、腹上を仕入れたのは、開店して以来初めてのことでした。というのも、仕入れ値が、普段仕入れている部位よりも、ずっと高いからです。具体的な値段を、ここでお話しませんが、こちらをお読みになれば、想像することも可能です。
ただ、今回は、他の部位が、シミと呼ばれている血痕が多く、ひどい様子だったので、築地の鮪屋の判断で、腹上が、届いたのです。これまでにも、そのような鮪が、届いたこともありますが、このように、良からぬ状況でも、何とかなるのは、長い付き合いだからのことです。
ところで、6月に入って、半月になりますが、鮪を仕入れるのは、今日が、6月最初のことなのです。というのも、5月の終わりに仕入れた塩釜産の本鮪が、先週の金曜日(12日)まで、色も変わらずに使うことが出来たからで、その鮪については、このお話しの最後の方に、書いてあります。
12日の時点では、既に、中とろの部分は、終わっていましたが、
赤身の部分は、このような感じで、最後の最後まで、使いきることが出来ました。
では、この一週間は、刺身をお出しすることがなかったというわけではなく、伊東・川奈や稲取産の地物の金目鯛を、
仕入れて、
このようなに仕立てて、
お出ししていました。
鮪の赤い色は、食欲をそそりますが、赤と白の金目鯛も、遜色はなく、特に、自分が仕入れる金目鯛は、大きいものですので、脂の乗りもかなりのもので、鮪にはない味わいですし、個人的には、鮪の脂よりも、ずっと好きです。
もっとも、自分が好きな刺身は、以前お話ししたように、鰹ですが・・・。
ただ、最近では、マグロ類の資源が、とかく言われており、今後どうなるかは分かりませんが、マグロ類に限らず、どんな水産資源も、大切に利用しながら、食文化を守り続けるのも、我々料理人に課された使命として、仕事をしていかなくてはならないと思います。
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ダイナンウミヘビ
今日の昼間、友人から、こんな写真が、
送られてきました。
彼によれば、かなり長く、鱧らしいとのことでしたが、実物を見るまでは、正解は保留となり、到着を待つことにしました。
袋から取り出し、
顔を見ると、似てはいるものの、明らかに、鱧とは違いましたし、異常なほど、
細長く、
2メートル近くありました。
これまで、色んな魚を見てきましたが、この魚は初めてで、名前すら分からなかったので、自分がふぐや鱧を仕入れている三重県熊野の魚屋さんに、メールを転送し、正解を待つこと数分、この魚が、“ダイナンウミヘビ”なる魚というこことが分かりました。
“ウミヘビ”と名がつく以上、「毒があるのか?」、それとも「魚なのか?」でしたが、魚にして、毒もなく、普通に食べられるとのことでした。
となれば、早速卸すことにしたのですが、鱧、鰻(うなぎ)、穴子(あなご)同様、ヌメリが多かったのですが、長いので、ヌメリを取るのに、かなり手間取りました。
はらわたを抜き、卸した始めたものの、まな板には乗りきらないので、途中まで開いた時点で、
このように、まな板から下ろし、
開きました。
ようやく、3分の2まで開いても、まだ、
最後の3分の1は、開くことが出来ないくらいの長さでした。
この時点では、まだ半身は、骨に付いているので、今度は、完全に身と骨を切り離したのですが、先ほどと同じく、長すぎるゆえ、かなり手間取り、胴体を、半分にしてから、
卸し終え、このように、4つの柵が出来ました。
鱧に似ていることもあり、身を触ってみると、
骨切りが必要ということが分かり、
骨切りをしました。魚体もそれなりでしたので、骨の太さを感じました。それでも、食べられない程度のものではないような感じだったこともあり、
適当な大きさに包丁してから、天ぷらにし、食べてみると、
おかずレベルでは、まずまずでした。また、皮も、少し硬かったのですが、骨同様、セーフでもありました。
自分は、骨切りをしながら、女将兼愛妻(!?)の真由美さんに、揚げてもらい、腹骨の部分も、
素揚げしたところ、
骨っぽいながらも、まずまずでしたので、
一緒に盛り付け、友人の夕飯というか、晩酌の共に、持たせてあげました。
自分に限らず、料理人が扱う魚は、意外と限られていて、それ以上に、食べることが出来ても、知らない魚が、あるものだと、再認識させられました。
もっと言えば、料理というよりも、料理を取り巻く環境は、かなり広く、深過ぎるゆえ、まだまだ大いに、勉強の余地ありです。
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明治大学校友会富士地域支部総会へ
前回お話ししたように、昨日は、夜の営業をお休みさせて頂き、夕方から、大学の同窓会に出掛けました。出席するのは、実に7年振りのことです。向かった先は、
富士市内にある【ホテルグランド富士】で、入口には、
このように書かれ、東京六大学野球、ラグビーの早明戦、箱根駅伝など目にする幟も、
もありました。中に入り、
受付を済ませ、
会場に入ると、正面には、
日の丸と校章が、掲げられてありました。総会の後は、
待ちに待った懇親会です。
同窓会とは言っても、同級生やクラスメイトだけでなく、富士市、富士宮市の卒業生が集まり、上は、昭和一ケタ生まれの方もいらっしゃる同窓会では、自分なんぞ、ペーペーもペーペー、下っ端の下っ端なのでありますし、自分より下の卒業生は、2人しか出席していませんでした。
実は、それが良いところで、
7年振りとは言っても、何度か出席していることもあり、図々しさの塊にして、厚顔無恥が服を着ている自分ではありますが、大先輩から、妙に可愛がられており、久し振りの再会を祝し、
硬い握手も交わしました。
ところで、何故、酒が入ると、握手をしたくなるのでしょうか?20代の頃は、このようなことを、殆どしたことはなく、抵抗すらありましたが、今では、自然とそうなってしまうのは、歳を重ねた証拠かもしれません。
懇親会も終わりが近づくと、
三々五々集まり始め、
肩を組むと、校歌が流れ、皆で、唄い始めました。
在校時代の自分は、アルバイトに明け暮れ、授業も、単位を取るがために、出席していただけで、学校には、殆ど友達もおらず、六大学野球、ラグビーの応援などは、他所の大学の行事としか思っていませんでしたので、校歌を唄う機会は、全くありませんでした。
ちなみに、当時明け暮れていたアルバイトは、鮨屋での雑用で、今の自分の始まりでもありました。
当然、愛校心や母校愛などは、全く無く、自分にとっての大学は、身分証明書の発行機関でしかありませんでした。というのも、一浪して、明治に合格したにもかかわらず、敢えて入学せず、二浪した結果、再び合格し、恋焦がれていた志望校には、現役、一浪、二浪と、三度も振られ、明治に、しぶしぶ進学したからでした。
かつては、そんな自分でしたが、今では、校歌の一番だけでしたら、大体唄えるようにもなり、さらに、日本三大校歌とも呼ばれていることもあり、ミーハーな自分は、そんなことも、嬉しくて堪りません。そんな明治大学の校歌は、ご存じの方も多いかもしれませんが、このようなものです。
さて、校歌を唄い終えると、
今度は、
応援団に扮した先輩の掛け声と共に、
万歳三唱をして、
懇親会は、お開きとなりました。
このような集まりに、何度か出席しているうちに、母校愛が目覚め、諸先輩方に、可愛がられていることもあり、いつしか、明治大学を誇りに思うようになり、自分が、まだまだ未熟で、努力すれば、報われるかもしれないこと、一生懸命生き、後輩にその道を示さなければならないことを、感じるようにもなりました。
入学当初は、何度やめようと思い、多くの人に諭され、どうにかこうにか卒業したことが、今では、自分の大きな財産の一つとなり、大学時代の4年間があったからこそ、料理人としてのスタートきれたわけで、人生というのは、何が功を奏すのか、全く分かりません。
人間万事塞翁が馬とは、よく言ったもので、ベストというより、マッチベターなことの方が、意外と、雁字搦めになることなく、進めるのが、人生で、それを教えてくれたのも、あの4年間だったのかもしれません。
合計8本の鱧(はも)は、山口&大分県産
昨日と今日は、沼津の魚市場に、仕入れに行き、連続で、鱧を仕入れて来ました。そんな昨日、いつものように、着いてから、最初に向かったのは、
生簀のある活魚売場でした。予め、注文していたので、
大分県産の2本の鱧(0,85キロ)と、
山口県産の2本の鱧(1,4キロ)が、既に、用意されていました。御覧のように、大分のものは、活きたもので、
活きた状態で、持ち帰りました。
そして、あくる日の今日も、仕入れに行って来たのですが、生簀に用意されていたのは、
昨日と全く同じく大分産の2本で、目方も、全く同じでした。これも、
活かしたまま、持ち帰りました。また、
山口県産のものを、2本(1,0キロ)仕入れて来ました。
明日の土曜日は、沼津の魚市場は休みなので、“二度あることは、三度ある”ということにはなりませんが、“鱧の骨切り、夏の粋”という言葉と共に、
いよいよ、鱧の盛りの到来です。
ところで、明日(13日)ですが、
ランチのみの営業とさせて頂き、夜はお休み致しますので、宜しくお願いします。
揚物無しのお弁当
このようなものでしたが、普段、当店で、御用意しているお弁当(要予約)は、
日本料理店ということもあり、こんな感じのものです。
ただ、最近では、揚物抜きというご注文を頂く機会も増えてきたので、
そんな時は、このようなお弁当を、御用意しております。
御覧のように、御飯、煮物、焼物などを盛り付けた“口取り”の3ますに、分かれています。一品少ないので、お値段も、1,500円(税別)となっております。
要予約ですが、お客様のご希望によって、お弁当に限らず、お持ち帰り料理を、お作りすることも可能です。詳細については、直接お電話にて、お問い合わせ下さい。
なお、他のお弁当やお持ち帰り料理については、当ブログの【お弁当】のカテゴリーを、御覧下さい。
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魳(かます)の利休焼
一昨日、沼津の魚市場に行った時のことです。
南伊豆・妻良産の魳(かます)が、
入荷していました。鮮度も良く、型も大きかっただけでなく、
そこそこ数も出ていたので、仕入れられそうな予想はしていたものの、あえなく撃沈の憂き目に・・・。
どうしても必要なものではなかったとは言え、自分としては、ちょっとしたストレスになっていました。そんな昨日、ふぐ類の仕入れ先の一つの富山県氷見で、水揚げがあったという連絡があったので、
送ってもらうことにしました。
そして、あくる日の今日、仕込みをする前に、
宅配便の営業所に、
荷物を取りに、行って来ました。【佳肴 季凛】に戻り、
予定通り、魳が入っており、どれも、
これぐらいの大きさのもので、
1本あたりの目方は、
300グラムでした。
その後、
鱗を取り、頭を落としてから、
水洗いしました。
鮮度も良いので、刺身にも使えるのですが、焼物にするため、三枚に卸してから、
出汁、薄口醤油、日本酒、赤酒を同割にしたものに、10分程漬け込みました。ちなみに、日本料理では、この漬け地のことを、若狭地と呼んでいます。調味料の割合は、料理人によって、様々ですし、使う魚によって、割合を変えたりもします。
漬け地から取り出したら、
中骨を抜き、
皮目に包丁を入れ、
串を打ち、焼きます。このまま、焼き上がったものをお出しすれば、“魳の若狭焼”となるのですが、今回は、途中で、胡麻を振り、
焼き上げ、赤紫蘇の酢に漬け込んだ牛蒡をあしらい、
“魳の利休焼”が仕上がりました。
利休とは、安土桃山時代の茶人・千利休のことで、千利休が、胡麻を好んだことにちなんで、胡麻を使った料理に、利休とつけられるのですが、彼の死後、名付けられたというのが、実際のところのようで、休という字を忌避して、久という字があてられることもあり、利が久しく続くことの願いを込めて、利久という縁起を担いだ表記されることも、あります。
胡麻の香ばしい香りと、魳の上品な脂の具合が、何とも言えません。魳は、小型の魚で、水分が多いのが特徴で、焼くことで、その真価が発揮されます。食材には、それぞれの得意分野があり、それを最大限に引き出すのが、料理人の役目です。
ところで、日本料理の焼物は、余分な水分、脂を落とした料理で、旨味が凝縮されたもので、ふっくらとした味わいは、日本料理特有のもので、健康的な調理法とも言えます。
それに対して、フレンチやイタリアンのようなフライパンのソテーには、何かしらの油を使い、油の美味しさは加わるものの、後味として、どうしても、その油が残ってしまうのです。
また、昨今では、脂が乗っていることが、美味しさの基準のように思われていますが、脂も油も、美味しさを引き出すための要素であるに過ぎないと、自分は思っています。
先ほどお話ししたように、美味しさを引き出すのが、料理人の役目で、そこを一途に、全うするよう、日々、精進するのみです。
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今年の運動会のお弁当
一昨日の6日(土曜日)は、
下の娘が通う小学校の運動会でした。
3年前から、自分が作るようになり、今年は、
このようなお弁当でした。これが、
おかずです。先ず最初に、
鯵フライ、玉子焼を、
鯵フライの前に、海老フライ盛り付けました。その隣が、
手羽先の唐揚で、その手前に、
焼いた紅鮭を、盛り付けました。最後に、
蒟蒻の煮物と、たれ焼にしたつくねを盛り付け、最後に、ペティトマトをあしらいました。
おにぎりは、
こんな感じで、
昆布、梅ちりめん、
おかか、ゆかりの4種類で、どれも、娘が好きなもので作りました。そして、
デザートです。クインシーメロン、デコポン、林檎、キウイフルーツ、アメリカンチェリーの5種類を、色んな形になるように、包丁して、盛り付けました。
盛り付けた器は、お持ち帰り用のものですので、
蓋をしました。また、デザートには、
冷たいまま食べられるように、保冷剤を乗せて、小学校に向かいました。その日は、夜の御予約の都合で、そのまま戻って来ましたが、娘は、かなり満足していたとのことでした。
ところで、4年生の娘は、
応援団に入り、張り切っていました。目立ちたがり屋のわりに、意外と、神経質で、本番に弱く、泣き虫なのは、、一体誰に似たのやら・・・。
とはいうものの、親の知らぬところで、子供は成長しているものだと、つくづく感じたのでした。
三重県産の2本のとらふぐ(天然)は、“大ちゃん”&“チビとら”
今日は、下の娘が通う小学校の運動会が予定通り行われたので、
お弁当作りから、一日が始まり、このようなお弁当を、
このようなお弁当を作りました。
昨日お話ししたように、三重県から、天然のとらふぐが届くことになっていたので、合間を見て、
宅配便の営業所に、
荷物を、
取りに行って来ました。【佳肴 季凛】に戻り、
中を開け、取り出すと、
予定通りの2本でした。自分の手に乗せているのは、0,3キロの“チビとら”で、0,5キロ以下のものを、そのように、自分は呼んでいます。
また、まな板の上にいるのは、
3,0キロの“大ちゃん”で、2,5~4,0キロのものを、そのように呼んでおり、それ以上は、ご存じの方もいるかもしれませんが、“ジャンボちゃん”と、呼んでいます。
数こそ、2本でしたが、天然のとらふぐは、やはりいいものです。
もちろん、気分は、ちょっとだけ萌え燃え・・・❤
例年、6月から9月まで、天然のとらふぐの入荷は、かなり減りますが、“ふぐに魅せられし料理人”の自分にとっては、時々は、そんな気分になりたいものです。
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運動会のお弁当の仕込み
前回お話ししたように、明日(6日)のランチは、下の娘の小学校の運動会のため、
お休みさせて頂きますが、今日は、営業の合間を見ながら、明日のお弁当の仕込みをしました。フライにする鯵と海老に、
パン粉を付けました。揚物にするのは、これだけでなく、手羽先も、
唐揚にするために、下味をつけました。ちなみに、手羽先は、食べやすくするため、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんが、骨を抜いてくれました。実は、食べやすいだけでなく、揚げる時間も、短くて済むのです。
揚物以外のおかずとして、焼物は、娘の希望で、
紅鮭にし、串を打っておきました。
また、一品ぐらい煮物も必要ですので、
蒟蒻も仕込み、最後に、
おにぎり用の米を研ぎ、お弁当の仕込みは、終わりました。
とはいっても、午後から、雨も降っていましたし、天気予報を見ても、明日の運動会が、どうなるか分からず、後片付けをしましたが、そんな明日でも、唯一分かっているのが、
三重県から、この2本のとらふぐ(天然)が入荷することで、手前の小さいものは、0,3キロの“チビとら”で、奥のものは、3,0キロの“大ちゃん”です。
そんなこともあり、
カウンター周りを、養生して、今日の仕事は、終わりました。
何はともあれ、予定通り、運動会が、行われて欲しいのですが、“ふぐに魅せられし料理人”の自分にとって、それ以上に、期待するのは、2本のとらふぐであるのは、言わずもがなです。
6日(土)のランチ
6月のお休みは、通常通り、毎週月曜日ですが、
今度の土曜日の6日は、
下の娘が通う小学校の運動会があるので、ランチの営業は、お休みさせて頂きます。
自分は、過去3年、運動会のお弁当をつくっており、今年も、そんな日が、やって来ました。過去3年のお弁当は、以下の通りで、それぞれをクリックすると、その時の内容が、御覧になれます。
今年のお弁当の内容については、考えていますが、本業でもある【佳肴 季凛】の料理よりも、力を入れているという噂があるので、加減をしようかと・・・・・。
とはいうものの、こういう料理から、色んなヒントが生まれるので、手を抜くわけにはいきません。
やはり、噂は、・・・・・!?