鱧(はも)しんじょう蒸しの鱧は、静岡県舞阪産
一昨日、今季初の鱧(静岡県舞阪産)を仕入れたことをお話ししましたが、今日は、この鱧で鱧しんじょう蒸しを仕込みました。
フードプロセッサーに、
鱧の身を入れたら、
細かくしたら、
市販のすり身を加えたら、再びフードプロセッサーにかけ、よく混ぜ合わせたら、
玉子の素をつなぎとして加えるのですが、玉子の素とは、卵黄に分離しないようにサラダ油を混ぜ合わせたもので、味のついていないマヨネーズと思って頂ければ、いいかもしれません。
さらにフードプロセッサーにかけ、混ぜ合わせたら、
ここに、
生クリームを少しずつ加えながら、混ぜると、
しんじょう地が出来上がりました。
これを、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんが、
30グラムの大きさに丸めたら、
一口ぐらいの大きさに包丁した鱧の身を、
皮目を上にして、
刷毛で打粉をしたら、
丸めたしんじょう地に鱧の身を乗せたら、
蒸気が上がった蒸し器で、12分程度蒸したら、
出来上がりました。
お出しする時は、器に盛り、あんを貼り、温めなおしたら、熱々の状態で、三つ葉や葱をちらし、もみじ卸しを天に盛り、お出しします。
魚市場の担当者によれば、鱧の本格的な入荷は、今月末あたりになるとのことで、「梅雨の水を飲んで美味しくなる」と言われているように、梅雨入りの前後に、鱧の入荷が増えてきそうです。
そんなこともあり、『鱧料理』のコースをご用意出来るのは、入荷の状況によるので、未定ですが、詳細などについては、直接お問い合せください。
★★★ 佳肴季凛謹製 西京漬 ★★★
当店では、お中元、お歳暮などの贈り物に最適な『西京漬』をご用意いたしております。
銀鱈、サーモン各3切入 3,480円 ※クール便にて発送可
店主自ら、魚市場で吟味した“銀鱈”、“サーモン”を使用し、お手製の有機西京味噌で仕込んだ逸品です。大切な方への贈り物に、是非どうぞ。
鯵(あじ)フライ率高し
今朝は、
沼津魚市場で、
島根県浜田産の鯵を仕入れました。
一年を通じて、入荷がある鯵ですが、これから夏にかけて、脂が乗り、特に、浜田産のもので、脂肪含有量が10%を越えると、どんちっちという名前で出回るようになり、どんちっちについての説明は、こちらをお読み下さい。
今朝の鯵も脂は乗っていたのですが、どんちっちではありませんでした。
鮮度も良いので、刺身でも食べられるのですが、ランチメニューの季(おひとり 1,500円)では、
鯵とズッキーニの揚げ出しでお出ししたり、
会席料理の揚物として、鯵の新挽(しんびき)揚げにし、海老の彩り揚げと共にお出ししています。
ところで、今朝のように、鯵を仕入れると、何らかの形で、お昼の賄いとして、鯵を食べることが多く、今日は、
海老フライ付きで、鯵フライにしました。
鯵フライだけの時もあれば、
冬場だと、
牡蠣フライも一緒の時があります。
時には、
カレーと共に、
鯵フライを食べることもあります。
鯵フライは脂で揚げるので、身自体の脂はさほど関係ないように思われるかもしれませんが、脂の乗った鯵を使った鯵フライは、ホクホクにして、フワフワの食感が何とも言えません。
それこそ、たかが鯵フライ、されど鯵フライなのです。ただ、個人的には、フライの中で、もっとも好きなのが、海老フライで、16/20や、21/25と呼ばれ、12~13センチくらいの海老フライだけなら、20本は軽い、軽い・・・♬
本題の鯵フライですが、作り方は殆どの方がご存じでしょうが、別の機会に改めてお話しさせて頂きます。
★★★ 『佳肴季凛』謹製 【鰯の丸煮】 ★★★
当店では、お中元、お歳暮、手土産などの贈り物や、お取り寄せに最適な【鰯の丸煮】をご用意いたしております。
5パック(10本)入 2,250円 ※クール便にて発送可
“大羽(おおば)”と呼ばれる大きめの真鰯を使用し、店主の“熱き想い”と共に、煮詰めた逸品です。大切な方への贈り物に、是非どうぞ。
ようやく初入荷の鱧(はも)
今朝は、
沼津魚市場に行って来たのですが、あろうことか、自分宛に届くことになっていた静岡県舞阪産の鱧(はも)が、届いていなかったのです。
これまでに、そのようなことはなく、すぐに送り主である浜松市の魚屋の担当者に電話をしたところ、「送ったはずですし・・・。運送会社も、まだやっていないので・・・。どうしましょうか?」との返答。
届け先を間違ったのかと思い、可能性のある場所を探し回っても、見つからず、途方にくれており、再び電話したところ、「全てこちらの責任ですので、荷物があっても、こちらに送り返すようにしますから、今回は無しでよろしいでしょうか?」と言われ、どうしようもないので、魚市場から帰ることにしました。
【佳肴 季凛】に戻り、しばらくすると、魚市場の職員から電話があり、「季凛さん宛の荷物があるんですけど、どうしましょうか?」と言われ、魚市場の近くにある包装資材店の配達日ということもあり、それらと共に、届けてもらうことにし、事なきを得たのです。
ランチの営業が始まる頃、
鱧が届けられ、
中を確認すると、
活締めにされた鱧が入っていました。
タイトルにもあるように、今季初入荷の鱧で、初入荷がアクシデントとはいえ、無事に入荷したことに、胸をなでおろし、ランチの営業が終わるまで、このままにしておき、営業後、
鱧の下拵えをすることにしました。
活締めの鱧ですので、
頭と、
尾の付根には、血抜きのための包丁が入っています。
ヌメリを取り、はらわたを抜き、
水洗いし、
卸したら、
鱧の下拵えのメインイベントとも言うべき骨切りをしました。
今日の鱧は、
鱧しんじょう蒸しに仕込むので、骨切りを終えたら、
尾などの細い部分の身と、
皮を分けておき、
身の部分は、揚物などに使うため、このまま冷蔵庫へ。
本格的な入荷はもう少し先になりそうですが、当店の『鱧料理』もそろそろと言った感じで、季節も春から夏へと移ろい始めました。
バスツアーで、四世代総動員
昨日に引き続き、今日もバスツアーの御予約があり、
7時前から、仕事を始めました。
出汁を引くなど、普段の段取りを終えたら、
盛り付けをしたのですが、
約40人の御席ということもあり、
テーブル、
御座敷での御用意で、写真の料理は、刺身替りの山掛けです。
今日のように人数が多いと、御席を分けて座って頂くことがあるのですが、今日は、それ以上の難題があり、未体験のことで、仕事をする前から、かなり緊張していました。
というのも、数人いるホールスタッフのバイトが誰も出勤出来ないという未曾有の事態が起ってしまったからです。
どんなに人数が多くても、法事であれ、バスツアーであれ、準備をするのは、自分と女将兼愛妻(!?)の真由美さんで、たまに、普段洗い場や雑用をしてくれる義母でこなしています。
義母は、毎日出勤しているのですが、ホールの仕事に関しては、全く出来ないので、約40人の御席を2人でこなすには、かなり頭をひねっていました。
ただ、片付けに関しては、授業が午前中で終わる次女(中2)と、実母が手伝ってくれることになっていましたし、どんな状況であれ、片付けはどうすることも出来るので、半分無視していました。
そんな状況とは言え、
御座敷、
テーブル、
カウンターと、全てのセットが整い、
打ち水をし、御来店時間が刻々と近づいていました。
また、今日は、添乗員もバスガイドもいないので、運転手が、途中で連絡をくれなかったら、大パニックになることが必至でしたが、途中と最後の見学場所で、忘れずに連絡をくれただけでなく、最終見学地が、【佳肴 季凛】から、車で10分程度のところの【富士山かぐや姫ミュージアム】でしたので、到着時間も大体の予想がつき、バタバタしたものの、全ての料理をお出しすることが出来ました。
そして、外に出ると、
バスのフロントガラスには、
出発時間が貼ってあったのですが、その頃、バタバタモードとなりつつあった洗い場では、
次女(写真 左)、実母(同 真ん中)、そして、卆寿の祖母(同 右)が、洗い物をしてくれており、実母と祖母は、今だ現役で、富士宮市で食堂をやっているので、勝手は違えど、ある程度のことは出来るのです。
そして、予定通り、
出発し、真由美さんとお見送りをした後は、
お片付け、
お片付け~、
さぁさ、
皆で、お片付け・・・♬
先程、義母とお話ししましたが、この写真の左に写っているのが、義母で、実母と同じ、昭和23年1月生まれにして、B型で、何の因果か、この二人は、食べ物の好みや性格など、かなりの点で似ているのです。
そして、洗い物の目途がついたら、次女と祖母は、
今夜の御席の準備や、
テーブルの掃除をしてくれており、そんな様子を尻目に、洗い物を終えた自分は、
仕込みを始めた頃には、全ての片付けが終わり、
お昼を食べることにし、昨日同様、カレーだったのですが、このカレーはFacebookで知り合いになった女性から貰ったものです。
また、この女性とは実際に会ったこともあるのですが、何故か真由美さんとも馬が合い、SNSが取り持つ不思議な縁というか繋がりとしか、言い様がありません。
縁と繋がりと言えば、今日は、祖母、実母と義母、自分と真由美さん、そして次女と、四世代が集結し、仕事をこなしたことで、家族の繋がりを再確認することが出来ました。
何はともあれ、体力よりも、神経を使った一日で、無事に終えることが出来たのが何よりで、経験こそ、財産ということを改めて知ることが出来、料理の道は、まだまだ深く、日々の精進を欠かすわけにはいかないのです。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
次回は、6月日(木)の予定です。
放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非、お聴き下さい。
今日もバス、明日もバス
今日は、バスツアーの団体のお客様がお見えになるので、ひととおりの準備を終えたら、盛り付けをすることにしました。
最初に、
蒸物(鰯つみれ錦糸蒸し)を盛り付けたら、
温蔵庫にしまったのですが、この時点では、電源は入っておらず、熱々をお出しするため、御来店時間に合わせて電源を入れます。
その後、冷蔵庫にしまう料理を盛り付けることにし、冷蔵庫にしまう都合で、最後にお出しするデザート(苺のムース)から、
刺身替り(山掛け)、
先付(うすい豆腐)と盛り付けたのですが、
うすい豆腐がグリンピースで作った豆腐で、グリンピースのことをうすい豆と呼ぶことに因んでいます。
また、今日のバスのお客様は、人数が多かったこともあり、テーブル席と御座敷に御席を御用意したので、
スムーズにお出し出来るように、付箋を貼っておきました。
そして、最後に小鍋を盛り付けたのですが、
今日の小鍋は、
ひじきと野菜の小鍋仕立てで、小鍋には、雑穀(玄米、押麦、黒米、もち麦、はと麦、小豆、あわ、ひえ、きび)、玉葱、長葱、もやし、水菜、牛蒡、人参、ひじき、豆腐、葛切り、庄内麩、大豆が入っています。
また、小鍋はマクロビオティック(玄米菜食)を基本に据え、“身体に優しい、美味しい日本料理”をお出ししている【佳肴 季凛】のマストアイテムでもあり、出汁は、様々な魚のあらを焼いたものと、一番出汁を取った後の鰹節、宗田節、椎茸の足、昆布、野菜の皮などと共に、弱火で長時間煮出し、それに味をつけたものです。
小鍋を、
御座敷とテーブルに配膳したら、腹が減っては何とかということで、
早お昼ということで、かき揚げ入りのカレーうどんを食し、来たるべき“決戦”に備えることにしました。
全ての準備が整い、バスガイドの方から連絡が入ると、
戦闘モードに入る準備をし、程なくすると、
バスの到着と共に、一気に戦闘モードに。
戦闘モードと言っても、バスの御席は短期決戦ですので、全ての料理をお出ししたら、合間を見ながら、洗い物をするのですが、明日もバスツアーのお客様がお見えになるので、
洗い上げた器のうち、明日も使うものは、そのままにしておきました。
そうこうしていると、出発時間となったら、
雨降りだったこともあり、玄関先でお見送りした後は、再び戦闘モードということで、
お片付け~、
お片付け~、
さぁさ、皆でお片付け・・・♬
先程お話ししたように、明日もバスのお客様がお見えになるだけでなく、今日以上の人数ですので、この後、
テーブル席だけでなく、
御座敷のセットをしてもらっている間、自分は、
諸々の仕込みに追われ、
仕込みが終わったら、
器出しをし、
このような状況ゆえ、今夜の営業は、お休みさせて頂きました。
得てして、こういう時ほど、前もっての問い合わせや、当日の御予約を頂くもので、今日も然りで、お断りをしてしまった御客様には、この場を借りて、お詫びさせて頂きます。
明日は、今日以上の戦闘モードを覚悟して、仕事に臨むので、これにて・・・。
二週連続の休日出勤は、バスツアーの準備
定休日の今日は、明日、明後日とバスツアーの団体のお客様がお見えになるので、その仕込みと準備をしたのですが、先週の定休日同様、二週連続ということになりました。
一番最初に、女将兼愛妻(!?)の真由美さんが、
鶏の唐揚げ用に下味をつけるため、もも肉を掃除してくれ、それを薄口醤油と日本酒を同割したものに漬け込んだ後、
小鍋用の野菜を仕込んでくれ、
玉葱、長葱、えのき、しめじ、人参が入っており、これに、水菜ともやしを合わせます。
その後、真由美さんは、もう1つの揚物である鯵に、
打粉をしてくれ、その頃までに、自分は、
山掛け用の大和芋を伸ばしたり、
サラダ素麺の野菜と、
薬味用の葱を包丁し、サラダ素麺の野菜には、長葱、茗荷、ピーマン(赤、緑)、パプリカ(黄、オレンジ)、アーリーレッド、人参、紅芯大根、レッドキャベツが入っています。
そして、仕込みを終えた真由美さんは、
テーブル席に御席の準備をしたり、
洗い物をしてくれ、自分は最後に、
先付用のうすい豆腐(グリンピースの豆腐)を仕込んだら、
米を研ぎ、仕込みは終了し、最後に、
包丁を砥ぎ、
二週連続の休日出勤が終わりました。
明日のお客様は、テーブル席と御座敷のご利用であるだけでなく、到着時間によっては、フリーのお客様の御席の御用意が出来ない可能性もございます。
また、明後日もバスツアーのお客様が御来店されるのですが、明日以上の人数ゆえ、満席となっております。
このような時に限らず、当店では、御来店の際には、御予約をお勧めしておりますので、くれぐれも宜しくお願い致します。
W法事の後に、バスのお客様用の器出し
今日は、御座敷、テーブルともに、法事の御予約を頂いていたので、
7時前から、仕事を始めました。
ひととおりの段取りを終えたら、蒸物(鰯つみれ錦糸蒸し)から、
盛り付けたら、
温蔵庫にしまっておき、頃合いを見て、電源を入れ、熱々をお出し出来るようにしています。
その後、刺身などを盛り付けたのですが、
今日の鮪は、金曜日に入荷した生の本鮪(那智勝浦)で、その中とろの部分をお出ししたのですが、神棚に奉りたくなるほどのものでした。
生の本鮪以外に、蛍烏賊(富山)、小肌(佐賀)、湯葉を盛り付けたら、
冷蔵庫にしまっておき、山葵がついていないのは、
お出しする直前に、
卸したての本山葵を添えるからです。
また、テーブル、
御座敷とも、
献立も全く同じで、セットしてある小鍋は、
献立にもあるように鰻鍋でした。
鰻鍋は、蒲焼にした鰻を、笹がき牛蒡をはじめ、玉葱、えのきなどの野菜と共に、温めたものを召し上がって頂くのですが、笹がき牛蒡の風味が、何とも言えません。
ちなみに、既製品の蒲焼を使っているのですが、そのものよりも食べやすく、個人的には、こちらの方が好みでもあります。
全ての準備が整ったら、
打ち水をし、御来店を待つばかりとなり、御予約時間もずれていたこともあり、問題無く全ての料理をお出しすることが出来ました。
どちらのお客様もお帰りになったら、
片付けをしたのですが、休み明けの火曜日に、
バスツアーの団体のお客様がお見えになるので、使う器はしまわずに、
番重に入れておきました。
朝から何も食べずに、お腹も空いてきたので、
刺身に使った生の本鮪の鉄火丼をてんこ盛りで食べてしまい、そのまま休憩というか、昼寝タイム。
ただ、食べてすぐに横にならなかったので、牛にはならずにすみ、夜の営業時間となったのですが、合間を見ながら、 出来る仕込みをやろうと思ったのですが、 そこまでは手が回らず、明日は予定通りの休日出勤です。
天丼弁当のお礼状
この時、長女の高校に来ている留学生の分も作り、その時、留学生に拙い英語で手紙を添えたところ、一昨日、
娘を通じて、チョコレート付で、彼女からお礼状をもらいました。
中を開けると、
慣れないながらも、平仮名で自分の名前を書いてくれ、
機会があれば、和食を作る様子を見たいとの旨や、娘が優しく接してくれていることが書かれていました。
料理を作る様子を見せてあげられるかどうかは分かりませんが、そんなチャンスがあれば、嬉しい限りでなりません。
そして、何よりも、彼女の留学体験が素晴らしいものになって欲しいものです。
鮪屋の社長が絶賛した那智勝浦産の生の本鮪(ほんまぐろ)
今朝、東京・豊洲から届いたのが、
和歌山県那智勝浦産の生の本鮪でした。
宅配便で届くので、昨日の時点で、発注するのですが、実物を見ていないだけでなく、仕入れ値を考えると、博打と言っても過言ではなく、鮪屋の社長の言いなり(!?)というか、口車に乗せられてしまこともしばしばです。
冗談はさておき、社長の言葉を信じるも何も、信頼関係の上に成り立っているとは言え、実物を見るまでは、気が気ではない一日を過ごさなくてはなりません。
昨日の場合、「今回の魚(鮪)は、どう?」と訊くと、「間違いなく、年間ランキング入りは確実です!何キロくらい?」と、豪語したのです。
「またぁ~。本当に?」と言うと、「ともかく、季凛さん好みだし、楽しみにしておいて下さい!」と言われ、電話を切ったのでした。
その後、メールで目方と送り状の番号を確認し、先ほどお話したように、気が気でない一日を過ごしていたのですが、実物を見ると、社長の言う通りで、嬉々としながら、「間違いなく、ランキング入りだし、悔しいくらいに良過ぎるよ♬こういうのを、次回も頼みますよ。」と伝えると、「でしょ!でしょ♬」と返され、包丁を入れることにしました。
見た目は良くても、皮目にシミと呼ばれる血痕がある場合もあり、前回入荷した那智勝浦産の生の本鮪は、
今日ほどではなかったものの、かなり質が良かったのですが、
まさに、チ~ン・・・。(半泣)
自然相手にして、社長も卸すまでは分からないのですが、長く付き合っていれば仕方がないことで、これはこれで、大人の対応をしており、そこは我慢するしかなく、商売上の付き合いというものは、そういう部分があるもので、昨今の妙なクレーマーや口コミを目にすると、辟易としてしまいます。
一抹の不安を抱きながら、血合いを外し、身と、
皮を切り分けると、
シミもなく、100点満点中120点GETにして、年間ランキング入り候補に名乗り出ました。
刺身でお出しするため、仕入れているのですが、腹の真ん中よりやや下の部分ということもあり、
大とろの先端もあり、今夜の【特別会席】の刺身として、
小肌(佐賀産)と湯葉と共に盛り付けたのですが、空気に触れたこともあり、差お出しする頃には、
うっとりするようなピンク色を帯びており、マグロ類の赤い色は、このようにして、発色するものです。
ちなみに、【特別会席】で、お出しする刺身は、このような三種盛りとふぐ刺をコンビにすることが多く、今夜も然りで、
このふぐは、三重県熊野灘産の天然のとらふぐで、会席料理のお客様には、
とらふぐ(三重産)、蛍烏賊(富山)、湯葉と共に、四種盛りとしてお出しし、腹の下ということもあり、
筋の強い部分もあるので、
小鍋仕立ての生の本鮪のしゃぶしゃぶとして、お出ししましたが、常連さんということもあり、少しばかりバージョンアップしたのは、ご承知おき下さい。
一年間で約50回、本鮪をはじめ、マグロ類を仕入れるのですが、本当に良いものとなると、10回つまり、2割ぐらいで、自然相手の天然素材の難しさを感じざるを得ません。
しかも、自分の手元に来るものは、鮪屋の社長の目利き次第ですし、マグロ類ような大きな魚は、その道のプロに委ねた方が無難というより、間違いないのです。
昨年の10月からは、豊洲のサブとして、川崎北部市場の鮪屋とも取引を始めており、自分としては心強く、水産資源が枯渇しつつある時世ですが、その隙間をぬぐって、良質なものを仕入れたい限りでなりません。
漬魚(つけうお)日和
今度の日曜日が「母の日」ということもあり、
今日は、昨日箱詰めしておいた『西京漬』を、
それに合わせ、発送しました。
連休後は、「母の日」をはじめギフトのご注文が重なったこともあり、今日は、
銀鱈(カナダ産)と、
鯖(ノルウェー産)を、『西京漬』に仕込みました。
また、賄い用には、
いわゆる塩鮭(北海道産)のかまの部分と、
紅鮭(アラスカ産)の粕漬を仕込み、銀鱈の切り落としの部分も、
粕漬に仕込みました。
さらに、漬魚ではないものの、
鯖の塩辛の汁に漬け込んでから干した鯖(ノルウェー産)も仕上がり、漬魚好きの自分にしては、後日が楽しみでなりませんが、銀鱈の粕漬と干した鯖の仕込み方については、これまた後日、お話しさせて頂きます。
ところで、最近では、魚よりも肉が好まれる風潮というか、魚よりも肉の消費量が多くなってしまい、時代の流れとは言え、寂しい気がします。
肉には肉の美味しさがありますが、基本的に肉は、牛、豚、鶏の三種類で、それに対し、魚は無限とまではいかないものの、かなりの数があります。
また、日本料理は四季を味わう料理で、周りを海で囲まれた日本列島では、時季により、旬の魚を味わうこと出来、それこそがご馳走で、日本料理の世界に身を置いた以上、魚をはじめとする海産物の美味しさを追い求めるだけでなく、多くの方々に知ってもらえるよう、日々厨房に立ち続けます。