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もっとおいしいお話し

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翡翠茄子

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 写真の茄子は、ごく普通の茄子です。それこそ、その辺のスーパーで売られているものと、何ら変わりありません。
 茄子の特徴といえば、黒くて、変色しやすいことが挙げられますが、そんな茄子が、こんな風に変わるのです。
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 この料理は”翡翠茄子(ひすいなす)”という名前です。翡翠とは、半透明の深緑色をした宝石のことです。詳しい説明は、こちらを
 写真の関係で、見にくいかもしれませんので、盛り付ける前の”翡翠茄子”をご覧下さい。
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 こんな感じです。
 「どうやったら、こんな風に出来るの?」と聞かれたり、「今度、作り方をブログで、書いてよ。」と、言われるので、”翡翠茄子”の作り方をお話しします。
 先ず、茄子に包丁で切れ目を入れます。
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 今度は、それを油で揚げます。小麦粉などの粉はつけないで、そのまま揚げます。これを”素揚げ(すあげ)”と言います。
 火が通り過ぎないように注意します。目安としては、指でつかんで、やわらかく感じられたら、OKです。
 
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 そうしたら、油から上げ、氷水に落として、一気に冷まします。
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 冷めたら、茄子の皮をむきます。
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 ご覧のように、きれいな緑色をしています。皮がついている部分と比べると、一目瞭然です。
 これを、薄く味をつけた出汁の中に、しばらく漬けます。その後、もう一度、ちゃんと味を調えた出汁に漬けます。
 半日くらい冷蔵庫で冷やしたら、出来上がりです。”翡翠茄子”は見た目もさることながら、その味も、涼しげな感じがします。
 これから、夏にかけて、茄子が美味しくなります。ごく普通の茄子が、一手間を加えるだけで、ここまで変身します。
 日本料理店ならではの料理の”翡翠茄子”を、是非一度、作ってみて、ご家庭で”佳肴 季凛”ごっこを楽しんでみては。
 志村

これまた、鯛

 昨日は、”真鯛”のお話しをしました。
 
 今朝の沼津魚市場には、同じ仲間の”黒鯛”が沢山入荷していました。
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 手前の生簀も、”黒鯛”です。
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 これほど沢山の”黒鯛”が入荷しているのも、昨日お話しした”真鯛”と全く同じ理由です。
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 今朝、仕入れて先程締めたばかりの”黒鯛”です。大きさは、1、1キロです。”黒鯛”の姿、形は”真鯛”によく似ています。違うのは、その色です。名前の通り、色は黒です。
 こちらが、”黒鯛”の刺身です。
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 当然、”真鯛”の味と違います。”真鯛”に比べ、”黒鯛”は磯魚に近い香りがします。
 磯魚とお話ししましたが、磯にすむ”鯛”で、”石鯛”、”石垣鯛”がいますが、これらほど独特の香りはありません。
 ちなみに、”鯛”と名のつく魚は、200種類とも言われていますが、本当の鯛の仲間であるタイ科の魚は、10種類くらいしかいません。”真鯛”と”黒鯛”は、タイ科ですが、”石鯛”や”石垣鯛”は違います。
 今お話しした”鯛”は、どれも”佳肴 季凛”でお出ししたことがあります。それぞれが、特有の味わいがあり、どれも美味しい魚です。ただ、個人的な好みでは、”真鯛”、”黒鯛”、”石鯛”、”石垣鯛”の順です。
 この時季、”黒鯛”も多く入荷するので、”真鯛”同様、旬を味わって下さい。
  志村
 

鯛だらけ

 先日の沼津魚市場のセリ場(活魚)です。
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 生簀の魚は、全部鯛です。しかも、魚の王様の”真鯛”です。
 こっちも、全て”真鯛”です。
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 その手前も、全て”真鯛”です。
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 その先の生簀も、”真鯛”です。
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 恐らく、この日だけで”真鯛”だけで、100枚近く入荷があったはずです。
 何故、これほどまで”真鯛”の入荷があるのでしょうか?
 ”真鯛”が異常発生したからでしょうか?
 違います。
 養殖の生簀から、逃げたからでしょうか?
 これも、違います。
 この時季、産卵のため、”真鯛”は浅場にやって来ていて、その大群が網にかかったから、これほど沢山の入荷があったのです。ちなみに、このことを、”乗っ込み(のっこみ)”と言います。
 大きさも大小様々です。これほど、沢山の入荷がありますから、値段も普段の”真鯛”の相場からは、考えられない程の値段で、まさに”真鯛”の特売状態です。
 仕入れる方は願ったり、叶ったりです。
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 そんな値段ですから、自分も一枚仕入れてきました。
 携帯電話と比べていただければ、お分かりかと思いますが、かなりの大きさです。4,3キロのものです。
 刺身にする大きさとしては、1,5キロ~2キロくらいまでが、理想的なのですが、今回はあえて、この大きさのものを仕入れました。
 そんな理想的な大きさを表すのが、”目の下一尺”や、目の下八寸”という言葉です。
 ”真鯛”は魚の王様と呼ばれるだけあって、刺身で良し、焼いて良し、煮て良しのオールラウンドプレーヤーです。
 ただ、”真鯛”の仕入れに関しては、注意しなくてはならないことが、一つあります。
 それは、養殖生簀の周りの”真鯛”のことです。”養殖周り”と呼ばれているもので、姿は天然ものと似ているのですが、食べているものが、養殖用の餌なので、味が養殖ものと変わらないのです。こればかりは、卸してみないと分からないので、何とも言えません。
 普段、”真鯛”は値段も高くなりがちなので、仕入れる機会も少ないのですが、先程お話ししたように、入荷する機会も増えそうです。この時季の美味しさを、是非味わってみて下さい。
  志村
 
 

ふじさんクーポン

 こんにちは、真由美です。おかげさまで、うちの次女も幼稚園に入ることができました。昨日、入園式でした。
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 ところで、先日、志村さんがこんなチラシを渡してきました。富士市商工会議所から、届いたものです。
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 ”ふじさんクーポン”という商品券が販売され、富士市の消費拡大と商業振興を、目的とすると書かれていました。
 詳細については、こちらを、ご覧下さい。
 ”佳肴 季凛”は、地元の鷹岡商工会に所属しているので、申し込むことにしました。ですから、”佳肴 季凛”でもご利用できます。
 ランチタイムを含め、いつでもご利用できます。世の中、不況ムードで溢れていますが、”ふじさんクーポン”を使って、飲食店に限らず、富士市のお店が少しでも、良いムードになって欲しいものですね。
  真由美 

来週のお休みは・・・。

 明日は、沼津の魚市場が休みなので、定休日の今日は、沼津の魚市場へ行ってきました。ですから、”お約束”の休日出勤でした。
 時間も気にせず、仕事をしてしまうので、仕込みが終わったのは、夕方でした。
 そんな今日、こんな手紙が届きました。差出人は、自分の所属する調理師会の”正友六進会(せいゆうろくしんかい)”からで、ご覧のように、総会の案内でした。
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 さらに、読み進めると、こんな内容です。
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 来週の今日=月曜日=”佳肴 季凛”の定休日に、東京へ行けるのです。
 東京。とうきょう。トウキョウ。TOKYO。tokyo。・・・・・東京だらけ。
 東京、東京、嗚呼、東京。恋焦がれてやまない、嗚呼、東京。
 体の中のアドレナリンが、ほとばしります。
 そして、先月に引き続いての東京。
 今回は、新幹線で行くので、お酒も飲めます。また、昼から行くので、夕飯も東京。東京ランチに、東京ディナー。
 う~ん。今から楽しみです。実を言うと、そんな浮かれ気分で仕込みをしたので、遅くなってしまったのでした。
♪♪ は~やく、来い来い、月曜日!
  志村 

続・身欠き鰊

 昨日に引き続いて、”身欠き鰊”のお話しです。
 掃除した”身欠き鰊”は、とぎ汁と一緒に火にかけます。沸騰してから、しばらく湯がいたら、水に晒します。
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 身についた汚れを落としたら、昆布を入れた二番出汁で、煮ていきます。その際、酢を少し入れます。酢を入れるのは、軟らかくするためです。
 s-画像 149.jpgこちらを。
 その後、濃口醤油とたまり醤油を入れ、さらに煮詰めていきます。
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 煮汁が少なくなってきたら、香りづけに、”有馬山椒”を入れます。”有馬山椒”とは、山椒の実の佃煮です。
 ちなみに、料理の名前に、”有馬(ありま)”がついているものには、山椒が入っています。”有馬”とは、兵庫県の”有馬温泉”のことで、山椒の産地として有名です。
 
 また、京都府の”鞍馬(くらま)山”も山椒の産地で有名なので、同じ様に”鞍馬”と名前がつけば、山椒の入っている料理を意味しています。間違っても、天狗は入っていません。
 日本料理では、この他にも地名がついた料理がいくつもあります。五重塔で有名な”東寺”とつけば、湯葉の料理ですし、”南禅寺”とつけば、豆腐の料理です。
 ”甲州”とつけば、ワインを使った料理です。要するに、有名な産地が名前につけられているのです。
 こういう、隠喩めいた表現は、日本料理に限らず、フランス料理やイタリア料理でも耳にすることが出来ます。”○○のニース風”とか、”△△のマルセイユ風”のような感じです。
 そう思うと、料理というものは、その土地とは切り離して考えることは出来ないものです。
 そんなお話しをしているうちに、煮汁もなくなりかけてきました。その頃合を見計らって、味醂を入れます。照りを出すためと、煮しめるためです。
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 ようやく、煮上がりました。”鰊の有馬煮”の出来上がりです。下茹でを含めると、三時間ほどかかります。
 今の時代、”身欠き鰊”のような仕事は敬遠されがちです。ただ、現在の日本料理の一つの流れとして、昔ながらの伝統的な仕事を重視してます。つまり、基本や原点に立ち返った仕事です。そういう基礎の上に、初めて新しい料理が生まれるのです。
 さらに言えば、素材そのもの美味しさが求められるのも、現在の料理でもあります。
 どんなに沢山の料理を作っていても、新しい料理は浮びません。同じことを繰り返しているうちに、ある日突然、頭の中に、豆電球が灯るのです。
 こんなことをお話しすると、自分のことを、料理の名人や達人と思うかもしれませんが、決してそんなことはありませんし、間違ってもそう思わないで下さい。単純な繰り返しを、飽きもせずやり続けているだけなのです。
 自分は、ただただ料理を作ることが楽しく、お客様に、自分の料理を喜んで食べてもらいたいがために、やっているだけなのです。ですから、自分の道楽めいたことにお付き合いしていただいていることに、感謝の念はつきません。
 このブログも同様で、少しでも多くの方たちに、日本料理の美味しさ、料理人としての在り方を知って欲しいから、書き続けているのです。
 これからも、どうぞお付き合い下さい。
  志村
 

身欠き鰊

 ここ最近、会席コースの煮物でお出ししているのが、”鰊(にしん)、干し椎茸、車麩の炊き合わせ”です。
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 ちなみに、”炊き合わせ”とは、別々に煮た食材(味付もそれぞれ異なります。)を、一つの器に盛り付けた料理のことを言います。
 この三種類は、どれもが乾物です。その中でも、仕込みに時間がかかるのが、”鰊”です。
 ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、干した”鰊”は、”身欠き鰊”と呼ばれています。
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 自分が知る限り、国産の”身欠き鰊”は聞いたことがありません。
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 この”身欠き鰊”はアメリカ・アラスカ産です。その他の産地では、ロシア、カナダがあります。
 自分が買い求めるものは、”4L”サイズの大きなものです。
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 また、”身欠き鰊”には、完全に干した”本干”と、半生の”ソフト”があります。自分が使うのは、”ソフト”の方です。その理由は、”ソフト”の方が、仕込みに時間がかからないのが一番の理由です。
 とは言っても、一日半~二日はかかります。
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 前日のうちに、”身欠き鰊”を、米のとぎ汁に漬けておきます。米のとぎ汁に漬けることで、苦味やえぐみを取り除くことが出来ます。
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 その後、お腹の部分の汚れや、鱗を取り除きます。
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 丁寧に一つずつ、掃除をします。
 この次に、”身欠き鰊”を湯がくのですが、仕込み同様、お話しするのに時間がかかるので、今日はここまでにしておきます。
 志村

日本料理店の酢味噌

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 この時季の定番料理の一つである”蛍烏賊と分葱(わけぎ)の酢味噌和え”です。
 ”蛍烏賊”と”分葱”が中心素材ですが、それ以上に味の決め手となるのが、”酢味噌”です。
 ”酢味噌”というと、味噌、酢、砂糖を混ぜれば出来ると思われていますが、(もっとも、一般家庭ではこれで十分です。)”佳肴 季凛”のような日本料理店でいうところの”酢味噌”は、全く違う代物です。
 味噌が違います。とは言っても、値段が高い銘柄の味噌ではありません。
 日本料理では、”玉味噌”というものを作って、それを”土佐酢(とさず)”で伸ばしたものが”酢味噌”なのです。
 ちなみに、”土佐酢”とは、鰹出汁に酢、砂糖、醤油などの調味料を入れて、作ったもので、簡単に言えば、”酢の物”用の酢のことです。
 ”玉味噌”は、味噌、卵の黄身、砂糖に調味料を入れて、火にかけて、練り上げたものです。自分は、隠し味にメープルシロップを入れます。何はともあれ、作り方をお話しします。
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 田舎味噌、白味噌、卵の黄身、練り胡麻(胡麻のペースト)を、合わせます。
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 よく混ざったら、日本酒、砂糖、みりん、を入れます。
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 均一に混ざったら、火にかけ、練り上げます。
 鍋の中に入っているものは、焦げやすいものばかりなので、火加減に注意します。また、卵の黄身が入っていますから、完全に火を通さなければなりません。
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 鍋肌についた味噌が焦げつかないよう、注意が必要です。弱火で練るのですが、今回の分量(仕上がりで1,5キロ位)で、約20分かかります。
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 練りあがったら、今度は裏ごしにかけます。滑らかにするためです。これも、15分くらいかかります。
 ”玉味噌”は、”酢味噌”に使うだけでなく、木の芽を叩いて入れれば、”木の芽味噌”になりますし、出汁、日本酒で伸ばして、”田楽(でんがく)味噌”を作って、豆腐の上にのせて焼いたりもします。
 卵の黄身が入っているので、コクと風味が豊かで、その用途は上に挙げた以外にも、基本の合わせ調味料として、重宝します。
 ちなみに、赤出し味噌で作ったものは、その色から”鉄火味噌”と呼ばれています。
 ですから、”佳肴 季凛”でお出しする”葱ぬた”を召し上がったお客様は「田舎の”葱ぬた”と違う。さすが、日本料理店だね。」とほめてくださいます。
 ”本鮪”や”ふぐ”などは、日本料理店の金看板というべき素材です。これらを使うことは料理人として、醍醐味を感じます。しかしながら、これらだけでは、献立を立てることは出来ません。
 そのためには、”葱ぬた”のような料理が不可欠です。こういう単純な一品を逸品に仕立てるのが、料理人としての腕を振るい甲斐があります。
 丁寧な仕事が施された”葱ぬた”のような料理を食べると、自分はその後に出される料理に、期待をします。いつまでもそういう心持ちで仕事をしたいものです。
  志村
 
 

しめ鯖

 今朝、仕入先である沼津魚市場から、帰ろうとしていると、こんな光景に出くわしました。
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 ちょうど、鯖(さば)が水揚げされていました。次々に箱に入れて、量りにかけられていき、並べられていきます。もちろん、水揚されたばかりの鯖なので、鮮度は抜群です。
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 そうこうしているうちに、セリが始まりました。
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 一気に値段が付けられていきます。
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 今朝はラッキーなことに、このうちの一本だけ、分けてもらうことができました。
 これがその鯖です。
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 早速卸して、しめ鯖にしました。
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 鯖は魚の中でも、最も身割れしやすい魚の一つなので、卸す時は注意が必要です。先日お話しした”鰆(さわら)”も同様です。
 かつて鮨屋に勤めていた頃、身割れさせたことがあり、ひどく怒られたことがあり、鯖を卸す時、そのことを思い出さずにはいられません。
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 卸した鯖は、”強塩(ごうじお)”といって、見えなくなるくらいの塩をします。このまま、二時間ほどおきます。
 その時間は、鯖の脂の乗り具合によって、変わってきます。それでも、脂のない鯖でも、一時間半は塩をします。
 時間が経ったら、塩を落とすため、水洗いします。その時も身割れさせないように、注意が必要です。
 そうしたら、二番酢(一度使った酢)で洗い、腹骨を取ります。
 
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 その後、二十分ほど、酢に漬けます。これも塩と同様、時間も多少異なります。
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 こんな感じに仕上がりました。しめ鯖が好きな方には、この赤い色が、何よりも喜ばれます。
 そういう自分も、しめ鯖が大好きなので、この赤い色はたまりません。鮨屋での修業時代、自分で練習して、食べたいがために、築地の市場で、一本、4,000円もする鯖を買ったものでした。
 練習をする時は、高いものを買わなければ、上達しないと自分は思っています。というのも、人間は卑しいもので、自分のお金で買ったものとなると、殊更大事に扱います。
 たかが、練習といっても、真剣になるのは当然です。その真剣さこそが、上達への第一歩なのです。
 仕事を覚えるには、数をこなすことも必要ですが、それ以上に、丁寧な仕事を覚えるためには、質も大事なのです。
 ですから、自分は修業していた鮨屋で使っている魚よりも、ずっと高い魚を使って練習したものでした。そういう時は、心の中で、「俺の魚は、今日ここにある魚よりも、ずっといい魚だ。」と独りほくそ笑んでいました。
 仕事が終わってから、その魚を卸して、鮨を握る練習して、自分で食べたのですが、沢山ある時は、その鮨を持って、夜の新宿・歌舞伎町に繰り出し、飲み屋のお気に入りの女の子に、ご馳走したものでした。
 そんなことばかりやっていたので、独身時代の財布はいつも、スッカラカンでした。若気の至りとはいえ、思い出すと、自分のことながら、あきれてしまいます。
  志村
 

盛り箸

 日本料理では、当ブログの表紙のイラストのように、料理を盛り付けます。と言っても、分かりにくいでしょうから、こちらの写真をご覧下さい。
 
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 角度を変えてみます。
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 大体、お分かりいただけでしょうか?特に、この箸に注目して下さい。この箸は、盛り付け専用の箸で、”盛り箸(もりばし)”と呼んでいます。柄は木などで出来ていて、その先はステンレス製です。
 ステンレスを使っているので、普通の菜箸よりも重く、若い頃は使いこなすまで、時間がかかりました。
 また、先端はたいへん鋭く、とがっています。
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 普段自分が使っている”盛り箸”は、最初の写真のものですが、これとは別の”盛り箸”も持っています。
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 柄の部分が、”黒檀(こくたん)”で出来ています。”黒檀”については、自分はあまりよく分からないので、こちらを
 見た目から想像がつくかと思いますが、値段も普段つかっているものよりも、ずっと高いです。また、先の部分が長く、使いにくいので、しまい込んであります。
 普段使うには、もったいないのと、何かあって壊れたら嫌なのが、本当のところです。
 「じゃぁ、いつ使うのか?」と思われるかもしれません。
 粋がって、格好つけたい時に使うのです。こういうどうでもいいことに、価値観を見出すのが、志村流です。
 ところで、先日普段使っている”盛り箸”の柄の部分が壊れてしまいました。
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 が、”盛り箸”に限らず、我々プロが使う道具は、大体の場合、修理できるので、長い間、使うことが出来ます。
 この”盛り箸”も、かれこれ、二、三回程、柄が壊れてしまい、その都度直して、使っています。
 包丁と同じく、使い込んだ”盛り箸”は手になじんでいるので、使いやすく、仕事も速く出来ます。
 今更ながら、プロの使う道具は、よく出来ています。
  志村

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