秋のバスツアー用のさばふぐ(静岡県由比産)
今朝、沼津の魚市場に行くと、
この売場の隅に、
自分が注文しておいたさばふぐが置いてあり、
【47-9】というのは、自分の買い番で、このさばふぐは、静岡県由比産です。
魚市場では、セリで買うというより、買わなくてはならないものもあれば、相対で買うというより、買えるものがあり、このさばふぐは、後者になり、魚市場での買い方の仕組みについては、複雑なので、割愛させて頂きます。
さばふぐを卸す時は、
頭の付根に包丁を入れてから、背びれを尻びれを切り落としたら、
ぐる剥きと言って、頭を掴んだら、皮を身から剥がすのですが、この役目は、殆どの場合、女将兼愛妻(!?)の真由美さん。
胴体だけにしたら、水洗いするのですが、
真由美さんが水洗いしたものを、自分が手直しするのも、いつもの流れで、
洗い上げ、きれいに拭き上げたら、
さばふぐの下拵えは、終了です。
普段、さばふぐは唐揚げにするので、
それ用の大きさにし、写真にもあるように、このさばふぐは、去年の暮れに仕入れた時のものです。
ただ、今日のさばふぐは、
秋から初冬にかけての『遠鉄』のバスツアーの献立でお出しする料理の“ふぐしんじょう錦糸蒸し”用に使うものなので、
そのまま、真空して、
冷凍しておきました。
献立に組み込んだ以上、余程のことが無い限り、差し替えることは出来ませんし、今回のツアーは、ふぐ料理を3品お出しすることになっているので、今のうちから、ある程度仕込んでおかなくてはならず、合間だけでなく相場も見ながら、しばらくの間、仕入れることになります。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
次回は、10月3日(木)の予定です。
放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非、お聴き下さい。
かぼす(香母酢)1ケースで、1400cc
今日は、先日頂いたかぼすを、
ぽん酢に仕込むため、洗ってから、水分を拭き取り、 半分に包丁したら、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんが、搾ってくれました。
しかしながら、搾れども搾れども、仕事は捗(はかど)らず、「なかなか終わらないんだけど・・・。」と、単純な仕事が得意な真由美さんでも、ぐうの音までが出ないまでも、悪戦苦闘。
搾った果汁は、
分量を量らなくてはならないので、軽量カップに入れながらの仕事で、
1,000ccになったら、
バットに移し、この次は、
300ccでしたので、1ケースで1,300ccということになりました。
個数は分かりませんが、1ケースの目方は、箱の大きさからして、4kg入りだと思われ、搾り役の真由美さん曰く、「あれだけやったのに、これだけだと思うと・・・。」
ぽん酢に限らず、手作りのものは、どうしても手間がかかるのですが、その味わいは、美味しいのは勿論のこと、本物の一言に尽きますし、本物を追い求めてこそ、真の料理人ゆえ、料理の道を自らの道とした以上、この姿勢を保ち続けます。
☆★☆ 日本料理『季凛』と列車から見る工場夜『富士岳南電車』 ★☆★
遠鉄バンビツアー【ユトリノ】の企画で、 富士市内を走る『岳南電車』に乗りながら、工場夜景を見学するツアーの際、
当店が、夕食をご提供させて頂きます。詳細については、こちらを御覧下さい。
2019.9.4|ぽん酢 野菜・果物(フルーツ) |permalink|コメントはまだありません
賄いの冷たい蕎麦(その4)
この夏の定番のお話しとなりつつある『賄いの冷たい蕎麦』の4回目が、今回のお話しで、
3回目と、それぞれ、御覧下さい。
今回は、オーソドックスなものからではなく、変わり種からお話しさせて頂き、その変わり種とは、
冷やしカレー南蛮です。
常連さんなら一度は召し上がったことがあるというより、常連さんに一度は差し上げたことがある賄い用のカレーをルーだけにし、麺つゆで伸ばしたカレーを、蕎麦の上に掛け、海老フライ、鱧とズッキーニの天ぷらを乗せてあります。
海老を天ぷらではなく、フライにしたのは、自分が好きな食べ物の御三家の一つだからで、御三家の残りは、ふぐちりと鰹で、これぐらいの大きさの海老フライなら、一度に20本は軽い、軽い・・・♬
蕎麦に限らず、麺類の揚物で素通り出来ないのが、天ぷらで、冷たい蕎麦コレクションには欠かせません。
海老フライが好きなので、海老の天ぷらだと思われるかもしれませんが、賄いということもあり、下足(げそ)の天ぷらが登場率が高く、
この日は、薬味増し増しで、冷やし下足天蕎麦で、茄子の天ぷらも添えてあり、薬味は、貝割、アーリーレッド(紫玉葱)、大葉、葱で、天には、大根卸しと本山葵を盛り付けてあります。
天ぷらだけでは面白味に欠けると思った時は、
滑子(なめこ)を煮含めたつけ汁をはり、大和芋、もずく、モロヘイヤ、おくらの天ぷらと、ネバネバ系の集合体とも言うべき、夏感満載の蕎麦が見参。
夏は、実の野菜が美味しい時季ですので、ズッキーニ、隠元に加え、
夏の旬の魚の鱧(はも)、先程お話した、賄いのマストアイテムの下足を天ぷらにした蕎麦を堪能。
時には、さっぱりした蕎麦も一興で、
薬味増し増しの野菜系の蕎麦も捨て難いものがあります。暑い日が続きそうな気配ですので、まだまだ、冷たい蕎麦コレクションは増えそうです。
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『いいちこ』から香母酢(かぼす)
毎年、この時季になると、取引先の酒屋から大分産のかぼすを頂くのですが、今年は、
麦焼酎の『いいちこ』のメーカーである【三和酒類(株)】から、
直接頂きました。
中を開けると、
リーフレットがあり、その下には、
青々としたかぼすが入っていました。
かぼすは、香母酢の字が当てられているだけでなく、臭橙とも書かれていますが、その名前の由来は分かっていないとも言われていますが、だいだい(橙)に似ているだけでなく、香りが強いので、臭橙と書かれているかもしれません。
香母酢の方が、母の字が入っているせいか、なんとなく柔らかいイメージがするので、個人的には、香母酢の方を好みます。
また、かぼすは、同じ香酸柑橘(こうさんかんきつ)類のすだち(酢橘)と混同されますが、かぼすは大分特産に対し、すだちは徳島特産と、主産地に違いがあり、かぼすは、すだちの倍くらいの大きさがあるので、見た目でも、判断することが出来ます。
また、すだちの方が、香りが強いだけでなく、「酢を断つ」ということも、語源の一つとも言われているように、酸味が強いのに対し、かぼすは、香りが控えめで、爽やかな酸味が特徴です。
先程のリーフレットには、
かぼすの切り方、
酒造メーカーということもあり、
かぼすを使った飲み方のレシピが書かれており、リーフレットには、
アンケートもあり、こういう類のものが好きな自分ですので、
回答して、
送ることにしました。
アンケートで回答したように、かぼすの用途は、料理つまり、お手製のぽん酢を作るためで、ふぐ料理を看板に据えている当店としては、欠かすことの出来ないぽん酢ゆえ、かぼすを頂けるのは、願ったり叶ったりのことなのです。
かぼすに限らず、ぽん酢を仕込むために必要な香酸柑橘類のすだち、だいだいが、ふぐのシーズンが始まる前に、収穫の時季を迎えるのは、段取りが良く、季節を重んじる日本料理の偶然とは思えません。
実際のところ、ぽん酢は仕込んでから、しばらく寝かしてからの方が、味に丸みが生まれ、それによって、ふぐの美味しさをより味わえます。
偶然にして必然なのか、必然にして偶然なのかは分かりませんが、目に見えない繋がりこそ、古来から、日本人が重んじる気の流れで、日本人の文化の一つでもある日本料理を生業とした縁や流れを、大事にし、日々の仕事に臨みたいものです。
★☆★ 日本料理の匠 ★☆★
【佳肴 季凛】店主兼熱血料理人の自分が、
このように紹介されております。ご興味、ご関心のある方は、上の写真をクリックして、ご覧下さい。
2019.9.2|ぽん酢 野菜・果物(フルーツ) |permalink|コメントはまだありません
遠鉄バンビツアー【ユトリノ】 日本料理『季凛』と列車から見る工場夜景『富士岳南電車』
今日は、バスツアーのお客様が見えたのですが、
御座敷を、
椅子、テーブルの席にリフォーム中ということもあり、
テーブル席での御用意でした。
幸いにも、テーブル席に収まる人数で、無事に料理をお出しし、お帰りの際には、
いつものように、皆でお見送りをしました。
当店に見えるバスツアーのお客様は、殆どの場合、団体のグループのお客様ですが、これまでにも、募集型のツアーのお食事場所になったこともあり、今秋は、
遠鉄(遠州鉄道)のバンビツアーのユトリノの企画で、
富士市内を走る『岳南電車』に乗りながら、工場夜景を見学するツアーで、
当日の夕食を、
ご提供させて頂くことになり、詳細については、こちらをお読み下さい。
秋の企画ということで、
献立は、
ふぐ料理を組み込んだ会席料理です。
ふぐ料理としてお出しするのは、ふぐ刺、揚物の一品として、さばふぐの唐揚げ、蒸物のふぐしんじょう錦糸蒸しで、ふぐ刺のふぐは、天然のとらふぐで、それ以外のふぐは、さばふぐなどを使います。
また、ふぐしんじょう蒸しは、
さばふぐと市販のすり身を合わせたしんじょう地に、刻んだふぐ皮を入れ、丸く形に取ったら、錦糸玉子をまぶし、さばふぐの身を乗せ、蒸し上げたものに、熱々のあんを張り、打葱と紅葉卸しをあしらった料理で、この企画のために用意した新作でもあります。
また、パンフレットには、
この企画のもう一つの目玉である『岳南電車』と工場夜景について書かれており、富士市の工場夜景は、日本七大工場夜景の一つでもあり、富士市の工場夜景については、こちらをお読み下さい。
今回のバスツアーの出発日は、10/14、10/28、10/30、11/11、11/24、11/28、12/4と、合計で7回ほど予定されており、お申し込みは、当店ではなく、
遠鉄バンビツアーの方に、お願い致します。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。次回は、9月5日(木)の予定です。
パソコン、スマホでも、
2019年8月の鮪(まぐろ)コレクション
今日で、8月も終わり、8月31日というと、夏休み最後の日とイメージがありますが、最近では、自分が紅顔の美少年だった頃よりも早く始まり、そんなことは、今は昔のようで、今回のお話しは、月1恒例の鮪コレクションです。
8月のトップバッターは、
石垣島産の生の目鉢鮪で、川崎北部市場から入荷し、この目鉢鮪ではありませんが、石垣島産の目鉢鮪については、こちらをお読み下さい。
その次は、メインの仕入れ先である東京・豊洲から、
アメリカ・ボストン産の生の本鮪で、海水温の低い北米ということもあり、国産の本鮪よりも、身の質、脂の乗り具合は、ずっと上です。
本鮪=大間というイメージが出来上がってしまっていますが、あくまでも、産地は目安でしかなく、1本で100キロを超えるような魚ですので、個体差が全てと言っても、過言ではありません。
また、大間をはじめ、青森の三厩(みんまや)竜飛、北海道の戸井、松前などの津軽海峡で本鮪が水揚げされるのは、これから暮れぐらいまでの間です。
この後は、川崎北部市場から、2回連続で、生の目鉢鮪が入荷し、
それぞれの産地は、グアムと、
宮城県塩釜でした。
塩釜では、もう少しすると、所謂ブランドの東物(ひがしもの)と呼ばれ、良質の目鉢鮪が水揚げされ、暑さが続いていますが、9月になることもあり、少しずつ、季節は移りつつあります。
先程お話ししたように、例年9月になると、津軽海峡産の本鮪が入荷して来るのですが、海水温も高いこともあり、川崎と豊洲の状況を見ての仕入れの合わせ技となりそうです。
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【佳肴 季凛】店主兼熱血料理人の自分が、
このように紹介されております。ご興味、ご関心のある方は、上の写真をクリックして、ご覧下さい。
まだまだにして、そろそろの鱧(はも)料理
沼津魚市場で、一番最初に向うのが、
活魚売場で、今朝着くと、市場の担当者は、
鱧の仕分けに追われていました。
発泡スチロールに活きたまま送られてくるのですが、中には死んでしまうものおり、
活きたものとは別に秤にかけられ、売場に並び、このように死んだ鱧のことを、落ち鱧と呼んでいます。
この中から、
5本で2,3キロのものを選り、週末の御予約用に、
自分好みのサイズである5~600グラムサイズのものを2本仕入れることにし、
活かしたまま、
持ち帰ることにしました。
今朝の7本の鱧は、全て大分県産でしたが、活かしの鱧は、鱧料理のマストアイテムでもある落としに使い、落ち鱧は、揚物などの加熱して使っています。
ひととおりの仕入れを終え、『佳肴 季凛』に戻ったら、
活かしの2本の鱧は、
水槽に入れておいたのですが、卸すのは、明日以降の予定です。
例年、9月になると、「鱧は、いつまで食べられるのですか?」とか、「いつまで、鱧料理はやっているの?」というお問い合せをよく頂くのですが、お盆を過ぎると、骨や皮が固くなり始めるので、入荷があっても、お出しすることは出来ません。
まだまだと言えば、まだまだですし、そろそろと言えば、そろそろの鱧料理ですが、自然相手ゆえ、明確なお答えは出来ません。目安としては、お彼岸前くらいまでですので、詳細については、直接お問い合せ下さい。
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パソコン、スマホでも、
『西京漬』のミニセット
当店で御用意している『西京漬』のセットは、
銀鱈、サーモンの各2切、計4切入のものが、一番小さいサイズのもので、銀鱈、サーモンを、鯖に替えることも可能です。
また、お好みに応じ、枚数、種類の変更も可能なだけでなく、
先日お話ししたように、『鰯の丸煮』とのセットも御用意することが出来ます。
最近頂いたご注文が、
銀鱈、サーモンの各1枚入のミニセットで、ギフトというより、粗品としての用途だったこともあり、簡素とまではいかなくても、それなりのしつらえにしなくてはならず、頭を悩ませました。
箱は、普段使っているものではなく、市販の持ち帰り用のお弁当箱というか、ランチボックスに、
寸志用のシールを貼り、
左下に、
落款付の【佳肴 季凛】のロゴの判を、
押したものです。
箱詰めする時は、
シールを貼りやすくするだけでなく、詰めやすくするため、冷凍庫から出し、半解凍にしておいた銀鱈とサーモンの『西京漬』に、
シールを貼ったら、
それぞれの大きさと形のバランスを考慮しながら、
銀鱈を詰めたら、
『西京漬』のリーフレットを乗せ、その上に、
サーモンを乗せました。
普段なら、これで良しとするのですが、普段使っている箱は、底以外は、発泡スチロールですので、保冷性があります。
ただ、この箱は紙製ゆえ、
保冷性に乏しいので、
保冷剤を乗せてから、
蓋をし、
未使用のごみ袋に入れていくのですが、
重ねる時は、汚れないように、紙を敷いておき、
水を入れ、凍らせたペットボトルを入れ、
冷凍庫にしまい、完全に凍った状態で、お客様にお渡ししました。
これまでお話ししているように、お客様のご注文、ご要望に関しては、可能な限り対応させて頂いておりますので、お気軽にお問い合せ下さい。
夏休み明けの廃食用油
揚物で使った廃食用油の処分の仕方は、店それぞれですが、『佳肴 季凛』の場合、娘達が通った地元の小学校に、持って行っています。
はっきりしたことは覚えていませんが、高3の長女が在学中だったような時からなので、5年くらい継続しているかもしれません。
普段は、週に一度持って行くのですが、夏休み中は、その回収がないので、
否が応でも貯まってしまうのですが、日本料理店ゆえ、揚物をする量も限られており、この油の殆どは、知人のお店のものです。
廃食用油は、リサイクルされるものの中でも、アルミ缶や古紙とは比べものにならないくらいの優等生で、引き取り価格だけでなく、その用途も多岐で、富士市の場合、 製紙の町らしく、製紙工場で買い取られ、バイオマスボイラーの燃料として利用され、その蒸気は、ガスタービン発電システムによって電気に変換されています。
今日から、新学期が始まり、明日が回収日ということもあり、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんと一緒に、
小学校に持って行くことにしました。
小学校に着くと、
新聞紙などを敷き、
車から下ろしたのですが、
自分も同じ作業をしているのは勿論のことで、心配はご無用です。
全ての油を下ろしたら、
本日の任務終了。
そして、明くる日の今日、
再び小学校に行き、
ポリタンクを回収し、二日間に渡る任務が、完全終了。
廃食用油のことについては、何度かお話ししているように、一介の料理人である自分が、世や人のために出来ることは限られていますが、些細なことでも、自分が出来ることなら、労を惜しむことのないよう、日々の仕事を全うしたいものです。
★☆★ 日本料理の匠 ★☆★
【佳肴 季凛】店主兼熱血料理人の自分が、
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