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もっとおいしいお話し

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骨切り済み

活きた鱧(はも)を仕入れている“佳肴 季凛”では、卸すことから始まり、骨切りに至るまで、全て自分が行っています。
以前お話ししたように、鱧の下ごしらえには、骨切りが、欠かせませんし、神経も使います。
特にここ最近、“鱧御膳~はもゆるり~”を、ランチメニューとしてお出ししているので、骨切りの腕も上達しました。
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包丁を使う仕事だけは、数をこなした分だけ上達するものです。これもひとえに、鱧を召し上がったお客様のお陰です。
「どうも、ありがとうございます。」
ところで、昨日沼津の魚市場に行くと、こんなものがありました。
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骨切りされた鱧です。箱の横には、
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と、書かれていました。冷凍ものではありますが、この状態は解凍されていました。以前見たものは、こちらです。
近くで見てみると、
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こんな感じです。ちょっと見づらいかもしれません。角度を変えてみると、
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こんな感じです。
よく見てみると、ほぼ均一に骨切りがされています。おそらく、骨切りの達人の仕事のはずです。失礼な言い方かもしれませんが、魚の加工場にそれほどの人がいるのでしょうか?
さらによく見てみると、身が崩れていません。包丁を使って手で、骨切りをすると、包丁の重さゆえ、 どうしても身が崩れてしまいます。
手で、・・・。この骨切りされた鱧は、恐らく機械で骨切りされているはずです。恐らく、とお話ししているように、想像の域は出ませんが、機械でなければ、これほどまでに、均一には骨切り出来ないはずです。
また、凍ったままの状態で、骨切りされているとも考えられます。
冒頭にお話ししたように、“佳肴 季凛”では、鱧に限ったことではありませんが、全て自分の手作業です。
手作業こそが、自分にとっての生きる道ですし、そうすることで、真心を込めることが出来るのです。そんな想いを胸に秘め、骨切りをする今日この頃です。
【季節限定 鱧づくしランチ】
お知らせです。
只今、7月・8月の限定コースとして、鱧づくしのランチ『鱧御膳』をご用意して、皆様のお越しをお待ち申し上げております。
この時期美味しい鱧の味を、是非ご賞味下さいませ。
詳細は『鱧御膳』のページをご覧下さい。
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新秋刀魚入荷

今朝、沼津の魚市場に着くと、「ねぇ、季凛さん、一つやってよ(買ってよ)、これなんだけど・・・。」といきなり、声を掛けられました。
これとは、これです。
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秋刀魚です。もちろん、今年最初の秋刀魚です。ということで、一つつき合うことにしました。と言うより、新物が大好きな、ミーハーな自分ですから、つき合った以上に、こっちから頭を下げてもいいくらいなのが本当のところです。ちなみに、北海道・根室産です。
この時季、まだ入荷が少ないので、一箱に入っている本数も、10本前後です。自分が仕入れたのは、11本入りでした。
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ものによっては、12本入りや、13本入りのものがありますが、このたった1本の違いで、値段がかなり違います。
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こちらが、13本入りです。どれくらい値段に差があるかと言うと、1本あたりで、200円位の差があることもあります。
この時季入荷が少ないのは、秋刀魚の漁獲方法によります。秋刀魚漁が解禁してばかりのこの時季は、小型船(10トン未満)による流し網漁でしか、獲ることが出来ません。
8月に入って、10トン以上の棒受け網漁船による秋刀魚漁が解禁されると、最盛期を迎え、1ケースあたりの本数も、20本前後になります。その頃には、三陸でも水揚げされるようになり、最終的には1ケースあたり、45本前後になって、スーパーの特売の目玉品となります。
また、秋刀魚は、冷凍ものも流通しており、市場にも毎日、少しずつ並んでいます。
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ふたには、こんな風に書かれています。
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ところで、冷凍の秋刀魚と生の秋刀魚の身分け方があります。一番の違いは、くちばしのいろです。こちらが生の秋刀魚です。
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鮮やかな黄色をしています。一方、こちらが冷凍の秋刀魚です。
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くちばしの色は、黄色というより、白っぽい感じです。この時季ですと、スーパーの鮮魚コーナーには、どちらも並んでいるので、機会があれば、見比べてみて下さい。
鮮度の良い秋刀魚は、刺身でも召し上がれます。
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また、血合いの部分も色が鮮やかです。
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とは言っても、秋刀魚と言えば、やっぱり塩焼です。
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新物が撮れ始めた秋刀魚ですが、“佳肴 季凛”でお出しするのは、せいぜい今月一杯です。もしかすると、今日が最初で最後かもしれません!?
先程お話ししたように、8月になると、値段もお手頃になります。ですから、その時季になると、どこへ行っても、秋刀魚を食べることが出来ます。しかも、料理の方法は、塩焼と刺身が殆どです。
それはそれで結構なことだと思いますが、自分の考えには、「どこへ行っても、食べられるようなもの」はお出ししたくないから、仕入れないのです。
もっと言えば、自分がお客として、出されたくないからです。自分が出されたくないものは、出したくないというより、出さないだけなのです。
ただ、決して秋刀魚が美味しくないと言っているわけではありません。秋刀魚には、秋刀魚の美味しさがあります。自分も美味しい魚の一つだと思っています。だから、今日も仕入れてきたのです。
ただ、秋刀魚がご馳走でいられるのは、ほんのわずかな期間です。そんな時にこそ、走りの秋刀魚を味わってみて下さい。
【季節限定 鱧づくしランチ】
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鱧茶漬け

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照焼にした鱧が、出来上がったところです。
まな板の上で、金串を抜きます。身がボロボロになってしまうので、回しながら抜きます。と言うより、抜きやすくするため、焼いている時も、時々金串を回しています。
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“鱧の照焼”としてお出しする時は、このままですが、今回はお茶漬けの具に使うので、包丁します。
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焼き上がるまでに、お茶漬けの出汁を用意しておきます。
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鰹出汁でもよいのですが、“佳肴 季凛”では、毎日鱧のアラで出汁を取っているので、これを使います。こうすることで、一層深い味わいとなります。
日本酒、塩、薄口醤油で味を調えるのですが、照焼に味がついているので、薄めの味付けにします。
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御飯の上に、三つ葉とぶぶあられをちらし、包丁した鱧の照焼を乗せます。
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仕上げに盛り付ける山葵も準備しておきます。
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やはり、本山葵の風味は格別です。出汁を入れたら、山葵を乗せて、出来上がりです。
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甘辛いたれの味が、脂の乗った鱧によく合い、鱧の出汁が、お茶漬けの味をふくよかにしてくれます。
今回は夜の会席コースのお食事としてお出ししました。単品でも、召し上がれますので、ご希望の方は、どうぞお申し付け下さい。
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黒蜜

以前、“くずきり”についてお話ししました。くずきりを食べる時には、黒蜜が欠かせません。
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この黒蜜が、くずきりの味の決め手だと言っても、過言ではありません。当然、“佳肴 季凛”では黒蜜も手造りです。
黒蜜の材料は、ごく単純です。黒糖(こくとう)、蜂蜜、水だけで作るのですが、単純ゆえ、素材の良し悪しが決め手だとも言えます。
黒糖は、2種類使います。2種類使うことで、味に深みが出ます
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一つがこちらです。
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中米コスタリカ産の有機砂糖きびが、原料のものです。
もう一つが、こちらです。
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沖縄・波照間島産のものですが、こちらは有機のものではありません。
そして、蜂蜜です。「蜂蜜の女王」とも呼ばれるアカシヤの花から集められたもので、色、香り共に優しい風味が特徴です。
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もちろん、国産です。国産の蜂蜜は、アカシヤに限らず、なかなかの値段ですが、味は格別です。やはり素材選びこそが、味の決め手です。
黒蜜の作り方ですが、鍋に黒糖を入れ、分量の水を入れます。
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そうしたら、火にかけます。
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ホイッパーでかき混ぜながら、黒糖を溶かしていきます。黒糖が溶けたら、蜂蜜を入れます。
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その後、沸騰するまで加熱します。沸騰したら、火を止め、出来上がりです。冷めたら、冷蔵庫にしまいます。
くずきりは、ランチタイムだけでなく、いつでも召し上がれます。“佳肴 季凛”にいらしたら、手造り、出来立てのくずきりを、是非味わって下さい。
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いよいよ、大間の鮪が・・・

今年の一月を最後に、かの有名な“大間の鮪”の入荷は終わりました。その時のお話しは、こちらを
それ以来、鮪の産地は各地を転々としていました。ニューヨークに始まり、長崎・壱岐、宮崎、紀州勝浦、富山、銚子、ニュージーランド、地中海・マルタなど世界中から、鮪が富士市の“佳肴 季凛”にやって来ました。
そう考えると、“佳肴 季凛”は世界的な日本料理店とも言えるかもしれません。少し意味合いが違う気がしないでもありませんが・・・。
そんな今日、半年振りに入荷したのが、“大間の鮪”です。
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箱を開けたら、こんな感じに入っていました。シール付きです。
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しかも、ロット番号もついています。
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部分としては、腹の部分の真ん中より、やや下になります。この時季ですから、脂はそれほど乗っていませんが、それでも中トロの風味は格別です。
それ以上に、赤身のやわらかい歯ざわりは、国産の生の本鮪特有のものがあります。
今日のランチ(小会席・凛)の刺身(今日の内容:本鮪 蛸 白みる)の一つとして、お出ししたのですが、召し上がったお客様は、たいへん満足したらしく、単品で中トロのご注文をして下さいました。
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この部分は、中トロの中でも一番美味しいとされる”血合いぎし”にあたります。“血合いぎし”とは、こちらの部位です。
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“血合いぎし”の中トロは脂があって、しかも鮪特有のコクが味わえます。今日の鮪は、80キロほどの小さい鮪でしたが、これから北海道沖から下ってくるサンマをめがけて、鮪は北上していき、肥えていきます。
脂の乗ったサンマを食べた鮪には、当然脂が乗ります。そうして、津軽海峡に到達します。その後は、津軽海峡にいるイカを餌にして、津軽海峡を泳ぐことで、色鮮やかにして、コクのある赤身になるのです。
また、秋口にかけては、大間に限らず、同じ津軽海峡の北海道・戸井(とい)の鮪も、素晴らしい味わいです。ちなみに、この二つの場所は、対岸どうしなので、全く同じ鮪というのが、正確なところなのですが・・・。
何はさておいても、やはり生の本鮪の味は格別ですし、ましてや“大間”となれば、なお更です。
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ぬたぼう

昨日の沼津魚市場の生簀に、こんな魚が入荷していました。
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“鱧”ではありません。“穴子”にしては、少し色が黒いです。では、“鰻”?でもありません。
札にはこんな名前が書かれていました。
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“ヌタボウ”と書かれています。
初めて聞く、しかも見る魚です。よく見てみると、“穴子”に似ています。以前、釣り好きの友人に聞いた“クロアナゴ”かもしれないと思い、市場のセリ人に聞いてみることにしました。
「もしかして、これが“クロアナゴ”?美味しいの?」
「そう、そう”クロアナゴ”。でも、これって、とんでもなくMaaazuiから・・・。」と、言って、
不味いを通り越えて、Maaazui。その味の程が分ります。値段も恐らく、かなり安いはずですが、そこまで言われると、いくら“食べたことがないものは食べないと気が済まない”自分ですら、昨日は素通りしました。
ちなみに、この“クロアナゴ”は、大きいもの3メートルにもなるとのことです。
そう言えば、3月の始めにも1,5メートルくらいのものが入荷していました。その写真は、こちらを
たまたま、“ぬたぼう”や、“クロアナゴ”で色々調べていて、偶然見つけたものです。さらに、偶然なことに、沼津の魚市場で、自分が見たものと全く同じものです。
これだけ大きいと、かなりグロテスクでした。これをセリ落としたのは、先程の写真を撮った仲買人なのですが、「この人はこの“クロアナゴ”を一体どうしたのか?」と思うと、気が気ではないので、今度探しあてて、聞いてみます。特に、その味を。
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ふじつぼ

先日、沼津の魚市場に行った時のやりとりです。
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「季凛さん、これ知ってる?」
「これって、“ふじつぼ”?なかなか入荷してこないよね。」
「そうそう、さすがよく知ってるね~。少しやって(=買って)よ。」
値段を見てみると、これが意外と高いのです。“ふじつぼ”自体は知ってはいましたが、食べたことがありません。
食べたことがないものは、一度は食べないと気が済まない性分の自分ですし、殆ど入荷してこないレアものですから、とりあえず少し買うことにしました。
店に戻ってから、水洗いをしてから、蒸してみました。
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市場で見た時、この爪のような尖った部分が動いていたので、ここが食べれれるだろうということは、想像していました。なので、ここを引っ張り出してみました。
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黄色っぽい部分が出て来ましたが、途中で切れてしまいました。
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中に残っているのがお分かり頂けると思います。穴の大きさも、1センチくらいなので、一苦労です。
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それでも、ちぎれた部分も取り出すことが出来ました。
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これが中身です。
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爪のような部分は、食べられないのですが、取り出した黄色い身の部分を食べてみると、その味は、蟹味噌のような感じです。ただ、小さいので食べにくいですし、食べるというよりも、汁を吸うといった感じです。
貝なのに、蟹のような味がするのも、“ふじつぼ”は変わっています。今度入荷したら、是非一度食べてみて下さい。

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鮑(あわび)の天ぷら

今月の“旬の素材”も更新してあるので、まずはご覧下さい。
「一番美味しい、食べ物は?」と人に聞かれたら、自分は迷わず応えるのが、こちらの料理です。
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タイトルにあるように、“鮑の天ぷら”です。これ以外に、美味しい食べ物を挙げるのは、それこそ僅かですし、自分の中では、“King of 料理”です。
また、鮑というと、ステーキや踊り焼が贅沢な食べ方を思い浮かべる方が、殆どです。ただ、「鮑の美味しい食べ方は?」と聞かれて、「天ぷら。」と応える方は、かなりレベルの高い日本料理店や天ぷら屋で、食事を経験したことがある方だと、疑う余地がないと、自分は思っています。
料理の専門書を読んでいた時に、その存在を知りました。元々、鮑が大好きな自分としては、いつか機会があれば、食したいと思っていました。
そんな自分が“鮑の天ぷら”を初めて食べたのは、24,5歳の頃でした。東京で鮨屋に勤めていた頃、夏のボーナスをもらって、天ぷら屋のカウンターで、初めて食べたのが、最初です。
かねてから、カウンターで天ぷらを食べてみたかった自分は、当時の鮨屋の常連さんに、「どうしても、カウンターで天ぷらを食べたいんですけど、どこか良いお店あります。」と訊くと、その方は、「色々あるけど、御茶ノ水(東京)にある“山の上ホテル”は、間違いないね。是非、薦めるよ。」と教えてくれました。
ちなみに、東京で天ぷら屋をやっている天ぷら職人の多くは、“山の上ホテル”の天ぷら屋卒の人も多いくらい、ちょっとした名門でもあるのです。
ホテルですから、味もさることながら、そのサービスも見事ゆえ、当時の若造の自分は色んな意味で感動したことを今でも覚えていますし、東京に行くと、立ち寄って、食事をすることもあります。
話しが逸れましたが、その時、初めて“鮑の天ぷら”を食べたのですが、それ以来、その虜になってしまいました。
そうは言っても、鮑です。値段も立派ですから、いくらご馳走が大好きな自分でも、やたら仕入れて食べるわけにはいきません。
ただ、“佳肴 季凛”でお出ししている会席料理の一つである“特別会席”には、この時季お出ししています。ちなみに、鮑の旬は夏です。
先日も“特別会席”のご予約を頂いたので、お出ししました。前置きが長くなりましたが、ここから“鮑の天ぷら”の本編です。
これだけ思い入れがあるわけですら、使う鮑も当然、自分が選り抜いたものだけです。
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沼津の魚市場にある鮑とサザエの生簀です。この中に、鮑の籠が入っています。
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取り出された籠を開けると、
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入っています!鮑が。

ただ、選べばいいわけではありません。鮑には、幾つか種類があるのですが、一般には、2種類に分けられます。青い色をした“オガイ(クロアワビ)”と“メガイ(アカアワビ)”に分けられます。
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右が“オガイ”で、左が“メガイ”です。刺身に向くのが、“オガイ”で鮑特有の歯ごたえがあります。一方、“メガイ”は身がやわらかいので、加熱調理に適しています。
そんな中から選り抜いたのが、この“メガイ”です。
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鮑は大きくなければ、価値なしです。ですから、最低でも300グラム位の大きさのものを求めます。
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量りに乗せてみます。355グラムです。ということで、この鮑を仕入れてきました。

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女系!?

今朝、沼津の魚市場で仕入れた“鱧(はも)”です。全部で六本です。活かしたまま、持って来ます。
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そのうちの三本を、店に戻ってきてから、締めたのですが、三本ともメスでした。特に、この時季は、真子(卵)が成長しています。
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ということは、三本のうち、全部がメスである確率は、八分の一、つまり、12,5%ということになります。普通に考えたら、少なくともオスが一本くらいはいてもいいはずです。ですから、その確率は、八分の七、つまり、87,5%ということになります。
しかも、これまでの自分の経験から言って、鱧はオスに比べ、メスが多いのが現状です。
だとすると、女系だと言えます。別の言い方をすれば、オスの“鱧”にとっては、或る意味ハーレムだと言えます。
ハーレム、・・・・・。何ともいい響きではありませんか。世の男性なら、垂涎の的以外の何物でもありません。
今度生まれ変わるとしたら、“鱧”もいいかもしれません。
ところで、“鱧”のお話しはさておき、今日入荷した鮪がこちらです。
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この鮪は、地中海・マルタ島産の本鮪です。腹の真ん中よりもやや下の部分です。
ここ最近、何度か入荷していた南鮪に比べ、脂は強くないのですが、やはりそこは本鮪だけあって、中トロはさることながら、赤身の風味は格別です。
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冬瓜の煮方

これから旬を迎える冬瓜です。
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でも、夏が旬なのに、何故冬という字が使われるのでしょうか?まるごと、保存しておけば、冬まで貯蔵できることに由来しています。
「冬瓜は上手に煮れない。」とか、「煮方が、分らない。」とか、「青く煮る煮る方法は?」などとよく耳にします。確かに、その通りです。
今日は、そんな冬瓜の煮方をお話ししたいと思います。特に、今回は青く煮る方法についてです。
まず、皮の剥き方です。包丁を使うこともありますが、薄く剥くため、卸し金を使います。
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前後に動かして、剥いていきます。
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全部剥いたら、適当な大きさに包丁します。それから、種の部分を取り除きます。
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今度は、皮に包丁目を入れていきます。
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ここで準備しておくのが、重曹です。
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重曹と塩を皮の部分にこすりつけます。
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そのまま、30分くらい置いておきます。重曹には、食材をやわらかくする効果があります。
その後、食べやすい大きさに包丁してから、下茹でをします。串が刺さる程度まで軟らかくします。
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茹で上がったら、重曹臭さを取り除くのと、青い色が飛ばないようにするため、氷水に晒します。
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そうしてから、味を漬けた出汁で煮るのですが、冬瓜は味も素気もない野菜なので、出汁に工夫が必要です。
鰹出汁だけですと、何となくという感じです。だからといって、必要以上に、濃い味つけにするわけにもいきません。
自分は、この時季ならではということで、鱧の出汁と鰹出汁を合わせて、味を含めています。鱧の出汁については、こちらを。
ただ、このままでは出汁の風味が乏しいので、鰹削りと鰯削りを、キッチンペーパーに包んで、鍋に一緒に入れて煮ます。これを、“追い鰹”と言います。
頃合を見てから、火から卸します。このまま冷ますと、せっかくの青い色が飛んでしまうので、鍋ごと氷水にあてて、冷まします。
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料理によっては、温め直してからお出しすることもありますが、そのまま冷たいまま、お出しすることもあります。
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やはり、夏らしく、ガラスの器に盛り付け、青柚子の皮を卸したものを天にあしらいます。
冬瓜という野菜は、料理人の腕が分かる野菜の一つだと思っています。先程お話ししたように、味も素気もないので、出汁や味のつけ方に工夫が必要です。
また、温かく出す時もあれば、今日のように冷たいまま出すこともあります。それによって、下処理(皮など)の仕方も変えたりします。
また、冬瓜は、水分が多く、むくみを取ったり、利尿効果もあります。また、ビタミンCも豊富です。
さらに、夏野菜だけあって、身体を冷ます効果もあります。このことは、先日ビールについて、お話ししたことと全く同様です。
これからの時季、ご家庭でも冬瓜を是非料理してみて下さい。もちろん、“佳肴 季凛”でもお出しいたしますので、日本料理店ならではの仕事を施した冬瓜を味わってみて下さい。
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