9月の鮪コレクション
今日から、10月ですが、月1恒例の鮪コレクションが、今回のお話しで、9月に入荷したものについてで、全て東京・築地から仕入れた生の本鮪です。
9月最初に入荷したのが、
アメリカ・ボストン産で、この時季のボストン産にしては、いくらか脂の乗りが軽めの感じのものでした。
この後、
北海道・戸井、
青森県三厩(みんまや)、
同じく大間と、津軽海峡産のものが、3回連続で入荷し、大間が一番有名な産地ではありますが、漁場そのものは全く同じもので、この3つの中では、戸井産のものが一番良いものでした。
これまでに何度もお話ししているように、マグロ類に限らず、魚は産地というよりも、個体差が全てで、産地はあくまでも目安でしかありません。
また、戸井産のものは、延縄で水揚げされたものですので、釣のものよりも、良質なものが多いのが一般的で、今回も然りでした。
というのも、釣のものに比べ、延縄のものは、釣り上げられるまでに時間がかからず、暴れないので、ヤケといって、体温上昇による身の変色が起きにくいからです。
ちなみに、漁法による身の良さは、延縄、釣、定置網、旋網の順になり、延縄と釣は、どっこいどっこいですが、それらと網(定置網、旋網)とでは、全く別ものだと言っても過言ではありません。
漁法の違いによって、魚の味には大きな違いがあり、魚食文化が根付いている日本ならではのことで、日本料理文化の一端を垣間見ることが出来ます。
昨年は仕入れる機会がありませんでしたが、例年秋口になると、塩釜産の生の目鉢(めばち)鮪を仕入れることがあり、自分の記憶の中では、一年おきにその周期が来ます。
今年の水揚げと入荷は全く分かりませんが、本鮪にせよ、目鉢鮪にせよ、良いものが入荷するのを期待するばかりです。
★☆★ 日本料理の匠 ★☆★
【佳肴 季凛】店主兼熱血料理人の自分が、