地元の漁師が水揚げした8本の静岡県沼津産の本鮪(ホンマグロ)
漁港が併設されている
沼津魚市場には
様々な種類の魚が
水揚げされます
そんな今朝
魚の王様とも言うべき
本鮪(ほんまぐろ)こと
クロマグロが
水揚げされていました
2025年2月12日
Vol.4573

いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
魚菜食文化でもある
和食文化を
支えてくれる漁師の
代弁者として
【佳肴 季凛】の
店主兼熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます
今朝、沼津魚市場から戻ると
ミニふぐちゃんが
やってきました

「おはよう、親方🐡
メダイとヒガンフグだね
船の名前みたいのが
書いてあるけど・・・」
「そうだよ


目鯛が
勘七丸(かんしちまる)で


彼岸ふぐが
冨久丸(ふくほうまる)だよ」
「船の名前が
書いてあるってことは
地元の船なんでしょ?」
「そうだよ
沼津で水揚げする船は
周辺はもちろんなんだけど
伊豆半島だけじゃなく
他県の漁船も
水揚げするんだよ」
「そうなんだぁ~」
「地元の漁船って言えば
今朝は、伊豆下田の須崎と
西伊豆の戸田(へだ)の漁師が
本鮪(ほんまぐろ)を
合計で8本水揚げしていたよ」
「ホ、ホッ
ホンマグロが8本!
ってことは
1本が数百万として
・・・・・
家1軒分じゃん」
「そんなわけないないよぉ」
「そうなの!?
じゃあ
マグロの初競りの値段って
なんなの?」
「どうもこうも
あれはさぁ~

当局から
規制が入っちゃったねwww」
「ありゃりゃ・・・」
「商売とかビジネスには
色々とあるから
大人の対応をしないとね・・・」
「そうだね
でも、本マグロって
沼津でも
水揚げがあるんだぁ
一般の人も
そう思っているんじゃね?」
「そうかもね
沼津で水揚げするマグロ類は
伊豆七島方面で
獲れたものが多いね
良い漁場(ぎょば)があるって
聞いたことがあるよ
鮪って言うと
青森の大間とか
和歌山の勝浦が
有名だけど
回遊魚だから
時季によって
いろんな所で
獲れるんだよ」
「そうなの!?」
「東日本の有名どころだと
大間、塩釜、気仙沼、銚子で
北海道・戸井
青森・竜飛(たっぴ)とか
津軽海峡だね
西日本だと
紀州勝浦、境港が有名だね
宮崎の川南(かわみなみ)と
油津(あぶらつ)は
知る人ぞ知る産地だよ
あと、九州だと
壱岐、対馬で
マグロ漁をやっている漁師が
多いのが
沖縄方面だね」
「ひゃ~
それこそ
日本中じゃん!」
「そんなことより
市場時間に
時計の針を戻すよ」
「わぁ~い♬」

ということで
今朝の沼津魚市場の
入船状況のホワイトボードです

6年とありますが
気にしないで下さい

大了丸(だいりょうまる)と
久義丸(ひさよしまる)が
それぞれ5本と3本の
本マグロを
水揚げの予定とのこと
岸壁に行くと
大了丸が
水揚げをしていました

2メートルを超える長さです

が、水産業界では
体長は
殆ど意味がありません
というのも
重量が全てで
キロ単価×重量で
値段が決まるからです
慎重に吊り上げられたら
売場へ

この時点で
久義丸の3本が
既に並んでいました
その後
大了丸の5本も
売場に並び

尾びれを切ってあるのは
身の状態を
確認するためです
また、競りに備えて
お腹の中の氷や
内臓の一部も出されており

内臓脂肪と思しきものも
あります
肝心の8本の目方は
以下の通りです

203キロ

180キロ

151キロ
ここまでの3本が
久義丸の魚です
ここから5本が
大了丸の本鮪になります

237キロ

204キロ

176キロ

207キロ
スレというのは
皮が擦れた状態
要は、すりキズですので
身が傷んでいる可能性があります

157キロ
競りの時間となりました

これだけのサイズの
本鮪を扱えるのは
限られた仲買人だけです
とは言っても
魚の王様だけあって
買う買わないに関係なく
人だかりになるのは
珍しくはありません

白いゴム長靴を履いているのが
大了丸の親方で
自分よりも
19歳下の平成元年生まれにして
30代!(若い)
漁師が高齢化していくだけでなく
なり手が減っていく状況では
希望の光そのものです
SNSで繋がっているだけでなく
黄肌鮪(きはだまぐろ)の幼魚の
黄目近(きめじ)や
鰹(かつお)などを
買うのはもちろんですが
貰ったこともあるので
懇意にさせてもらっています
なので、今日も
競り前にも後にも
色んな話をしました
先ずは
5本の本鮪の漁法です
マグロ類に限らず
魚の獲り方は
基本的に4つあります
①延縄(はえなわ)
②釣(つり)
③定置網(ていちあみ)
④旋網(まきあみ)
この獲り方によって
魚の身質に違いが生まれ
味に差が出るので
非常に大事です
大了丸だけでなく
久義丸も
8本の本鮪は
釣りものでした
どちらの漁師も
キハダマグロは
延縄で獲るのですが
ホンマグロの場合
延縄で漁をするためには
許可、申請が必要で
どちらの漁師も
釣りでしか
操業出来ないとのことを
今日初めて知りました
さらに、本マグロは
資源保護のため
県によって
漁獲枠があり
静岡県の場合
今日で枠が一杯になったので
まだ2月にも関わらず
今年は獲ることは
出来ません
なので、獲れた時には
放流する必要があるのです
気になって
Google先生に訊くと
遊びでも
一般人が釣った場合は
サイズ次第では
放流しなくては
ならないとのこと
次が、諸経費です
諸経費とは言っても
燃料費、船の維持費では
ありませんが
これらが
かなりの金額になっています
今日はあえて
お話しはしませんが・・・
市場で売るに際には
口銭つまり
手数料がかかり
口銭には
売り口銭と買い口銭があり
自分が仕入れる場合
魚市場に口銭を払っています
一方
買い口銭とは
漁師や荷主が
払うものです
数%とは言え
かつてのように
魚が沢山獲れていた時代は
良かったのですが
漁獲量が減った昨今では
それに伴い金額が減り
結果的に
魚市場自体の存続にも
関わってきます
さらに
魚市場は民間会社であっても
公の施設でもあるので
行政が上手く立ち回らないと
食生活そのものを
崩壊させてしまうのです
また、今日は
沼津で水揚げしたのですが
時には
下田から東京・豊洲に
送っているのを聞ているので
その時の送料などを訊くと
驚きました
漁師、農家などの
一次産業の従事者を
いたずらに保護すべき
だとは思いませんが
何らかの策を講じなければ
日本の食生活が
成り立たなくなってしまいます
事実、昨今の
消えた21万トンのコメ
然りです

しかも、「反省しています」の
一言で済まそうとする体たらく
以前から
お話ししているように
国家の根幹政策は
食料政策と
エネルギー政策なのです
それらを無為無策にしてきたのは
犯罪以外の
何物でもありません
一介の料理人の自分が
出来ることは
魚菜食文化である
日本料理を後世に繋ぐため
魚市場という現場に出向き
現状について
漁師の代弁者として
声を出し続けることです
それを
料理人の自分の使命として
厨房に立ち続けます

「今夜は
鯵の開きを
焼いたんだね🤤
そんじゃ、また明日🐡」
by ふぐとらちゃん
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