鰆(さわら)の競り待ちの間に、目鱚(めぎす)こと、似鱚(にぎす)の下処理
魚の仕込みは
厨房でするのが
ごくごく当たり前のことですが
何故か、今日は
魚市場で済ませました
その理由とは・・・
2025年2月13日
Vol.4574

いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
魚菜食文化でもある
和食文化を
支えてくれる漁師の
代弁者として
【佳肴 季凛】の
店主兼熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます

「バタバタのランチタイム
お疲れ様~♬」
と、ふぐとらちゃん
「君達が手伝ってくれれば
良かったのにね~」
と、返すと
「・・・・・」
案の定の無言
「これから魚の仕込みを
しなくちゃならないから
まだまだ
気を抜けないよ」
「え゛~っ
で、何を仕入れて来たの?」

「目鱚(めぎす)だよ」
「メギス?」
「標準和名
要は、正式な呼び方は
似鱚(にぎす)って
言うんだけど
沼津辺りだと
メギスって呼んでいるよ」
「へぇ~
それはそうと
頭と身が別々じゃね?」
「なっているよ」
「あっさり言ってるけど
そんな風に
市場に並んでいるの?」
「いやいや
そんなわけないじゃん
フィレーとかドレスは
よくあるけどね」
「フィレー?
ドレス?」
「あっ、専門用語で
言っちゃって
ごめんごめん
水産業界で
フィレーって言うと
卸し身のことで
ドレスっていうのは
頭と内臓を
取り除いた状態のことを
言うんだよ

この目鱚の場合
ドレスってことになるね」
「こんな風にして
持ち帰って来たのは
どうしてなの?」
「メギスを仕入れた後
競りが始まるまでに
時間があったから
頭とはらわたを
取ったんだよ」
「そんなことする人
いるの?」
「ここにいますけど・・・www」
「親方以外の人で
見たことある?」
「見たことないね」
「ほら~
やっぱりね」
「まぁ、順を追って
話すよ」
「はぁ~い♬
今朝、沼津魚市場に着き
向かったのが
トロール漁の売場で
水揚げした魚の仕分けを
しているところでした

トロール漁とは
底引き網漁のことで
沼津周辺では
9月から5月までが漁期で
沼津港の風物詩の
一つでもあります
青いバケツに入っているのが
目鱚で

好みのものを選び
秤にかけてもらうと

1,6キロでした

その後
隣の売場に行くと

桜海老(さくらえび)で有名な
静岡県由比(ゆい)産の
鰆(さわら)が並んでいました

こちらの売場は
地物や沼津近隣の魚が
主にならぶ売場です
由比は、沼津から離れており
近隣ではありませんが
売場に並ぶ魚の産地は
特別な決まりはありません
こちらの売場の
競りの開始時間は
5時45分ですので
はっきりと覚えてはいませんが
30分以上は
あったはずです
30分もあると
それこそ
ひと仕事が出来ます

包丁は持参していますので
ひらめきました

コンテナを椅子にし
活魚売場の水槽用の蓋を
まな板替わりにして

下処理を始めました
仕事をしながら
生簀を見ると
チビとらこと
ミニサイズのとらふぐが
泳いでいました
こちらのとらふぐは
静岡県熱海市網代(あじろ)産です

担当者に訊くと
GET成功!

その場で締め
海水の中へ

とらふぐに限らず
フグ類の血は無毒です
その後
目鱚の水洗いを
始めました

水洗いを終えたら

氷入りの海水の中に入れ
後片付けをし

競りの前の
ひと仕事が終わる頃には
競りが始まると

無事に2,2キロのものを
GET出来ました

「こういう流れだったんだね
どっちにしても
朝時間の有効活用には
恐れ入ったよ」

「どうもどうも
あざ~っす!」
目鱚は
水洗いをしたのち

三枚に卸したら

酢締めにしました

また、鰆は
刺身用ですので

卸したら

柵(さく)取りをし
冷蔵庫へ

「元々が細長い魚だから
なおさら、柵も
細いよね」
「西京焼にする場合は
4キロ以上の
大きいものじゃないと
切身の形だけじゃなく
脂の乗り具合も悪いけど
刺身にするには
このサイズが
都合がいいんだよ」
「そうなんだぁ~」
普段なら
話の主役級の扱いの
とらふぐですが

今日は脇役で
サイズも小さいので
ふぐちりに使います
ひとり仕事ゆえ
僅かな時間でも
惜しいことが多く
今日のようなことは
それこそレアケースです
もしのもし
叶うならば
コピーロボットを
手に入れたいこと
この上なりません

「おっ、海のジビエじゃん!
んまそう~🤤
そんじゃ、また明日🐡」
by 熱血君
海のジビエとは
海豚(いるか)のことで
静岡県では
古くから食べられています
⭐⭐ コエタス ⭐⭐
当店のお取り寄せや
通販の商品などを
召し上がった方々が
投稿して下さっています

ご興味、ご関心のある方は
御覧ください
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