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特別会席というより、お好みにしてお任せのコース料理

今夜は、常連のお客様から、【特別会席】というか、お好みにして、お任せのコース料理を頂いたのですが、日本料理のコースというより、フレンチやイタリアンに近いコースでした。

 

これまでに何度もお話ししているように、【特別会席】はお客様のご要望を伺ってから、献立を決めるので、「何でもあり」のコースでもあるのですが、かなり苦戦というか、気を揉んだコースでした。

 

そのご要望は、3つあり、生ハムなどの前菜みたいなもの、魚は駄目だけど、海老、蟹、貝類はOK、メインがサーロインを150グラムというものです。

 

感想は後回しにし、今夜の料理を、とりあえずお話しさせて頂きます。

 

先ず最初にお出ししたのが、

生ハムとチーズの盛り合わせで、言うまでもなく、どちらも既製品です。

 

生ハムは、

スペイン産のもので、チーズは、

カマンベールチーズとスモークチーズを盛り付けてあり、全て洋食の素材ゆえ、日本料理店ということで、スモークチーズは、松葉串に刺してから、盛り付けました。

 

普段なら、料理の進み具合が分かるのですが、全くもって普段の流れと違うので、お客様に、次の料理を出す頃合いを伝えてもらい、生ハムとチーズの後が、

蒸し鮑でした。

 

卸した生の本山葵と共に、

肝醤油を付けてから、召し上がるものです。

 

蒸し鮑の次が、

伊勢海老の共和えです。

 

伊勢海老の身と味噌を和えたもので、身は蒸してから、ほぐし、味噌は焼いてから、味を調え、両方を和えました。

 

ちなみに、鮑も、

伊勢海老も、

今朝、沼津魚市場で仕入れたもので、どちらも西伊豆産のものでした。

 

そして、メインが、

山形県産の和牛のサーロインを、ステーキにしてお出ししました。

 

ステーキにするため、

冷蔵庫から出しておき、常温に戻してから、

焼肉用のコンロに脂身を乗せてから焼きます。

 

ミディアムをご希望でしたので、

焼網が程よい加減になったら、肉を乗せます。

 

厚めに包丁してあるので、熱々だと、表面が焦げてしまい、中まで火が通りにくくなってしまうからです。

 

その後、

裏返し、両面が焼けたら、

土佐醤油とたまり醤油を合わせたものにつけ、再び軽く焼いたら、包丁し、

盛り付けました。

 

醤油味ですので、

大根卸しと粗めに卸した本山葵も添えました。

 

食事もデザートもなく、コースはこれで終わりですが、これも、お客様の御希望の上でのことです。

 

いわゆる酒の肴として、お出ししたので、こういう形のコースとなったのですが、今まで経験したことのないコースゆえ、冒頭にもお話ししたように、5品しかお出ししなかったものの、かなり気を揉んだコースでした。

 

その甲斐もあったかどうかはともかく、完食され、最後のご感想を聞いた時は、胸をなで下ろしました。

 

とはいえ、こういう経験こそが、料理人としては、何よりの修行の場で、ただ美味しい料理を作るのではなく、お客様のご用望を取り入れ、なおかつ、お任せという自分の器量で作る料理を献立に組み込むことは、まさに至難です。

 

ちなみに、自分が考えたものは、蒸し鮑と伊勢海老の共和えでした。

 

若かりし頃、「お客様に料理人は育てられる」という言葉を教えられ、時々思い出すことがあるのですが、今日は、全く以てその言葉通りでした。

 

まだまだ未熟ゆえ、大いに精進の余地があり、日々の努力を怠るわけには行かないことを痛感し、明日からも、厨房に立ち続けます。

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