豊洲初日の生の本鮪(ほんまぐろ)は、青森県三厩(みんまや)産
ここ最近、マスコミなどで報じられていたように、昨日は、東京都中央卸売市場が、築地から豊洲に移転した日でした。
新聞には、
このような見出しと共に、
鮪(マグロ)のセリ場の写真が、掲載されていました。
さらに、小見出しには、
【マグロご祝儀相場】とあり、
昨日の最高値で取引された青森県三厩(みんまや)産の生の本鮪のキロ単価(2万円)と1本の値段(428万円)のことが、書かれていました。
ご祝儀相場と書かれていましたが、季節を問わず、時化などの天候不順、大型連休などの暦の関係次第では、このようなセリ値になることは、至極当然のことで、過剰な報道には、辟易とするばかりでなりませんし、ご祝儀相場という言葉以上に、そういうセリも無くなっているのが事実です。
また、過剰な報道と言えば、築地から豊洲の移転の様子が、頻繁に報じられていましたが、現場で仕事をしている人達にとっては、普段の仕事に差し障るゆえ、悩みの種だったはずですし、そのような声については、多くの知人達から、耳にした次第です。
ところで、今朝は沼津魚市場の帰りに、
宅配便の営業所で、
豊洲開場の初日に届いた鮪を受取り、【佳肴 季凛】に戻りました。
中から取り出したのが、
昨日の最高値のものと同じ、
青森県三厩産の生の本鮪ですが、仕入れ値は、いつも通りの定価で、セリ値を訊いたところ、鮪屋の社長は半泣きで、分かっていても、自分にとっては、生の本鮪の値段は、毎度のことながら、嬉しくないものです。
ただ、良い素材は、料理人のモチベーションを高めてくれれる唯一無二のもので、お客様に喜んで頂くのが生業ゆえ、痛し痒しで、生の本鮪の値段だけは、目をつむることにしており、そんな生の本鮪の原価などについては、以前お話ししたことがあるので、そちらをお読み下さい。
ただ、今日の三厩産の生の本鮪の身はかなり良く、
嬉々としながら、包丁を入れ、血合いを外したら、
赤身と、
中とろの塊に分けておきました。
そして、血合いの周りや、皮に残ったすき身の部分は、
色々と使い道があり、場合によっては、ちょっとニッコリするようなことになるかも・・・!?(笑)
豊洲開場にあたっては、色々と物議を醸しただけでなく、色んな問題が生じましたが、公つまり行政が管理、管轄する物事は、ともかく現場の声をないがしろどころか、無視しているとしか、思えません。
それだけでなく、この一ヶ月の間、マスコミは、野次馬の如く、築地や豊洲に押しかけ、そんな報道を見た一般の方も、同じように押しかけているの見ていると、言葉になりませんでした。
愚痴めいて終わるのは、本望ではないので、いずれにせよ、豊洲が築地に代わった以上、新しい歴史を作って欲しい限りでなりません。
そのために、誰もが享受する自然の恩恵である食を、ないがしろにせず、全ての根本として、考えたいものです。
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