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鮑(あわび)の天ぷら

今月の“旬の素材”も更新してあるので、まずはご覧下さい。
「一番美味しい、食べ物は?」と人に聞かれたら、自分は迷わず応えるのが、こちらの料理です。
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タイトルにあるように、“鮑の天ぷら”です。これ以外に、美味しい食べ物を挙げるのは、それこそ僅かですし、自分の中では、“King of 料理”です。
また、鮑というと、ステーキや踊り焼が贅沢な食べ方を思い浮かべる方が、殆どです。ただ、「鮑の美味しい食べ方は?」と聞かれて、「天ぷら。」と応える方は、かなりレベルの高い日本料理店や天ぷら屋で、食事を経験したことがある方だと、疑う余地がないと、自分は思っています。
料理の専門書を読んでいた時に、その存在を知りました。元々、鮑が大好きな自分としては、いつか機会があれば、食したいと思っていました。
そんな自分が“鮑の天ぷら”を初めて食べたのは、24,5歳の頃でした。東京で鮨屋に勤めていた頃、夏のボーナスをもらって、天ぷら屋のカウンターで、初めて食べたのが、最初です。
かねてから、カウンターで天ぷらを食べてみたかった自分は、当時の鮨屋の常連さんに、「どうしても、カウンターで天ぷらを食べたいんですけど、どこか良いお店あります。」と訊くと、その方は、「色々あるけど、御茶ノ水(東京)にある“山の上ホテル”は、間違いないね。是非、薦めるよ。」と教えてくれました。
ちなみに、東京で天ぷら屋をやっている天ぷら職人の多くは、“山の上ホテル”の天ぷら屋卒の人も多いくらい、ちょっとした名門でもあるのです。
ホテルですから、味もさることながら、そのサービスも見事ゆえ、当時の若造の自分は色んな意味で感動したことを今でも覚えていますし、東京に行くと、立ち寄って、食事をすることもあります。
話しが逸れましたが、その時、初めて“鮑の天ぷら”を食べたのですが、それ以来、その虜になってしまいました。
そうは言っても、鮑です。値段も立派ですから、いくらご馳走が大好きな自分でも、やたら仕入れて食べるわけにはいきません。
ただ、“佳肴 季凛”でお出ししている会席料理の一つである“特別会席”には、この時季お出ししています。ちなみに、鮑の旬は夏です。
先日も“特別会席”のご予約を頂いたので、お出ししました。前置きが長くなりましたが、ここから“鮑の天ぷら”の本編です。
これだけ思い入れがあるわけですら、使う鮑も当然、自分が選り抜いたものだけです。
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沼津の魚市場にある鮑とサザエの生簀です。この中に、鮑の籠が入っています。
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取り出された籠を開けると、
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入っています!鮑が。

ただ、選べばいいわけではありません。鮑には、幾つか種類があるのですが、一般には、2種類に分けられます。青い色をした“オガイ(クロアワビ)”と“メガイ(アカアワビ)”に分けられます。
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右が“オガイ”で、左が“メガイ”です。刺身に向くのが、“オガイ”で鮑特有の歯ごたえがあります。一方、“メガイ”は身がやわらかいので、加熱調理に適しています。
そんな中から選り抜いたのが、この“メガイ”です。
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鮑は大きくなければ、価値なしです。ですから、最低でも300グラム位の大きさのものを求めます。
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量りに乗せてみます。355グラムです。ということで、この鮑を仕入れてきました。


店に戻ってきてから、鮑の仕込みを始めました。
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卸し金を使って、殻から身を外し、きれいに洗います。洗いすぎると、鮑特有の香りが飛んでしまうので、注意します。
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身は、六つに包丁します。
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鮑と言えば、身と同じ位珍重されるのが、肝です。
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“鮑の天ぷら”には、この肝も欠かせません。肝は、別に蒸ます。蒸し上がったら、裏漉しします。
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裏漉しした肝に、醤油と日本酒で味を調えます。
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この“肝醤油”をつけて、”鮑の天ぷら”を食べるのです。塩で食べるのは、ありふれていますし、「美味しいよね~。」で終ってしまいます。天つゆでは、・・・。あえて語りません。
肝醤油をつけてこそ、衣で包み込まれた鮑の凝縮した味を、はじめて堪能出来るのです。これ以上の食べ方は、思い浮かべようなどありません。
“King of 天ぷら”を超えて、まさに“King of 料理”の領域です。
機会があれば、是非召し上がってみて下さい。いつもお出しできる料理ではないので、ご予約をお願い致します。
ご予約を頂いた際には、沼津の魚市場で、血眼になって、鮑を選り抜いてきます。それほどまでしたくなるというより、しないと気が済まないのが、“鮑の天ぷら”なのです。
【季節限定 鱧づくしランチ】
お知らせです。
只今、7月・8月の限定コースとして、鱧づくしのランチ『鱧御膳』をご用意して、皆様のお越しをお待ち申し上げております。
この時期美味しい鱧の味を、是非ご賞味下さいませ。
詳細は『鱧御膳』のページをご覧下さい。
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“鮑(あわび)の天ぷら” への4件のフィードバック

  1. 富士のマク より:

    やっと出ましたね。
    アワビの焼き物や刺身等はお値段の高いものとして特別なものと思われています。
    それならばそれに見合った美味しい食べる方を調理人に求めた方が良いでですね。
    その一つが天ぷらでもあるのです。
    あなたの天ぷらも食してみたいです。
    その他アワビはにがいも私は好きです。

  2. 志村 より:

    富士のマク様
    そうです。満を持しての登場です。
    是非、一度“King of 料理”を味わって下さい。

  3. 和丸水産 より:

    初めまして。
    愛媛でアワビを売ってます、和丸水産と言います。

    商売柄、自宅でアワビの天ぷらはよく食べます。
    確かに美味しいですが、一流の料理人さんや食通の方に
    “King of 料理”と言われる程の上位に位置付けられているとは思いもしませんでした。

    アワビの大きさ、料理の仕方(洗いすぎ、と言いましてもやはり素人では本人のやっていることが短いのか、長いのか分かりません)で素材を活かしもすれば殺しもするんだなあと改めて思いました。

    機会あればぜひ貴店の本物を食べてみたいですね。

  4. 志村 より:

    和丸水産様
    これに勝るものは、ありませんよ。

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