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もっとおいしいお話し

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甘鯛の塩焼

日本料理でお出しする焼物には、いろんなものがあります。その中でも、独断と偏見で言わせて頂きますが、“甘鯛(あまだい)の塩焼”が、一番だと思っています。
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事実、焼物にする魚の中では、甘鯛はいろんな意味で別格です。やはり、値段。そして、味です。
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ここ最近、入荷は少なかったのですが、この間の日曜日は、比較的数がありました。地元・沼津産です。しかも、セリの直前に入荷してきたものです。
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中でも、この二本が、大きいものでした。1キロを超える“甘鯛”はあまりありません。今まで自分が見た中では、1,9キロが一番大きいものでした。
やはり、1キロ前後のものが、美味しいサイズです。
もちろん、小さいものあります。
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「② 0,8」とあるように、二本で、0,8キロです。つまり、一本が0,4キロということになります。このサイズですと、開いて、そのまま焼くようになってしまいます。味は“甘鯛”なのですが、やはり旨味に欠けます。
沼津の魚市場に入荷してくる“甘鯛”は、地元のものだけではありません。各地から来ます。
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同じ日にあったのがこちらです。山口県・萩産です。
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萩産の魚には、良質なものが多く、“甘鯛”もそんな一つでもあります。ただ、先程の沼津産のものとは違い、前日、場合によっては、前々日に水揚げされたものなので、鮮度はどうしても落ちます。
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“甘鯛”に限らず、魚はお腹の部分から、傷み始めます。これもそんな感じです。ですから、自分が仕入れる“甘鯛”は、沼津産と決めていますし、それらがなければ、仕入れません。
また、先程の萩産の場合、1ケース単位で仕入れなければなりませんが、沼津産は、一本ごと仕入れることが出来、いいものだけを、選り抜くことが出来ます。値段は自ずと高くなります。
ただ、“甘鯛”を仕入れる時は、値段抜きでいくことを覚悟しています。ですから、“甘鯛”のセリが始まると、気が気でなりません。
けれども、この日は嵐が吹くこともなく、事無きを得たのですが、嵐に巻き込まれたことも、これまでに何度かありました。そんな時は、茫然自失となりますが、我に返って、“甘鯛”を見ると、神棚に奉りたくなるような気にもなるのと同時に、その素晴らしさに、うっとりすることもあります。
“甘鯛”を料理し、お客様の喜ぶ姿を見ている間は、うっとりした心地でいられるのですが、後日請求書を見て、青息吐息となることは、いつもながらお決まりのことです。
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わにごち

沼津魚市場の活魚のセリ場には、こんな札がついていることがあります。
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“ワニ”!?
“アリゲーター”とか、“クロコダイル”ではありません。
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“ワニ”とはこんな魚です。正式には、“わにごち”と呼ばれています。“こち”と名前がつくだけあって、先日お話しした“鯒(こち)”の仲間です。
“こち”に比べ、入荷量は少ないのですが、何となく魚に変化を持たせたい時や、お客様のちょっとしたご要望に応えるために、仕入れてきます。
“こち”と”わにごち”を並べてみました。
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手前が“こち”で、向こうが“わにごち”です。さらに近くで見てみます。
“こち”はこちらです。オヤジギャグみたいですみません。
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一方、“わにごち”はこちらです。
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“わにごち”の方が、長い顔をしています。
皮を引くと、こんな感じの身です。
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上が“こち”で、下が“わにごち”です。やはり、形は良く似ています。“こち”の方は皮目の側線の部分が、黒い模様が入っていて、背の辺りには黒い糸のような筋が入っているのが、お分かり頂けると思います。
どちらも白身ですが、“わにごち”は”こち”に比べて、味は劣りますが、その日に卸したものでしたら、薄作りにしても十分美味しく召し上がることが出来ます。
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似ているからと言って、“わにごち”を“こち”として、お出しすることはございませんから、ご心配なく。また、“わにごち”のようなちょっと変わった魚を召し上がってみたいと思われたら、予めご注文頂ければ、可能な限り仕入れてきますので、どうぞ仰ってみて下さい。
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めかじき

”佳肴 季凛”は、会席料理をメインとする日本料理店ですが、単品ものもいくつか取り揃えています。メニューを開くと、こんな感じになっています。
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“西京焼”とありますが、“西京焼”と言えば、日本料理店ならではの単品ものの一つです。ここにも書いてあるように、“銀鱈” 、”鰆”を使用しているのですが、たまには、こんな魚も使うこともあります。
そんな今日のやり取りです。
「西京焼ってあるんですが、今日は・・・?」と、お客様。
「“銀鱈”か、“めかじき”ですけど・・・。」
「食べたことないし、“めかじき”で・・・。」
「かしこまりました。」とホールスタッフが近づいてきました。
「親方、“めかじき”を一つお願いします。」
「はい。“めかじき”ね。」
ということで、焼き始めました。
でも、“めかじき”って・・・?ということで、焼きあがるまでに、“めかじき”のお話しを。
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大きな塊です。もう少し近くで見てみます。
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この塊ですと、7~8キロくらいあります。この魚の名前ですが、“めかじき”です。“めかじき”は、500キロにもなる超大型の魚です。ですから、こんな風に塊で入荷してきます。ですから、自分はその姿を、まだ見たことがありません。
ところで、ご存知かと思いますが、“めかじき”の仲間には、“まかじき”という魚もいます。両者については、こちらを。
この”めかじき”の産地は、宮城県・気仙沼です。
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“めかじき”は、冷凍ものも出回っていますが、このように生のものは、やはり風味が違います。冷凍ものは、アメリカなどからの輸入物です。
先程お話ししたように、“西京焼”に限らず、“照焼”にしても美味しく召し上がることが出来ます。
そうこうお話ししていたら、“めかじきの西京焼”が出来上がりました。
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こちらのものは単品ものですが、やや小さめに包丁して、時々、ランチメニュー(小会席 季 1,500円)でお出ししたりもしています。
日本料理の焼物には、いろんなものがありますし、自分も変わった焼物を作ったり、見たり、教わったりしてきましたが、その中でも“西京焼”は王道とも言えます。
もっと言えば、“塩焼”、“照焼”、”西京焼”の三つだけが素材を引き立てる焼物だと、ここ最近思うようになりました。
今の日本料理の一つの流れとして、伝統的な仕事を重んじる傾向にあり、素材そのものの味を重視する本来の姿に帰りつつあります。自分もその考えです。
ただ、新しい食材や調理法を上手く採り入れることで、伝統を重んじながらも、今の時代、これからの時代に合う料理を作り続けるよう柔軟でありたいものです。
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鯒(こち)

これから夏にかけて、旬を迎えるのが、“鯒(こち)”です。
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ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、“鯒”は、普通の魚のような形をしていません。もう少し、近くで見てみます。
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頭は、踏みつけられたような形をしています。シャベルのようです。姿全体は、爬虫類のわにのようでもあるので、“わに型”の魚とも言ったりもします。以前お話しした“ほうぼう”も“わに型”の魚の一つです。もっとも、この二つは同じ仲間ではありません。
“鯒”は、姿、形も変わっているだけでなく、骨の構造も変わっています。特に、肋骨の部分に特徴があります。
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三枚に卸したものです。その後、肋骨を取り除きます。
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ちょっと見づらいかもしれません。締めたばかりなので、身がまだ透き通っているからです。
普通の魚でしたら、この後皮を引くだけでいいのですが、“鯒”は違います。お腹の身から、皮目に骨が入っているので、抜かなくてはならないのです。
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この骨も、まっすぐではないので、抜くのが厄介です。自分の性格と同じ位、ひねくれて、曲がっています。
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長さもまちまちだったり、時には折れてしまうこともあります。ここにはありませんが、二股に分かれているものもあります。
二股の文字は、料理一筋にして、“佳肴 季凛”の女将にして、愛妻の真由美一筋の自分には、当てはまりません。
皮を引いた身です。
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上が“鯒”です。参考のために、下に置いたのが、“平目”です。同じ白身でも、これほど違うのです。ですから、味が違うのも頷けるはずです。
素人の人で、皮を引いた白身を見ただけで、魚の種類が分る方がいたら、かなりのツワモノです。もっと言えば、プロでも分らない人もいるとは言っても過言ではないと思います。
“鯒”は、白身の中でも、身の持ちが良いもの一つです。ものによっては、明くる日も薄造りでお出しすることも出来ます。
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ただ、骨を抜いたお腹の部分の身は、どうしても持ちが悪くなってしまいます。ですから、“鯒”は面白いことに、尾の方を重宝します。
冒頭でお話ししたように、“鯒”は夏が旬ですが、特に真夏の暑い時季には、“日照り鯒”とも呼ばれ、夏が旬の数少ない魚の一つです。これからの時季、度々入荷しますので、“佳肴 季凛”にいらしたら、是非味わってみて下さい。
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ニュージーランド産

今日、入荷した鮪です。
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タイトルにあるように、ニュージーランド産です。この鮪の種類は、“ミナミマグロ”で、“インドマグロ”とも呼ばれています。特に我々料理人や専門業者は、“インド”と普段呼んでいます。
“インド”は、殆どが冷凍ものですが、今日のは生のものでした。以前、冷凍“インド”については、お話ししたことがあります。詳しくはこちらを
生と冷凍の違いは、やはりその風味にあります。
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こちらが、中トロです。脂が強く、“ずしり”とした味わいです。この“ずしり”感が、刺身よりも鮨に向いているという人も多く、鮨屋さんが、“インド”を好んで使う理由の一つでもあります。
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一方、こちらが赤身です。“本マグロ”のような、鮮やかな色とはちがい、濃い赤色が特徴です。
“佳肴 季凛”で使う鮪は、生の“本マグロ”ですが、これから夏にかけては脂がさほど強くありません。トロの味を好むのでしたら、今日のように、“インド”の方がよいかもしれません。
“佳肴 季凛”は日本料理店なので、鮨屋さんのように、鮪の食べ比べなど出来ませんが、召し上がる機会がありましたら、その違いを味わってみてください。
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沖縄産の本鮪

ここ最近、沼津の魚市場には、250キロを超える超大型まぐろ(本鮪・沖縄産)が、入荷しています。先週も、何本か入荷がありました。
今朝、入荷していたのが、こちらです。
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先週は、340キロのものも入荷していました。300キロを超える鮪は、なかなかありませんし、ましてや沼津の魚市場のような、地方の市場では、年にあるかないかのことです。
沖縄で獲れているので、入荷があるのですが、沼津に入荷してくる理由の一つが、不景気のため、築地でも捌ききれないのです。実際、セリ場では、こんな話が飛び交っていますし、そんなニュースを、先日目にしました。
これほど、大きい鮪となると、一本丸ごと仕入れる仲買人は、殆どいません。ですから、こんな風に、四つの節(上身の腹と背、下身の腹と背)に分けてあります。
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背の部分はこんな感じで、
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こちらが、腹の部分です。
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鮪というと、一年中食べられるので、旬がないように思われていますが、鮪にも旬があるのです。冬が一番美味しいのです。
特に、この時季は脂が少なく、さっぱりとした味わいです。また、脂が少ないと、色が変わりにくいのも特徴で、良い魚ですと、10日くらいは色が変わりません。ただ、どうしても鮪特有のコクと旨味に欠けるのは否めません。ですから、ここ最近、自分もあえて仕入れていません。
ですが、夏が終る頃には、かの有名な大間の鮪も入荷してきますので、もう少しお待ち下さい。それまでは、鱧をはじめとする夏の魚を是非味わって下さい。
ところで、昨日で当ブログ“もっと美味しいお話し”を、100日連続で更新することが出来ました。自分が書かない時、書けない時は、“佳肴 季凛”の女将にして妻、真由美をピンチヒッターに立てました。
これもひとえに、読者の皆様あってのことです。今日のお話しを画面を印刷の上、御持参するか、「100回!」と仰って頂ければ、お会計の際に、こちらの食事券を差し上げます。
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お渡しするのは、今月いっぱいとさせて頂きますが、ご利用期限はあえて設けませんので、是非ご来店下さい。なお、ご利用は次々回からとさせていただきます。
ここまできたら、どこまで連続更新できるか、やってみます。
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甘海老

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甘海老の刺身です。今朝、市場に行ったら、久しぶりに良い甘海老があったので、仕入れてきました。
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鮮やかな赤色です。
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北海道・羽幌産です。羽幌は、この辺です。
この箱に、5キロ入っていますが、自分が仕入れてくるのは、この中から選り抜いてきます。つまり、良いものと、良くないものがあります。
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こちらが、良いものです。
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一方、こちらが、良くないものです。お分かり頂けるでしょうか?両方を並べてみれば、一目瞭然です。
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上が良いもので、頭の部分が黒くありません。良くないものは、頭の部分が黒くなっています。ちなみに、甘海老に限らず、どの海老にも共通して言えることです。
ただ、身の鮮度は、殆ど変わりません。この違いは、甘海老の個体差からくるものです。
黒い方は、早く死んでしまったものだったり、元々の体力が弱いことも考えられます。
死んでしまったとお話ししましたが、甘海老は生きている時は、独特の甘味はありません。ただ、プリプリとした食感があるだけです。死んでから、あの甘味は生まれてくるのです。
また、流通している甘海老の殆どは、冷凍もので、グリーンランド、ロシアなどの寒い海域で採れたものです。
冷凍ものと、生のもを見分ける方法があります。というか、生であることの証明といったほうが、いいかもしれません。
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剥いた身をキッチンペーパーに置くと、このように、赤い色がつきます。しかも鮮明な色です。これが冷凍ものですと、多少色がつくことはあっても、さほどではありません。
また、生の身は最初の写真にあるように、透明がかっていますが、冷凍ものは白くて、透明感に欠けます。
そんなことよりも、やはり食べれば分かります。生のものは、甘海老特有の甘味があり、その歯ごたえ、風味が断然違います。
甘海老は、仕入れたその日のうちに使わないと、頭が黒くなってしまいます。ですから、“佳肴 季凛”で召し上がる甘海老は、その日に仕入れたものだけです。
もちろん、明くる日でも食べられますが、“佳肴 季凛”では、お客様にお出ししませんし、自分には出来ません。
甘海老を仕入れるのは、今日のように良いものがあるだけではありません。では、いつ?
仕入れたい気分になった時です、これが、最大のポイントです。自分で言うのも、なんですが、このモチベーションこそが、料理を作る上で一番大切だと思っています。
これは、我々プロに限ったことではありません。一般の方でも、気乗りしないものを作っても、美味しく作ることは出来ません。
だから、夕飯のおかずを作るのに、頭を悩ませている主婦の方に会うと、いつも自分は、「自分が食べたいものを作れば、食べる人は美味しいと思うはずです。」と言うことにしています。
もちろん、作る人が楽しんで作れば、その料理はきっと美味しいはずです。だから、自分は料理を作る時は、忙しくて、たいへんな時でも、できるだけ楽しんで作るようにしています。
そうして出来た料理を召し上がったお客さんは、美味しいと言ってくれるに違いありません。だから、料理人はやめられないのです。
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加熱用の岩がき

以前、岩がきについてお話しをしました。
5月も終わりごろになると、岩がきも沢山入荷してきます。
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岩がきは、そのまま生で食べるのが、一般的です。ただ、新鮮だからと言って、食べられるわけではありません。
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公的な機関の証明書がなければ、生食用として販売することが出来ません。大分県・豊後水道産です。
ただ、それだけでなく、水揚げされてから、殺菌のため、約一日ほど、洗浄処理をしなければなりません。大分県産のものではありませんが、殺菌の様子は、こちらをご覧下さい。
先日入荷していたものには、それこそ、そのまんまがありました。
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御前崎産です。証明書がないので、加熱用と書かれています。ただ、鮮度は良いので、殻を開ければ、そのまま食べられるはずです。お腹が痛くなっても、保障はできません。
今でこそ、岩がきは夏の代表的な食材となりましたが、15年くらい前までは、それほど流通していませんでした。
理由は、先程お話したことと同じで、洗浄殺菌する施設がなかったからです。それさえ行えば、御前崎産の岩がきも、生食用として流通させることが出来ます。
加熱して食べるというと、何だかもったいない気がしますが、軽く火を入れることで、旨味が凝縮され、甘味も引き出されます。
“佳肴 季凛”では、そのままお出ししていますが、ご希望によれば、いか様にも、調理いたします。お気軽にお声を掛けて下さい。
 志村

今朝の市場

 今朝の沼津の魚市場の様子です。
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 久しぶりに、沢山の“金目鯛”が入荷していました。これほど入荷があると、相場も高くなることもありません。こういう時は、買い時なのですが、今日はあえて仕入れませんでした。
 というのも、鮪(紀州・勝浦産)が入荷するからです。
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 ただ、個人的に気に入ったのが、こちらの“金目鯛”です。
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 ちなみに、2キロ以上ないと、旨味に欠けます。
 また、ここ最近入荷が多いのが、“あおりいか”です。
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 別の所にも並んでいました。
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 ちょうどこの時季は、夏の魚も出始めます。
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 近くで見てみます。
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 “鯵(あじ)”です。鯵は一年中出回るのですが、夏に旬を迎えます。
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 そんな自分が今朝仕入れたのは、鱧(はも)です。国産の鱧もあったのですが、大きさが不揃いなので、中国産の鱧にしました。鱧の産地については、こちらを
 ところで、ここ最近自分は、「ブログって、いつ書いている?」と、よく聞かれます。殆どが、ランチが終った後、休憩中に書いています。
 ただ、「料理の合間に、ブログを書いているのではなくて、ブログの合間に、料理をしている。」と、冗談を言うと、半ば本気にするお客さんもいらっしゃいます。
 また、「よく話題が続くよね。」と、言われたりもします。そんな時は、「市場には、店で使う魚を仕入れに行っているんじゃなくて、ブログネタを仕入れに行っているんです。」と、応えるのですが、自分自身もそんな気がしてなりません。
 ですから、市場に気に入った魚がないことや、魚の値段が高いことは、何より不愉快なのですが、ブログネタがないと、どうもすっきりしません。
 やっぱり、ブログの合間に仕込みをしているということになるのでしょう。
 志村
 

何故か平目

 平目の旬は、冬です。今とは正反対の時季にあたります。その時季の平目を指して、“寒平目”ということもあります。
 「夏の平目は猫またぎ」と言葉もありますが、冬場に比べて劣るというだけで、夏場でも十分美味しい魚です。
 ですから、“佳肴 季凛”では、この時季でも使います。特に、1キロ以下の平目は“ソゲ”と呼ばれ、ここ最近仕入れているのは、この“ソゲ”です。
 本音を言えば、他の魚を使いたいのですが、平目を使うのには、幾つか訳があるのです。
 平目以外の魚で、これといった入荷がないこともその理由です。あっても、大きさ、質がイマイチだったり、値段的にもあわないからです。
 話しは逸れますが、お客様の中には、値段に関係なく、良いものを仕入れてくるのが、志村スタイルと思われている方もいらっしゃるようですが、いくらなんでも、そこまで出来ません。時には、目も当てられない仕入れをすることもあるのですが・・・。そんなお話しは、こちらを
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 “佳肴 季凛”の水槽です。見づらいかもしれませんが、平目が二枚ほど入っています。今朝もここから、一枚出して、卸しました。
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 これを締めてから、神経を抜きます。こうすることで、死後硬直が遅れるので、身持ちが良くなります。これについては、以前お話ししたことがあります。
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 神経を抜いている様子です。
 平目を仕入れるもう一つの理由ですが、平目はご存知のように、海底にいて、あまり動き回ることがありません。この習性は、水槽に入れても、変わりません。
 ですから、今日のように、市場が休みの日は、前の日に仕入れて、水槽に入れておきます。動き周ることもないので、身がすれたり、最悪の場合、あがる(死んでしまう)こともありません。実際、あがったのは、ここ半年で一回だけです。
 また、この水曜日、木曜日のように、天気が悪く、魚の入荷が少ないことが予想されるような時は、余分に仕入れることもあります。今日卸したのは、木曜日の平目です。
 多少仕入れ値は高くても、安全性が高い魚でもあるのです。
 ちなみに、鯛や鱸(すずき)などは、動き周るので、体がすれてしまったり、市場から帰ってくる間に、プカプカしてしまうこともあります。ですから、これらを使う時は、仕入れてた日に卸すようにしています。
 活かしておくので、今日のように市場が休みの日でも、薄造りでお出しすることも出来ます。
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 昨日、卸したものは、やや厚めに引き、刺身としてお出ししています。一日寝かしたほうが、身には程よく、歯ごたえが残り、平目特有の旨味を味わえます。
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 ところで、この二つの作り身を見比べて見て下さい。
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 向こう側が刺身で、手前が薄造りです。厚さは分かりにくいかと思いますが、薄造りのほうは、このように、伸びるのです。特に、卸したては、身が活きているので、すぐに縮んでしまいます。
 「今が旬です!」とは言えませんが、「間違いなく、美味しい!」と自信を持って言えます。やはり、平目は白身の王道です。
  志村

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