ジャンボ鱧(はも)の骨抜きは、フィジカルよりも、メンタル重視
台風の影響で
魚の入荷が心配でしたが
東伊豆の3つの定置網が
操業したこともあり
そこそこの入荷がありました
2026年6月4日
Vol.4906

いらっしゃいませ
マクロビオティック
(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
魚菜食文化でもある
和食文化を
支えてくれる漁師の
代弁者として
静岡県富士市の
日本料理店【佳肴 季凛】の
店主兼熱血料理人の
志村弘信が認(したた)めます

「おはよう、親方🐡
台風の後だけど
魚はあったの?」
と、熱血君
「おはよう🐡
心配だったけど

川奈、網代(あじろ)
山下丸の定置があったから
良かったよ」
と、返しました
川奈とは伊東市
網代は熱海市
山下丸は稲取町で
自分は、東伊豆定置網御三家と
呼んでいます

丸鯵(マルアジ)は

川奈産で

死後硬直前のものを選び

計量後
えらを抜き

水氷(みずごおり)で
冷やし込みました
水氷とは
氷入りの海水のことです

網代産の鱧(はも)は
1,2キロのジャンボサイズで

神経を抜き
活〆にして

鱧も

水氷で
冷やし込んであります

ヌメリを取り
はらわたを抜き
水洗い終え

卸したら
ラップをしておくと
熱血君が

「ラップなんてして
どうするの?」
「骨抜きをするんだけど
冷蔵庫にしまうと
身が締まっちゃうから
このままにしておくんだよ」
「でも、鮮度が
落ちないの?」
「だから、急いで
やんなきゃならないんだよ
骨抜きは、時間が掛かるから
時間に余裕がない時は
冷蔵庫にしまっちゃうんだけどね」
「しまうと
どうなるの?」
「骨を抜くと
身割れしやすくなるんだよ」
「困るんじゃね?」
「困るけど
こればかりは
仕方がないよ
ただ、ジャンボ鱧は
天ぷらとか
鱧しゃぶにするから
それほど
見た目を重視する必要が
ないんだよ」
「へぇ~
天ぷらと鱧しゃぶかぁ
どんな味なの?」
「フワっとした身と
トロっとした皮の柔らかさが
たまらないね・・・🤤」
「うらやましぃ~」

骨抜きをする時は
ある程度の長さに包丁したら

身と皮をはがしてから

骨を抜いていきます

骨抜きに挑戦し始めてから
半年以上
一年未満ですが
上達としたとは言え
まだまだなのは
否定出来ません

「そんなに難しいの?」
「まぁね
ジャンボ鱧は
年中、水揚げが
あるわけじゃないし
特殊な構造を
頭に叩き込まなきゃ
ならないんだけど
叩き込むのは
構造だけじゃなく
骨抜きをすることが
面倒じゃないってことも
必要なんだよ
言ってみれば
精神面とか心理面でも
思い込まないと
ダメなんだよ」
「え゛~っ
ただ、骨抜きをするだけ
じゃないってこと?」
「まぁ、そういうことだね
骨が折れる仕事だけど
それ以上に
心が折れないようにするのが
必要なんだよ」
「どんなものでも
メンタル大事だけど
そう言われると
骨抜きをしたハモを食べるのに
構えちゃうよ」
「食べる側は
そこまで思わないだろうし
その必要もないけど
ともかく
骨抜きは、それなりの覚悟が
必要なんだよ」
「恐れ入ったよ」

抜いた骨も

頭、骨などのアラは
出汁を取るのに使いますが
アラは、生臭みを取るため
焼くのですが
こうすることで
旨味が凝縮されます
鱧の骨抜きは
単なる技術ではなく
ある意味、禅のような道です
日本料理に限らず
日本文化には
茶道、華道のような道が
数多くあります
そんな道に入り
3分の1世紀以上
経ったものの
その道は険しくもあり
先が見えないものです
歩き続ければ
どこかに辿り着くのでしょうが
そのどこかこそを探しながらも
辿り続けないどころか
ただただ愚直に
歩き続けるのが
料理の道かもしれません

「今度の火曜日と
水曜日のランチは
満席なんだって
そんじゃ、また🐡」
by ふぐゑびすさん
















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