グローバルナビゲーション
  • 昼席
  • 夕席
  • ふぐ料理
  • はも料理
  • 西京漬
  • 鰯の丸煮
  • マクロビオティック
  • ブログ

もっとおいしいお話し

HOME ≫ ブログ ≫ 3分の1世紀の料理人人生において、初めて仕立てた鰤(ぶり)しゃぶ

3分の1世紀の料理人人生において、初めて仕立てた鰤(ぶり)しゃぶ


料理人になって

3分の1世紀以上に

なりますが

作り方を知ってはいても

お客様にお出ししたことが

無い料理は

沢山あります 


その一つが

鰤しゃぶです 




2025年2月1日


Vol.4569





いらっしゃいませ

マクロビオティック(玄米菜食)を

基本に据えた 

“身体に優しい

美味しい日本料理”

を信条とし

魚菜食文化でもある

和食文化を

支えてくれる漁師の

代弁者として

【佳肴 季凛】の 

店主兼熱血料理人の

志村弘信が

今日も認(したた)めます





「親方、昨日

『初めて、ぶり尽くしの

コースを出す』

って言ってたけど

それって、マジ?」


と、ふぐとらちゃんが

訊いてきました


「そうだよ」


「で、この切身は

ぶりしゃぶ用なんだよね」


「コースっていうよりも

この鰤しゃぶを

お客さんに出すのが

初めてなんだよ」



「でも、ぶりしゃぶ自体は

食べたことは

あるんでしょ?」


「そりゃ、あるよ」


話を続ける前に

先ずは

昨日のお話しをお読み下さい



「季凛は

ふぐ料理と西京焼が

推しだから

ぶり尽くしのコースが

初めてなのは

分からなくもないけど・・・」


「まぁね

お客さんからの

リクエストがあったから

用意したんだよ」

「ぶりしゃぶの他には

何を出すの?」


「鰤の刺身

鰤の西京焼

もリクエストされたから

鰤尽くし的なコースだね

あとは、お任せで色々」



「へぇ~

いいじゃん、いいじゃん!

でもさぁ

こういう特殊なコースとか

料理の場合って

親方からも

お願いみたいなことを

伝えるんでしょ?」



「もちろんだよ

①予算を訊くこと

②食べたい料理方法

この2つかな

あとは



③魚の入荷次第では

用意出来ないこと

だね」



「確かに

③は大事だね」


「鰤の場合

天然と養殖があるんだけど

どっちにも

問題みたいな点が

あるんだよ」


「問題?

で、今日のは

天然、養殖のどっちなの?」



「養殖だよ

これも、お客さんの

了解済だよ」


「そんなことまで

訊くの?」



「当たり前だよ

簡単に言えば

天然と養殖は

別の魚だからね」


「え゛~っ

そこまで言っちゃうの!?」




「まぁ、うちの一押しの

ふぐ料理で使う

とらふぐなんだけど

ふぐちりにすると

養殖3本分の出汁と

天然1本分の出汁で

やっと勝負になるくらいかな

たださぁ

旨味レベルでは

比べ物には

ならないんだけどね」



「そこまで違うんだぁ~」



「この時季

天然の鰤は

脂があるんだけど


沼津の市場に入荷するのが

当日でも

水揚げ量によっては

浜(産地) で止めることが

よくあるんだよ」


「ってことは

古いってことじゃん」


「そうだよ」


「そういうのって

市場で並んでいる時に

分かるものなの?」



「一応ね

最初に、自分で確認してから

その後、売場の担当者と

荷受け(魚を出した問屋)に

訊くよ

ただ、一日遅れってことは

前々日とか

その前に水揚げされた鰤だから

どんなに安くても

パスだね」


「でも、最近は

熟成とか

よく聞くけど

それとは違うの?」



「違うよ

魚の熟成って

個人的には

あんまり好きじゃないし

魚の締め方も大事だから

市場に並んでいる

箱詰めの魚じゃ

やる意味がなんだよ」


「そうなんだぁ」


「それに

魚の熟成って

酸化、要は腐敗の

裏返しみたいなもんだから

かなり難しいんだよ」


「それは

ヤバいじゃん」



「そうだよ

まぁ、長くなるから

これ以上は

話さないし

鰤が本題だからね」


「そうだったね

で、養殖を使うのは

どうしてなの?」




「養殖は

入荷する日が

決まっているからだよ」



「毎日、来ないの?」


「沼津に来るのは

日、水、金だよ」

「そうなんだぁ

それはそうと

鰤しゃぶのことを

話してよ」


「そうだね」



鰤しゃぶ用の切身は

背と腹の部分を

使います


背の方は

皮がグレーで

腹の方の皮が

白です 


画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG2081-1.jpg


背を3枚


腹を2枚

盛付けます 


天然であれ、養殖であれ

鰤は変色しやすいことも

養殖を使った

理由の一つです


他の料理も

お出しするので

この分量にしました 



画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG2090.jpg


👆鰤以外の具材が

こちらです


①新玉ねぎ



②白菜





③新わかめ


熱々の出汁に

くぐらせると

鮮やかな緑色に

変わります


新玉ねぎ同様

今が時季の

それこそ

旬の食材です 



④水菜



⑤豆腐



土鍋の出汁を

熱々の状態にして

お出しします



出汁は

鰤のあらを使うのが

望ましいのですが

養殖ですので

旨味に欠けるのは

否定できません


なので、

普段使っている

色んな天然の魚のあらを

こんがり焼いてから

野菜の皮など共に

長時間かけて

煮出したもので


沸き立たせないので

澄んでいるのです

それに

日本酒、塩、薄口醤油

みりん、赤酒で

薄く味を付けてあります





薄味にしたのは

ぽん酢と

薬味(ねぎ、紅葉おろし)を

つけだれにしてあるからです 


特別な料理ですので

土鍋と具材を

お出しした際に

自分が召し上がり方を

説明しました



「親方が

直々(じきじき)に

お客さんの目の前で

料理を作ってあげるなんて

あんまり無いんじゃね?」



「多くはないよね

厨房を離れると

動きが変に

ぎこちなくなるから

困ったよ」


「あはは・・・」


土鍋で仕立てたので

食事は


残った出汁で

雑炊にしました 



鰤しゃぶのように

不慣れな料理は

新しい可能性を

知ることが出来ます


その一つが

新玉葱と新若芽です

もし、鰤しゃぶの

ご注文を頂かなければ

これらを

鍋料理に仕立てることは

無かったはずでしょう




間接的に

お客様が料理を

教えてくれたので

商売とは別の意味で

有難い限りです


そういう機会を

失わないためにも

自ら、魚市場や

専門性の高い八百屋に

出向く姿勢を

失うわけにはいきません




「明日は

ぶり尽くしのコース内容を

話してくれるんだって

そんじゃ、また🐡」



⭐⭐ コエタス ⭐⭐


【西京漬】をはじめ

当店のお取り寄せや 

通販の商品などを

召し上がった方々が 

【コエタス】というサイトで 

投稿して下さっています

ご興味、ご関心のある方は

御覧ください

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このページの上へ戻る