ごちゃ混ぜのワゴンセール的な静岡県沼津産の地魚
今朝、仕入れた魚のうち
葉血引(ハチビキ)以外は
ワゴンセール的な魚でした
その魚って・・・?
2025年5月7日
Vol.4631

いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
魚菜食文化でもある
和食文化を
支えてくれる漁師の
代弁者として
静岡県富士市の
日本料理店【佳肴 季凛】の
店主兼熱血料理人の志村弘信が
今日も認(したた)めます

「おはよう、親方🐡
なに、何
この魚たちは・・・?」
と、ふぐとらちゃんが
訊いてきました
「魚市場で
仕入れて来たんだけど
どうかしたの?」
と、自分
「そんなの分かるよ
そうじゃなくて
数は少ないのに
種類が多いからだよ」
「葉血引(はちびき)は
一つの仕切りで

残りは

2つの仕切りだったんだよ」
「こんな風に
ごちゃ混ぜの山が
あるんだぁ」
「魚も小さいし
種類がある時は
十把一絡げ
(じっぱひとからげ)
にして
ワゴンセール状態で
競りにかけられるんだよ」
「へぇ~
こういう状態だと
使い勝手が悪くね?」
「良くはないよね」
「やっぱね
じゃあ、値段も
高くないとか・・・」
「実は、売れ残りなんだよ」
「え゛~っ
どんな風に
そうなるの?」
「口じゃあ
説明しにくいから
いつもみたいに
市場の様子から
話すよ」
「はぁ~い♬」

今朝、沼津市西浦の
定置網で水揚げされた魚を
仕分けしている様子です

こちらが
水揚げした漁船の
冨久豊丸(ふくほうまる)です
この時点では
惹かれる魚が無かったので
眺める程度でした
むしろ、気にしていたのは
葉血引(ハチビキ)で
無事にGET出来たことに
ひと安心し

持ち帰る準備をしているうちに
売場の競りが
終わっていました

売場には
仲買い人の札が無い
スチロールが2つあり
その2つが
先程のものです

競り人(せりにん)に
訊くと
売れ残っているとのことで
超破格値で
仕入れることに成功し

持ち帰ることにしたのです

「こういうこと
だったんだね」
「そうだよ」
「で、魚の名前は?」
「じゃあ、いくよ
①葉血引(ハチビキ)

②真鯛(マダイ)

③真鯖(マサバ)

④丸鯵(マルアジ)

丸鯵は
青鯵(アオアジ)とも
呼ばれており
沼津では
青鯵と呼ばれています
⑤伊佐木(イサキ)

⑥鯥(ムツ)

はらわたを抜いてきました
⑦南葉丹宝
(ミナミハタンポ)

ハタンポの語源を
調べてみましたが
不明とのこと
⑧真鯵(マアジ)

⑨真鰯(マイワシ)

⑩片口鰯(カタクチイワシ)

⑪肩星鰯(カタボシイワシ)

⑫糸笛吹(イトフエフキ)

⑬鱓(ウツボ)

ってことで
全部で13種類」
「13種類かぁ
ヤバっ!
ねぇ、親方
変なこと、訊いていい?」
「どうぞどうぞ
何でも、ござれ」
「13種類
全部知ってたの?」
「いや、2つは
知らなかったよ
⑦の南葉丹宝
と
⑫のイトフエフキ
は知らなかったよ」
「じゃ、どうやって
調べたの?」
「調べた
っていうか
三重の魚屋に
訊いたんだよ
彼のところからは
たまに、魚を
仕入れているからね

こんな風に
訊いたら

返信がこれ

この後、ハタンポは
【ぼうずコンニャク】
っていう
魚の百科事典的なサイトで
細かいところまで
調べたら
南葉丹宝って
分かったんだよ」
「そうなんだぁ
この魚屋さんでも
分からない魚は
いるの?」
「今までに
色んな魚を訊いたことがあるけど
分からなかったことは
一度も無いよ」
「それって
すギョくね?」
「いやいや
彼は、さかなクン
じゃないし
っていうか
さかなクン言葉に
なっているけど・・・」
「ギョギョギョッ!(笑)」
これらは

いつも通りに
下処理をしておきましたが

折角なので

クオリティチェック用の
刺身にしました

「沼津水揚げの
地魚の刺身の
盛り合わせじゃん
んまそぉ~🤤」
「純粋中の純粋の地魚の
刺盛(さしもり)だね」
「皮を引くと
全然分かんないから
説明してよ」
「順番にいくよ

④丸鯵

⑪肩星鰯

⑤伊佐木

⑫糸笛吹

⑦南葉丹宝

⑧真鯛
ってことで
合計6種類」
「おぉ~
どうして
漢字で書くの?
読みづらいんだけど・・・」
「カタカナだと
もろに魚になって
図鑑を見ているみたいで
美味しさが1ミリも
無いからだよ
自分にとっては
魚は生き物じゃなくて
食材=料理だから
あえて漢字で
書くんだよ」
「言われてみれば
納得だね
でも、僕達は
カタカナっていうか
何でもOKなんでしょ?」
「もちろんだよ」
「で、味は
どうだったの?」
「そういう訊き方は
ペケだね」
「え゛っ?」
「一番のオススメとか
お気に入りとか
っていう訊き方じゃないと・・・」
「そっかぁ
じゃ、どれが
親方好みなの?」
「お~っ
変化球で来たね
丸鯵が断トツ!
脂が乗っているし
これを揚げたら
フワフワな食感になるから
たまんないね」
「クゥ~っ
聞いているだけで
たまらん・・・🤤」
「揚げるのは
明日なんだけど
少し多いから
常連さんの夕飯用に
差し上げるよう
連絡したんだよ」
「全部が全部
羨ましい・・・」
「市場に自分で
行っているからこそ
為せることだし
これこそが
オーナーシェフの
醍醐味よ!」
「親方
素晴らしい
💯💯💯」
「冒頭にも書いてあるけど
漁師の代弁者として
魚菜食文化の
日本料理文化の魅力を
伝えるのが
使命だし
商売以外でも
魚の美味しさを
伝えなきゃならないから
手抜きなんて
出来ないよ」
「またまた
💯💯💯
今日の親方には
参ったよ」
「あざ~っす!」

「で、ウツボの話は?」
「明日だよ
だってさぁ
初めての魚だしね」
「へぇ~
そりゃ、楽しみだね」
ということで
明日は
初チャレンジの
ウツボについて
お話しします
⭐⭐ コエタス ⭐⭐
【西京漬】をはじめ
当店のお取り寄せや
通販の商品などを
召し上がった方々が

投稿して下さっています
ご興味、ご関心のある方は
御覧ください
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