キズ有りのアウトレットの目鯛(メダイ)で作ったフライ
漁港が併設されている
沼津魚市場には
そこそこの魚の
アウトレット品が
水揚げされることも
しばしばです
今朝は
そんな魚を
仕入れることが出来ました
2025年6月12日
Vol.4644

いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
魚菜食文化でもある
和食文化を
支えてくれる漁師の
代弁者として
静岡県富士市の
日本料理店【佳肴 季凛】の
店主兼熱血料理人の志村弘信が
今日も認(したた)めます
今朝、沼津魚市場から
戻って来ると
ふぐとらちゃんが
やって来ました

「おはよう、親方🐡
メダイと小ダイを
仕入れて来たんだね」
「おはよう🐡
小鯛は、春子(カスゴ)とも
言うんだけどね」
と、言うと
「へぇ~
ハルコじゃなくて
カスゴなんだね(笑)
今日のメダイは
ちっさめじゃね?」
「2本で2,0キロだからね
それはともかく
実は、訳ありなんだよ」
「そうなの!?
見た目だけじゃ
よく分かんないけど・・・」
「ほら

こんな傷が
あるんだよ」
「キズって言っても
きれいなまん丸じゃん

誰が傷付けたの?」
「誰って言われても
見たわけじゃないから
何とも言えないんだけど
こういう傷って
マグロ類によくあるんだよ」
「じゃ、それと同じなの?」
「もしかするとね
この手の傷をつけるのは
ダルマザメっていう魚なんだよ」
「へぇ~
でも、お腹の
一番良い所にあるってことは
商品価値ゼロに
近いんじゃね?」
「そうだよ
で、今日なんか
売れ残っていたから
賄い用に
仕入れたんだよ」
「賄い用でも
メダイだから
それなりの値段でしょ?」
「フッフッフ・・・😎」
「こりゃ
ヤバいくらいの値段だな
で、何にするの?」
「まぁまぁ
御覧(ごろう)じろ」

三枚に卸したら

柵取りをしました

傷のある身は
こんな感じで
食べても美味しくないので
残念ながら
ごみ箱行きです

適当な大きさの切身を見ると

「まかないってことは
そんなに難しい料理
じゃないだろうけど
何になるのかなぁ?」
そんなことは
聞こえないフリをして
パン粉をつけ

目鯛のフライが
仕上がりました

「おぉ~、フライ!
サクサクしていて
んまそぉ~🤤」
「脂が強い魚
じゃないけど
深場の魚らしい
いい感じの脂の乗りだから
外はサクサク
中はフワフワなんだよ」
「🤤・・・・」
「油で揚げるから
身の脂は関係ない
って思うかもしれないけど
脂が無いと
フワフワにならないんだよ」
「へぇ~」
「まぁ、こんな遊びが
出来るのも
市場に行っているからこそ
なんだよ
しかも
地物の魚のアウトレットなんて
産地ならでは
特権だからね」
「大量消費地に行く魚は
ちゃんとしたものなんでしょ?」
「そうだよ
だから
早起きして
行く価値は
大いにありだね」
「それこそ
早起きは三文の得じゃん!」
「・・・・」
「この沈黙は
もしかして
仕入れた値段じゃね」
「まぁまぁ・・・」
「そもそもさぁ
親方には
仕事と遊びの
境界線ってあるの?」
無いと言えば、無い
っていうのが
「仕事の中に
遊びがあって
遊びの中に
仕事があるなんて
ある意味羨ましいよ」
商売が絡むと
一筋縄ではいかないけど
商売と楽しみの両立が
出来るよう
日々、もがいているんだよ」
「本心は分かんないけど
何となく感じるけどね」
「まぁ、この険しい道を
乗り越えてこそ
辿り着ける所が
やっと見えて来た感じだから
早起きなんて
チョロいもんよ」
「👏👏👏」
ということで
明日も市場へ行くので
今日は
この辺で
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