マイナー魚の袈裟(ケサ)こと、苛魚(イラ)の薄造り
沼津魚市場は
漁港が併設されているので
色んな地魚が
水揚げされ
その中には
レア魚、未利用魚もいます
2026年2月27日
Vol.4847

いらっしゃいませ
マクロビオティック
(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
魚菜食文化でもある
和食文化を
支えてくれる漁師の
代弁者として
静岡県富士市の
日本料理店【佳肴 季凛】の
店主兼熱血料理人の
志村弘信が認めます

出汁を取るために焼いた
胡椒鯛(コショウダイ)
苛魚(イラ)
縞河豚(シマフグ)の
あらを見ると
熱血君が訊いてきました

「あのオレンジ色で
大きいのが
イラなんだぁ
Facebookの投稿には
ケサって
書いてあったけど・・・」
「あぁ~、これね

ローカルネームが
袈裟(ケサ)で
標準和名が
苛魚(イラ)って
言うんだよ」
「何で、ケサ?」
「魚市場で

活かしで仕入れて

活〆にして来たんだけど

袈裟掛けに
黒い模様が
入っているからだよ」
「袈裟って
お坊さんが着る袈裟?」
「そうそう
衣類を片方の肩から
反対の脇に斜めに掛けて
吊るすことを
袈裟掛けって言うんだよ
要は、斜めに
黒い模様が入っているから
ケサなんだって」
「へぇ~
じゃあ、今朝獲れても
昨日獲れても
ケサなんだぁ~
めっちゃウケる」
「・・・・・」
「おかしくね?」
「考えも付かなかったよ」
「じゃあ、何で
イラ?」
「漢字で
苛ってあるけど
これって
イライラ(苛々)のこと
なんだよ」
「気が短いの?」
「活きたイラを
触ろうとすると
嚙みつこうと
イライラするから
苛々な魚で
苛坂なんだって」
「ケサといい
イラといい
変な名前じゃん
で、生簀から出す時
イライラしていたの?」
「いや、ごく普通に
捕まえられたよ
変な名前って言えば
産地の数だけ
名前がある感じみたいだよ」
「へぇ~
そんだけあるのは
どうしてなの?」
「流通量が少ないから
標準和名を使う必要が
無いからかもね」
「そっかぁ
アジがローカルネームで
流通したら
面倒だよね」
「そうだよ」
「活〆にしたってことは
刺身にしたんでしょ?」
「そうだよ」

噛み合わせが悪くて
歯科検診で
引っ掛かる
としか言えないような
歯並びといい

頭っていうか
顔も大きさに比べて
小さい目といい

ヴィヴィッドな
オレンジ色の体表と
紫の模様といい

さらには
ネイルチップや
コンタクトレンズにも
使えそうな大きな鱗(うろこ)など
全てが
他の魚とは
違います
こんな見た目に反して

きれいな白身で

薄造りにして
ランチの刺身で
お出ししました

「この時、名前を訊いたのに
教えてくれなかったのは
ここまで
引っ張ることを
考えていたってこと?」
「まぁね
すぐ答を出しても
つまらないんじゃん」
「折角、早起きして
沼津まで仕入れに
行っているわけだし
ケサみたいなレア魚なら
ブロガー板前の親方にしてみれば
食材とは別物の意味で
ネタだもんね」
「よく分かってんじゃん」
「肝心の味は?」
「2回目以降
ありだね
締めたてだから
旨味よりも
歯応えを味わうのに近いけど
時間が経って
旨味が出れば
別の美味しさが楽しめるよ」
「いいじゃん、いいじゃん」
イラのような魚は
レア魚、マイナー魚
未利用魚のカテゴリーに
入るかもしれませんが
産地というものは
鮮度という時空を超えた
真価と出会える場所ゆえ
この真価を見つけ出すために
足繁く、自ら
魚市場に通っているのです
こういう魚の真価を
伝えることが
魚菜食文化の
日本料理を生業とする自分の
使命でもあります
さらに、それを支えてくれる
漁師の代弁者として
声を出し続けなくては
ならないのです

「え゛~っ、ヤバっ
この薬は・・・
どうしちゃったの?」
by ふぐとらちゃん
















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