鮮度バリバリの鰖(タカベ)の焼き上がりが違う理由
今朝、沼津魚市場に
1,2トンの鰖(タカベ)が
入荷していました
一般的に流通する魚ではないものの
水産業界、料理業界では
多くの人が知ってる
美味な魚です
2026年9月11日
Vol.4959

いらっしゃいませ
マクロビオティック
(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”を信条とし
魚菜食文化でもある
和食文化を
支えてくれる漁師の
代弁者として
静岡県富士市の
日本料理店【佳肴 季凛】の
店主兼熱血料理人の
志村弘信が認(したた)めます

「おはよう、親方🐡
あんまり見たことない魚だけど
なんて魚なの?」
と、ふぐとらちゃんが
訊いてきました

「おはよう🐡
タカベだよ」
と、自分
「タカベって
苗字みたいだね
漢字だと、高部さん?」
「いやいや鰖なんだけど

珍しい感じだから
高部をあてることも
あるらしいよ」
「マジで、苗字じゃん!
どういう意味なの?」
「昔、中国で
鰖っていう字は
卵から孵化したばかりの稚魚
っていう意味があったんだって
で、タカベは
成魚になっても
20センチちょいの小さい魚で
稚魚を連想させるから
鰖っていう字が
定着したみたいだよ」
「へぇ~
調べたの?」
「そうだよ
訊かれても
困らないようにね」
「さすが、親方!
で、豆知識はともかく
肝心の食材の話をしてよ」
「はいよ〜」
そんな今朝
沼津魚市場に着き

入荷状況のホワイトボードを見ると

南伊豆・妻良(めら)の
タカベが入荷しており
その量、1、2トン!
仕分け最中だったので

自分好みのものを選ぶことにし

大きめのが6本で

普通サイズのが10本で
合計16本で

目方は、1,8キロでした

自分が選び終える頃には

売場には

タカベの山、山、山

大きい水槽には
250キロから
300キロ位入っており

小さいコンテナには
10キロ弱入っているので
250×3+10キロ×50
ということで
予定通り
1200キロ=1,2トン

一般的な魚同様
下処理を終えたら

大きめの3本は
塩焼用に
別にしておき

残りは揚物用に
3枚に卸しておきました

ランチタイムに見えた常連さんに
お出しすると

「身が弾けて
皮の部分が
きれいじゃないんだけど・・・」
「朝獲れじゃないけど
鮮度バリバリで
身が活きているから
こうなっちゃうんだよ」
「へぇ~
常連さんだから
OKなんだよね?」
「まぁね」
「刺身の場合、鮮度の良いと
歯応えあって
それも、美味しさの一つになるけど
加熱すると
さっきみたいに
身が弾けたり、崩れちゃって
見栄えも悪くなるから
要注意だよ」
「卸した魚を寝かすのにも
意味があるんだね」
「時間が経たないと
旨味が出ないからね」
「それが、巷で有名な熟成?」
「そうだね
自分は、魚の熟成には
殆ど興味がないし
まめに市場で行って
その日、その日で
気に入った魚を仕入れる方が
楽しいし
昨日と今日で
同じ漁場なのに
魚が変わるのも
面白いからね」
「そっかぁ
そもそも、親方は
飽きっぽいもんね」
「魚で言えば
回遊魚って感じだね」
「さすが、市場オタクだけあって
魚で、まとめたね」
普通サイズの方は
揚物にするため
血合い骨を抜き

今夜の【特別会席】に
鰖のフライにして
お出ししました
さらに、常連さんには
ランチ同様、塩焼にして
お出ししたのですが

時間が経っているため

皮目もちゃんとしており
お昼の時よりも
綺麗な焼き上がりです

「この半日で
ここまで焼き上がりが違うなんて
魚だけに
それこそ
目から鱗だね」
「上手いこと
言うねぇ」
「うまい繋がりで
肝心のタカベの味って
どうなの?」
「小さい魚だけど
脂が乗る魚だから
フライみたいな揚物にすると
フワフワするし
焼くと
余分な脂と水分が抜けて
旨味が凝縮されるから
かなり美味しい魚だけど
大きくならないのが
残念でならないね
もしのもし
鰖が500グラムくらい
になる魚だったら
百発百中で
これ以上に美味しいから
仕入れ一択あるのみ!」
「そこまで言うんだぁ」
今朝のように
一か所の漁場で
これほどの量の鰖が
水揚げされるのは
よくあることではありません
千載一遇とまでは言わないものの
こういう現場に巡り合えるのも
漁港が併設されている
魚市場ならではのことです
しかも、今日のように
鮮度バリバリの鰖は
都会のような消費地で
食することは
滅多にありません
鮮度という時空を超えた味を
堪能出来るのは
地方にしか出来ないことで
それが為せるのは
魚菜食文化の日本料理を支えてくれる
漁師がいるからで
彼らの代弁者として
声を出し続けのが
自分の使命なのです
















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