天然のとらふぐの返り血
昨日、焼津の魚市場で、天然のとらふぐを仕入れられなかったお話しをしましたが、そんな無念の想いを晴らしてくれたのが、
今朝届けられた三重県産の天然のとらふぐ3本で、水曜日だけあって、スイスイ泳いでいました。そのまま水槽に入れ、ランチの営業が終わってから、
3本全て、卸しました。卸す前には、いつものように、カウンター回りを、
養生します。活きているので、
まな板の上に乗せると、お腹を膨らませることもしばしばです。卸す前には、
頭の付け根のところに、包丁を入れ、締めます。締めたからといって、すぐに動かなくなることはありません。
ふぐを卸す時は、口ばしとひれを落としてから、周りの皮を剥いでいくのですが、背の黒い部分を剥いでから、お腹の白い部分を剥ぎます。
この時、尾びれを包丁で抑え、強く引っ張ると、
こんな風に、皮の部分がはぎ取れます。強く引っ張るだけでなく、卸すときに、暴れるので、
このように、血が飛ぶだけでなく、
皮に付いている粘膜も、飛んだりします。言うなれば、“天然のとらふぐの返り血”です。
ちなみに、この中には、
普段使う包丁が、入っています。このままでは、衛生面で良くないので、
ホールのバイトに、手が空いている時に、きれいにふき取ってもらいます。また、飛び散る場所は、
ここだけでなく、こちらもきれいにふき取ってもらうのですが、まな板から、ここまでは、2メートルくらいあります。それくらい、ふぐを卸す仕事は、大がかりで激しい面と、有毒部位を取り除くという神経質な面を持ち合わせているのです。
ふぐ以外の殆どの魚は、大きいものであれ、小さいものであれ、鱗を引き、頭を落として、水洗いをしてから、卸すので、このようなことはありません。
ちなみに、これ以外の魚で、思い浮かぶのは、穴子と鰻(うなぎ)くらいかもしれません。この2つは、ふぐ同様に、活きたものを締めてから、そのまま卸すことが、多い魚ですが、目打ちで固するので、ふぐのようなことは、ありません。また、同じような長い魚の鱧(はも)は、普通の魚のように、水洗いしてから卸します。そんな鱧の卸し方は、こちらをご覧下さい。
普通の魚を扱う時とは違う仕事が、多いのが、ふぐならではのことで、こんな特異性に魅せられる自分も、特異なのかもしれません。
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