鱧(はも)の目隠しと釣針
昨日、鱧を仕入れてきたことをお話ししましたが、水槽の活きた鱧を卸す時、
そぉ~っと布巾で、
頭を隠します。
いきなりやると、獰猛な性格なので、噛み付かれたりするので、忍び足ならぬ忍び手でやるのですが、他の魚でも、暴れないように、このようにしています。
そして、一気に頭の付根を握るのですが、
位置としては、
胸びれの辺りで、その中にえらがあり、その間に心臓があり、心臓を押さえることで、動きが鈍くなります。
頭の部分だと、掴めないし、胴体の部分だと、掴めないだけでなく、蛇のように巻き付き、鱧の餌食となり、その鋭い歯で、
噛み付かれ、それこそ血を見るような状況に陥ります。
頭の付根に包丁を入れたら、
口の先端を切り落としたら、噛み付かれても、大事に到ることもないので、一気に緊張感から解放されます。
御覧のように、口の中から出ているのは、釣針のついた鉤素(はりす)で、お腹の中に釣針が残っているのが、お分かり頂けると思います。
血抜きのため、尾の部分に包丁を入れたら、
神経を抜くため、細い針金を通します。
一般的には、神経を抜くことで、死後硬直を遅らせるために、こうするのですが、鱧はすぐに卸すため、動かないようにするためと言うのが、正しいかもしれません。
その後、ぬめりを取り、はらわたを抜くのですが、
はらわたを取り出すと、胃の部分に、釣針が刺さっており、釣針は、
このような形をしていました。
水洗いを終えたら、
卸してから、骨切りをし、
包丁してから、冷蔵庫にしまっておきます。
お客様が御来店され、頃合いを見計らいながら、
落としにするため、
塩をひとつまみ入れた熱湯に入れ、白く花が咲いたようになったら、
氷水に落とし、粗熱が取れたら、水気を絞り、
乾かぬように、ラップをかけ、冷蔵庫にはしまわず、常温のままにしておきます。
このようにしておくのは、冷たくしてしまうと、ゼラチン質が固まってしまい、食感を大きく損ねるからです。
刺身をお出しする時になったら、
生の南鮪(ニュージーランド産)、蛸(神奈川・佐島)と共に盛り付け、お出ししました。
通常の『鱧料理』の刺身は四種盛りなのですが、夕べは、ふぐ刺のハーフサイズもお出ししたので、
三種盛りとなり、昨日のふぐは、静岡県舞阪産の天然のとらふぐでした。
予めお申し付け頂ければ、『鱧料理』のコースの中に、ふぐ刺を入れることも可能ですし、鱧の落としの追加も然りです。
ご希望次第で、可能な限り対応させて頂きますので、御予約の際に、お申し付けください。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
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