バスde”昼ふぐ”
今日は、バスde“昼ふぐ”の御予約があり、朝から、その準備に追われていました。
御座敷、テーブル席の併用にして、満席いうこともあり、ルーチンの段取りはせず、
ふぐちり用の出汁を用意しておき、ふぐちり用の出汁は、昆布と干し椎茸の足で取ったものです。
その後、
デザートのココナッツミルクのムース、
お新香と、盛り付けをし、最後にお出しするものから盛り付けるのは、冷蔵庫にしまう都合によるものです。
お新香は、キャベツの浅漬、糠漬(胡瓜、大根、人参)、キムチですが、キムチを添えてあるのは、ふぐ雑炊に入れると、味に変化があるからで、ふぐ雑炊に限らず、雑炊に向いている漬物のひとつかもしれません。
そして、
ふぐ刺やふぐちり用の薬味、
二品ある先付の一品の温牛(おんぎゅう)、
もう一品の南京豆腐(南瓜で作った豆腐)を盛り付けました。
温牛は、真空調理を用い、低温で仕込んだローストビーフのような料理で、柔らかく仕上がり、自分が師事した親方が名付けた料理で、静岡県産の交雑牛のももを仕込んだものです。
ここからは、メインたるふぐ料理の準備で、
ふぐちりを盛り付け、御席のガス台に、
セットしておきました。
普段なら、厨房で仕立ててから、お出しするのですが、一度に御来店されるバスのお客様には、不向きだからです。
ふぐちりの後に、
ふぐ刺を引き、乾かぬよう、一つずつラップをして、冷蔵庫にしまいましたが、今日のふぐは、静岡県舞阪産つまり、遠州灘産のものでした。
また、今日のコースは、ハーフコースでしたので、唐揚の御用意はなく、大方の準備は終わったようなものですが、約30名の御席ですので、抜かりない準備が必要なのは言うまでもありません。
ですので、普段使っている厨房のガス台に、
雑炊に仕立てるため、水洗いした白御飯入れた4つの土鍋を準備し、
離れた厨房にあるガス台に、残りの2つの土鍋を用意しておき、ふぐちりの出汁が無くなった時に備えて、
天然のとらふぐや野菜などで、雑炊用に仕込んでおいた出汁も用意しておきました。
あとは、御来店を待つばかりとなり、さらなる抜かり無い段取りが必要なので、バスガイドさんに、最終見学地である富士宮市の浅間大社を出発する時と、出発してから15分程度経った時に、電話をしてもらい、バスの現在地を確認した時点で、
ふぐちりの土鍋を置いたコンロに、火を点けました。
そして、程なくすると、
バスが到着し、気になるのは、ふぐちりの煮え具合でしたが、作戦が功を奏し、バタバタしながらも、デザートに到るまで問題なく、全ての料理をお出しすることが出来、
無事に、皆でお見送り・・・。
お帰りになった後は、
お片付け~、
お片付け~、さぁさ皆で、
お片付け・・・♬
ただ、雑炊用の土鍋だけは、
シンクにつけておきました。
以前にも、バスde“昼ふぐ”の経験がありますが、今日のように、約30名様の御席は初めてのことで、料理を作るというよりも、召し上がって頂くことの方が難しく、料理たるもの、永遠なる勉強にして、生涯修行を感じた次第です。
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