割帳
昨日お話ししましたが、我々料理人は、レシピを多用しません。レシピと記しましたが、日本料理では、”割”と言います。とは言っても、その店ごとの味があり、”割”どおりに作るものも、あります。
当然、分量は決まっています。もちろん、”佳肴 季凛”にもあります。全て、自分オリジナルです。
頻繁に作るものでしたら、覚えているのですが、中にはそうでないのも沢山あります。ですから、忘れないために、なんらかの形で書き留めなくてはなりません。自分はノートに記しています。このノートのことを、”割帳”と日本料理の世界では、呼んでいます。
このノートが、”佳肴 季凛”の味付けのエッセンスです。
この”割帳”だけでなく、自分は今でも修業時代の”割帳”を持っていて、時々開いて、使うこともあります。
こういう積み重ねがあってこそ、今の自分、そしてこれからの時分です。
中はこんな感じです。
と記すと、「秘密じゃなの?」と、思われるかもしれませんが、自分は全く気にしません。
というのも、仮に真似されても、未来永劫それは、”佳肴 季凛”の味であって、他所の味ではないからです。
ですから、自分は店でも、お客さんに作り方を聞かれれば、どんな材料を使っているのか、躊躇うことなく、答えます。
また、”佳肴 季凛”の割帳だけでなく、修業時代の”割帳”も今でも、大切に持っていて、時々開くこともあります。
かれこれ、10年以上も前の”割帳”です。
”割”通りに、料理が作れるのなら、料理人の存在意義はありませんし、それぞれの店のオリジナルも必要ありません。
そして、その場その場の状況に応じて、料理を作ってこそ、料理人の真価が問われるのだと思います。
そのためにこそ、自分は進むだけです。
志村
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