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初鰹入荷

 昨日、鮪の”ヌキ”と”モチ”についてお話ししましたが、今朝たまたまま”ヌキ”の鮪が入荷していました。先ずは、その写真を。
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 ご覧のように、エラとハラワタが抜かれています。ご参考までに。
 ところで、今朝沼津の魚市場に着くと、こんな光景が目に入ってきました。
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 足元の魚から、見当はついたのですが、近くまで行ってみました。
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 中には”鰹(かつお)”が入っていました。ここ最近、たまに入荷があります。
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 量りにかけられて、次々に並べられていきます。
 見た感じは良さそうなのですが、触ってみなければ、その良し悪しは分かりません。
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 エラを開けてみると、鮮やかな赤い色をしています。次にするのは、尻尾の部分を触れてみます。
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 鮮度が良い”鰹”は、この辺りをふれると、ザラザラします。どちらも、合格です。ということで、仕入れることにしました。もちろん、先月入荷していた”鰹”よりも、良いものでした。
 店に戻って来て、早速卸しました。”鰹”は卸してみないと、身の赤い色の出方が分からない魚なので、仕入れる時は、いつもドキドキします。
 先ずは、鱗のついている堅い皮を剥ぎ取ります。
 s-画像 119.jpg
 堅い皮がついているから、”鰹”というわけではありませんが、加熱したり、また鰹節のように干したりして、堅くなるので、魚へんに堅いと書いて、鰹というのが、名前の由来とも言われています。
 また、”鰹”に限らず、どんな魚も卸してみなければ、実際の身の状態は分かりません。特に、”鰹”は打ち身で、血が回っていることもあります。
 今朝の”鰹”も少しでしたが、打ち身が入っていました。
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 こういう部分は、血生臭いので、包丁でこそげ取ります。
 その後は、切り付けて、盛り付けます。
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 背の部分は、皮を引き、また腹の部分は、美しい銀色を生かすため、皮付きししました。
 こうすることで、違った食感を味わえ、より”鰹”の美味しさを堪能できます。ただ、この時季の”鰹”は、脂は乗っていません。でも、本当の”鰹”の味は、この時季でしか味わえません。
 独特の風味が、”鰹”の美味しさですし、脂の乗った秋の”戻り鰹”は、それで美味しいのですが、脂が乗っている=美味しい、という考え方は、食材本来の美味しさとは、違うはずです。
 鮪のトロはトロで美味しいのは、当然ですが、赤身が美味しいからトロが美味しいのです。ですから、昨今の”トロ志向”というより、”トロ信仰”は、食材本来の美味しさから、離れているような気がしてなりません。
 熱くなりかかったついでにもう一つ。
 ”佳肴 季凛”の地元・富士市や富士宮市の多くの人たちには、”鰹”は人気がありません。何故だと思いますか?
 同じ静岡県でも、中部より西の地域では好んで食べられますし、浜松では”モチ鰹”と呼ばれ、たいへん人気があります。
 魚の流通が、今ほど良くなかった時代、沼津でも沢山の鰹が揚がっていました。その時、それほど良くない”鰹”を魚屋さんが、値段が安いことをいいことに、仕入れて、店で売っていました。
 それを食べたお客さんは、美味しいと感じないのは、当然です。ですから、”鰹”=生臭い=まずい、という図式が生まれてしまったのです。
 そのことについて、とやかく言うつもりはありません。自分は、魚に限らず、食材の持つ本当の美味しさを伝えるのが、料理人のあるべき姿であると、思っているので、それを実践しているだけです。
 そうしなければ、自分たちの業界、つまり日本料理そのものが廃れてしまいますし、さらには日本文化までもが失われてしまうのは、自明のことです。
 そうならないためにも、自分は食の大切さを伝え、日本料理の良さを伝え続けるために、”佳肴 季凛”をやり続けるのです。
 ”鰹”のお話しが逸れてしまいまい、肝心の”鰹”を忘れかけてました。
 これからの時季、”鰹”を時々仕入れます。今が旬というより、走りの”鰹”=”初鰹”を是非味わってください。
  志村
 
 

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