沼津魚市場で、鹿児島県のマグロ漁の漁師と話してみた
沼津魚市場に来る漁師は
地元や伊豆各地の
漁師だけではありません
今日、来ていたのは
鹿児島の漁師で
折角の機会なので
話をしてみました
2025年4月30日
Vol.4625

いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
魚菜食文化でもある
和食文化を
支えてくれる漁師の
代弁者として
静岡県富士市の
日本料理店【佳肴 季凛】の
店主兼熱血料理人の志村弘信が
今日も認(したた)めます
今朝、沼津魚市場から
戻って来ると
ミニふぐちゃんが
声をやって来ました

「おはよう、親方🐡
アジを仕入れて来たんだね」
「おはよう🐡

そうだよ
地元の漁師が
水揚げした朝獲れの鯵だよ」
「それなら
鮮度バリバリじゃん!」
「そうだよ

こんな感じに
仕分けをしていたんだよ」
「おぉ~
THE 魚市場
そのものじゃん!」
「自分にしてみれば
ごくごく普通の
様子なんだけどね」
「確かに、そうだよね~
親方の場合
ただ仕入れるんじゃなくて
ちゃんと選んだんだよね?」
「そりゃ、そうだよ

今朝のは
比較的大きかったから

好みのサイズのを
選んだんだよ」
「でもさぁ
サイズだけで
選んだんじゃないでしょ?」
「死後硬直前のだけだよ
だから、クニャ~
ってしているでしょ

秤にかけてもらったら
すぐに
えらを抜いて

氷入りの海水で
冷やし込んだんだよ」
「今日だけじゃないけど
こうやって
漁師直の魚を
仕入れることが
出来るって
楽しいでしょ?」
「そりゃ、楽しいさぁ
色んな話も出来るし
時には
魚を貰えるからね」
「良い魚を
仕入れられるだけじゃなくて
もらえるなんて
良いことだらけじゃん!」
「それこそ
早起きは三文の得だね
さっき、漁師の話って
言ったけど
今朝は
鹿児島のマグロ漁の漁師と
話をしたんだよ」
「かっ、かっ
鹿児島・・・!
鹿児島って
九州の鹿児島だよね?」
「そうだよ
沼津には
和歌山、三重
宮崎の漁師が来るよ」
「へぇ~
いろんな所から
来るんだね」
「そうだね
3月から
8月くらいまでは
さっき言った漁師が
マグロ類を
持って来るよ」
「へぇ~
でも、どうやって
話したの?」
「どうもこうも
日本語だけど(笑)」
「すぐ、親方は
そういう言い方を
するんだよね」
「そう!?
時々、沼津に来る漁師だから

売場の担当に
『この船は
どこから来るの?』
って訊いたら
鹿児島って
教えてくれたから
声を掛けたんだよ」
「勇気っていうか
度胸あるなぁ」
「勇気も度胸も
ただ、普通に
話し掛けるだけの事だし
興味があれば
だれかれ関係なく
一度は声を掛けてみるんだよ」
「あんだけ
好き嫌いが激しいのに?」
「だから
一度だけはね
でも、合わないと
思ったら
それ以上
付き合うことはしないよ」
「やっぱ、そうなんだね
でも、漁師の代弁者って
言っているくらいだから
声を掛けるなんて
大したことでも
ないのかなぁ」
「そうだね」
「で、どんな風だったの?」
「水揚げを終えて

ひと段落していた時に
声を掛けたんだよ」
ここからは
漁師の親方との
やり取りで

漁船の名前は
先程のホワイトボードにも
あったように
政漁丸(せいりょうまる)です
「親父さん
○○さん(売場の担当者)に
訊いたら
鹿児島から来るんだって?」
「そうだよ
お兄さんは、何屋さん?
魚屋でもないし
仲買い人って
感じでもないし・・・」
名刺を差し出すと
「ふぐに乗っているじゃん!(笑)
熱血料理人?
料理屋さんかぁ~」
「そうだよ」
ちなみに、こちらが
自分の名刺です

「さっき見ていたら
アジを少ししか
選っていなかったから
気になっていたんだよ」

親方が言うように
そばで見られていました
「自分は
気に入った魚を
気に入った分しか
仕入れないんですよ
終われば
また仕入れに来れば
いいだけのことだし
熟成なんて
よく言われたりするけど
鮮度に勝るものは無いから
少しの量でも
仕入れに来るんですよ」
「そうだよ
やっぱ、新しい魚に
かなうものはないからね」
「ですよね~
で、親方は
沼津以外でも
この辺で
水揚げするんですか?」
「いや、漁場(ぎょば)が
島の辺りの時は
沼津オンリーだよ」
島というのは
伊豆諸島のことです
「漁場が近いから?」
「それもあるんだけど
○○がいるからだよ」
○○とは
先程書いたように
沼津魚市場の
売場の担当者のことです
「何だかんだ言っても
人が全てだからね
あの人が
売場に戻って来てから
他の漁師も
大勢来るようになったし
そのおかげで
自分達は
選べる魚が増えたから
助かりますよ」
「魚がなきゃ
始まんねぇしな」
「そうですよ
こればかりは
自分達が
ああだこうだ言っても
どうにもならないですからね
ともかく
気を付けて
漁に出て下さいよ」
「おぉ、はいよ
有難うね」
ちなみに、親方は
70過ぎとのこと
まだまだ
現役で漁に
出てもらいたいものです
そうこうすると
売場では

政漁丸が水揚げした
本鮪(ホンマグロ)と

黄目近(キメジ)が
競りを待つばかりと
なっていたのでした
今日のように
機会があれば
漁師と話して
魚の美味しさ
つまるところ
魚菜食文化の
日本料理の魅力を
伝え続けます

「5日は
月曜日だけど
普通に営業するんだって
そんじゃ、また🐡」
by ふぐとらちゃん
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