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日本料理店の酢味噌

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 この時季の定番料理の一つである”蛍烏賊と分葱(わけぎ)の酢味噌和え”です。
 ”蛍烏賊”と”分葱”が中心素材ですが、それ以上に味の決め手となるのが、”酢味噌”です。
 ”酢味噌”というと、味噌、酢、砂糖を混ぜれば出来ると思われていますが、(もっとも、一般家庭ではこれで十分です。)”佳肴 季凛”のような日本料理店でいうところの”酢味噌”は、全く違う代物です。
 味噌が違います。とは言っても、値段が高い銘柄の味噌ではありません。
 日本料理では、”玉味噌”というものを作って、それを”土佐酢(とさず)”で伸ばしたものが”酢味噌”なのです。
 ちなみに、”土佐酢”とは、鰹出汁に酢、砂糖、醤油などの調味料を入れて、作ったもので、簡単に言えば、”酢の物”用の酢のことです。
 ”玉味噌”は、味噌、卵の黄身、砂糖に調味料を入れて、火にかけて、練り上げたものです。自分は、隠し味にメープルシロップを入れます。何はともあれ、作り方をお話しします。
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 田舎味噌、白味噌、卵の黄身、練り胡麻(胡麻のペースト)を、合わせます。
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 よく混ざったら、日本酒、砂糖、みりん、を入れます。
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 均一に混ざったら、火にかけ、練り上げます。
 鍋の中に入っているものは、焦げやすいものばかりなので、火加減に注意します。また、卵の黄身が入っていますから、完全に火を通さなければなりません。
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 鍋肌についた味噌が焦げつかないよう、注意が必要です。弱火で練るのですが、今回の分量(仕上がりで1,5キロ位)で、約20分かかります。
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 練りあがったら、今度は裏ごしにかけます。滑らかにするためです。これも、15分くらいかかります。
 ”玉味噌”は、”酢味噌”に使うだけでなく、木の芽を叩いて入れれば、”木の芽味噌”になりますし、出汁、日本酒で伸ばして、”田楽(でんがく)味噌”を作って、豆腐の上にのせて焼いたりもします。
 卵の黄身が入っているので、コクと風味が豊かで、その用途は上に挙げた以外にも、基本の合わせ調味料として、重宝します。
 ちなみに、赤出し味噌で作ったものは、その色から”鉄火味噌”と呼ばれています。
 ですから、”佳肴 季凛”でお出しする”葱ぬた”を召し上がったお客様は「田舎の”葱ぬた”と違う。さすが、日本料理店だね。」とほめてくださいます。
 ”本鮪”や”ふぐ”などは、日本料理店の金看板というべき素材です。これらを使うことは料理人として、醍醐味を感じます。しかしながら、これらだけでは、献立を立てることは出来ません。
 そのためには、”葱ぬた”のような料理が不可欠です。こういう単純な一品を逸品に仕立てるのが、料理人としての腕を振るい甲斐があります。
 丁寧な仕事が施された”葱ぬた”のような料理を食べると、自分はその後に出される料理に、期待をします。いつまでもそういう心持ちで仕事をしたいものです。
  志村
 
 

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