グローバルナビゲーション
  • 昼席
  • 夕席
  • ふぐ料理
  • はも料理
  • 西京漬
  • 鰯の丸煮
  • マクロビオティック
  • ブログ

もっとおいしいお話し

HOME ≫ ブログ ≫ 熱海市網代(あじろ)産の真河豚(マフグ)

熱海市網代(あじろ)産の真河豚(マフグ)

Vol.3970 

いらっしゃいませ


マクロビオティック(玄米菜食)

基本に据えた

“身体に優しい美味しい日本料理”

を信条とし

天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を

こよなく愛す

【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の

志村弘信に

今日(3月23日)も

お付き合い下さい。


ふぐはふぐでも

真ふぐが、今日のお話しです。


沼津魚市場に行き

仕入れるべき魚があろうと

無かろううと

必ず立ち寄るのが

活魚売場です。

御覧のように

生簀があります。

今朝は

静岡県熱海市網代(あじろ)の定置網で

水揚げされた魚が

合計で

3列

入荷していました。

ウマとありますが

ウマヅラハギの形態写真

馬面剝(うまづらはぎ)のことです。

また、ハギとは

カワハギの形態写真

皮剥(かわはぎ)のことです。

うまづらはぎは

フグ目カワハギ科ウマヅラハギ属で

かわはぎは

フグ目カワハギ科カワハギ属ですので

それこそ従弟と言うか、親戚。

また、馬面剥と皮剥を

混同されている方も

多いようですが

全くの別ものです。

特に、ウマヅラハギをカワハギとして

売られていることもあるので

くれぐれも、ご注意下さい。

👆特に、スーパーの鮮魚売場

ちなみに、馬面剥と皮剥の写真は

【終了】柳家さん喬一門会 | 公益財団法人 三鷹市スポーツと文化財団

【ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑】

(通称 ぼうずコンニャク)から

拝借したもので

ぼうずコンニャクは

魚を扱う人にとっては

バイブルとも言うべきサイトです。

さらに、個人的に知っているので

色々と教えてもらっています。

ちょっとばかり

脱線が長引いてしまいましたが

ここから本題です。

生簀には

トラフグ②(1,4キロ)と

アカメ①(1,0)という札が

貼られていました。

○の数字は、本数を示しています。

なお、アカメとは

赤目ふぐのことで

アカメフグの形態写真

文字通り、赤い目をしたふぐです。

(これも👆ぼうずコンニャク)

が、泳いでいたのは、どうも見ても

トラフグ②でもなければ

アカメ①でもありません。

担当者に変更するよう伝えただけでなく

仲買人と作戦を立て

売場を後にしました。


その後、向かったのが

開店前の食遊市場で

野菜を仕入れ

魚市場に戻ると

セリの最中でした。

生簀を見ると

マフグ②とショウサイフグ①と

替えられた札の上に

自分の窓口の問屋の札が貼られており

無事にGET。

生簀から取り出し

締めてから

血抜きをし

持ち帰ることにしました。

『佳肴 季凛』に戻ると

ミニふぐ達がやって来て

「おはよう、親方🐡」と

声を掛けてきました。

「おはよう🐡」

「この子達、久しぶりに見るよ。

僕たちの親戚だもん。」

「そうだね。」

「3人とも

真ふぐちゃんでしょ?」

「え゛っ!?」

「そのはずだよ。」

「斑点があるのは

しょうさいふぐじゃないの?」

「調べてみてよ、親方。」

そう言われたので

斑点のふぐの尻びれが

黄色いことに気づきました。

そして、取り出したのが

『ふぐ調理師教本』なる本です。

「親方、この本は?」

「この本は

ふぐ免許を取る時の教科書だよ。」

「へぇ~。東京都って

書いてあるけど・・・。」

「自分のふぐ免許は

静岡県で取ったんだけど

卸し方を覚えるのに

築地の市場にある

除毒所(じょどくじょ)って所に

通っていたことがあるんだよ。」

「へぇ~。いつ頃?」

「2002年の夏前だよ。

朝の4時に起きで

車で築地に行ったんだよ。」

「20年も前なんだね。」

「その時に教本を買ったんだよ。」

「ふぅ~ん、築地って

豊洲に移転する前

市場があったところでしょ?」

「そうそう。

料理の道に転がったのが、東京の鮨屋で

その時から築地に通っていたから

懐かしいよ。」

「人に歴史ありだね。」

「そうだね。」

「で、肝心のふぐの種類は?」

「あっ

君達の言う通り

尻びれが黄色から

真ふぐだね。」

「ほらぁ~。」

「しょうさいふぐは

尻びれが白いからね。

そこは知っていたけ

生簀の中だったから

尻びれまで 

届かなかったよ。」

「親方も間違えるんだね。」

「そりゃ、たまには・・・。

あと、真ふぐって

太平洋側には少なくて

日本海側に多いふぐなんだよ。」

「え~っ、それは初耳学!」

「今朝のFacebookの投稿を

見てごらん。

こんなやり取りをしたんだよ。

ほら。」

「この人は?」

「下関にある水産大学校の先生で

フグ類の中でも

交雑フグっていって

合いの子フグの研究をしているんだよ。」

「そんなマニアックな研究って・・・。」

「あと、Facebook友達には

ふぐ毒の研究者もいるよ。」

「何それ~!」

「最初に知った時は

驚いたよ。」

「世の中には

色んな専門家がいるんだね。

そういう人達と繋がる親方って?」

「ただの変態、奇特な料理人。」

「あはは、確かに!」

真ふぐのようなふぐは

ぐる剥きという方法で

卸すのですが

今日のは、まずまずのサイズなので

とらふぐと同じように

卸しました。

卸し終えた後

水洗いをしてくれるのは

いつものように

女将兼愛妻(!?)の真由美さんでした。

その後

自分が手直しをし

拭き上げた真ふぐを見ると

ミニふぐ達が

「真ふぐちゃんは

皮が毒だから

皮のある部分が無いね。」

「そうだね。

最後に尾びれを包丁するから

心配しないで。」

「もちろんだよ。」

真ふぐの白子は

無毒ですので

食用可能ですが

真子と呼ばれる卵巣は

猛毒なので

食べることは出来ません。

というより、食べると

痺れます。

また、真ふぐの卵巣は

フグ類の中でも

もっとも毒が強いものです。

拭き上げた真ふぐは

真空パックし、冷凍庫へ。

真ふぐは

会席料理の刺身や揚物用で

ふぐ料理のコース用ではありません。

天然のとらふぐには

叶わないのは事実ですが

真ふぐも

十分に美味しいふぐなので

“ふぐに魅せられし料理人”としては

この美味しさを

伝えないわけにはいきません。

真ふぐのようなふぐを

仕入れることが出来るのも

自ら、魚市場に行っているが

ゆえのことです。

ということで

明日も行ってくるので

この辺で・・・。


「市場に行くのに

包丁を用意しているけど・・・。

そんじゃ、また🐡」 By 熱血君

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このページの上へ戻る