バージョンアップした鱧料理のコース
昨日のお話し『休市出勤日の鱧(はも)は、和歌山産』の続編です。
おひとりのお客様ということで、
カウンターに御席をご用意したのですが、お客様のご要望で、鱧料理のコースをバージョンアップし、金額、内容は、自分にお任せという献立にしてみました。
また、おひとりということで、個人的に買い集め、一つしかない器を使ったので、自分としては、普段とは違った気分で、仕事が出来、カウンター仕事の醍醐味を、改めて感じた次第です。
ここからは、昨日のコースのお話しです。先付は、
とうもろこしで作ったもろこし豆腐でした。
先付の次が、
揚物の鱧の天ぷらで、手前の塩をつけて、召し上がって頂きました。
ところで、昨日のコースの鱧は、落としが和歌山産で、それ以外の料理でお出ししたのは、大分産のものでした。
揚物の次が、再び先付として、
茄子のオランダ煮をお出ししましたが、名前の由来、仕込み方などについては、こちらをお読みください。
そして、鱧しゃぶを、
小鍋仕立てでお出しし、鱧が煮えるまでの頃合いを見計らい、
焼物の第一弾として、焼白子をお出し、三重県産の天然のとらふぐの白子です。
そして、刺身ですが、普段の鱧料理のコースの場合、
このような四種盛りをお出ししており、この時は、生の本鮪(ボストン)、鱧(山口)、蛸(愛知)、湯葉でした。
そして、昨日は、バージョンアップということで、
生の本鮪の中とろと赤身を入れ、氷を敷き、五種盛りとしました。
ちなみに、生の本鮪は、
青森県大間産のもので、
中とろ、
赤身は、このようなものでした。
誤解をされたくないのは、ボストンではなく大間になったからといって、バージョンアップしたわけではなく、どちらも仕入れ値は全く同じで、生の本鮪そのものは、産地ではなく、その身の質で評価なされるのであって、あくまでも、産地は目安以外の何ものでもありません。
さらに言えば、ボストンの方が、ずっと脂の乗りは強く、両方を並べ、産地を選ぶようなクイズを出した場合、あえて言いませんが、結果は、火を見るよりも明らかです。
お話しが逸れかかってしまったので、軌道修正しますが、刺身の次が、
焼物の銀鰈(ぎんがれい)の西京焼で、召し上がったお客様の声は、想像以上のもので、2,3ヶ月前から、北海道から直接仕入れ始めたのですが、コース料理に定番になりつつあります。
コースも終盤に近づき、焼物の次は、
蒸物の鱧しんじょう蒸しで、そのふんわりした食感は、何とも言えません。
そして、酢の物の帆立の辛子酢掛けをお出しし、
締めの食事は、
照焼にした鱧を乗せた鱧茶漬でした。
そして、デザートに、
夕張メロンのアイスをお出しし、バージョンアップした鱧料理のコースが、終わりました。
結果として、お客様から頂いたお値段は、『特別会席』と同じようなものでしたが、冒頭にもお話ししたように、予めご要望を仰って頂ければ、可能な限り対応させて頂きます。
また、それにより、献立を立てる上での盲点を気付かせて頂くこともあり、料理人としては、有り難いかぎりで、『特別会席』に限ったことではありません。
ですので、色んな形でのバージョンアップも可能ですので、詳細については、直接お問い合せください。
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