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桂剥き

 以前、刺身の妻についてお話ししました。
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 こちらが、刺身の”妻”です。中に入っているのは、大根、人参、胡瓜、茗荷、アーリーレッド(紫玉葱)です。
 その時のお話しにあるように、”佳肴 季凛”では、全部自分が桂剥きして、包丁しているものです。
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 胡瓜を桂剥きしているところです。剥き終えたら、こんな風に、巻き取ります。
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 こちらの写真は、大根です。巻いたら、すぐに包丁することもありますが、次の日に包丁をすることもあるので、このようにしてしまっておきます。
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 妻の仕込みは、2,3日おきぐらいなのですが、どんなに沢山の予約が入っても、自分は自ら桂剥きをします。
 理由は、ちゃんと桂剥きした妻は美味しいからです。
 こんなお話しをすると、一般の方だけに限らず、同業者である和食の料理人にも、「たいへんでしょう?」と言います。
 さらに「(妻剥き専用の)道具でやればいいのに。」とも、言われます。
 事実、たいへんです。が、美味しいものを、手間隙かけて作るのが、料理人ですから、予約がどれだけ沢山入っても、自分はやりますし、やらないと気が済まないし、お客さんにお出しして、お金をもらうことなど出来ません。
 「そこまでするの?」とも言われます。
 そんな時自分が思うのは、「自分がお客さんだったら、どっちが食べたいのか?」ということです。
 当然、美味しい方を食べたいに決まっています。だから、そこまでやるのです。それが嫌だったら、料理人をやる必要はないと思っています。料理人は、お客さんがいてこそ、料理人でいられるのです。
 ところで、今でこそ、桂剥きも人並みに出来ますが、鮨屋から和食に転がり込んだ頃、全く出来ず、悔しい思いをしたものです。
 その頃は修業中で、東京に一人で住んでいたのですが、仕事帰りに、自分の住んでいる駅でなく、手前の駅で降りて、スーパーで大根を買って帰り、一人練習したものでした。
 練習したからといって、一朝一夕に桂剥きができるわけではありません。そんなことを、半年位続けた頃から、なんとか人に見せられる程度になったのです。
 今となっては、懐かしい思い出ですが、桂剥きをしていると、何故か思い出してしまいます。
 そんな若かりし頃と同じことが、自分の中では、桂剥きに限らず、今でも続いています。だからこそ、料理人は一生修業と言われるのかもしれません。
  志村

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