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刺身を使った丼用の野菜の下拵え

昨日お話ししたように、昨日の昼ごはんは、

頂き物の平目(ひらめ)で仕立てた平目丼でした。

自分が作る刺身を使った丼の場合、薬味やあしらいなどをいわゆる“増し増し”にするのですが、ただ刻んで盛り付けるだけでは、美味しさにはかけ離れたものですので、必ずひと仕事を加えています。

ひと仕事とは言っても、日本料理の基本の下拵えでしかなく、鮨屋がこの道のスタートで、そこから日本料理の道に転がり、日本料理の仕事の奥深さを知った時、「目から鱗」という諺を感じたものでした。

もっとも、昨日の平目丼は、仕事を施したとは言え、かなり端折ったのは、

先日作った葉血引(はちびき)丼と比べれば、一目瞭然で、葉血引とは、

このような魚で、下処理の仕方は、通常の魚とほぼ同じですが、詳細については、こちらをお読み下さい。

さて、今回使った野菜は、

2色の人参、胡瓜、アーリーレッド、茗荷(みょうが)、大葉で、人参と胡瓜は桂剥きしてあります。

人参と、

胡瓜は、千切りし、このような包丁の仕方を、妻打ちとも呼んでいますが、DVを意味する言葉ではなく、DVが流布する前からある言葉です。

胡瓜、

アーリーレッド、茗荷も包丁したら、

立塩(たてじお)と呼ばれる海水程度の濃さの塩水に浸け、しんなりさせておき、大葉は、

千切りにした後、晒し、水気を切っておきます。

ここ

立塩に浸け、しんなりした野菜はざるに上げ、水気を絞り、

大葉と共にボウルに入れたら、

土佐酢で軽く洗い、これを地洗いと呼んでおり、日本料理では、汁や液体のことを、地(ぢ)と呼んでおり、土佐酢とは合わせ酢のことで、このように仕込んだものです。

こうすることで、余分な水分が抜け、料理の味と馴染みやすくなり、これこそが、日本料理の仕事の丁寧さで、似たような仕事の鮨屋にはない仕事で、冒頭でお話ししたことになります。

下拵えが整ったら、黒米入りの酢飯を器によそったら、刻みを乗せ、

包丁した葉血引と、

野菜を盛り付け、

胡麻、紅蓼(べにたで)、

天に摺り下ろした本山葵をあしらったら、野菜増し増しの葉血引丼の出来上がりです。

丁寧な仕事を施した料理は、最終的には味の違いとなるので、仮に、おかずや賄いでも手抜きは出来ません。

何故なら、料理を作るのが料理人ではなく、美味しい料理を作るのが料理人だからで、このことは、自分が師事した親方に、事あるごとに教わったことです。

親方無しの子分無しの独り仕事をしていると、いい加減な手抜き仕事を、いくらでもすることが出来ますが、自分では嘘や誤魔化しはお見通しですし、お金を頂く以上、それだけは出来ません。

「三つ子の魂 百まで」、「雀 百まで踊り忘れず」とはよく言ったもので、これからも愚直に、日々の仕事に臨んでいきます。

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