魚の仕込みが多い時のまな板の使い方
料理が好きで、料理人になって、3分の1世紀。そして、誰が名付けたのか、熱血料理人。
そんな料理への想いや日々の様子を、 3445回目の今日も認(したた)めますので、お付き合いの程、宜しくお願いします。
特別なことが 無い限り、沼津魚市場に着き、最初に向かうのが、
活魚売場で、今朝も然りでした。
生簀の前に並んでいたのが、
佐賀産の小肌(こはだ)で、1袋(0,5キロ入)を仕入れ、生簀を確認すると、
自分の買い番(47-9)が書かれた札が貼られており、中には、
0,8キロと1,1キロの福島県産の天然とらふぐがスイスイとなれば、萌え燃え・・・ 💖
活魚売場での仕入れが済み、構内を歩いていると、
荷物の仕分けをしているのが目に留まりました。
魚の入荷や水揚げは、その時次第なのですが、売場での並べ方(場所)は、基本的に同じで、この辺りに並ぶのが、鯵(あじ)、真鰯(まいわし)などです。
在庫の状況にもよりますが、
『鰯の丸煮』用の真鰯の入荷状況は、常日頃から気にしているので、素通りは出きず、先程の発泡スチロールは、
真鰯で、
良さげだったので、2ケース仕入れることにし、
漁場(ぎょば)が太平洋沖の宮城県産でした。
真鰯の中に、
小肌を入れ、
とらふぐを発泡スチロールに移し、車に積んだら、魚市場から帰ることにしました。
『佳肴 季凛』に戻ったら、
今朝仕入れた鯖(ノルウェー産)を、
『西京漬』に仕込むため、解凍することにし、フィレーと呼ばれる卸し身ですので、解凍するには、それほど時間がかかりません。
最初に、
とらふぐを締めたら、
血抜きのため、
海水へ。
魚の下処理用のまな板をセットし、
最初に取り掛かったのが、小肌です。
真鰯の氷水をボウルに入れ、
そこに、
小肌の袋を開け、取り出したら、
鱗を取り、
頭を落とし、
はらわたを抜いたら、
塩水に入れ、全て終わったら、水洗いし、
新しいまな板の上で、
開いたら、
盆ざるに乗せ、塩を振っておき、小肌の下拵えが終わりました。
小肌の次が、
真鰯の下処理で、
小肌同様の下処理をしたら、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんが、身だけなく、
焼いてから出汁を取るための頭も、水洗いしてくれ、
水洗いした真鰯のうちの何本かを、
酢締めにするため、3枚に卸すと、
白くなっているように、脂が乗っているのが、お分かり頂けると思います。
小肌同様、塩を降る頃までには、
鯖も包丁が入る程度まで解凍出来、
腹の一部を、
取り除きました。
このようにするのは、苦玉とも呼ばれる胆のうの跡が残っていると、口にした際、著しく食感を損ねるからです。
上(かみ)と下(しも)の部分に、
包丁したら、同じ身のものを重ねておいてから、
脱水シートに挟み、冷蔵庫へ。
脱水シートに挟む前に、同じものを組んでおいたのは、加熱すると、身が溶けてしまうジェリーミートと呼ばれる身質のものがあるからで、解凍した時点で、状態が分かるので、このようにしておくのです。
お話しは前後しますが、水洗いした真鰯のうちの5本は、
皮目に包丁を入れ、
昼ごはんのおかずにするため、串を打っておきました。
そして、汚れたまな板の上においたのが、
真打ちの2本のとらふぐで、とらふぐは内臓に有毒な部位があるので、いくら水洗いをするとは言っても、不都合が生じる場合を避けるため、効率良く仕込みをするため、最後に卸さなくてはなりません。
この流れだと、必要以上にまな板を洗う必要がなくなり、その手間と時間を仕込みに費やすことが可能になります。
卸した後の水洗いをしてくれるのは、
真由美さんで、水洗いをしている間に、
真鰯と、
小肌を酢に漬け、同じボウルなどを使うことで、まな板同様、洗い物を減らすことが出来るのです。
酢に漬けた後、水気を拭き取ったら、
昆布に挟み、
冷蔵庫へ。
今度は、
とらふぐの水洗いの手直しをし、
拭き上げ、
とらふぐの仕込みが終わる頃までには、
真鰯の頭も焼いておきました。
最後に、
まな板周りと、
カウンター内の掃除も終え、ランチの営業時間となりました。
ランチの営業時間の合間を見ながら、
水洗いを終えた真鰯の仕上げをすることにし、仕上げとは、
先程の鯖同様、胆のうの跡を取り除くことで、取り除いたら、
水洗いをしてもらい、
クッキングシートを敷いた鍋に並べたら、
酢締めに使った酢と水を注ぎ、
蓋をして、重しを乗せたら、超々弱火で、火に掛けました。
その後、
鯖を『西京漬』に仕込んだら、
真鰯の塩焼に粗目に卸した本山葵を添えて、昼ごはんにし、無事に半日が終わり、夜の営業に備えたのでした。
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