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HOME ≫ ブログ ≫ 糠漬(ぬかづけ)の酒樽(さかだる)を洗う

糠漬(ぬかづけ)の酒樽(さかだる)を洗う

Vol.3897

生涯、一料理人を貫くためが想いを

『佳肴 季凛』店主兼熱血料理人の

志村弘信が認(したた)めます。

今日(1月9日)は

『成人の日』ですね。

何はともあれ

新成人の方々

おめでとうございます。

定休日の今日でも

欠かせないのが

糠床(ぬかどこ)の手入れです。

御覧のように、糠床の容器は

酒樽(さかだる)です。

手入れと言っても

よくかき混ぜ

周りをきれいにふき取るのみ。

すると、ミニふぐがやって来て

「親方、いい感じの香りだね。」

「そうだね。匂いって

言わないところが、いいじゃん。」

「匂いっていうと

嫌な臭いもイメージするからね。」

「匂いと臭いを違い分けるのも

やるじゃん!」

「えへへ・・・♬

『ぬか漬をほめられると

嬉しい』って、

お客さんに言ってたけど

どういうことなの?」

「糠漬って、一朝一夕で

出来ない味だからだよ。」

「いちあさいちゆう?」

「“いっちょういっせき”

って読むんだよ。」

「読めなかったよ~。」

「漢字テスト、苦手?」

「そういうわけでもないけど

四字熟語は難しいよね。

そういう親方は?」

「得意な方だよ。

特異だけにね。(笑)」

「特異だけに得意ねぇ。

あはは・・・。」

「そんなことは置いといて

手入れをまめにするのが

美味しい糠漬を

仕上げるコツだし

時間がかかるからね。」

「時間がかかるから

一朝一夕なんだね。

読めるようになったし

意味も覚えたよ。」

「良かったね。」

「うん♬」 

糠床の手入れは

日々欠かせないのですが

かき混ぜることはしても

周りを拭かないことが続くと

このように

カピカピになってしまいます。

見た目も良くないので

当然、味にも悪影響は確実です。

こうなった時は

糠床を取り出し

水を注ぎ

カピカピの部分がふやけたら

たわしで洗い落とし

乾かし

糠床を戻せば

元通り。

この時季は

糠床を混ぜるのは

一日一回でも

十分です。

気温が高くなってきたら

朝晩2回混ぜ

さらに夏場は

朝昼晩と3回

混ぜなくてはなりません。

夏場に怠ると

味が落ちるだけでなく

糠床自体、万事休す。

そうなったら捨てて

新しい糠床を育てなくてはなりません。

一度悪くなった糠床は

残念ながら再生不能です。

その時は、潔く

あきらめましょう。

たかが糠床ですが

特別なことは大して必要ではなく

必要なのは

ただ混ぜるのみ。

塩加減、味見は欠かないのは

言うまでもありません。

でも、一番大事なのは

混ぜるのみ。

糠漬に限らず

おしんこうは、脇役も脇役で

エキストラレベルかもしれません。

とは言え

おしんこうが添えられていないと

バランスが悪いのは確かです。

「発酵食品が身体に良い。」

と言われていますが

工業製品に近いものは

❓をつけざるを得ませんし

それに添加物が入っていたら

もはや発酵食品として

無意味としか思えません。

以前お話ししたことがあるように

糠漬にはこのような効果があるのです。


糠漬のような食べ物は

地味なのは否定出来ません。

ですが、日本の伝統食である以上

それを後世に伝えるのも

料理人の役目です。

派手なことに憧れてはいても

地味にしか進めない性分ゆえ

その姿勢を貫き続けます。

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