グレードアップした『特別会席』
当店のお品書きを開き、
コース料理のページにあるのが、
『特別会席』というコースで、その料理内容については、以前お話ししたことがあり、8,500円よりとなっているように、料理内容によって、お値段は、様々です。
そんな『特別会席』ですが、今夜お出ししたものは、かなりのグレードアップした料理でした。先付は、
天然のとらふぐの白子で作った“白子豆腐”でした。これは、ランチや通常の会席料理などでもお出ししているので、グレードアップしたうちには、入りません。
この次にお出ししたのが、焼物の第一弾で、
“和牛リブロースのたまり焼”で、手前にあるのは、粗目に卸した本山葵です。
実は、初めてお客様にお出しする料理で、焼く前は、
このようにサシが入った霜降りでした。和牛は、静岡産のものです。
まだまだ、コースは始まったばかりで、次にお出ししたのが、
刺身の第一弾の“ふぐ刺”で、今日のふぐは、静岡県沼津産の天然のとらふぐで、先日仕入れたものでした。
そして、その次は、
揚物の“鮑の天ぷら”で、一緒に、
肝醤油を添えてあります。
【鮑の天ぷら】は、これまでにもお出ししたことがあり、その作り方についても書いたことがありますが、自分は、“King of 天ぷら”と呼んでいるもので、ともかく美味しいの一言に尽きます。
さらに、コースは続き、
刺身の第二弾として、“生の南鮪”を、お出ししました。ご覧のように、赤身と中とろを2切れずつ、盛り付けてあり、
今日のは、ニュージーランド産のものでした。
これで、ようやくコースも折り返し地点となり、
“すっぽん鍋”を、お出ししました。すっぽんを味わうには、やはり鍋しかありません。その出汁は、他の食材にはないもので、旨味の宝庫そのものです。
通常なら、最後でお出しする食事(ご飯もの)ですが、お腹が空いているというような感じで、コースが進んでいたので、
食事の“秋刀魚御飯”を、お出ししました。もちろん、新秋刀魚で作ったもので、このように、作ります。
土鍋で炊き、仕上がったものをお客様にお出ししたのですが、一度、厨房に下げてから、
混ぜ合わせたら、お新香と茶碗をお出しし、
お客様に取り分けてもらい、召し上がって頂きました。
“秋刀魚御飯”の後にお出ししたのが、
“銀鱈の西京焼”で、焼物の第二弾で、“秋刀魚御飯”は、薄目の味付けにしてあるので、どちらの美味しさを消すことなく、召し上がって頂けました。
そして、デザートの前に、
酢の物の“帆立の辛子酢掛け”を、お出ししました。この料理は、最初の“白子豆腐”同様、グレードアップしたものではありませんが、口直し的な料理として、欠かすことが出来ません。
ようやく、コースの〆となり、デザートは、
“桃のアイス”をお出しし、全10品のコースは、終わりました。
ここまでグレードアップすると、お客様になりたい気分が本音で、作っている時も、かなりの楽しさがあっただけでなく、お客様のご感想が気になりました。
やはり、高評価を頂いたのは、“鮑の天ぷら”と“和牛リブロースのたまり焼”でした。特に、“和牛リブロースのたまり焼”は、グレードアップした『特別会席』の一品として、今後、欠かせないものとなりました。
どんなに、自分の頭の中で考えても、新しい料理が浮かぶのには、限度があり、そのヒントを与えてくれるのは、お客様であることもあります。
お客様に育てられるというか、鍛えられるというのは、料理人としては、有難い限りで、不断の努力を怠ることなく、厨房に立つことの重要性を、改めて感じましたし、そういう姿勢を大事にしながら、これからも、鍋と包丁を携え続けていきます。
コメントを残す