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もっとおいしいお話し

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天丼弁当のお礼状

ちょうど一週間前、天丼弁当を作ったのですが、

この時、長女の高校に来ている留学生の分も作り、その時、留学生に拙い英語で手紙を添えたところ、一昨日、

娘を通じて、チョコレート付で、彼女からお礼状をもらいました。

中を開けると、

慣れないながらも、平仮名で自分の名前を書いてくれ、

機会があれば、和食を作る様子を見たいとの旨や、娘が優しく接してくれていることが書かれていました。

料理を作る様子を見せてあげられるかどうかは分かりませんが、そんなチャンスがあれば、嬉しい限りでなりません。

そして、何よりも、彼女の留学体験が素晴らしいものになって欲しいものです。

鮪屋の社長が絶賛した那智勝浦産の生の本鮪(ほんまぐろ)

今朝、東京・豊洲から届いたのが、

和歌山県那智勝浦産の生の本鮪でした。

宅配便で届くので、昨日の時点で、発注するのですが、実物を見ていないだけでなく、仕入れ値を考えると、博打と言っても過言ではなく、鮪屋の社長の言いなり(!?)というか、口車に乗せられてしまこともしばしばです。

冗談はさておき、社長の言葉を信じるも何も、信頼関係の上に成り立っているとは言え、実物を見るまでは、気が気ではない一日を過ごさなくてはなりません。

昨日の場合、「今回の魚(鮪)は、どう?」と訊くと、「間違いなく、年間ランキング入りは確実です!何キロくらい?」と、豪語したのです。

「またぁ~。本当に?」と言うと、「ともかく、季凛さん好みだし、楽しみにしておいて下さい!」と言われ、電話を切ったのでした。

その後、メールで目方と送り状の番号を確認し、先ほどお話したように、気が気でない一日を過ごしていたのですが、実物を見ると、社長の言う通りで、嬉々としながら、「間違いなく、ランキング入りだし、悔しいくらいに良過ぎるよ♬こういうのを、次回も頼みますよ。」と伝えると、「でしょ!でしょ♬」と返され、包丁を入れることにしました。

見た目は良くても、皮目にシミと呼ばれる血痕がある場合もあり、前回入荷した那智勝浦産の生の本鮪は、

今日ほどではなかったものの、かなり質が良かったのですが、

まさに、チ~ン・・・。(半泣)

自然相手にして、社長も卸すまでは分からないのですが、長く付き合っていれば仕方がないことで、これはこれで、大人の対応をしており、そこは我慢するしかなく、商売上の付き合いというものは、そういう部分があるもので、昨今の妙なクレーマーや口コミを目にすると、辟易としてしまいます。

一抹の不安を抱きながら、血合いを外し、身と、

皮を切り分けると、

シミもなく、100点満点中120点GETにして、年間ランキング入り候補に名乗り出ました。

刺身でお出しするため、仕入れているのですが、腹の真ん中よりやや下の部分ということもあり、

大とろの先端もあり、今夜の【特別会席】の刺身として、

小肌(佐賀産)と湯葉と共に盛り付けたのですが、空気に触れたこともあり、差お出しする頃には、

うっとりするようなピンク色を帯びており、マグロ類の赤い色は、このようにして、発色するものです。

ちなみに、【特別会席】で、お出しする刺身は、このような三種盛りとふぐ刺をコンビにすることが多く、今夜も然りで、

このふぐは、三重県熊野灘産の天然のとらふぐで、会席料理のお客様には、

とらふぐ(三重産)、蛍烏賊(富山)、湯葉と共に、四種盛りとしてお出しし、腹の下ということもあり、

筋の強い部分もあるので、

小鍋仕立ての生の本鮪のしゃぶしゃぶとして、お出ししましたが、常連さんということもあり、少しばかりバージョンアップしたのは、ご承知おき下さい。

一年間で約50回、本鮪をはじめ、マグロ類を仕入れるのですが、本当に良いものとなると、10回つまり、2割ぐらいで、自然相手の天然素材の難しさを感じざるを得ません。

しかも、自分の手元に来るものは、鮪屋の社長の目利き次第ですし、マグロ類ような大きな魚は、その道のプロに委ねた方が無難というより、間違いないのです。

昨年の10月からは、豊洲のサブとして、川崎北部市場の鮪屋とも取引を始めており、自分としては心強く、水産資源が枯渇しつつある時世ですが、その隙間をぬぐって、良質なものを仕入れたい限りでなりません。

漬魚(つけうお)日和

今度の日曜日が「母の日」ということもあり、

今日は、昨日箱詰めしておいた『西京漬』を、

それに合わせ、発送しました。

連休後は、「母の日」をはじめギフトのご注文が重なったこともあり、今日は、

銀鱈(カナダ産)と、

鯖(ノルウェー産)を、『西京漬』に仕込みました。

また、賄い用には、

いわゆる塩鮭(北海道産)のかまの部分と、

紅鮭(アラスカ産)の粕漬を仕込み、銀鱈の切り落としの部分も、

粕漬に仕込みました。

さらに、漬魚ではないものの、

鯖の塩辛の汁に漬け込んでから干した鯖(ノルウェー産)も仕上がり、漬魚好きの自分にしては、後日が楽しみでなりませんが、銀鱈の粕漬と干した鯖の仕込み方については、これまた後日、お話しさせて頂きます。

ところで、最近では、魚よりも肉が好まれる風潮というか、魚よりも肉の消費量が多くなってしまい、時代の流れとは言え、寂しい気がします。

肉には肉の美味しさがありますが、基本的に肉は、牛、豚、鶏の三種類で、それに対し、魚は無限とまではいかないものの、かなりの数があります。

また、日本料理は四季を味わう料理で、周りを海で囲まれた日本列島では、時季により、旬の魚を味わうこと出来、それこそがご馳走で、日本料理の世界に身を置いた以上、魚をはじめとする海産物の美味しさを追い求めるだけでなく、多くの方々に知ってもらえるよう、日々厨房に立ち続けます。

オス、メス判別不能のジャンボちゃんこと、超特大の天然とらふぐ

5月も半ばに差し掛かると、早起きして沼津魚市場に行くことも、それほど苦にならないのは、陽気も良くなり、

今朝も着いた頃には、夜もほぼ明けており、

富士山も見えそうで、見えなさそうでしたが、今日のお天気の良さを期待出来そうな感じでした。

魚市場に来た目的は、仕入れですので、先ずは、自分宛の活かしの天然のとらふぐ(三重産)が届くことになっていた売場に向かうと、

それと思しき荷姿のものが、

目に入り、

案の定ではあっても、中を開けるまでは、気が気でなりません。

中を開けると、

水曜日だけにスイスイとなれば、萌え燃え・・・💖

その後、ひととおりの仕入れを終え、『佳肴 季凛』に戻り、

締めることにしたのですが、

この時、すでに、

産卵時期ということもあり、お腹から卵が出ていました。

締めたら、

血抜きのため、海水に戻し、出汁を引くなどのルーチンの段取りに取り掛かることにしました。

その後、他の魚の仕込みも終えたので、

とらふぐを卸すことにしたのですが、御覧のように超特大サイズにして、“ふぐに魅せられし料理人”の自分が、萌え燃え・・・💖の想いを込めて、ジャンボちゃんと呼んでいるサイズのものですので、ツーショットは欠かせません。

ジャンボちゃんとは、4キロ以上のものですが、2,5キロ以上4キロ未満のものをBIGちゃん、0,5キロ以上2,5キロ未満 のものを並とら、0,5キロ未満のものをチビとらと呼んでおり、ジャンボちゃん同様、自分の独断と想いだけでつけたものです。

また、このジャンボちゃんの目方は、

5,6キロで、さらに言うと、令和になってから初めて入荷した天然のとらふぐでもあり、令和初のとらふぐがジャンボちゃんとは、自分にとって、この上ないプレゼントなのは、言うまでもありません。

自分の手を離れ、

まな板に置き、卸すと、

予定通り真子(卵巣)が出て来たのですが、よく見ると、真子だけでなく、

真子の隣に白子(精巣)と思しきものがあり、

半分に包丁すると、中が空洞ではありませんでした。

白子は中が詰まっているのに対し、真子は、

空洞で、この違いがオスとメスの生殖腺を判別する方法です。

とらふぐは雌雄同体と言って、生殖腺に異状があるものが時々いて、これまでに何度も見たことがあるのですが、ジャンボちゃんのようなサイズのもので見るのは初めてのことでした。

生殖腺の異状はいろんなケースがあるのですが、とらふぐの場合、ある程度の大きさまで成長しないと、産卵しないので、もしかすると、産卵の経験の可能性もあり、食用か否かどうかよりも気になり、自分にとらふぐの知識を授けてくれる専門家のお二方に、この写真を見せることにしました。

お二方から確実なお答えを得ることが出来なかったので、お二方のうちのおひとりは、現役ということもあり、

これらを、

真空パックして、冷凍しておき、その方に送る段取りを取りました。

ちなみに、このような生殖腺は、食用不可ですが、身を食べるのは何ら問題なく、メスのとらふぐと言うのが、妥当かもしれません。

その後、卸したジャンボちゃんを、

女将兼愛妻(!?)の真由美さんが水洗いしてくれたら、

自分が手直しをし、

真由美さんが拭き上げてくれ、

最後に、

まな板回りを掃除してくれ、ジャンボちゃんにして、令和初のとらふぐの仕込みが終わりました。

先程お話ししたように、ジャンボちゃんの生殖腺が気になるばかりで、専門家の判断が楽しみですし、どこまでいっても、天然のとらふぐに関しては、追い求め続けないと気が済まない自分です。

★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★

この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。

s- すずしげ.jpg

当店オリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした、清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。

GW明けは、バスツアー

ゴールデンウィークも終わったようですが、火曜日ということで、一週間が始まりました。

昨日お話ししたように、
今日はバスツアーのお客様がお見えになるのですが、実は、昨年のゴールデンウィーク明けも同じだったのです。

出汁を引くなど、普段の段取りを終えたら、

盛り付けをすることにしました。

座敷とテーブル席の両方を使うこともあり、

スムーズにお出し出来るよう、

付箋を貼っておき、

デザートの苺のムースから盛り付けたのですが、団体の御席の時は、冷蔵庫にしまう都合上、最後にお出しするものから、さかのぼって盛り付けをしています。

デザートの次に、

刺身替りの山掛け、

先付のうすい豆腐(グリンピースで作った豆腐)、

お新香を盛り付けたら、冷蔵庫にしまっておくものが全て終わりました。

その後、

小鍋(ひじきと野菜の小鍋仕立て)を盛り付け終えたら、

御席にセットしたのですが、今日のお客様は募集型のツアーということもあり、少人数のグループも多かったので、

カウンターにも御席を用意し、全ての準備が整い、

玄関先のメニュースタンドには、

満席のお詫びを掲げておき、御来店時間が1時の予定だったので、

早めのお昼を取ることにし、こういう時は、温めるだけですむカレーになるのは、いつものことです。

添乗員から、連絡が入ったので、

打水をしたら、人数も多いこともあり、

二品御用意する揚物の1つの鶏の唐揚だけ揚げて、温蔵庫にしまっておいて、程なくすると、

バスが到着し、一気にバタバタモードになり、戦場と化し、御食事を終えたら、

バスに乗り込み、次の見学地へ向かったのですが、約1時間ですので、そのバタバタは、戦場さながらです。

今度は、片付けをするので、再びバタバタモードとなり、

器を下げ終えた真由美さんと自分が、

二人して、

洗い物をし、

その頃、 ホールスタッフが座敷とテーブルの掃除をやってくれ、 ようやく片付けも終わりました。

休み明けの今日だけでなく、来週の休み明けの火曜日も、バスツアーのお客様がお見えになるので、今日のような一週間の始まりとなります。

★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★

この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。

s- すずしげ.jpg

当店オリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした、清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。

GW最終日は、バスツアーの準備

今日で、ゴールデンウィークも終わりですが、月曜日以外は、いつものように仕事をしていたというより、店番をしていた自分です。

そんな今日は月曜日ということもあり、定休日だったのですが、明日、バスツアーの団体のお客様がお見えになるので、その仕込みや準備をしました。

先付のうすい豆腐(グリンピースで作った豆腐と、

デザートの苺のムースを仕込んだら、

サラダ素麺の野菜を、

包丁したのですが、野菜には、茗荷、長葱、ピーマン(赤、緑)、パプリカ(黄)、レッドキャベツ、アーリーレッド、紅芯大根、人参(赤、黄)が入っています。

その頃、女将兼愛妻(!?)の真由美さんは、

座敷と、

テーブル席のセットをしてくれたのですが、団体のお客様でも、明日は募集型のツアーですので、グループごとに、御席を用意しました。

セットを終えた真由美さんは、

御飯用のおひつを用意し終えたら、仕込みに参戦。

先ずは、

山掛け用の大和芋を卸してくれたら、それを自分が、

出汁で伸ばしておき、

冷蔵庫へ。

その後、真由美さんは、

揚物用の鯵に、

打粉をしてくれました。

仕込みが終わったら、

真由美さんが洗い物をしてくれている間に、自分は、

米を研いだり、

使った包丁を砥いだのですが、今日使ったのは、1本だけでした。

そして、最後に、

器出しをし、仕込みと準備が終わりました。

明日は、バスツアーのお客様で、座敷、テーブルとも満席ですので、

メニュースタンドにお詫びを掲げておいたように、フリーの方の御席を御用意することが出来ませんので、ご了承下さい。

韓国産の真桑瓜(まくわうり)のチャメ

今日は、全国的に「こどもの日」ですが、そんなこともあり、次女の自宅待機用に、

こんなお弁当を作りましたが、盛り付けの希望は、次女自らによるものでした。

前置きはさておき、先日、スーパーの青果売場で買って来たのが、

チャメなる果物です。

チャメとは聞き慣れない果物ですが、

韓国産の真桑瓜(まくわうり)で、

おチャメちゃんなるゆるキャラのイラストも描かれていただけでなく、

食べ方も書かれていました。


真桑瓜と言うと、味のないメロンと思われがちですが、個人的には、マスクメロンのような網目のあるメロンよりは、網目のないメロンの方が好きで、その理由は、あまり甘くないことによります。

能書きはさておき、肝心なのは味ですので、

袋から取り出すと、

このような縞模様をしており、きれいに洗ってから、

包丁すると、国産の真桑瓜と違わぬ実をしており、

種を取り除いたら、

皮を剥き、

包丁したら、

器に盛り付けたのですが、自分用ですので、味も素っ気もない盛り付けは、ご容赦下さい。

真桑瓜と同じ様な味ですが、チャメの方がシャキシャキしており、梨のような食感で、真桑瓜好きの自分としては、機会があれば、また買ってみるつもりです。

天丼弁当

今日は、

5時過ぎに厨房に行き、お弁当を作り始めたのですが、お弁当と言っても、今日のお弁当は、ゴールデンウィーク中ということもあり、娘達のお弁当で、今日のお弁当は天丼にしました。

自分には二人の娘がいるのですが、今日は、

3つ用意することにしました。

3つ用意したのは、長女の通う高校にオーストラリアからの交歓留学生が来ていて、その留学生が、同じ部活に入っているので、その分も作ることにしたからです。

また、明日が「こどもの日」ということもあり、

割り箸に、

次女が折ってくれた兜を添えてくれたのですが、付箋が貼ってあるのは、長女と留学生の名前を隠すためです。

さて、本題の天ぷらというか、天種は、

海老、

鯵、

湿地(しめじ)、

南瓜、

ピーマンで、

全部で5種類、用意しました。

これらに、

打粉をしたら、

小麦粉、水、卵を合わせた衣にくぐらせたら、

170度の油で、

揚げました。

同時進行で、

丼つゆを沸かしておき、

炊き上がった御飯、

御飯をよそったら、

丼つゆを御飯にかけ、

丼つゆにくぐらせた天ぷらを、

御飯の上に乗せたら、

出来上がりました。

そして、

長女と留学生の分と、

次女の分が、用意出来ました。

写真はありませんが、拙い英語で、自分が手紙を書き、お弁当と一緒に渡してもらい、日本での生活を楽しんでもらうことを伝えたのですが、帰宅した長女によれば、美味しくて、喜んでくれたのことで、それが何よりでした。

三重県安乗(あのり)産の鯖(さば)の塩辛

先日、

三重県安乗(あのり)から届いたのが、

鯖の塩辛です。

安乗は、天然のとらふぐをはじめ、様々な魚が水揚げされており、自分のとらふぐの仕入れ先のひとつでもあり、当ブログにも何度も登場していますが、その一部がこちらです。

鯖の塩辛は、

烏賊(いか)の塩辛や鰹(かつお)の塩辛とは異なり、

鯖の身と塩だけで作られている発酵食品で、安乗は、古くから 鯖の塩辛は有名で、かつて、伊勢志摩で安乗と言ったら、鯖の塩辛だったようです。

袋を開けると、

このような状態で、骨や皮付のまま、ぶつ切りになっているので、食べにくいのですが、食べるというよりは、しゃぶるというのが正しいかもしれません。

また、かなり塩辛いのですが、旨味はかなり強く、発酵しているものの、鰹の塩辛のようなクセはなく、魚好きにはたまらない一品です。

安乗では、塩辛い時は、生姜を入れた酢につけ、塩辛さを和らげたりもするそうで、最近では、アンチョビのようにクリームチーズと合わせたりもしているとも聞きました。

食べ方としては、

所謂“ON THE RICE(オン・ザ・ライス)”つまり、そのまま白御飯の上に乗せるか、酒の肴と言っても、ともかく日本酒との相性は抜群です。

そのままだと食べにくいので、

干してみたところ、さらに塩辛くはなったものの、そのままむしって食べることが出来、あまりの美味しさに、写真を撮ることすら忘れてしまいました。

これを炙ってから、お茶漬にするのも良さそうですし、工夫次第では、色々と出来そうな感じでもあります。

さらに、鯖の塩辛自体よりも気になるのが、鯖の塩辛のつけ汁で、これで鯖の身を漬け込んでから、天日で干し、焼物に仕立てると、美味しいはずで、機会を見て、試してみる予定です。

昨今、発酵食品は、敬遠されがちで、糠漬もそのひとつで、日本の食文化が崩壊しつつあるのが気になって仕方なく、心配でなりません。

時代の流れで、添加物が多く含まれた加工食品が幅を利かせ、本物が失われることだけはしたくありませんし、日本料理文化を後世に伝えるため、その魅力を知ってもらえるよう、これからも日々の仕事に臨む所存です。

牛肉、新生姜入りの筍(たけのこ)御飯

この時季の王道とも言うべき炊き込み御飯と言えば、

筍御飯で、仕立て方は様々ですが、具材は筍と油揚げが、もっとも一般的で、自分も、そのように仕立てています。

静岡県富士市のような地方に住んでいることもあり、この時季は、筍をもらうことも多いので、時間に余裕がある時は、ひとひねりした筍御飯を作ってみることもあり、そんな今日作った筍御飯は、

牛肉と新生姜入りの筍御飯で、 新生姜も、筍同様、今が旬の食材で、そういう意味では、 旬の合わせ技と言えるかもしれません。

ということで、今回のお話しは、牛肉と新生姜入りの筍御飯の作り方についてです。

筍は、常の通り、アク抜きのため、

糠湯がきし、一晩鍋に留めておいた後、

包丁します。

新生姜は、

桂剥きしてから、

繊切りし、水に晒しておきます。

そして、牛肉ですが、

オーストラリア産のバラ肉や、切り落しです。

本音を言えば、和牛のロースを使いたいのですが、一般の方でも、ワンランク上の筍御飯を味わって頂けるよう、お値打ちな輸入ものにしました。

牛肉は、アクと余分な脂を取り除くため、

沸騰したお湯で霜降りし、

氷水で冷やし、粗熱が取れたら、ざるに上げておきます。

これで、全ての食材の下拵えが整い、あとはこれらを煮含めるのですが、炊き込み御飯は、下味を付けてから、その出汁で米を炊き、炊き上がる頃合いを見計らい、具材を入れ、炊き上げるのが本来のやり方です。

米をはじめ、全ての食材を一緒に炊き上げるのも、間違ってはいませんが、ワンランク上の味わいを求め、そこにこそ、料理人の真骨頂がある以上、手間を惜しむわけにはいきません。

鰹節、宗田節、昆布、干し椎茸の足で取った一番出汁に、

牛肉と日本酒を入れたら、強火で一気に加熱すると、

アクが浮いてくるので、取り除きます。

霜降りしてあるので、それほどアクも出ないのですが、アクが出なくなったら、日本酒、薄口醤油、塩、味醂、赤酒で味を調え、

筍と、

新生姜を入れ、ひと煮立ちしたら、火を止め、

ひと晩おくのですが、この時注意しなくてはならないのが、筍の芯が完全に温まってから、新生姜を入れるのですが、いわゆる足が速い筍は、ちゃんと加熱することで、そのようなことが防げるので、些細なことでも、注意が必要です。

炊く時は、

筍、牛肉、新生姜の具材と、

煮汁を別にしたら、

白米、押麦、もち米と共に、

釜に入れ、炊きます。

湯気が上がってきたら、

具材を釜に入れ、

あとは炊き上がるのを待つばかりです。

炊き上がって、10分程度蒸らしたら、

丁寧に、

混ぜ合わせたら、

冒頭の写真のように、茶碗によそります。

牛肉の旨味が筍と御飯に加わり、それらを新生姜の風味が引き立ててくれます。

筍御飯をはじめ、炊き込み御飯の歴史は比較的新しいもので、広まったのは明治以降のことですが、その理由は、米そのものの供給が安定し、一般の方が入手しやすくなったことによるものです。

また、祭事などのハレの日で振る舞われるもてなし料理で、御馳走感のあるものでもあり、個人的にも、好きな料理でもあります。

時季のものを、主食である米と共に食べるのは、日本人の季節感を重んじることの現れでもあり、日本料理の世界に身を置く以上、やはり季節感を大事にし、多くの日本人の方々も忘れないで欲しい限りでなりません。

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