蜆(しじみ)の産地
先日、蜆の味噌汁について、お話ししましたが、その時の蜆の産地は、
島根県宍道湖(しんじこ)産のものでした。
普段通う沼津魚市場の貝類を扱う売場には、
様々な産地の蜆が入荷しており、蜆の味噌汁がお気に入りの自分としては、素通り出来ないこともあり、蜆の産地が、今回のお話しです。
蜆は、海水と淡水が混じり合っている汽水域の河川の河口部か、海水が遡流する湖沼にしか生息することができない生物で、生息域の塩分濃度は、0,3~1,0%の範囲ですので、0,0%の河川(淡水)や、3,3%の海(海水)では生息できません。
様々な産地の蜆が入荷しているのですが、一番目にする機会が多いのが、
青森県産と、
島根県産ですが、青森県産は、小川原湖(おがわらこ)や十三湖、島根県産は宍道湖をはじめとする様々な産地です。
これら以外には、
東京都荒川産や、
千葉県産が入荷しており、千葉県産は、利根川です。
これら以外には、愛知県産の蜆も入荷しており、
木曽三川と呼ばれる長良川、揖斐川、木曽川のものです。
珍しいところでは、
ロシア産のものもありますが、一度試したところ、旨味に欠けるだけでなく、蜆特有の風味も、乏しいものでした。
国産の蜆は、全て試したことがありますが、青森県と島根県産のものが、出汁の出方が良いので、結果的に、もっとも多く仕入れています。
ところで、蜆の名前の由来ですが、殻が小さく縮んでいるように見えることから、縮み(ちぢみ)が転じて、しじみになったと言われており、漢字の蜆は、虫(小さなもの)+見(現れる)で、浅瀬に姿を現す小さな貝という意味とのことです。
汁ものにする貝類の浅蜊(あさり)や蛤(はまぐり)に比べ、小さな蜆は、文字通り地味(じみ)な素材なのは、否定出来ませんが、その滋味(じみ)深い味わいが、蜆ファンの自分としては、その語源だと思っています。
派手なことに憧れながらも、地道というより、不器用にしか、仕事をこなすことの出来ない自分にとって、同類のような気がしてならないのも、その味わい以上に、蜆に惹かれているのかもしれません。
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